漢字の覚え方 夏
今日は『夏(カ)』xiàという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には夏(カ)、廈(カ)、榎(カ)、嗄(サ)という漢字が含まれ、形の近い漢字に寡(カ)があります。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『夏(カ)』に何を足したら廈(カ)、榎 (カ)、嗄(サ)になるのかを考えてます。夏は小学校2年生で習う漢字、寡は中学生 で習う常用漢字、榎は人名用漢字です。学年、学校に関係なく漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
『夏(カ)』xiàは、神に仕える巫女(みこ)さんが踊る朝廷の美しい様子を表す象形文字です。『夏(カ)』は『なつ』の意味ですが、もともとは『美しい様子』、『盛んな様子』、『大地を覆う』を意味します。盛んな様子から転じて、草木が盛んな『夏(なつ)』を意味するようになったといわれています。
音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『カ』。訓読みは『夏(なつ)』です。夏に至った日。昼間の時間が最も長い日を夏至(ゲシ)、役に立たない事を夏の囲炉裏(イロリ)で夏炉(カロ)、夏の休みが夏休み(なつやすみ)です。
夏(カ)は小学校2年生で習う漢字です。
『廈(カ)』shà・xiàは、大きな屋根の家を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、广(家)+夏(盛んな・大地を覆う)=廈(盛んな家。大きな屋根に覆われた家。大きな家)です。漢字の部首は『广・まだれ』、漢字の意味は『大きな家』です。
音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『カ』です。大きな家を大廈(タイカ)といいます。
異体字に厦(カ)があります。中国の福建省に海浜都市で有名な、廈門・厦门(アモイ・エームン・シァメン)Xià mén市があります。
廈(カ)は常用漢字から外れています。
『榎(カ)』jiǎは、枝葉が大きくかぶさる木・榎(えのき)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(樹木)+夏(大地を覆う)=榎(枝葉が大きくかぶさる木。榎・えのき)です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『葉が大きくかぶさる木』、『榎(えのき)』です。
我が国ではニレ科の落葉高木を指しますが、中国ではノウゼンカズラ科の落葉高木を指すようです(藤堂)。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『カ』、訓読みが『榎(えのき)』です。初夏淡黄色の花が咲き、材は器具、家具。薪炭に使われます。また大樹なので、目印として一里塚に植えられます。
夏(大地を覆う・盛ん)に従う縁起の良い漢字で、榎、榎本、榎下など地名・人名に使われます。
榎(カ・えのき)は人名用漢字です。
夏(カ)に近い字体の漢字に寡(カ)があります。
『寡(カ)』guǎは、少ないことをを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀(家)+頁(あたま・人)+分(わける)=寡(家のなかでひとりぼっち。すくない)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『少ない』、『寡(やもめ)』です。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『カ』、訓読みは常用外に『寡(すく)ない』、『寡(やもめ)』があります。多いことと少ないことを多寡(タカ)、口数が少ないことを寡黙(カモク)、夫に死なれた女性を寡婦(カフ)といいます。
寡(カ)は中学生 で習う常用漢字です。
『嗄(サ)』shàは、水分が少なくて、声が嗄れる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、口(くち)+夏(水気が少ない)=嗄(水分が少なくて、声が嗄れる。かれる)です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『声が嗄(か)れる』です。
音読みは呉音が『シャ』、漢音が『サ』、訓読みは『嗄(か)れる』です。かすれてしわがれた声を嗄声(サセイ)といいます。
嗄(サ)は常用漢字から外れています。
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参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.げし( )の日。
2.しゅんかしゅうとう( )。
3.たいか( )高楼。
4.えのき( )の木。
5.かもく( )な人。
解説です。基本の漢字は夏、廈(大きな家)は广を足して廈、榎(えのき)は木を足して榎、嗄(か)れるは口を足して嗄です。寡(すく)ないは宀に頁と分を足します。
解答です。夏至、春夏秋冬、大廈、榎、寡黙。