漢字の覚え方 賁

今日は賁（フン）、噴（フン）、憤（フン）、墳（フン）と奔（ホン）という漢字について説明します。基本になる漢字は『賁（フン・ホン）』bì、bēn、fénで、『勢いのよい』、『大きい』、『膨れる』などのイメージがあり、音読みは『フン』や『ホン』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『賁』に何を足したら、噴、憤、墳になるのかを考えます。噴、憤、墳は中学校で習う常用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

賁（フン・ホン）の解説の前に、賁（フン・ホン）に使われている漢字奔（ホン）bēn の解説を致します。

　『奔（ホン）』bēnは、勢いよく走る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、大(人）止止止(足）＝奔（急いで走る。勢いよく走る。奔（はし）る）です。漢字の部首は『大・だい』、漢字の意味は『奔（はし）る』です。

読みは呉音・漢音ともに『ホン』、訓読みは常用外に『奔（はし）る』があります。忙しく走り回ることを奔走（ホンソウ）、勢いよく走ること・想いのままに行動することを奔放（ホンポウ）といいます。

奔（ホン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『賁（フン）』bì、bēn、fénは、大きくふくれた綺麗な貝を表す形声文字です(藤堂）。漢字の足し算で覚えるならば、奔（人が走る・ふき出る）＋貝(かい）＝賁（大きくふくれた綺麗な貝。模様が美しい。飾る。大きい。走る）です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『模様が美しい』、『飾る』、『大きい』、『走る』、『勢いよく走る』です。

ホタテガイは貝殻を動かして水を噴き出すように泳ぐことが知られています。

『説文解字』には「飾（かざ）りなり。貝に従い卉（ホン）の聲」とあります。

音読みは『飾（かざ）る』の意味で呉音・漢音ともに『ヒ』bì、、『大きい』の意味で呉音が『ブン』、漢音が『フン』bēn、『走る』の意味で、呉音・漢音ともに『ホン』fénです。訓読みは『賁（かざ）る』、『賁（おお）きい』、『賁（はし）る』です。

賁（フン・ホン）は常用漢字から外れています。

　『噴（フン）』pēnは、勢いよく噴（ふ）き出す様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口(くち）＋賁(勢いよく走る）＝噴（口から勢いよく噴き出す。噴く。ふく）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『噴（ふ）く』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ホン』、慣用音が『フン』、訓読みが『噴（ふ）く』です。水を噴き出すことを噴水（フンスイ）、火山が活動して溶岩などを噴き出すことを噴火（フンカ）、おかしくて食べかけていた飯を噴き出すことを噴飯（フンパン）といいます。

噴（フン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『憤（フン）』fènは、憤（いきどお）る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄(心の動き）＋賁(ふくれる・ふきだす）＝憤（ふき出すように怒る。いきどおる）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『憤（いきどお）る』、『いきり立つ』です。

音読みは呉音の『ブン』は使いません。漢音の『フン』を使います。訓読みが『憤（いきどお）る』です。怒りが胸一杯になることを憤慨（フンガイ）、くやしながら死ぬことを憤死（フンシ）といいます。

憤（フン）は中学生 で習う常用漢字 です。

　『墳（フン）』fénは、土を丸く盛り上げてつくった墳（はか）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、土(つち）＋賁(大きい・ふくれた）＝墳（土を丸く盛り上げてつくった墳。はか）です。漢字の部首は『土・つちへん』、漢字の意味は『墳（はか）』です。

音読みは呉音の『ブン』は使いません。漢音の『フン』を使います。訓読みは常用外に『墳（はか）』があります。権力者のために築かれた古代の墳（はか）を古墳（コフン）、墓場のことを墳陵（フンリョウ）といいます。

墳（フン）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-172e.html 　

『漢字の覚え方 賁』 奔 賁 噴 憤 墳

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.自由 ほんぽう（　　　）。

2.ほんそう（　　　）して尽力する。

3.公園の ふんすい（　　　）。

4.火山の ふんか（　　　）を予知。

5.事態に ふんがい（　　　）する。

6.こふん（　　　）時代。

解説です。基本の漢字は賁、噴（ふ）くは口を足して噴、憤（いきどお）るは忄(りっしんべん）を足して憤、墳（はか）は土を足して墳です。

解答です。奔放、奔走、噴水、噴火、憤慨、古墳。

漢字の覚え方 勿

　今日は『勿（ブツ）』wùはという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『勿』です。音読みは『モチ』、『ブツ』、『フン』などで、意味は『いろいろ』、『乱れる』、『わからない』です。勿、物、吻、刎、忽、惚、笏などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『勿』に何を足すと物、吻、刎、忽、惚、笏になるのかを考えます。物は小学校で3年生で習い、勿、吻、忽、惚は人名用漢字です。

　『勿（モチ・ブツ）』wùは、いろいろな吹き流しが乱れる様子を表す象形文字(藤堂）です。乱れたいろいろな吹き流しから、『いろいろ』、『良く見えない』、『わからない』、『ない』などの意味が生じました。漢字の部首は『勹・つつみがまえ』、漢字の意味は、『わからない』、『ない』です。

最古の辞典『説文解字』では、旗（はた）と柄（え）の象形、旗（はた）は三つ游（およ）ぐ有（あ）りとあります。

音読みは呉音が『モチ』、漢音が『ブツ』、訓読みは『勿（なか）れ』です。論ずる必要のないこと・当然のことを勿論（モチロン）、心がうつろで憂える様子を勿勿（ブツブツ）といいます。

勿（モチ・ブツ）は人名用漢字です。

似た漢字に『窓（まど）』、『忙しい』を表す匆（ソウ）http://bit.ly/1VI133l がありますが、別字です。

　『物（モツ・ブツ）』wùは、いろいろな物を表す形声文字です。元の意味はいろいろな牛（うし）を表す漢字でしたが、いろいろな物を表すようになりました(藤堂）。漢字の足し算では、牛＋勿（いろいろ・乱れる・わからない）＝物（いろいろな物。もの）です。漢字の部首は『牛・うしへん』、漢字の意味は『物（もの）』です。

音読みは呉音が『モツ』、漢音が『ブツ』、訓読みは『物（もの）』です。物事の道理・運動・光・音などを研究する学問を物理（ブツリ）、食べ物を漢語で食物（ショクモツ）といいます。

漢字の世界では、生きている物を生物（セイブツ）、動く生き物を動物（ドウブツ）、根があって動かない（植）生き物を植物（ショクブツ）、黄色（広）の光る石・金属を含んだ石を鉱物（コウブツ）、怪（あや）しい物を物怪（ブツカイ・もののけ）といいます。

重要な漢字で『たね』、『もの』と名前に使われます。

物（モツ・ブツ・もの）は小学校3年生で習う漢字http://bit.ly/1vlSD7s です。

　『吻（フン）』wěnは、唇（くちびる）・キスする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（くち）＋勿（わからない）＝吻（口がわからなくなる。口が見えなくする。唇。キスをする）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『唇（くちびる）』、『キスをする』です。

音読みは呉音が『モン』、漢音が『ブン』、慣用音が『フン』です。『勿（ブツ）』wùの語尾が伸びて『吻（ブン）』wěn、日本に入ってきて『吻（フン）』になりました。唇をあわせてキスすることを接吻（セップン）、上下の唇のようにぴったり合うことを吻合（フンゴウ）といいます。

吻（フン）は人名用漢字です。

　『刎（フン）』wěnは、刀で自殺する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勿（なくなる）＋刂（かたな）＝刎（刀で存在をなくする。自殺する。刎ねる）です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は『自殺する』、『首を刎（は）ねる』です。

音読みは呉音が『モン』、漢音が『ブン』、慣用音が『フン』です。訓読みは『刎（は）ねる』です。我が国では腹を切って自殺をしますが、中国では首の頸動脈（ケイドウミャク）を切って自殺をします。自殺をすること自刎（ジフン）、首を切って自殺をすることを刎頸（フンケイ）といいます。

★首・頸（くび）を刎（は）ねられても、心をかえないほど真実の親しい交わりを刎頸（フンケイ）の交わりといいます。

刎（フン）は常用漢字から外れています。

　『忽（コツ）』hūは、うっかりしている間・いつの間にかを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勿（なくなる）＋心（こころ）＝忽（心がなくなる。気にとめない間。いつの間にか）です。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『いつの間にか』、『忽（たちま）ち』です。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』です。訓読みは『忽（たちま）ち』です。ぼんやりとしていていつの間にか・急なさまを忽然（コツゼン）、放置することを忽略（コツリャク）といいます。

忽（コツ）は人名用漢字です。

　『惚（コツ）』hūは、とりとめのない様子・うっとりする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄（心情）＋忽（心がなくなる）＝惚（とりとめのない様子。うっとりする様子。いつの間にか）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『うっとりする』、『惚（ぼ）ける・惚（ほう）ける』、『惚（ほ）れる』、『惚（とぼ）ける』です。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』です。訓読みは『惚（ぼ）ける』、『惚（ほ）れる』です。ぼうっとする様子・うっとりする様子を恍惚（コウコツ）、魅力に心惹かれてぼうっとする様子を惚（ほ）れる、ぼうっとぼんやりして考えない状態を惚（ぼ）ける・惚（ほう）ける、解からないふりをすることを惚（とぼ）けるといいます。

惚（コツ）は人名用漢字です。

　『笏（コツ）』hùは、天子の命令をメモする竹製の板を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製・メモ）＋勿（いろいろ）＝笏（いろいろメモする竹製の板。笏。しゃく）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『笏（シャク）』です。

もともと天子の命令をメモする竹製の板でしたが、やがて象牙製・玉製など権威を表す象徴になりました。我が国では、骨（コツ）に通じるため、その長さ（尺・シャク）から『笏（シャク）』と読みます。

音読みは呉音が『コチ』、漢音が『コツ』、慣用音が『シャク』です。北海道の有名な湖に支笏湖（シコツコ）があります。

笏（コツ）は常用漢字から外れています。

似た漢字に『惣（ソウ）』zongがあります。

『惣（ソウ）』zǒngは、『揔（ソウ）』zǒng を書き間違えたもの（藤堂）といわれており、音読みからわかるように匆（ソウ・まど）、怱（ソウ）、葱（ソウ・ねぎ）などと同じ漢字の仲間http://bit.ly/1VI133l です。

　『揔（ソウ）』zǒngは、すべてを表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋怱（まとめる）＝揔（手でまとめる。惣（す）べる）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『惣（す）べる』です。

漢字の字体は、書き間違えたものといわれている『惣（ソウ）』を使うのが普通です。惣は部首は『心・こころ』、漢字の意味は『惣（す）べる』です。また、ほぼ同じ漢字に『糸・いとへん』の『総（ソウ）』zǒng http://bit.ly/1RppHqp があります。

音読みは呉音が『ス』、漢音が『ソウ』です。日常のおかずを惣菜・総菜（ソウザイ）、家名を受け継ぐ跡（あと）取りを惣領・総領（ソウリョウ）といいます。

良い意味の漢字で『おさむ』、『のぶ』、『ふさ』、『みち』と名前に使われます。

惣（ソウ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-901b.html

『漢字の覚え方 勿』　物

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もちろん（　　　）出席。

2.化学と ぶつり（　　　）。

3.しょくもつ（　　　）連鎖。

4.せっぷん（　　　）する。

5.ふんけい（　　　）の交わり。

6.こつぜん（　　　）と姿を消す。

7.こうこつ（　　　）の人。

8.ひと目 ぼ（　　）れ。

9.象牙製の しゃく（　　）。

解説です。基本の漢字は勿、物（もの）は牛を足して物、接吻（セップン）は口を足して吻、刎（は）ねるは刂（りっとう）を足して刎、忽然（コツゼン）は心を足して忽、惚（ほ）れるは忄（りっしんべん）を足して惚、笏（シャク）は竹を足します。

解答です。勿論、物理、食物、接吻、刎頸、忽然、恍惚、惚れ、笏。

漢字の覚え方 八・分

　今日は八という漢字と、分、粉、紛、貧、頒、盆という漢字の仲間『単語家族』を説明します。基本の漢字は『八』と『分』です。読み方八が『ハチ』、分、粉、紛、貧、頒、盆は『フン』と読むことが多いです。『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『分』に何を足したら、どんな意味を持つ漢字になるか考えてみます。

小学生1年で八、小学校2年分、4年で紛、5年生で貧を習います。また中学校では紛、頒、盆を習います。学校、学年に関係なく一緒に覚えてしまいましょう。

　『八（ハチ・ハツ・や・やっつ・よう）』baという漢字は、両手を八の字に開いた映像です。漢字の部首は『八』、漢字の意味は『開く』、『分ける』、『分けられた二つ』です。やがて数字の八（ハチ）を数える漢字として使われるようになりました。

音読みは呉音が『ハチ』、漢音が『ハツ』、訓読みは『やっつ』、『や』、『よう』です。漢字の部首は『八・はち』、意味としては『八（ハチ）』です。

『八』が数字の八に限定されるようになったので、『分ける』、『分けられた二つ』は『分（フン）』の漢字に引き継がれました。また漢字の八からカタカナのハが出来ました。

八百屋（やおや）、八幡（ハチマン）、八日（ようか）、八卦（ハッケ）の八です。小学校１年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/1-2209.htmlです。

『八』を元にした漢字には『半』もあります。『漢字の成り立ち 八・半』http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-7bfb.htmlも御覧下さい。

数字について掲載ページです。

『一～十』については『小学校で習う漢字 一～十』http://bit.ly/1Dj8euf  をご覧ください。

『十』については『漢字の覚え方 十』http://bit.ly/1vHBPIs をご覧ください。

『九』については『漢字の覚え方 九』http://bit.ly/1stAJfE をご覧ください。

『八』については『漢字の覚え方 八』http://bit.ly/1oh7Q82 をご覧ください。

『七』については『漢字の覚え方 七』http://bit.ly/1syuLKo をご覧ください。

『六』については『漢字の覚え方 六』http://bit.ly/1nuIhQf をご覧ください。

『五』については『漢字の覚え方 五』http://bit.ly/1Njlajg をご覧ください。

『四』については『漢字の覚え方 四』http://bit.ly/1MD9Txx をご覧ください。

『三』については『漢字の覚え方 三』http://bit.ly/1ygC0wK をご覧ください。

『二』については『漢字の覚え方 ニ』http://bit.ly/1zexxch をご覧ください。

『一』については『漢字の覚え方 一』http://bit.ly/1NtgKrn をご覧ください。

　『分（ブン・フン・ブ）』fenという漢字は、八に刀（かたな）を合わせた漢字です。刀で二つに切り分ける事から、『分ける』の意味に使います。また小さく分けるの意味から『分析する』、『わかる』の意味にも使います。長さ・時間・角度の単位としても重要な漢字になっています。

漢字の足し算では、八（わける）＋刀（かたな）＝分（刀で分ける。わかる。小さい単位）です。漢字の部首は『刀・かたな』です。

音読みは呉音・漢音が『フン』、『ブン』、慣用音が『ブ』で、訓読みは『分ける（わける）』、『分かれる（わかれる）』です。分解（ブンカイ）、分配（ブンパイ）、分家（ブンケ）、分析（ブンセキ）、分身（ブンシン）、分速（フンソク）、一時五分（イチジゴフン）の分です。

『分』は小学校2年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/2-e258です。

　『粉（フン）』fenは、米を細かく粉にする映像を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、米（こめへん・米）＋分（分ける）＝粉（米を粉にする。粉）です。漢字の部首は『米』です。おしろいの粉は古くは米の粉からつくられていました。

音読みは呉音・漢音ともに『フン』で、訓読みは、『こな』、『こ』です。骨を粉に身を砕くほど努力する事を粉骨砕身（フンコツサイシン）、粉々に砕くことを粉砕（フンサイ）、おしろいを塗って飾る事を粉飾（フンショク）、細かい粉を粉末（フンマツ）、粉を重ねて強調した言葉は粉々（こなごな）、小麦の粉を小麦粉（こむぎこ）といいます。

『粉』は小学校4年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/4-1c81.htmlです。

　『紛（フン）』fenは、小さいものが入り乱れる様子を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、糸（いとへん・糸、小さいもの）+分（分ける）＝紛（小さいものが入り乱れて分からなくなる）です。部首は『糸』、意味は『まぎれる』、『みだれる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『フン』で、訓読みは『紛れる（まぎれる）』、『紛らす（まぎらす）』、『紛らわしい（まぎらわしい）』です。

紛れてなくなる事を紛失（フンシツ）、乱れ争う事を紛争（フンソウ）、みだれもつれる事を紛糾（フンキュウ）、乱れた議論を紛議（フンギ）といいます。

『紛』は中学校で習う常用漢字です。

　『貧（ヒン・ビン）』pinは、お金（貝）を分ける様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、分（わける）＋貝（お金・財宝）＝貧（お金を分け与えて貧しくなる）です。部首は『貝』、意味は『貧しい』の他に『少ない』の意味があります。

音読みは漢音が『ヒン』、呉音が『ビン』でどちらも使います。訓読みは『貧しい（まずしい）』です。

血が少ない事を貧血（ヒンケツ）、貧しくて困っている事を貧困（ヒンコン）、貧しくて乏しいことを貧乏（ビンボウ）、貧しく窮めていることを貧窮（ヒンキュウ）、少なくて弱く見える事を貧弱（ヒンジャク）といいます。

『貧』は小学校5年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/5-1e79.htmlです。

　似た漢字に『貪（ドン）』tan（財貨を貯め込む）があります。こちらは今に貝を足した漢字で、貪欲（ドンヨク）の貪http://bit.ly/1tnWgdc です。今の方が貪る（むさぼる）、分ける方が貧しい（まずしい）です。間違えないようにしましょう。

　『頒（ハン）』banは、人の頭を表す頁（あたま）を使った形声文字です。漢字の足し算では、分（わける）+頁（おおがい・人の頭。頭数）＝頒（人の頭数だけ分ける）です。意味は『多くの人に配る』、『大きく広がる』です。部首は『頁・おおがい』です。

音読みは呉音の『ヘン』は使いません。漢音の『ハン』が普通です・頭数だけ配ることを頒布（ハンプ）、広く売り出した価格を頒価（ハンカ）といいます。

『頒』は中学校で習う常用漢字です。

　『盆（ボン）』penは、開いた皿を表す形声文字です。漢字の足し算では、分（わける・開く）＋皿（さら）＝盆（開かれた皿で）です。部首は『皿』、意味は器の『ぼん』、仏事の『ぼん』です。音読みは『ボン』です。

盆地（ボンチ）とはお盆のような窪みのある土地のことです。盆栽（ボンサイ）とは盆で栽培する植木のことです。盂蘭盆（ウラボン）とは祖先の冥福を祈る行事で、梵語ullambanaの音訳です。盆踊り（ボンおどり）とは盆の翌日に神社の境内で踊るものです。新盆（ニイボン）とは四十九日の法要後に最初に迎える盆のことです。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-9b12.html

『漢字の覚え方 八・分』　八 　分　粉　紛　貧　頒　盆

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.やおや（　　　　）。

2.ふんそく （　　　）60m。

3.ふんまつ （　　　）状態。

4.対戦相手を ふんさい（　　　）する。

5.議会が ふんきゅう（　　　）する。

6.ひんけつ （　　　）で倒れる。

7.びんぼう（　　　）生活。

8.チラシを はんぷ（　　　）する。

9.お ぼん（　　）に帰省する。

10.ぼんおどり（　　　）。

解説です。数字関係は『八』、わけるは『分』、粉は米のこなで『粉』、まぎれるは小さい糸で『紛』、貧しいはお金を分けるで貝を足して『貧』、人数分分けるは頁を足して『頒』、開いた皿は『盆』と書きます。

解答です。八百屋、分速、粉末、粉砕、紛糾、貧血、貧乏、頒布、盆、盆踊り。今日はこの辺で終わりにします。