漢字の覚え方 面

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『面（メン）』miànという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には面、麺、緬という漢字が含まれます。これらの漢字は面（メン）という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『面』に何を足したら麺、緬になるのかを考えてます。面は小学校3年生で習う漢字 、麺は中学生で習うようになった常用漢字 です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『面（メン）』miànは、顔の表側を表す会意文字です(藤堂）。漢字の足し算で覚えるならば、頁（あたま）＋囗（四角で囲った部分）＝面（顔の表側。面。おもて）です。漢字の部首は『面・めん』、意味は『顔』、『おもて』、『マスク』、『向き合う』などです。

古い字形に首（くび）を覆（おお）う形につくるものがあり（白川）、マスクを表す象形文字とも考えられています。

音読みは呉音が『メン』、漢音が『ベン』、訓読みは『面（おもて）』、『面（おも）』、『面（つら）』です。顔を会わせることを面会（メンカイ）、顔の長い人を面長（おもなが）、直接あって応対することを面接（メンセツ）、平らな広がりを平面（ヘイメン）といいます。

『面（メン・おもて)』は 小学校3年生で習う漢字です。

面の漢字の仲間には、麺、緬などがあります。

　『麺（メン）』miànは、麦粉やうどん・そばを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、麦＋丏（見えない・細い）・面＝麪・麵（麦を細かくしたもの。麦粉。麦粉を細く延ばしたもの。メン）です。漢字の部首は『麦・むぎ』、意味は『麦粉』、『麺（メン）』です。

麪と書いていたものが同じ音を表す麵と書くようになった（藤堂）、麵の声符は丏（白川）であるといわれています。我が国では、常用漢字体である麺を使って下さい。

音読みは呉音が『メン』、漢音が『ベン』です。うそん・そばをつくる時の棒を麺棒（メンボウ）、パンのことを麺麭（メンポウ・ミエンパオ・パン）と書きます。

『麺（メン)』は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『緬（メン）』miǎnは、細長く糸で縁取りする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋面（四角で囲った部分）＝緬（細長く糸でぐるりと縁取りする。細々続く。はるか）です。漢字の部首は『糸・いと』、意味は『縁取りする』、『細々続く』、『はるか』です。

音読みは呉音が『メン』、漢音が『ベン』です。はるかなさまを緬然（メンゼン）、遠くの人をはるかに思いやることを緬想（メンソウ）といいます。

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『漢字の覚え方 面』　面　麵

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.めんかい（　　　　）時間。

2.おもなが（　　　　）な人。

3.めんぼう（　　　　）で延ばす。

4.遠くの恋人を めんそう（　　　　）する。

解説です。基本の漢字は面、麺（メン）は麦を足して麺、緬（ふちどり）は糸を足して緬です。

解答です。面会、面長、麺棒、緬想。

漢字の覚え方 免

　漢字には『単語家族』と呼ばれる漢字の仲間があります。今日は免、晩、挽、娩、勉という『単語家族』について説明します。基本の漢字は『免』で、読み方は『メン』、『バン』、『ベン』で漢字によって違います。意味は『やっと』、『暗い』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『免』に何を足すとどんな漢字になるのかを考えます。勉は小学校3年、晩は6年で習います。免は中学校で習います。学校、学年に関係なくまとめて覚えてしまいましょう。

　『免（メン）』miǎnは、女性が出産する映像を漢字にしたものです。漢字の部首は『儿・ひとあし』。意味は『暗いとこらから出る』、『出産が終わって免れる』、『許可する』、『やめさせる』です。

音読みは呉音の『メン』です。訓読みは『免れる（まぬがれる）』です。免れるの意味で免罪（メンザイ）、免除（メンジョ）、御免（ゴメン）なさい、許可するの意味で免許（メンキョ）、辞めさせるの意味で免職（メンショク）などの熟語があります。

『免（メン）』は中学校で習う常用漢字です。

少し読み方の話をしましょう。漢字には音読みと言って、漢字を輸入した時の中国の読み方、訓読みと言って漢字に合わせた大和言葉（やまとここば）の読み方があります。

音読みには呉音（ゴオン）と言って最初に漢字を輸入した時の呉（江南）地方の音、漢音（カンオン）と言って遣唐使が持ち帰った唐時代の長安の音があります。そのほかに鎌倉・室町時代入ってきた唐宋音（トウソウオン）があります。

中国では音の変化があった事が知られています。mの音が時代とともにb、wの音に変わりました。この発音の変化は呉音と漢音の発音にも影響が見られます。

『免』の場合、呉音は『メン』、漢音は『バン』です。日本に最初に輸入したときは『メン』と発音していたのが、時代とともにバンと発音するようになったのです。呉音、漢音どちらの音が残っているのかは中国と日本で違う場合が多く、日本では呉音、漢音とも残ってしまった場合もあって厄介です。

呉音と漢音については『呉音と漢音』http://bit.ly/1LUTTpI もご覧ください。

　『晩（バン）』wǎnは、夜を表す漢字です。漢字の足し算では、日＋免（暗い）＝晩（日が暮れて暗くなる。夜）です。漢字の部首は『日・にちへん』、意味は『夜』、『遅くなる』です。

音読みは漢音の『バン』です。呉音の『モン』は使いません。訓読みは『晩い（おそい）』今晩（コンバン）、昨晩（サクバン）、晩年（バンネン）、晩婚（バンコン）の晩です。

『晩（バン）』は小学校6年生で習う漢字です。

『夕』は月が出る様子を表す漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 夕』 をご覧ください

『夜』は月が再び出る様子を表す漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 夜』をご覧ください。

　『挽（バン）』wǎnは、棺（ひつぎ）を引っ張る映像を漢字にしたものです。漢字の足し算では、扌（手の作業）＋免（やっと）＝挽（力を入れてやっと挽く）です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『挽く』です。臼やコーヒー豆を挽くときにも使う漢字です。

音読みは漢音の『バン』です。呉音の『モン』は使いません。訓読みは『挽く（ひく）』です。挽歌（バンカ）、名誉挽回（メイヨバンカイ）の挽です。

　

ちなみに名誉は挽回（バンカイ・力を入れて回復する）、汚名は返上（ヘンジョウ・返し上げる）です。

『挽（バン）』は人名用漢字です。

　『娩（ベン）』miǎnは、女性が出産する様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、女(女性）＋免（やっと）＝娩（やっと子供を生む。出産する）です。漢字の部首は『女』、意味は『産む』です。『免』が『（まぬが）れる）』の意味で広く使われているので、出産するは女を足した『娩』が使われます。

音読みは漢音の『ベン』です。呉音の『メン』は使いません。お母さんが子供出産することを分娩（ブンベン）といいます。

『娩（ベン）』は中学校で習う常用漢字から外れています。

　『勉（ベン）』miǎnは力を出して励（はげ）むことを示す漢字です。漢字の足し算では免（やっと）＋力（ちから）＝勉（力を出して励む）です。漢字の部首は『力』です。

音読みは漢音の『ベン』です。呉音の『メン』は使いません。訓読みは『勉（つと）める』、『つとむ』、『まさる』です。勉強（ベンキョウ）、勉学（ベンガク）の勉です。

『勉（ベン）』は小学校3年生で習う漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-7c2e.html

『漢字の覚え方 免』 免 晩 挽 娩 勉

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.運転 めんきょ（　　　）。

2.会社を めんょく（　　　）される。

3.こんばん（　　　）の夕食。

4.ばんねん（　　　）の成績。

5.名誉を ばんかい（　　　）する。

6.石狩 ばんか（　　　）。

7.病院の ぶんべん （　　　）室。

8.試験 べんきょう（　　　）。

9.べんがく（　　　）にいそしむ。

解説です。まぬがれるのが免、日が暮れるのが晩、手でやっと挽（ひ）くのが挽、やっと子供を産むが娩、力を出して励むのが勉です。

解答です。免許、免職、今晩、晩年、挽回、挽歌、分娩、勉強、勉学。