漢字の覚え方 犀

今日は、犀（サイ・セイ）、遲・遅 （チ・おそい）、稚・穉 （チ・わかい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『犀（サイ）』です。動物の犀（サイ）を象った象形文字です。二つの漢字は同じ『犀（サイ）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。犀（サイ）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。遅 （チ・おそい）は中学生 、稚（チ・わかい）は中学生 習う常用漢字です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。犀（サイ）は人名用漢字、遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『犀（サイ）』xī は、犀（サイ）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、㞑 ・尾（しっぽ）＋牛（牛に似た動物）＝犀 （ゆっくり歩く牛に似た動物。犀。さい）です。漢字の部首は『牛・うし』、漢字の意味は『犀（さい）』、『鋭い角』、『堅くて鋭い』です。獣（けもの）の名前で、鋭い角を持ち、皮膚が堅いため、昔はよろいに用いられていました。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』です。兵器が堅くて鋭利なことを犀利（サイリ）といいます。樹皮が犀の足に似た樹木を木犀・木樨
（モクセイ）といいます。

堅固な漢字で『かた』と名前に使われます。

犀（サイ）は人名用漢字です。

　『遅・遲 （チ）』chíは、犀（サイ）がゆっくり歩く様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（進む）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝遲・遅（犀（サイ）がゆっくり歩く。遅い。遅れる）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』、『気長に待つ』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 羊 が使われます。常用漢字では、遅の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』です。物事が定時より遅れて延びることを遅延（チエン）、遅いことと速いことを遅速（チソク）、文章を書くことが遅いことを遅筆（チヒツ）、日が長くなり遅くまで明るくなった春の日を遅日（チジツ）、決められた時刻に遅れることを遅刻（チコク）といいます。

待ってあげる意味を表すため、『まつ』と名前に使われることがあります。

漢字の部首は『辶・しんにょう』は足で道 を行くことを表しています。足の向きや状態はいろいろあります。

☆前向きの場合　進（すす）む　迫（せま）る　迎（むか）える　邀（むか）える　近（ちか）づく　過 （すぎ）る　逼（せま）る　追（お）う　遂（と）げる　逢（あ）う　遇（あ）う　遭（あ）う　遘（あ）う　邂（あ）う　逅（あ）う　連（つら）なる　通（とお）る　透（とお）る　達（とお）る　遣（つか）わす　這（は)う　辿（たど）る　迄（いた）る　込（こ）む　 適（かな）う　遡（さかのぼ）る

☆後ろ向きの場合　退（しりぞ）く　逆（さか）らう　逃（に）げる　逡（しりぞ）く　遁（のが）れる　避（さ）ける　遠（とお）のく　　遺（のこ）す　迭（か）わる　迂（まが）る　逝（ゆ）く　違（そむ）く　遜（へりくだ）る　遮（さえぎ）る

☆戻る場合　還（かえ）る　返（かえ）す

☆廻る場合　廻 (めぐ）る　巡（めぐ）る　辺（あた）り　遊（あそ）ぶ　遍（あまね）く　迷（まよ）う

☆足のスピード　速（はや）い　遅（おそ）い　迅（はや）い　遥（はる）か

☆歩く場所　道（みち）　途（みち）

☆作業を進める　造（つく）る　述（の）べる　選（えら）ぶ

遅（チ・おそい）は中学生 で習う常用漢字です。遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れています。

　『稚・穉（チ）』zhì は、作物の成長が遅い様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾（作物）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝稚・穉 （成長の遅い作物。わかい。おさない・いとけない）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 隹 が使われます。常用漢字では、稚の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは常用外に『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない・稚（いとけな）い』があります。年齢が幼いこと・やり方が未熟なことを幼稚（ヨウチ）、物事の出来が子供っぽく下手（へた）なことを稚拙（チセツ）、幼い子供・寺院に仕える少年を稚児（ちご）といいます。

稚（おさな）いは幼（おさな）いと書くのが普通です。

改定常用漢字表では稚児（ちご）と読みます。

稚（チ・おさない）は中学生  で習う常用漢字です。穉（チ・おさない）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-77be88.html

『漢字の覚え方 犀』　犀　遅　遲　稚　穉

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.動物の さい（　　　）。

2.きんもくせい（　　　　）。

3.ちえん（　　　）行為。

4.学校に ちこく（　　　）。

5.ようち（　　　）園。

6.ちぎょ（　　　）の放流。

解説です。基本の漢字は犀、遲（おそ）いは辶（しんにょう ）を足して遲、穉（おさな）いは禾（のぎへん ）を足して穉 です。

解答です。犀、金木犀、金木樨、遅延、遅刻、幼稚、稚魚。

漢字の覚え方 齊

今日は『斉（齊）（サイ・セイ）』qí、jìという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には斉（齊）（サイ・セイ）・斎（齋）（サイ）、剤（ザイ）、済（サイ）、臍（サイ・セイ）という漢字があり、『斉（ととの）う』『斉（ひと）しい』というイメージがあり、音読みは『サイ』や『セイ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて、漢字の足し算で一緒に覚えると便利です。『斉（齊）』に何を足したら斎（齋）（サイ）、剤（ザイ）、済（サイ）、臍（サイ・セイ）になるのかを考えます。済は小学校6年生で習う漢字 、斉 、斎、剤は中学校で習う常用漢字です。学校、学年に関係なく一緒に覚えましょう。 　

　『斉（齊）（サイ）』qí、jìは、祭壇がととのえられている様子を表す象形文字です。漢字の部首は『斉・さい』、漢字の意味は、『斉（ととの）う』、『調整する』、『斉（ひと）しい』です。

音読みは呉音が『ザイ』・『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが常用外に『斉（ととの）う』『斉（ひと）しい』があります。声をそろえて唄うことを斉唄（セイショウ）、同時にそろって何かをすることを一斉（イッセイ）といいます。

非常に良い意味の漢字で『きよ』、『ただ』、『ただし』、『とき』、『とし』、『なお』、『なり』、『ひとし』、『まさ』、『むね』、『よし』と名前に使われます。

斉（サイ・ひとしい）は中学生 で習う常用漢字、齊（サイ）は人名用漢字です。

　『斎（齋）（サイ）』zhāiは、祭事に関して心を一つにして準備する様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、齊・斉（ととのえる）＋示（祭事）＝齋・斎（祭事に関して心一つにして準備する。斎む。いむ）です。漢字の部首は『斉・さい』、漢字の意味は、『斎（い）む』、『斎（いつき）』、『僧の食事』です。

音読みは呉音が『ゼ』、漢音が『サイ』、訓読みが常用外に『斎（い）む』、『斎（いつき）』があります。神を祭る時に飲食をつつしんで、心身を清めることを斎戒（サイカイ）、勉強のために心を一つにしてこもる部屋を書斎（ショサイ）といいます。

非常に良い意味の漢字で『いつ』、『いつき』、『いわい』、『きよ』、『ただ』、『とき』、『ひと』、『ひとし』、『よし』と名前に使われます。

斎（サイ・いつき）は中学生 で習う常用漢字です。

　『剤（ザイ）』jìは、漢方薬を切りそろえて整える様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、齊・斉（ととのえる）＋刂（切る）＝剤（漢方薬を切りそろえて整える。すくう。調整する。済ます）です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は、『漢方薬を調整する』です。

音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『セイ』です。薬物を配合し調整することを薬剤（ヤクザイ）、薬物に添加物などを配合、成形して加工することを製剤（セイザイ）といいます。

剤（ザイ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『済（サイ）』jìは、不足を補って平等にする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋齊・斉（ととのえる）＝濟・済（川の水量を調整して不足を補う。すくう。調整する。済ます）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は、『済（すく）う』、『調整する』、『済（す）ます』です。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『済（す）む』、常用外に『済（すく）う』があります。苦しんでいる人を救い助けることを救済（キュウサイ）、人間の生活に必要な金銭のやりとり・世を治め民を救うことを経済（ケイザイ）、借りた金や物を相手に返すことを返済（ヘンサイ）といいます。

大変良い意味の漢字で『いつき』、『お』、『かた』、『さだ』、『さとる』、『すみ』、『ただ』、『とおる』、『なり』、『なる』、『まさ』、『ます』、『やす』、『よし』、『わたす』、『わたり』、『わたる』と地名、川名、名前に使われます。

済（サイ・すむ）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/1SSc4hW です。

　『臍（セイ）』qíは、臍（へそ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、月（身体）＋齊・斉（ととのえる）＝臍（身体の上下中央にあるととのえられた部分。臍。へそ）です。漢字の部首は『月・にくづき』、漢字の意味は『臍（へそ）』、『臍（ほぞ）』です。

音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『セイ』、慣用音が『サイ』、訓読みが『臍（へそ）』、『臍（ほぞ）』です。臍の緒を臍帯（セイタイ・サイタイ）、臍の下の腹部を臍下丹田（セイカタンデン）といいます。

医学用語では慣用音の臍（サイ）と読みます。

臍（セイ・へそ）は常用漢字から外れています。

齊（サイ）を使った漢字には、擠（セイ・おとす）、隮（セイ・のぼる）などがあります。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-760f.html

『漢字の覚え方 斉』　斉 齊 斎 齋 済 剤 臍

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.いっせい（　　　）調査。

2.さいかい（　　　）沐浴。

3.しょさい（　　　）で執筆。

4.やくざい（　　　）師

5.人民を きゅうさい（　　　）する。

6.借金の へんさい（　　　）。

解説です。基本の漢字は斉、示を足して斎、刂（りっとう）を足して剤、氵（さんずい）を足して済、月（にくづき）を足して臍です。

解答です。一斉、斎戒、書斎、薬剤、救済、返済。

漢字の覚え方 歳

漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『歳（サイ・セイ・とし）』suìという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には歳（サイ・セイ・とし）、穢（ワイ・きたない）、噦（エツ・むせぶ）という漢字が含まれます。これらの漢字は『歳（サイ）』という同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『歳（サイ）』に何を足したら、穢（ワイ）、噦（エツ）になるのかを考えてます。歳は中学生 で習う常用漢字、穢、噦は常用漢字から外れていますが、学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『歳（サイ・セイ）』suìは、一年が進む様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、歩(止＋少)（進む）＋戉(刃物・収穫）＝歳（刃物を使って収穫するまでの歩み。一年。とし）です。漢字の部首は『止・とまる』、漢字の意味は『一年』、『年齢』、『毎年』、『作物』です。

一年の経過を表す『歩』は『止』と『少』に分けて使われます。歲の字体もありますが、常用漢字体の歳を使います。簡体字では岁と書きます。

小学校では、年齢を表す時に歳（サイ）の代わりに、才（サイ）http://bit.ly/1D67HHy を使います。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みは常用外の『歳（とし）』、『歳（とせ）』です。年月のことを歳月（サイゲツ）、国家の一年の収入を歳入（サイニュウ）、歳（とし）の暮れを歳暮（セイボ）といいます。

歳（サイ・セイ・とし）は中学生 で習う常用漢字です。

　『穢（エ・ワイ）』huìは、収穫物がばらばらで穢（きたな）い様子を表す形声文字です（藤堂）。漢字の足し算では、禾(穀物）＋歳(一年の収穫物）＝穢（刈り取った後の収穫物をがばらばらで穢（きたな）い様子。穢い。きたない）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『穢（きたな）い』、転じて『穢（けが）れた』です。

音読みは呉音が『エ』、漢音が『ワイ』、訓読みは『穢（きたな）い』、『穢（けが）れた』です。きたないものを汚穢（オワイ）、穢（けが）れた現世を穢土（エド）といいます。

穢（エ・ワイ）は常用漢字から外れています。

　『噦（エツ）』yuěは、声をつまらせる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（くち）＋歳(一年の進み）＝噦（口に向かった進み。声をつまらせる。むせぶ）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『むせぶ』、『しゃっくり』です。

音読みは呉音が『オチ』、漢音が『エツ』です。声をつまらせて泣くことを嗢噦（オエツ）といいます。

嗢噦（オエツ）は嗚咽（オエツ）http://bit.ly/1EOhSlT と書くのが普通です。

噦（エツ）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-87e7.html

歳 穢 噦 『漢字の覚え方 歳』 

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.さいげつ（　　　　）人を待たず。

2.さいにゅう（　　　　）と さいしゅつ（　　　　）。

3.厭離 えど（　　　　）。

解説です。基本の漢字は歳、穢（きたな）いは禾を足して穢、噦（むせぶ）は口を足して噦です。

解答です。歳月、歳入、歳出、穢土。

漢字の覚え方 妻

漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『妻（サイ）』qīという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には妻、凄、淒、棲という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『妻』に何を足したら凄、淒、棲になるのかを考えてます。妻は小学校5年生、凄は中学校で習う常用漢字（国で定めた日常で使う漢字2136字。義務教育で習う。2010年改定）、棲は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『妻（サイ）』qīは、簪（かんざし）で飾った女性を表す会意文字です。漢字の足し算では、十（かんざしの形）＋ヨ（右手）＋女＝妻（簪（かんざし）で飾った女性。妻。つま）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『妻（つま）』、『夫と並ぶ』です。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『妻（つま）』です。夫と妻を夫妻（フサイ）、妻と子を妻子（サイシ）、妻を持つことを妻帯（サイタイ）といいます。

一般に呉音が『サイ』の場合、漢音では『セイ』と発音する場合があります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』⑭http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-adc3.html　をご覧ください。

妻（サイ）は小学校5年生で習う漢字http://bit.ly/1IcJ9kv です。

　『凄（セイ）』qīは、氷雨（ひさめ）が降り寒い様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、冫（こおり）＋妻（夫と並ぶ）＝凄（氷雨の雨脚がそっろてすごい。寒い。凄い）です。漢字の部首は『冫・にすい』、漢字の意味は『寒い』、『凄（すご）い』、『凄（すさ）じい』です。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『凄（すご）い』、『凄（すさ）まじい』です。秋の涼しい日を凄日（セイジツ）、寒さと寂しさが身滲みる様子を凄然（セイゼン）、ひどく痛ましく、みじめに感じる様子を凄惨（セイサン）といいます。

凄（セイ）は2010年に追加登録された常用漢字（国で定めた一般に日常で使う漢字2136字）で、中学校で習います。

惨（みじ）めについては『漢字の覚え方 参』http://bit.ly/1L5hzrV をご覧ください。

凄と同じ意味の漢字に淒があります。常用漢字の凄を使うのが普通です。

　『淒（セイ）』qīは、雨（あめ）が降り寒い様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、氵（さんずい）＋妻（夫と並ぶ）＝淒（雨の雨脚がそっろてすごい。寒い。淒い）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『寒い』、『淒（すご）い』、『淒（すさ）まじい』です。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『淒（すご）い』、『淒（すさ）まじい』です。秋の涼しい日を淒日（セイジツ）、寒さと寂しさが身滲みる様子を淒然（セイゼン）、ひどく痛ましく、みじめに感じる様子を淒惨（セイサン）といいます。

淒（セイ）は中学校で習う常用漢字から外れています。

　『悽（セイ）』qīは、心が切られるようにいたむ様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、忄（心情）＋凄（寒い・凄い）＝悽（心が切られるようにいたむ。悽む。いたむ）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『悽（いた）む』です。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『悽（いた）む』です。ひどく痛ましく、みじめに感じる様子を悽惨（セイサン）といいます。

悽惨（セイサン）は凄惨（セイサン）と書くのが普通です。

悽（セイ）は中学校で習う常用漢字から外れています。

　『棲（セイ）』xī、qīは、人や鳥が帰る場所、ねぐらを表す形声文字です。漢字の足し算では、木(木の上・ねぐら）＋妻（帰る場所）＝棲（木の上の鳥のすみか。ねぐら）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『棲（す）む』です。

『栖（セイ）』xī、qīhttp://bit.ly/1v1n01y が本字であるとされています。西は帰る巣を表します。一般には、西（にし）のイメージが強すぎるので、『栖（セイ）』よりも『棲（セイ）』の漢字が使われます。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『棲（す）む』、『栖（す）』です。動物が棲（す）みかとして生きることを棲息（セイソク）、住んでいるいる場所を棲・棲家（すみか）といいます。

栖息（セイソク）は生息・棲息、栖家（すみか）は棲家・住処と書くのが普通です。『栖（す）む』は『住（す）む』、『棲（す）む』、『栖（す）』は『巣（す）』と書くのが普通です。男性と女性が一緒に住むことを同棲（ドウセイ）といい、棲（セイ）を使うのが普通です。

棲（セイ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-c329.html

『漢字の覚え方 妻』　妻　凄

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ふさい（　　　）揃って参加。

2.さいし（　　　）ある身。

3.せいさん（　　　）な出来事。

4.動物が せいそく（　　　）。

5.恋人と どうせい（　　　）。

解説です。基本の漢字は妻、凄・淒（すご）い冫（にすい）・氵（さんずい）を足して凄・淒、悽（いた）むは忄（りっしんべん）を足して悽、棲（す）むは木を足して棲です。

解答です。夫妻、妻子、凄惨、淒惨、悽惨、生息、栖息、棲息、同棲。

漢字の覚え方 西

　今日は西、洒、栖、茜 という漢字について説明します。基本になる漢字は『西（サイ・セイ）』xīです。音読みは『サイ』、『セイ』、意味は『西』、『鳥の巣』、『ざる』です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。
『西』に何を足すとどんな漢字になるのかを考えます。西は小学校で2年生で、茜は人名用漢字です。一緒に覚えましょう。

　『西（サイ・セイ）』xīは、ざる・かご(藤堂・白川）、鳥の巣(許）を描いた象形文字です。ざるから流れ去る方向・日の去る方向から、西の方角を示す漢字になりました。漢字の部首は『西・にし』、漢字の意味は『西』、『西洋』です。

近年の研究では、巾着袋のようなものを表していたのでは(落合）と考えられています。
音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『西（にし）』です。西遊記（サイユウキ）、西瓜（セイカ・スイカ）、東西（トウザイ）、西洋（セイヨウ)、関西（カンサイ）、関西（カンセイ）学院の西です。

一般に呉音が『サイ』の場合、漢音では『セイ』と発音する場合があります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』⑭をご覧ください。

『西（サイ・セイ・にし）』は小学校2年生で習う漢字です。

　『洒（サイ・セイ・シャ）』shài、xǐ 、sǎは、ざる・かごで水を流して洒（あら）う様子の形声文字です。漢字の足し算では氵（水）＋西（ざる・かご）＝洒（ざる・かごで水を流して洒（あら）う）です。漢字の部首は『・さんずい』、漢字の意味は1.『洒（あら）う』、2.『そそぐ』、3.『さっぱりする』です。

読み方は1.『洒（あら）う』の呉音が『セ』、漢音が『サイ』、2.『そそぐ』の呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、3.『さっぱり』の呉音が『シャ』、漢音が『サ』です。訓読みは『洒（あら）う』です。心を洒（あら）うことを洒心（サイシン）、ひやひやする様を洒然（セイゼン）、さっぱりして落ち着いた様子を洒落（シャレ）・洒脱（シャダツ）といいます。

『洒（サイ・あらう）』は常用漢字から外れています。

　『晒（サイ）』shàiは、日の光を通して晒（さら）す様子を表す形声文字です。日＋西（通す）＝晒（日の光を通してきれいにする）。漢字の部首は『日・ひへん』、漢字の意味は『晒す』です。

音読みは呉音が『セ』、漢音が『サイ』、訓読みが『晒（さら）す』、『汚れを取る』、『風雨にあたるままにしておく』です。布の汚れを取るための粉を晒し子粉（さらしこ）、雨にあたるままにした状態を雨晒し（あまざらし）といいます。『晒』は常用漢字から外れています。

晒（さら）すは曝（さら）すとも書きます。曝は暴の『単語家族』です。漢字の成り立ちについては、『漢字の覚え方 暴』http://bit.ly/1Kz80On をご覧ください。

　『栖（セイ）』xī、qīは、鳥が住む様子、動物が住む様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、木＋西（鳥の巣）＝栖（木の上の鳥の栖。栖む）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『栖（す）む』、『栖（す）』です。

全く同じ意味の漢字で『棲（セイ）』xī、qīがあります。妻は帰る場所を表します。一般には、西（にし）のイメージが強すぎるので、『栖（セイ）』よりも『棲（セイ）』の漢字が使われます。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『栖（す）む』、『栖（す）』です。動物が棲（す）みかとして生きることを栖息（セイソク）、住んでいるいる場所を栖・栖家（すみか）といいます。

栖息（セイソク）は生息・棲息、栖家（すみか）は棲家・住処と書くのが普通です。『栖（す）む』は『住（す）む』、『棲（す）む』、『栖（す）』は『巣（す）』と書くのが普通です。男性と女性が一緒に住むことを同棲（ドウセイ）といい、棲（セイ） http://bit.ly/1DUGnR6 を使うのが普通です。

落ち着いた味のある良い漢字で、『有栖川（ありすがわ）』、『栖（すみか）』、『鷹栖（たかす）』、『鳥栖（とす）』、『森栖（もりす）』など地名、人名、宿名に使われます。

　『茜（あかね）』qiànは、夕焼け色の染料（茜・あかね）を採る植物を表す形声文字です。漢字の足し算では、艹（植物）＋西（夕焼けの空）＝茜（夕焼け色の染料をとる植物。茜。あかね）です。赤い根を染料にするのでこの名があります。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『茜（あかね）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『セン』、訓読みが『茜（あかね）』です。茜色（あかねいろ）の茜です。非常に鮮やかで綺麗な漢字で、人名・地名に良く使われます。『茜』は人名用漢字です。

秋茜（あきあかね）・Sympetrum frequens とは赤とんぼのことです。この名前で音楽活動をされていたグループもありました。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-6f73.html

『漢字の覚え方 西』 西　洒　晒 栖　茜

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.とうざい（　　　）南北。

2.にし（　）の方角。

3.しゃれ（　　　）た服。

4.自転車が あまざら（　　　）し。

5.動物が せいそく（　　　）する。

6.人の すみか（　）。

7.あかねいろ（　　　）の空。

解説です。基本の漢字は西、洒（あら）うは氵を足して洒、晒（さら）すは日を足して晒、栖（す）むは木を足して栖、茜（あかね）は艹（くさかんむり）を足して茜です。。

解答です。東西、西、洒落、雨晒し、栖息、生息、棲息、栖、栖家、棲家、住家、住処、茜色。

　少し漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の辞書は後漢（西暦100年頃）の許慎（キョシン）の「説文解字（セツモンカイジ）」です。許慎はその中で漢字について六種の原理を説明しています。これを『六書（リクショ）』といいます。六種類のうち四種類は漢字の成り立ちについて、残りの二種類は漢字の使用法についてしるしています。

彼は、漢字の成り立ちを、物の形に象（かたど）った『象形文字』（ショウケイモジ）、象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』（シジモジ）、文字を組み合わせた『会意文字』（カイイモジ）、意味と音・声を示す文字を組み合わせた『形声文字』（ケイセイモジ）の四種類に分類しました。

『西』は籠（かご）や鳥の巣（す）を象った（かたどった）文字なので『象形文字』です。『洒』は氵に西、『晒』は日に西、『栖』は木に西、『茜』は艹に西を組み合わせた文字です。『西（サイ・セイ）、（セン）』の音・声（音符）含みますから『形声文字』です。

漢字の殆どはこの『形声文字』です。漢字が足し算であるというのは、この漢字の成り立ちに関わっています。『形声文字』は音・声（音読み）が同じなので、音・声（音読み）を基にして漢字の足し算で、漢字を覚えようとしているわけです。