漢字の覚え方 目

今日は、目（モク・め・ま）、苜（モク・うまごやし）という漢字について説明します。基本になる漢字は『目（モク）』で、目を象（かたど）った象形文字です。二つの漢字は同じ『目（モク）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。目（モク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。目（モク・め・ま）は小学校1年生で習う漢字 で覚える常用漢字、苜（モク・うまごやし）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『目（モク）』mùは、目を描いた象形文字です。漢字の部首は『目・め』、漢字の意味は『目（め）』、『目印』、『網の目』、『すじ目』、『国司の四等官』などです。

音読みは呉音が『モク』が普通です。漢音の『ボク』はあまり使いません。訓読みは『め』、『ま』です。目でみる方向・目指すものを目的（モクテキ）、目印のついた文書を目録（モクロク）、網の目を網目（あみめ）、木のすじ目を木目（モクめ）、目の意味ある動きを目配せ（めくばせ）といいます。

発音の話をします。中国では六朝時代のm音が、唐の時代にはb音に変化しました。『目（モク→ボク）』です。我が国でも、呉音（唐時代のm 音）を使います。『文・モン』と読んだり『文・ブン』と読んだりするのです。詳しくは呉音と漢音をご覧ください。

現在の北京語では『ム』mùという発音ですが、『目（モク）』miuk の上古音 は入声音とよばれ、我が国に輸入した当時は、語尾にkの音があって『モク』に近い発音だったと考えられています。

目（モク・め）は小学校1年生で習う漢字です。

　『苜（モク・うまごやし）』mùは、苜蓿（うまごやし）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋目（モクよいう音）＝苜（モクという名前の植物。うまごやし）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『うまごやし』です。西アジア原産の植物で、牧草や肥料として使われている植物です。わが国でもムラサキウマゴヤシが、アルファルファという英名で知られています。

音読みは呉音が『モク』が普通です。漢音の『ボク』は使いません。訓読みは『苜（うまごやし）』です。マメ科の二年草で、牧草や肥料にするのでこの名前があります。漢語で、苜蓿（モクシュク）、牧蓿（モクシュク）と表現します。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-ecbda.html

『漢字の覚え方 目』　目　苜

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もくてき（　　　）と手段。

2.めくば（　　　）せ。

3.図書の もくろく（　　　）。

4.うまごやし（　　　）。

5.かいさつ（　　　）口。

解説です。基本の漢字は目、苜（うまごやし）は艹を足して苜です。

解答です。目的、目配せ、目録、苜、苜蓿、牧蓿。

漢字の覚え方 木

　今日は、木（ボク・モク・き）、沐（ボク・モク）という漢字について説明します。基本になる漢字は『木（ボク・モク）』です。木を描いた象形文字です。共通する音読みは『キュウ』です。これらの漢字は同じ『木（ボク・モク）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。また、木を使った漢字、林、森、休も紹介します。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。木（ボク・モク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。木、林、森、休 は小学校1年生で習う漢字 、沐は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『木（ボク・モク）』mùは、木を描（えが）いた象形文字です。漢字の部首は『木・き』です。漢字の意味は『木（き）』、『木製の』、『木曜日』、『五行の木・春・青』です。

音読みは呉音が『モク』、漢音が『ボク』、訓読みは『木（き）』、『木（こ）』です。大きな木を大木（タイボク）、日本刀を模した木の刀を木刀（ボクトウ）、原料にするために切り出した木を木材（モクザイ）、草と木を草木（ソウモク・くさき）、地面に生えている木を木立（こだち）といいます。沐（モク）が木と同じ仲間の漢字です。

呉音のモは漢音のボに変化することがあります。詳しくは呉音と漢音をご覧ください。

非常に重要な漢字で、『き』、『こ』、『しげ』と地名・人名に使われています。

木（ボク・モク・き・こ）は小学校1年生で習う漢字です。

　『沐（ボク・モク）』mù は、沐浴（モクヨク）する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋林（上から葉や枝がかぶる）＝沐（水を上からかぶって洗う。ゆあみする）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『ゆあみする』、『洗う』、『かぶる』です。

音読みは呉音が『モク』、漢音が『ボク』、訓読みは『沐（ゆあ）みする』、『沐（あら）う』です。 からだを水で洗い潔めることを沐浴（モクヨク）、雨で髪を洗うことを沐雨（モクウ）といいます。

沐（モク・あらう）は常用漢字からは外れています。

　『林（リン）』línは、林の様子を表した会意文字です。木をふたつ並べて林を表現しました。漢字の足し算で覚えるならば、木＋木＝林（木がたくさん生えている様子。林。はやし）です。漢字の部首は『木・き』、意味は『林（はやし）』、『たくさん』です。

音読みは呉音・漢音ともに『リン』、訓読みが『はやし』です。竹の林が竹林（チクリン・たけばやし）、林のように沢山立っている状態を林立（リンリツ）、山の林を山林（サンリン）といいます。大変重要な漢字ですので、地名・人名として多く使われています。

淋（リン・長い雨・淋しい）と同じ仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 林』をご覧ください。

非常に重要な漢字で、『き』、『きみ』、『きむ』、『きん』、『しげ』、『しげる』、『とき』、『な』、『はやし』、『ふさ』、『ｍじょと』、『もり』、『よし』と読み地名・人名に使われています。

林（リン・はやし）は 小学校1年生で習う漢字です。

　『森（シン）』sēnは、森（もり）を表す会意文字です。木をみっつ合わせて、たくさんの木がびっしりと茂った森を表しました(藤堂・鎌田・白川）。漢字の足し算で覚えるならば、木＋木＋木＝森（たくさんの木がびっしり茂った様子。もり）です。漢字の部首は『木・き』、漢字の意味は『森（もり）』、『多くの』、『静かな』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シン』、訓読みは『森（もり）』です。樹木が多い場所を森と林で森林（シンリン）、多く並び連なるのを森羅（シンラ）、静かで閑（のんびり・しずか）を森閑（シンカン）といいます。

森羅万象（シンラバンショウ）とは、天地の間に存在する万物やあらゆる現象をいいます。

非常に重要な漢字で、『しげ』、『しげる』、『もり』と読み、森、森田、森川、川森と地名・人名に使われています。

森は漢字の木を三つ合わせた会意文字です。『漢字の覚え方 林』もご覧ください。

森（シン・もり）は小学校1年生で習う漢字です。

　『休（キュウ）』xiūは、人が木のそばで休んでいる様子を示した会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、亻(人）＋木＝休（木のそばで休息する。休む）です。漢字の部首は『亻・にんべん』、漢字の意味は『休む（やすむ）』です。『亻』は人の行為全般を表しますが、休（木のそば）、伴（人のそば）、側（契約のそば）のように人が側（そば）にいる場合にも使われます。

音読みは『キュウ』、訓読みは『休む（やすむ）』。許可を得て学校を休むことを休学（キュウガク）、会社に申請して取る休みを休暇（キュウカ）、会社が指定している休みの日を休日（キュウジツ）、休みの日が続くことを連休（レンキュウ）、春の長期休暇を春休み（はるやすみ）、夏の長期休暇を夏休み（なつやすみ）といいます。

やすらぐ漢字で『たね』、『のぶ』、『やす』、『やすむ』、『よし』と地名・人名に使われています。

休（キュウ・やすむ）は小学校1年生で習う漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-66c19c.html

『漢字の覚え方 木』　木　林　森　休

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もくざい（　　　）の加工。

2.ぼくとう（　　　）を振る。

3.もくよく（　　　）する。

4.しんりん（　　　）を散歩する。

5.さんりん（　　　）の開拓。

6.しんら（　　　）万象。

7.夏季 きゅうか（　　　）。

8.やす（　　）み。

解説です。基本の漢字は木、林（はやし） は木を足して林、森（もり）は木木を足して森、 休（やす）むはイ（にんべん）を足して休です。

解答です。木材、木刀、沐浴、森林、山林、森羅、休暇、休。

漢字の覚え方 戊

今日は 戊（ボ）、茂（モ）いう漢字のについて説明します。基本になる漢字は『戊（ボ）』です。『ほこ』という武器を表しています。藤堂は根元に穴の空いたもので、そこへ柄をかぶせてつかうとしています。基本の音読みは『ボ』もしくは『モ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。戊に何を足すとどのような漢字になるか考えます。茂は中学校 で習う常用漢字、戊は人名用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『戊（ボ）』wùは、まさかりに似た武器を表す象形文字です。漢字の部首は『戈・ほこづくり』です。漢字の意味は『ほこ』、『十干の五番目』、『かぶせる』です。十干（甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸）（木→火→土→金→水）の五番目で土（つち）の兄（あに・え）から戊（つちのえ）と読みます

古代中国の自然哲学の思想によれば、万物は木火土金水の五元素からなり、互いに影響を与えあうとされています。木は燃えて火を生み、火は灰になって土となり、土の中から金属が得られ、金属の表面には水滴が生じ、水によって木が養われているというものです。

また、東洋では幹を表す十干（甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸）と枝を表す十二支（子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥）を使って60の組み合わせで年を数えます。明治元年が戊辰（ボシン）という年にあたるのは内戦があったためよく知られています。

音読みは呉音が『ム』、漢音が『ボウ』、慣用音が『ボ』、訓読みが『戊（つちのえ）』です。戊辰（ボシン）の年に争われた新政府と旧幕府の内戦を戊辰戦争（ボシンセンソウ）といいます。

良い意味の漢字で『さかる』、『しげ』、『しげる』と名前に使われます。

戊（ボ・つちのえ）は人名用漢字です。

　『茂（モ）』màoは、葉が茂っている様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋戊（ほこ・根元の穴に柄をかぶせる）＝茂（葉がおおいかぶさるように茂る。しげる）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』です。意味は『茂（しげ）る』です

音読みは呉音が『モ・ム』、漢音が『ボウ』、訓読みが『茂（しげ）る』です。才能の優れた人物をを茂才（モサイ）、草木が一面をおおうように勢いよくしげることを繁茂（ハンモ）といいます。

良い意味の漢字で『あり』、『いかし』、『し』、『しく』、『しげ』、『しげい』、『しげみ』、『しげる』、『たか』、『とお』、『とも』、『とよ』、『もち』、『もと』、『ゆた』と名前に使われます。

茂（モ・しげる）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-de14.html 

『漢字の覚え方 戊』 戊 茂

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ぼしん（　　　）戦争。

2.夏草が はんも（　　　　）する。

解説です。基本の漢字は戊、茂（しげ）るは艹（くさかんむり）を足して茂です。

解答です。戊辰、繁茂。

漢字の覚え方 孟

　今日は孟（モウ）、猛（モウ）という漢字を説明します。基本になる漢字は『孟（モウ）』mèngで、『大きい』というイメージがあり、音読みは『モウ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『孟』に何を足したら、猛になるのかを考えます。猛は中学生 で習う常用漢字、孟は人名用漢字です。一緒に覚えましょう。

『孟（モウ）』mèng、猛という漢字の前に　『皿（ベイ）』mǐnという漢字の解説をします。

　『皿（ベイ）』mǐnは、お皿を象った象形文字です。漢字の部首は『皿・さら』、漢字の意味は『皿（さら）』、『皿でおおう』です。

音読みは呉音が『ミョウ』、漢音が『メイ』、慣用音が『ベイ』です。訓読みは『皿（さら）』です。小さいお皿を小皿（こざら）、煙草の灰を入れる皿を灰皿（はいざら）、皿や小鉢などの器（うつわ）を器皿（キベイ）といいます。

皿を使った漢字に『孟（モウ）mèng、『血（ケツ）』xuè、xiě http://bit.ly/2aBR6FDがあります。

皿（ベイ）は小学3年生で習う漢字です。

　『孟（モウ）』mèngは、長男・長女を表す会意文字（『説文解字』には皿（ベイ）の聲とあり形声文字としています）です。漢字の足し算で覚えるならば、子（こども）＋皿（さら・皿でおおう）＝孟（おおいを抜き出た子供。あるいは、産湯につかっている子。長男・長女）です。漢字の部首は『子・こ』、漢字の意味は『最年長の者』、『はじめ』、『大きい』、『孟子の略』です。

『説文解字』には｢長なり。子に従い皿の声｣とあります。藤堂は皿を『皿でおおう』と解釈し、おおいを抜き出た子供から、年長者としています。白川は産まれた子に産湯をつかわせている形、加藤は猛から『健』、『盛』の意味としています。

音読みは呉音が『ミョウ』、漢音が『モウ』です。兄弟の順を上から、孟、仲、季といい、伯、仲、叔、季ともいいます。夏の初めを孟夏（モウカ）、孔子の唱える説を引き継ぎ儒教思想の基礎を確立させた人物に孟子（モウシ）がいます。

非常に良い意味の漢字で『おさ』、『たけ』、『たけし』、『つとむ』、『とも』、『なが』、『はじむ』、『はじめ』、『はる』、『もと』と名前に使われます。

☆竹の孟宗竹（モウソウチク）という名前は、三国時代の呉の孟宗（モウソウ）に因（ちな）んでつけられています。

孟（モウ・はじめ）は人名用漢字です。

　『猛（モウ）』měng は、いきりたって荒らしい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（犬）＋孟（おおいを抜き出る）＝猛（押さえがきかずにいきりたって出る犬。猛々しい。たけだけしい）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『猛々（たけだけ）しい』、『激しい』です。

音読みは呉音が『ミョウ』、漢音が『モウ』、訓読みは常用外に『猛（たけ）し』があります。、ものすごく激しい勢いを猛威（モウイ）、猛々しい虎・激しく強いものを猛虎（モウコ）、勢いの激しいさまを猛然（モウゼン）といいます。

非常に良い意味の漢字で『たか』、『たけ』、『たけお』、『たけき』、『たけし』、『たける』、『つよし』と名前に使われます。

★苛政猛虎（カセイモウコ）とは「悪い政治の行われている所は、虎の出る所よりも恐ろしい」という意味で、悪い政治のたとえに使われます。

猛（モウ・たけし）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-a4a5.html 

『漢字の覚え方 孟』 孟 猛 皿

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もうそう（　　　）竹。

2.孔子と もうし（　　　）。

3.インフルエンザが　もうい（　　　）を振う。

4.苛政 もうこ（　　　）。

解説です。基本の漢字は孟、猛（たけ）しは犭を足して猛です。

解答です。孟宗、孟子、猛威、猛虎、

漢字の覚え方 毛

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『毛（モウ）』máoという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には毛（モウ）、耗（モウ）、耄（モウ）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ毛（モウ）という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、漢字の足し算で、漢字をまとめて覚えると便利です。『毛』に何を足したら耗、耄になるのかを考えてます。毛はhtt小学2年生、耗は中学生 で習う常用漢字、髦は常用漢字から外れていますが一緒に覚えましょう。

　『毛（モウ）』máoは、髪の毛を表わす象形文字です。漢字の部首は『毛・け』、意味は『毛（け）』、『小さい』、『作物』、『一万分の一』です。

音読みは呉音の『モウ』が普通で、漢音の『ボウ』、慣用音の『モ』はあまり使いません。訓読みは『毛（け）』です。鳥の羽根の小さいものを羽毛（ウモウ）、作物の育たないことを不毛（フモウ）、0.3333を三割三分三厘三毛（サンモウ）といいます。

毛（モウ・け）は小学校2年生で習う漢字http://bit.ly/1TnGMiq です。象形・指事・会意・形声　二年生 もご覧ください。

　『耗（モウ）』hàoは、穀物を擦り減らす様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、耒（すき・穀物）＋毛（小さい・細い）＝耗（穀物を擦り減らす。擦り減らす）です。漢字の部首は『耒・すき』、意味は『擦り減らす』です。

音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、慣用音が『モウ』です。かたい材質のものが擦り減ることを摩耗（マモウ）、少しずつ減らすことを消耗（ショウモウ）といいます。

耗（モウ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『耄（モウ）』màoは、年老いたて小さくなる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、老（年老いる）＋毛（小さい・細い）＝耄（年老いて小さくなる。耄（おいぼ）れる）です。漢字の部首は『老・』、意味は『耄（おいぼ）れる』です。

音読みは呉音の『モウ』が普通で、漢音の『ボウ』は使いません。訓読みは『耄（おいぼ）れる』です。年老いて体が衰えた状態を耄碌（モウロク）といいます。耄（おいぼ）れる・耄碌（モウロク）はあまり良い言葉ではないし、人を傷つけることが多いので使われない方が良いと思います。

耄（モウ）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-87d7.html

『漢字の覚え方 毛』　毛　耗　耄

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.うもう （　　　）布団。

2.もうひつ（　　　）による書。

3.ふもう（　　　）の地。

4.しょうもう（　　　）が激しい。

5.部品が まもう（　　　）する。

6.もうろく（　　　）するには早い。

解説です。基本の漢字は毛、耗（ショウモウ）は耒を足して耗、耄（おいぼ）れるは老を足して耄です。

解答です。羽毛、毛筆、不毛、消耗、摩耗、耄碌。

漢字の覚え方 勿

　今日は『勿（ブツ）』wùはという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『勿』です。音読みは『モチ』、『ブツ』、『フン』などで、意味は『いろいろ』、『乱れる』、『わからない』です。勿、物、吻、刎、忽、惚、笏などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『勿』に何を足すと物、吻、刎、忽、惚、笏になるのかを考えます。物は小学校で3年生で習い、勿、吻、忽、惚は人名用漢字です。

　『勿（モチ・ブツ）』wùは、いろいろな吹き流しが乱れる様子を表す象形文字(藤堂）です。乱れたいろいろな吹き流しから、『いろいろ』、『良く見えない』、『わからない』、『ない』などの意味が生じました。漢字の部首は『勹・つつみがまえ』、漢字の意味は、『わからない』、『ない』です。

最古の辞典『説文解字』では、旗（はた）と柄（え）の象形、旗（はた）は三つ游（およ）ぐ有（あ）りとあります。

音読みは呉音が『モチ』、漢音が『ブツ』、訓読みは『勿（なか）れ』です。論ずる必要のないこと・当然のことを勿論（モチロン）、心がうつろで憂える様子を勿勿（ブツブツ）といいます。

勿（モチ・ブツ）は人名用漢字です。

似た漢字に『窓（まど）』、『忙しい』を表す匆（ソウ）http://bit.ly/1VI133l がありますが、別字です。

　『物（モツ・ブツ）』wùは、いろいろな物を表す形声文字です。元の意味はいろいろな牛（うし）を表す漢字でしたが、いろいろな物を表すようになりました(藤堂）。漢字の足し算では、牛＋勿（いろいろ・乱れる・わからない）＝物（いろいろな物。もの）です。漢字の部首は『牛・うしへん』、漢字の意味は『物（もの）』です。

音読みは呉音が『モツ』、漢音が『ブツ』、訓読みは『物（もの）』です。物事の道理・運動・光・音などを研究する学問を物理（ブツリ）、食べ物を漢語で食物（ショクモツ）といいます。

漢字の世界では、生きている物を生物（セイブツ）、動く生き物を動物（ドウブツ）、根があって動かない（植）生き物を植物（ショクブツ）、黄色（広）の光る石・金属を含んだ石を鉱物（コウブツ）、怪（あや）しい物を物怪（ブツカイ・もののけ）といいます。

重要な漢字で『たね』、『もの』と名前に使われます。

物（モツ・ブツ・もの）は小学校3年生で習う漢字http://bit.ly/1vlSD7s です。

　『吻（フン）』wěnは、唇（くちびる）・キスする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（くち）＋勿（わからない）＝吻（口がわからなくなる。口が見えなくする。唇。キスをする）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『唇（くちびる）』、『キスをする』です。

音読みは呉音が『モン』、漢音が『ブン』、慣用音が『フン』です。『勿（ブツ）』wùの語尾が伸びて『吻（ブン）』wěn、日本に入ってきて『吻（フン）』になりました。唇をあわせてキスすることを接吻（セップン）、上下の唇のようにぴったり合うことを吻合（フンゴウ）といいます。

吻（フン）は人名用漢字です。

　『刎（フン）』wěnは、刀で自殺する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勿（なくなる）＋刂（かたな）＝刎（刀で存在をなくする。自殺する。刎ねる）です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は『自殺する』、『首を刎（は）ねる』です。

音読みは呉音が『モン』、漢音が『ブン』、慣用音が『フン』です。訓読みは『刎（は）ねる』です。我が国では腹を切って自殺をしますが、中国では首の頸動脈（ケイドウミャク）を切って自殺をします。自殺をすること自刎（ジフン）、首を切って自殺をすることを刎頸（フンケイ）といいます。

★首・頸（くび）を刎（は）ねられても、心をかえないほど真実の親しい交わりを刎頸（フンケイ）の交わりといいます。

刎（フン）は常用漢字から外れています。

　『忽（コツ）』hūは、うっかりしている間・いつの間にかを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勿（なくなる）＋心（こころ）＝忽（心がなくなる。気にとめない間。いつの間にか）です。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『いつの間にか』、『忽（たちま）ち』です。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』です。訓読みは『忽（たちま）ち』です。ぼんやりとしていていつの間にか・急なさまを忽然（コツゼン）、放置することを忽略（コツリャク）といいます。

忽（コツ）は人名用漢字です。

　『惚（コツ）』hūは、とりとめのない様子・うっとりする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄（心情）＋忽（心がなくなる）＝惚（とりとめのない様子。うっとりする様子。いつの間にか）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『うっとりする』、『惚（ぼ）ける・惚（ほう）ける』、『惚（ほ）れる』、『惚（とぼ）ける』です。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』です。訓読みは『惚（ぼ）ける』、『惚（ほ）れる』です。ぼうっとする様子・うっとりする様子を恍惚（コウコツ）、魅力に心惹かれてぼうっとする様子を惚（ほ）れる、ぼうっとぼんやりして考えない状態を惚（ぼ）ける・惚（ほう）ける、解からないふりをすることを惚（とぼ）けるといいます。

惚（コツ）は人名用漢字です。

　『笏（コツ）』hùは、天子の命令をメモする竹製の板を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製・メモ）＋勿（いろいろ）＝笏（いろいろメモする竹製の板。笏。しゃく）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『笏（シャク）』です。

もともと天子の命令をメモする竹製の板でしたが、やがて象牙製・玉製など権威を表す象徴になりました。我が国では、骨（コツ）に通じるため、その長さ（尺・シャク）から『笏（シャク）』と読みます。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』、慣用音が『シャク』です。北海道の有名な湖に支笏湖（シコツコ）があります。

笏（コツ）は常用漢字から外れています。

似た漢字に『惣（ソウ）』zongがあります。

『惣（ソウ）』zǒngは、『揔（ソウ）』zǒng を書き間違えたもの（藤堂）といわれており、音読みからわかるように匆（ソウ・まど）、怱（ソウ）、葱（ソウ・ねぎ）などと同じ漢字の仲間http://bit.ly/1VI133l です。

　『揔（ソウ）』zǒngは、すべてを表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋怱（まとめる）＝揔（手でまとめる。惣（す）べる）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『惣（す）べる』です。

漢字の字体は、書き間違えたものといわれている『惣（ソウ）』を使うのが普通です。惣は部首は『心・こころ』、漢字の意味は『惣（す）べる』です。また、ほぼ同じ漢字に『糸・いとへん』の『総（ソウ）』zǒng http://bit.ly/1RppHqp があります。

音読みは呉音が『ス』、漢音が『ソウ』です。日常のおかずを惣菜・総菜（ソウザイ）、家名を受け継ぐ跡（あと）取りを惣領・総領（ソウリョウ）といいます。

良い意味の漢字で『おさむ』、『のぶ』、『ふさ』、『みち』と名前に使われます。

惣（ソウ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-901b.html

『漢字の覚え方 勿』　物

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もちろん（　　　）出席。

2.化学と ぶつり（　　　）。

3.しょくもつ（　　　）連鎖。

4.せっぷん（　　　）する。

5.ふんけい（　　　）の交わり。

6.こつぜん（　　　）と姿を消す。

7.こうこつ（　　　）の人。

8.ひと目 ぼ（　　）れ。

9.象牙製の しゃく（　　）。

解説です。基本の漢字は勿、物（もの）は牛を足して物、接吻（セップン）は口を足して吻、刎（は）ねるは刂（りっとう）を足して刎、忽然（コツゼン）は心を足して忽、惚（ほ）れるは忄（りっしんべん）を足して惚、笏（シャク）は竹を足します。

解答です。勿論、物理、食物、接吻、刎頸、忽然、恍惚、惚れ、笏。