漢字の覚え方 續・讀
漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は續(続)(ゾク)、讀(読)(ドク)、瀆(トク)、贖(ショク)、犢(トク)、犢(トク)、牘(トク)という漢字の仲間について説明します。基本の漢字は『(イク)』yùで、読み方は『イク』、意味は『集める』、『売る』、『あきなう』、『交換する』などです。
(イク)について、現在、印刷字体が存在しないので賣(バイ・マイ)で代用することがあります。御容赦下さい。(四ではなく罒を書いています)
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『(イク)』に何を足すとどんな漢字になるのかを考えます。読(讀)は小学校2年生、続(續)は小学校4年生で習う漢字、瀆(トク)、贖(ショク)は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
續(ゾク)、讀(ドク)の説明の前に基本漢字の(イク)を説明します。
『(イク)』yùは、売る様子表す会意文字です。財貨を取引して流通させることを表します(藤堂)。漢字の部首は『貝・かい』です。意味は『売る』、『あきなう』です。藤堂は漢字源の中で貝+睦(ボク・目を寄せ合う)であるといっています。
音読みは呉音・漢音ともに『イク』です。(イク)の漢字を単独で使うことはありませんが、續(ゾク)、讀(ドク)、瀆(トク)、贖(ショク)の構成要素になっています。
『読・讀(ドク・トウ)』dúは、言葉を示す言(ごんべん)を(イク)に合わせた形声文字です。『言葉を取り込む』ことから、『読む』を表すようになりました。意味は『読むこと』、言葉を取り込んで『言葉を取り込んで理解する』ことです。
音読みは呉音の『ドク』が普通で、漢音の『トク』、『トウ』と読むこともあります。訓読みは『読(よ)む』です。基の漢字は(イク)なので、似た漢字の賣(バイ・マイ)や賣の省略字体の売(バイ・マイ)の漢字が使われますが『バイ』とは読まず、『ドク・トウ』と読みます。
字体については、常用漢字体である『読』の字体を使います。『讀』はあまり使われる事はありません。
本を読むことを読書(ドクショ)、声を出さずに黙って読むことを黙読(モクドク)、声に出して読み上げること朗読(ロウドク)、文の最後につける句点(。)と文中に読みやすくために読点(、)を句読点(クトウテン)、普通に読めない文字・文章などを読み解くことを解読(カイドク)、本などを読むこと・気軽に読めるように書かれたものを読み物(よみもの)といいます。
読(ドク・トウ)は小学校2年生で習う漢字 です。
『続・續(ゾク・ショク)』xùは、商売が続く事を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸に(イク)を合わせます。基の漢字は
(イク)なので、似た漢字の賣(バイ・マイ)や賣の省略字体の売(バイ・マイ)の漢字が使われますが『バイ』とは読まず、『ゾク・ショク』と読みます。
字体については、常用漢字体である『続』の字体を使います。『續』はあまり使われる事はありません。
音読みは呉音の『ゾク』が普通で、まれに漢音の『ショク』と読みます。訓読みは『続(つづ)く』、『続(つづ)ける』です。保ち続けることを持続(ジゾク)、引き続き存在することを存続(ソンゾク)、前から行っていることをそのまま続けることを継続(ケイゾク)、切れ目なく続くことを連続(レンゾク)、一度では終わりにならず、何回か回を重ねて終わるドラマなどを続き物(つづきもの)といいます。
続(ゾク・ショク)は小学校4年生で習う漢字です。
『瀆(トク)』dúは、水を抜き出す様子・どぶの水を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(さんずい)に(イク)を合わせます。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『水を抜き出す』、『通水路』、『どぶの水』、『瀆(けが)す』です。
音読みは呉音が『ドク』、漢音の『トク』です。訓読みは『瀆(けが)す』です。神聖なもの・大切なをけがすことを冒瀆(ボウトク)、公務にあるものが職をけがすことを瀆職(トクショク)といいます。
異体字の涜(トク)が書くのに簡単なので好んで使われます。
瀆(トク)は常用漢字から外れています。
『贖(ショク)』shúは、財貨を払って身柄を受け出す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、貝(かい・財貨)に(イク)を合わせます。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『贖(あがな)う』です。
音読みは呉音が『ゾク』、漢音が『ショク』です。訓読みは『贖(あがな)う』です。金銭を出して罪をのがれること・キリストが十字架にかかって全人類の罪をあがなうことを贖罪(ショクザイ)といいます。
贖(ショク)は常用漢字から外れています。
『犢(トク)』dúは、売られていく子牛を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、牛(うし)に(トク)を合わせます。漢字の部首は『牛・うし』、漢字の意味は『子牛』です。
音読みは呉音が『ドク』、漢音が『トク』です。訓読みは『こうし』です。親牛が子牛を舐(な)めて可愛がること・親がむやみに子を可愛がることを舐犢(シトク)といいます。
千葉県に犢橋(こてはし)という難読で有名な地名があります。
犢(ショク)は常用漢字から外れています。
『牘(トク)』dúは、見出し用の木の札(ふだ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、片(木片)に(トク)を合わせます。漢字の部首は『片・かたへん』、漢字の意味は『木の札』、『文書』、『手紙』です。
音読みは呉音が『ドク』、漢音が『トク』です。一尺四方に書かれた手紙を尺牘(セキトク)、書き物・手紙のことを牘書(トクショ)といいます。
牘(トク)は常用漢字から外れています。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-94dd.html
『漢字の覚え方 續・讀』 続 續 読 讀 瀆 涜 贖 犢 牘
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.くとうてん( )をつける。
2.どくしょ( )の秋。
3.教科書を もくどく( )する。
4.そんぞく( )の危機。
5.れんぞく( )小説。
6.神への ぼうとく( )。
7.キリストの しょくざい( )。
8.しとく( )の愛。
解説です。基本の漢字は(イク)、讀(よ)むは言を足して讀、續(つづ)くは糸を足して續、瀆(けが)すは氵(さんずい)を足して瀆、贖(あがな)うは貝を足して贖、犢(こうし)は牛を足して犢、牘(木片)は片を足して牘です
解答です。句読点・句讀点、読書・讀書、黙読・黙讀、存続・存續、連続・連續、冒瀆・冒涜、贖罪、舐犢