漢字の覚え方 幾

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『幾（キ）』jī、jǐという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には幾（キ・いく）、機（キ・はた）、畿（キ）、磯（キ・いそ）、饑（キ・うえる）という漢字が含まれます。『近い』、『小さい』という意味があり、音読みは『キ』です。これらの漢字は『幾（キ）』という同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『幾（キ）』に何を足したら機（キ・はた）、畿（キ）、磯（キ・いそ）、饑（キ・うえる）になるのかを考えてます。機は小学校4年生で習う漢字 、幾は中学生 、畿は中学生で習うようになった常用漢字です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『幾（キ）』jī、jǐ は、もう少しという様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、幺 幺  （糸・小さい）＋戈（ほこ）＋人＝幾（人にもう少しで刃が届く。もう少し。近い。ほとんど）です。漢字の部首は『幺・いとがしら』、漢字の意味は『もう少し』、『近い』、『ほとんど』、『細かい』、『幾（いく）つ』です。一から九までの小さな数を示します。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みは『幾（いく）』です。人の数をたずねる言葉を幾人（いくニン）、数量・時間などをたずねる言葉を幾何（キカ・いくばく）、かすかな気配を幾微・機微（キビ）といいます。

『幾（キ・いく）』は中学生 で習う常用漢字です。　

呉音が『ケ』の場合、漢音では『キ』と読むことがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』もご覧ください。

　『機（キ）』jīは、機（はた）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（木製品）＋幺幺 戈人（幾・細かい仕組み）＝機（木製の細かい仕組みを人が動かす。機（はた）、仕組み、細かい働き）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『機（はた）』、『仕組み』、『細かい働き』、『きっかけ』、『心の動き』です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みは『機（はた）』です。動力を用いて操作する装置を機械（キカイ）、あるものが備えているはたらきを機能（キノウ）、重要な細かい秘密を機密（キミツ）、物事をするのに良いきっかけを機会（キカイ）、良い悪いなどの心の動きを機嫌（キゲン）といいます。

『機（キ・はた）』は小学校4年生で習う漢字 です。象形・指事・会意・形声　四年生 もご覧ください。

　『畿（キ）』jīは、都から近い領地を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、幺幺戈人（幾・近い）＋田（領地）＝畿（都から近い領地。天子の居住地）です。漢字の部首は『田・た』、漢字の意味は『都から近い領地』、『天子の居住地』です。

漢字の書きやすさとデザインのの都合で人に田を換えて書きます。

音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『キ』です。都を中心として五百里以内を畿内（キナイ）、我が国では大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀・和歌山の2府4県を指すを近畿（キンキ）といいます。

『畿（キ）』は平成22年から新たに登録された中学生で習うようになった常用漢字です。

　『磯（キ）』jīは、海の近くの岩場を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、石（岩場）＋幺幺戈人（幾・近い）＝畿（海の近くの岩場。磯。いそ）です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『水が石に激しくあたる』、『磯（いそ）』、『波打ち際』です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みが『磯（いそ）』です。波の激しい磯を荒磯（ありそ・あらいそ）、磯にいる巾着（キンチャク）のような生物を磯巾着（いそギンチャク）といいます。

『磯（キ・いそ）』は人名用漢字です。

　『饑（キ）』jīは、食物の少ない状態を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、食（食物）＋幺幺戈人（幾・少ない）＝饑（食物が少ない。饑える。うえる）です。漢字の部首は『食・しょくへん』、漢字の意味は『食物が少ない』、『饑（う）える』です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みが『饑（う）える』です。食物がなくて飢（う）えることを飢餓 ・饑餓 （キガ）、農作物が不作で食糧が乏しくなることを飢饉・饑饉（キキン）といいます。

饑（う）えるは飢（う）えるhttp://bit.ly/1ofdNDD、餓（う）えるhttp://bit.ly/1D68WXb と書くのが普通です。

餓（ガ）は我（ガ）の漢字の仲間で、義（ギ）、蛾（ガ）などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 我』をご覧ください。

『饑（キ・うえる）』は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-fc1a.html

『漢字の覚え方 幾』 幾 機 磯 饑　畿

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きかがく（　　　）。

2.いくにん（　　　）かの参加。

3.はた（　　）織り。

4.作業の きかい（　　　）化

5.絶好の きかい（　　　）。

6.きげん（　　　）を良い。

7.きんき（　　　）地方。

8.波の激しい あらいそ（　　　）。

9.きが（　　　）を恐れる。

解説です。基本の漢字は幾、機（はた）は木（きへん）を足して機、畿（都の近くの領地）は田（た）を足して畿、磯（いそ）は石を足して磯、饑（う）えるは食（しょくへん）を足して饑です。

解答です。幾何学、幾人、機、機械、機会、機嫌、近畿、荒磯、飢餓・饑餓。

漢字の覚え方 希

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『希（キ）』xīという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には希、稀（キ）、絺（チ）という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『希』に何を足したら稀、絺になるのかを考えてます。希は小学校4年生で習う漢字 、稀は人名用漢字、絺は常用漢字ではありませんが、一緒に覚えましょう。

　『希（キ）』xīは、布を細かく織って行く（乂）様子を表す漢字です。漢字の足し算では、乂(交差する）＋布＝希（布を織って行く。細かく織る。うすい。希。のぞみ）です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『細かい』、『少ない』、『希（まれ）』から転じて、『のぞむ』、『願う』です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みは常用外の『希（まれ）』、『希（のぞみ）』です。願うことを希望（キボウ）、願い求めることを希求（キキュウ）、非常に稀（まれ）で少ないことを希少（キショウ）、代（よ）にも稀（まれ）なことを希代（キダイ・キタイ）、珍しい本を希書（キショ）、極めて稀（まれ）にあることを希有（ケウ・キユウ）といいます。

願うことや良い意味の少ない状態に使う漢字です。『のぞみ』、『まれ』と名前に使われます。朝ドラマの希（まれ）さん世界一のパティシエへ、応援してます。

呉音が『ケ』の場合、漢音では『キ』と読むことがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』もご覧ください。

『希（キ）』は小学校4年生で習う漢字です。

　『稀（キ）』xīは、穀物がまばらな様子を表す漢字です。漢字の足し算では、禾(穀物）＋希（細かく織る）＝稀（穀物がまばらな様子。うすい。稀。まれ）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『細かい』、『少ない』、『稀（まれ）』です。

稀（まれ）の意味で使う漢字ですが、常用漢字の希（まれ）も同じ意味があるので常用漢字の希を使うのが普通です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みは常用外の『稀（まれ）』です。非常に稀（まれ）で少ないことを稀少（キショウ）、ある溶液の濃度を薄めることを稀釈（キシャク）、極めて稀にあることを稀有（ケウ・キユウ）、70歳のことを古来稀（まれ）なりで古稀（コキ）といいます。

良い意味の少ない状態に使う漢字です。『まれ』と名前に使われます。

稀（キ・まれ）は人名用漢字です。

　『絺（チ）』chīは、葛（くず）の繊維で細かく織った夏用の衣服を表す漢字です。漢字の足し算では、糸(繊維）＋希（細かく織る）＝絺（葛（くず）の繊維で細かく織った衣服）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『夏用の衣服』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』です。夏に着る目の細かい着物を絺衣（チイ）といいます。

絺（チ）は常用漢字から外れています。

　『鯑（かずのこ）』は、鰊（にしん）の卵を表す漢字です。漢字の足し算では、魚＋希（細かい）＝鯑（細かい卵の集まり。鰊の卵。かずのこ）です。鰊（にしん）は古名を鰊（かど）といい、鰊の卵を鯑・数の子（かずのこ）といいます。一粒・一粒の卵の大きさは小さく（希）、数（かず）が多いため、子孫繁栄の象徴とされ、御目出度い食べ物になっています。

我が国で造られた国字（コクジ）で、音読みはありません。訓読みが『鯑（かずのこ）』です。鯑は常用漢字から外れています。

魚についての漢字は『部首索引　魚（うお・さかな）』をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-26f8.html

『漢字の覚え方 希』 希 稀 鯑 絺

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きぼう（　　　）が叶う。

2.けう（　　　）な出来事。

3.10倍に きしゃく（　　　）。

4.きしょう（　　　）価値。

5.70歳 こき（　　　）。

6.正月の かずのこ（　　）料理。

解説です。基本の漢字は希、稀（まれ）は禾（のぎへん）を足して稀で、絺は糸を足して絺、鯑（かずのこ）は魚を足します。

解答です。希望、希有・稀有、希釈・稀釈、希少・稀少、古希・古稀、鯑・数の子。

漢字の覚え方 气

　漢字には『単語家族』と呼ばれる漢字の仲間があります。今日は气、気（氣）、汽という漢字の『単語家族』について説明します。基本の漢字は『气』で、読み方は『キ』、意味は、『気体』、『水蒸気』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『气』に何を足すと気（氣）、汽になるのか考えます。気は小学校1年生、汽は2年で習います。まとめて覚えてしまいましょう。

　『气（キ）』qìは、息や気体や水蒸気を示す象形文字です。やがて息や気体は米を足した気（氣）、水蒸気は氵を足した汽に分かれました。漢字の部首は『气・きがまえ』、漢字の意味は『気体』、『いき』、『気力』、『気持ち』、『水蒸気』です。『气』を自体を使う事は無く、『気』と『汽』を使います。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』です。

『气（キ）』は常用漢字から外れています。

　『気（キ）』qìは、米をふかす蒸気を示す形声文字です。正字は氣です。漢字の足し算では、气（ゆげ）＋米＝氣（米をふかす蒸気。蒸気。気体。いき）です。漢字の部首は『气・きがまえ』、漢字の意味は『気体』、『いき』、『気力』、『気持ち』です。字体は常用漢字に登録されている『気』を使って下さい。

音読みは呉音が『ケ』は使わず、漢音が『キ』を使います。人気（ニンキ）、健気（ケナゲ）、天気（テンキ）、気体（キタイ）、景気（ケイキ）、気持ち（キもち）の気です。気（キ）、汽（キ）、气（キ）は同じ仲間の『単語家族』です。

呉音が『ケ』のとき、漢音は『キ』と読むことがあります。呉音と漢音については『呉音と漢音』 もご覧ください。

『気（キ）』は小学校1年生で習う漢字lです。

　『汽（キ）』qìは、水蒸気を示す形声文字です。漢字の足し算では、氵（みず）＋气（ゆげ）＝汽（水蒸気）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『水蒸気』です。

音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』です。汽車（キシャ）、汽笛（キテキ）、汽船（キセン）の汽です。我が国では塩水と淡水の混じる水を汽水（キスイ）といいます。

『汽（キ）』は小学校2年生で習う漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-4331.html

『漢字の覚え方 气』 気 汽

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.良い てんき（　　　　）。

2.AKB48の にんき（　　　　）。

3.液体と きたい（　　　　）。

4.きもち（　　　　）の良い天気。

5.けいき（　　　　）の回復。

6.きしゃ（　　　　）に乗る。

7.遠くの  きてき（　　　　）を聴く。

解説です。基本の漢字は气、米をふかす蒸気は米（こめ）を足して氣・気、水蒸気は氵（さんずい）を足して汽です。

解答です。天気、人気、気体、気持ち、気持、景気、汽車、汽笛