漢字の覚え方 丑

今日は 丑（チュウ）、䏔（チュウ）、紐（チュウ）、忸（ジク〉いう漢字のについて説明します。基本になる漢字は『丑（チュウ）』です。肘（ひじ）と手でつかむ様子を表しています。基本の音読みは『チュウ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。丑に何を足すとどのような漢字になるか考えます。紐は中学校で習う常用漢字、丑、紐、忸は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『丑（チュウ）』chǒuは、腕の肘・䏔（ひじ）を曲げてつかむ様子を表す象形文字で。漢字の部首は『一・いち』です。漢字の意味は『䏔（ひじ）』、『つかむ』、『曲げる』、『締める』、『丑（うし）』です

中国を中心とした東アジアの世界では、子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥の十二支を使って暦（こよみ）、時刻、方角を表しました。数字でもなんでもない漢字の順番を覚えるの大変です。そこで、神様に新年の挨拶に来た十二種類の動物になぞらえて、十二支を宛てて覚えたのです。

『丑（チュウ・うし）』は、旧暦の12月(植物が伸びる準備をする時期）、時間は午前2時前後（午前1時～3時）、方角は北北東、動物では牛にあてられています。

東洋では幹を表す十干（甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸）と枝を表す十二支（子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥）を使って60の組み合わせで年を表現します。

音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』、訓読みが『丑（うし）』です。丑（うしの刻・午前1時～3時）の3/4を丑三つ（うしみつ）時といい、幽霊の出る時間とされています。北東の方角を丑寅（うしとら）といい、陰陽道で鬼のでる方角とされています。

土用（ドヨウ・夏の季節の変わり目）の丑の日には鰻（うなぎ）を食べる習慣があるのは有名です。2018年は7月20日、8月1日がこれにあたります。

また、中国では醜（シュウ・みにくい）の代用字として使われるようです。

丑（チュウ・うし）は常用漢字から外れています。

　『䏔（チュウ）』niǔ、zhǒuは、腕の肘・䏔（ひじ）の様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、月（身体）＋丑（ひじ）＝䏔（手を曲げてつかむ肘。ひじ）です。漢字の部首は『月・にくづき』です。漢字の意味は『䏔（ひじ））』、『締める』、『つかむ』です

藤堂は、丑（チュウ・うし）が十二支の丑（うし）の意味に使われるようになったために造られた漢字であるとし、肘（ひじ）と全く同じであると述べています。

音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』、訓読みが『䏔（ひじ）』です。

肘（ひじ）と書くのが普通です。

䏔（チュウ・ひじ）は常用漢字から外れています。

　『紐（チュウ）』niǔは、紐（ひも）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋丑（締める・ひねる）＝紐（糸をひねって組み上げた紐。ひも）です。漢字の部首は『糸・いとへん』です。漢字の意味は『紐（ひも）』、『むすぶ』です

音読みは呉音が『ニュウ』、漢音が『ジュウ』、慣用音が『チュウ』です。訓読みが『紐（ひも）』です。二つのものを結び付けて繋がりをもたせることを紐帯（チュウタイ・ジュウタイ）といいます。

良い意味の漢字で『くみ』、『ひも』と地名・人名に使われます。

紐（チュウ・ひも）は人名用漢字です。

　『忸（ジク）』niǔは、忸（は）じる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄（こころ）＋丑（曲げる・柔らかい）＝忸（心が曲がる。心がいじけて。忸じる。はじる）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』です。漢字の意味は『忸（は）じる』です

音読みは呉音が『ニク』、漢音が『ジク』です。訓読みが『忸（は）じる』です。心に忸（は）じてきまりが悪いさまを忸怩（ジクジ）といいます。

忸（ジク・はじる）は常用漢字から外れています。

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『漢字の覚え方 丑』　丑　䏔　紐 忸

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.土用の うし（　　）の日。

2.草木も眠る うし（　　）三とき。

3.ひじ（　　）。

4.社会的 ちゅうたい（　　　）。

5.じくじ（　　　）たる思い。

解説です。基本の漢字は丑、䏔（ひじ）は月を足して䏔、紐（ひも）は糸を足して紐、忸（は）じるは忄（りっしんべん）を足して忸です。

解答です。丑、丑、肘、䏔、紐帯、忸怩。

漢字の覚え方 壴

今日は壴（チュウ・たかつき）、樹（ジュ・き）、鼓（コ・つつみ）、喜（キ・よろこぶ）、嬉（キ・うれしい）、嘉（カ・よい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『壴（チュウ）』zhùで、『たかつき』や『太鼓』を意味します。これらの漢字は壴（チュウ・たかつき）という同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『壴（チュウ・たかつき）』に何を足したら樹、廚、鼓、喜、嬉になるのかを考えてます。喜は小学4年生 、樹は小学6年生 、鼓は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『壴（チュウ）』zhùは、たかつきや太鼓を表す象形文字(藤堂）です。漢字の部首は『士・し』、漢字の意味は『壴（たかつき）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』(藤堂・鎌田）です。『コ』と読む説（白川）もあります。壴は常用漢字（日常で使う漢字）から外れていますが、樹、廚、鼓、喜、嬉の漢字の一部分になっています。

　『樹（ジュ）』shùは、きちんと立っている樹木（ジュモク）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(樹木）＋尌(たかつきを手でたてる・きちんとしている）＝樹（きちんと立っている樹木。立派な樹）です。漢字の部首は『木・きへん』、意味は『きちんとした木』、『立派な木』、『立派な』、『しっかりとした』です。

音読みは呉音が『ズ・ジュ』、漢音が『シュ』です。訓読みは常用外の『樹（き）』があります。しっかりと立てることを樹立（ジュリツ）、樹を植えることを植樹（ショクジュ）、樹（しっかりとした木）と木（一般の木）で樹木（ジュモク）といいます。

非常に良い意味の漢字で『いつき』、『き』、『しげ』、『たつ』、『たつき』、『な』、『みき』、『むら』と名前に使われます。

樹（ジュ）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/1SSc4hW です。

　『廚（チュウ）』chúは、整えられた台所・料理場を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、广(家）＋尌(たかつきを手でたてる・調える）＝廚（整えられた台所・厨房））です。漢字の部首は『广・まだれ』、意味は『廚房（チュウボウ）』です。

廚（チュウ）が正字ですが、書くのには省略形の厨http://bit.ly/1ri88pD が使われます。漢字の足し算では、厂（がけ・ここでは广の省略形・家）＋豆寸(たかつきを手でたてる・調える・食器を持つ）＝厨（整えられた台所・厨房）です。漢字の部首は『厂・がんだれ』、意味は『厨房（チュウボウ）』です。

音読みは呉音が『ズ・ジュウ』、漢音が『チュウ』です。訓読みは『厨（くりや）』があります。整えられた料理をする部屋（房）を厨房（チュウボウ）といいます。

厨（チュウ）は常用漢字ではありません。

　『鼓（コ）』gǔは、太鼓を叩く様子・太鼓を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、壴(太鼓）＋支（動作）＝鼓（太鼓を叩く。鼓。つづみ）です。漢字の部首は『鼓・つづみ』、漢字の意味は『鼓（つづみ）』です。

音読みは呉音が『ク』、漢音が『コ』、訓読みは『鼓（つづみ）』です。木製の胴に革を張り打ち鳴らす楽器を太鼓（タイコ）、太鼓の響き・心臓の音を鼓動（コドウ）、腹（はら）つづみを打つこと・天下泰平な様子を鼓腹（コフク）といいます。

鼓（コ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『喜（キ）』xǐは、太鼓（たいこ）を叩いて喜ぶ様子を表す会意文字（藤堂）です。漢字の足し算で覚えるならば、壴(太鼓）＋口（楽しんで言う・歌う）＝喜（太鼓を叩いて喜ぶ。よろこぶ）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『喜（よろこ）ぶ』です。

たかつきに盛られた御馳走に喜ぶ様子ともいわれています。

喜の草書体は㐂に見えることから、㐂を異体字に使います。七十七歳を喜寿（キジュ）と呼ぶのはこのためです。

音読みは呉音が『コ』、漢音が『キ』、訓読みは『喜（よろこ）ぶ』です。喜び怒り哀しみ楽しみを喜怒哀楽（キドアイラク）、非常に喜ぶことを歓喜（カンキ）といいます。

非常に良い意味の漢字で『たのし』、『のぶ』、『はる』、『ひさ』、『ゆき』、『よし』と名前に使われます。

喜（キ）は小学校4年生で習うhttp://bit.ly/1JVSIGA 漢字です。

　『嬉（キ）』xīは、女性がにぎやかに笑う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女(女性）＋喜（喜ぶ）＝嬉（女性がにぎやかに笑う。嬉しい）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『嬉（うれ）しい』です。

音読みは呉音が『コ』、漢音が『キ』、訓読みは『嬉（うれ）しい』です。楽しそうに声をあげて笑うことを嬉笑（キショウ）、楽しんであそぶことを嬉楽（キラク）といいます。

非常に良い意味の漢字で『よし』と名前に使われます。

嬉（キ）は人名用漢字です。

壴（コ）を使った漢字に嘉（カ）http://bit.ly/1uYGQdQ があります。加 架 袈 嘉 伽 茄 などと同じ加 （カ）漢字の仲間です。

　『嘉（カ）』jiāは、壴（コ・儀式の太鼓）に加を足したもので、良い事を示します。漢字の足し算で覚えるならば、壴（めでたい太鼓）＋加 （くわえる）＝嘉（めでたい事を加える。良い。良いとほめる）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『嘉（よ）い』、『嘉（よ）みする』です。

太鼓ではなく、豆（たかつき・めでたい器）に盛られた御馳走とする説もあります。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『カ』です。訓読みは常用外の『嘉（よ）い』、『嘉（よ）みする』です。めでたい兆しを嘉祥（カショウ）、めでたい礼式を嘉礼（カレイ）、良い料理を嘉肴（カコウ）といいます。

大変めでたい、縁起の良い漢字で『ひろ』、『よし』、『よしみ』、『よみし』と名前に使われます。

『嘉（カ）』は人名用漢字です。

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『漢字の覚え方 壴』 　壴 　喜　鼓 　厨　樹

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.しょくじゅ（　　　）祭。

2.じゅもく（　　　）図鑑。

3.ちゅうぼう（　　　）で焼き物を担当。

4.たいこ（　　　）を打つ。

5.心臓の　こどう（　　　）。

6.きど（　　　）哀楽。

7.うれ（　　）しい。

解説です。基本の漢字は壴、樹は木と寸を足して樹、廚（くりや）は广（まだれ）と寸を足して廚(厨)、鼓（つづみ）は支を足して鼓、喜（よろこ）ぶは口を足し、嬉（うれ）しいは女を足します。

解答です。植樹、樹木、厨房、廚房、太鼓、鼓動、喜怒、嬉しい。

漢字の覚え方 肘

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『肘（チュウ）』zhǒuという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には肘、討、酎という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『肘』に何を足したら肘、討、酎になるのかを考えてます。討は小学校6年生で習う漢字 、肘、酎は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『肘（チュウ）』zhǒuは、肘（ひじ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、月(身体）＋寸（手）＝肘（身体の一部。肘。ひじ）です。部首は『月・にくづき』、意味は『肘（ひじ）』、『引き締める』です。

もとは寸（スン）http://bit.ly/1FLeubn ではなく手の先を曲げる(引き締める）様子を表す丑（チュウ）を使っていましたが、寸（スン）を加えた肘（チュウ）を使います。

音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』、訓読みは『肘（ひじ）』です。相手のうでの動きを抑えて止めることを掣肘（セイチュウ）、肘を保護するための補強の布をを肘当て（ひじあて）、過度な投球動作による肘の炎症を野球肘（ヤキュウひじ）といいます。

肘（ひじ）は肱（ひじ）http://bit.ly/2gAU0hb 臂（ひじ）http://bit.ly/1Dn5mrV とも書きます。

『肘（チュウ・ひじ）』は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『酎（チュウ）』zhòuは、引き絞った酒を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、酉（酒）＋肘（引き締める）＝酎（引き絞った酒。祖先の霊に捧げる濃い御酒）です。部首は『酉・さけのとり』http://bit.ly/20WOXGq、意味は『濃い御酒』です。

音読みは呉音が『ジュウ』、漢音が『チュウ』です。酒をさらに蒸留して得られる酒を焼酎（ショウチュウ）、焼酎でつくったハイボール（ウイスキーの炭酸割り）を酎ハイ（チュウハイ）といいます。

『酎（チュウ）』は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『討（トウ）』tǎoは、言葉で問い詰める様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋肘（引き締める）＝討（言葉で問い詰める）です。言葉だけでなく｢追及して敵を攻め立てる・すみずみまで詳しく調べる｣の意味にも使われます。部首は『言・ごんべん』、意味は『言葉で問い詰める』、意味が派生して『討（う）つ』、『詳しく調べる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『トウ』、訓読みは『討（う）つ』です。意見を出し合い議論を戦わせることを討論（トウロン）、良く調べることを検討（ケントウ）、軍勢を差し向けて反抗するものを討つことを討伐（トウバツ）といいます。

『討（トウ・うつ）』は小学校6年生で習う漢字 です。

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『漢字の覚え方 肘』 討 肘 酎

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.洋服の ひじ（　　）当て。

2.相手の行動を せいちゅう（　　　）する。

3.しょうちゅう（　　　）のお湯割り。

4.とうろん（　　　）を繰り返す。

5.敵の とうばつ（　　　）に向かう。

解説です。基本の漢字は肘、焼酎は酉（さけのとり）を足して酎、討（う）つは言（ごんべん）を足して討です。

解答です。肘、肱、掣肘、焼酎、討論、討伐。

漢字の覚え方 中

　今日は『中（チュウ）』zhōng、zhòngという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『中』です。旗竿の吹流しを描いた象形文字と言われています。中、仲、忠、衷、沖などがこの漢字の『単語家族』です。

　『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。ここでは『中』に何を足すと何の漢字になるのかを考えます。中は小学校1年生で習う漢字 、仲は小学校4年生で漢字 、忠は小学校6年生で習う漢字 、沖は中学生、衷は中学生 で習う常用漢字です。中学何年で習うかは教科書によって異なります。一緒にまとめて覚えてしまいましょう。

漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢（西暦100年頃）の許慎（キョシン）の「説文解字（セツモンカイジ）」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。

①.物の形を象った（かたどった）『象形』（ショウケイ）、②.象形文字を基に点や線を加えることにより示された『指事』（シジ）、③.文字を組み合わせて造った『会意』（カイイ）、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声』（ケイセイ）の四種です。『会意』と『形声』の文字は漢字の足し算で表す事が出来ます。

　『中（チュウ）』zhōng、zhòngは、旗竿の吹流しを描いた象形文字（ショウケイモジ）です(白川・藤堂・加藤・落合）。竿の真ん中で吹流しが風にゆられる映像です。竿の真ん中から『中』の意味に使われます。漢字の部首は『丨・ぼう』です。

また、口に｜を加えて中（なか）や中（うち）を表す指事文字とする説（諸橋・加藤・鎌田）もあります。漢字の起源は一通りでないので、辞書により解釈が違うことがよくあります。漢字の成り立ちには諸説あることを御承知下さい。

現在の教育現場では、甲骨文字の段階では象形、のちに指事となった解釈するのが主流の様です。

音読みは呉音の『チュウ』が普通で、漢音の『ジュウ』があります。訓読みは『なか』で、『うち』、『あたる』と読むこともあります。中心（チュウシン）、中流（チュウリュウ）、中和（チュウワ）、年中（ネンジュウ）、途中（トチュウ）、中華（チュウカ）の中です。

『中（チュウ・なか）』は小学校1年生で習う漢字です。

　『仲（チュウ）』zhòngは、人と人との間に立つ映像を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、亻（にんべん・人）＋中＝仲（人と人との間に立つ。仲をとりもつ。なか）です。部首は『亻・にんべん』、意味は『仲（なか）』です。

音読みは漢音の『チュウ』が普通で、漢音の『ジュウ』があります。仲裁（チュウサイ）、仲春（チュウシュン）、仲秋（チュウシュウ）、仲間（なかま）、仲人（なこうど）の仲です。

『仲（チュウ・なか）』は小学校4年生で常用漢字です。

兄弟の序列の真ん中もさします。上から年齢順に伯・仲・叔・季です。伯仲（ハクチュウ）という言葉はここから来ています。季節の春夏秋冬は『中』の代わりに『仲』を使っても良く、仲春、仲秋と『仲』を使う人が少なくないです。

　『忠（チュウ）』zhōngは、まじめな心の様子を漢字にした形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、中（かたよりのない）＋心＝忠（まじめな心）です。部首は『心』、意味は『まじめな心』です。

音読みは呉音・漢音とも『チュウ』です。訓読みは常用外の『じょう』があります。忠実（チュウジツ・まめ）、忠告（チュウコク）、忠義（チュウギ）の忠です。良い意味の漢字なので『ただ』、『あつし』、『なる』、『じょう』、『きよし』と名前に使われます。

『忠（チュウ・ただ）』は小学校6年生で習う漢字です。

　『衷（チュウ）』zhōngは、心の中、心の底の様子漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、衣（ころも）＋中＝衷（衣の中。心の中）です。漢字の部首は『衣』、意味は『心の中』、『まごころ』、『かたよらない』です。

漢字の書き方ですが、一と口を先に書いて縦棒を書いてから衣の下部分を書きます。9画です。

音読みは呉音・漢音とも『チュウ』です。衷心（チュウシン）、和洋折衷（ワヨウセッチュウ）の衷です。中、忠の漢字があるため、活躍の場が限られており、衷心、折衷以外は使いません。

『衷（チュウ・こころ）』は中学生  で習う常用漢字です。

　『沖（チュウ）』chōngは、海と空の間を漢字にした形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（さんずい・水）＋中＝沖（水と中。海と空の間。むなしい。）です。わが国では、陸地から離れた海の意味に使います。部首は『氵・さんずい』、意味は『むなしい』、『沖（おき）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』です。訓読みは『おき』です。まっすぐ高く上がることを沖天（チュウテン）といいます。沖釣り（おきづり）、沖合（おきあい）の沖です。冫（にすい）の『冲（チュウ・おき）』chōngも同じ意味の漢字です。

『沖（チュウ・おき）』は中学生 で習う常用漢字です。

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『漢字の覚え方 中』　中　仲　忠　衷　沖

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.世界の ちゅうしん（　　　　）。

2.ちゅうりゅう（　　　　）家庭。

3.ちゅうしゅう（　　　　）の明月。

4.なかま（　　　　）と飲む酒。

5.友人の ちゅうこく（　　　　）。

6.殿様への ちゅうぎ（　　　　）。

7.和洋 せっちゅう（　　　　）。

8.おきあい （　　　　　）200mの海底。

解説です。中は吹流しの象形（ショウケイ）で中、仲間は亻で仲、片寄のない心が忠、心の中は衣で衷、沖は氵で沖です。

解答です。中心、中流、仲秋、中秋、仲間、忠告、忠義、折衷、沖合、冲合。