漢字の覚え方 席

今日は席（セキ）、蓆（セキ）という漢字を説明します。基本になる漢字は『席（セキ）』xíで、『座る場所』、『会合の場所』を表し音読みは『セキ』です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『席』に何を足したら蓆になるのかを考えます。席は小学校4年生で習う漢字 です。席、蓆 一緒に覚えましょう。

　『席（セキ）』xíは、藁（わら）など集めて（庶）つくった座る場所を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、庶（集める）＋巾（布・シート）＝席（藁（わら）など集めてつくった座る場所。席。せき）です。蓙（ござ）、莚（むしろ）、畳（たたみ）などを指します。漢字の部首は『广・まだれ』、漢字の意味は『席（セキ）』、『会合の場所』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、訓読みは常用外の『席（むしろ）』があります。座る場所を座席（ザセキ）、客が座る場所を客席（キャクセキ）、会合に出ることを出席（シュッセキ）、席（むしろ）を巻（ま）くように領土を攻め取ることを席巻（セッケン）といいます。

席（セキ）は小学校4年生で習う漢字 です。

　『蓆（セキ）』xíは、蓆（むしろ）を表すためにつくられた形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹(植物・藁）＋席（座る場所）＝蓆（藁（わら）など集めてつくった座るための敷物）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『蓆（むしろ』です。

席（セキ）が『場所』などの意味に使われるため、艹（くさかんむり）を足して蓆（むしろ）の意味専用につくられた漢字です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、訓読みが『蓆（むしろ）』です。周囲からの非難などで心が休まらない喩（たとえ）に針の蓆（むしろ）という言い方があります。

蓆（むしろ）は莚・筵（むしろ）http://bit.ly/1VGjR4S とも書きます。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-e2b7.html

『漢字の覚え方 席』 席 蓆

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ざせき（　　　）に着く。

2.会合に しゅっせき（　　　）。

3.きゃくせき（　　　）に案内。

4.針の むしろ（　　）。

解説です。基本の漢字は席、蓆（むしろ）は艹（くさかんむり)を足して蓆です。

解答です。座席、出席、客席、蓆、筵、莚

漢字の覚え方 尺

今日は尺（シャク）、釈（シャク）、択（タク）、沢（タク）という漢字について説明します。基本になる漢字は『尺（シャク）』chǐで、この『単語家族』には尺（シャク）、釈（シャク）、択（タク）、沢（タク）という漢字が含まれます。また尺（シャク）は睪（エキ・タク）の省略形に用いられています。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『尺』に何を足したら釈、択、沢になるのかを考えます。尺は小学6年生 、釈、択、沢は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『尺（シャク）』chǐ は、人が手の幅で長さを測る様子を描いた象形文字です。古代中国では22.5cmで、我が国では30.3cmにあたります。漢字の部首は『尸・しかばね』、漢字の意味は『長さの単位』、『ものさし』です。

十寸 が一尺で、十尺が一丈 です。中国に由来する、日本古来の長さや重さの単位の計量方法を尺 貫 法（シャッカンホウ）といいます。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』です。テープ状の巻いてあるものさしを巻尺（マキジャク）、わずかな土地を尺地（シャクチ）、尺八寸の長さの竹製の縦笛を尺八（シャクハチ）といいます。

また、睪（エキ・タク）の省略形に用い、常用漢字では駅（エキ）、択（タク）、沢（タク）http://bit.ly/1EJiIfU のつくりになります。

尺（シャク）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/1SSc4hW です。

尺（シャク）の音を借りた漢字に釈・釋（シャク）があります。睪（エキ・タク）に従う漢字ですが、常用漢字体では釈を使います。

　『釈・釋（シャク）』shìは、しこりを一つ一つ釈（と）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、釆（バラバラにする）＋尺・睪（ひとつ、ひとつ）＝釈・釋（しこりを一つ一つ釈（と）く。ときほぐす）です。漢字の部首は『釆・のごめへん』、意味は『釈（と）く』、『ときほぐす』、『解き放つ』です。

本字は釋http://bit.ly/1EJiIfU 、常用漢字体は省略形の釈を使います。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みに常用外の『釈（と）く』があります。液の濃度を薄めることを稀釈（キシャク）、言葉の内容を解きほぐして明らかにすることを解釈（カイシャク）、拘束を解いて自由にすることを釈放（シャクホウ）といいます。

バラバラにすることを日本語で『とく』というのですが、漢字の世界では色々な漢字を使い分けています。

釈（と）く　ひとつ、ひとつ。釈きほぐす。　『漢字の覚え方 尺』http://bit.ly/1tkspU4

解（と）く　ばらばらにする。解きほぐす。　『漢字の覚え方 解』http://bit.ly/1N1uZka

溶（と）く　水の中で溶かす。　　　　　　　　『漢字の覚え方 溶』http://bit.ly/1xUYpv5

説（と）く　ひとつひとつ説明する。　　　　　『漢字の覚え方 説』http://bit.ly/1GMPByp

梳（と）く　櫛(くし)で髪をさらさらにする。　『漢字の覚え方 疋』http://bit.ly/1JXetBr

解釈（カイシャク）、解説（カイセツ）のように二語の熟語にしても使います。

また、梵語のSakyaの音訳に釈迦（シャカ）という漢字を使います。

釈（シャク・とく）は中学校で習う常用漢字です。

　『択・擇（タク）』zhái、zéは、一つ一つを択（えら）ぶ様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋尺・睪（ひとつ、ひとつ）＝択・擇（一つ一つ択（えら）ぶ。えらぶ）です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『択（えら）ぶ』です。

本字は擇、常用漢字体は省略形の択を使います。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『タク』、訓読みは常用外の『択（えら）ぶ』です。えらぶことを選択（センタク）、二つのうち一つを択ぶことを択一（タクイツ）、択（えら）んで採用することを採択（サイタク）といいます。

択（えら）ぶは選（えら）ぶと書くのが普通です。選（セン）は巽（ソン）の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 巽』をご覧ください。

択（タク・えらぶ）は中学校で習う常用漢字です。

　『沢・澤（タク）』zéは、一つ一つの支流を様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、氵（水・川）＋尺・睪（ひとつ、ひとつ）＝沢・澤（一つ一つの川。沢。さわ）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『沢（さわ）』、『うるおい』、『つや』、『めぐみ』、『物が多くある』です。

本字は澤、常用漢字体は省略形の沢を使います。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『タク』、訓読みは常用外の『沢（さわ）』です。沢の水を沢水（さわみず）、数量が多いことを沢山（タクサン）、光の反射による輝きを光沢（コウタク）といいます。

非常に良い意味の漢字で『ます』と名前に使われます。

沢（タク・さわ）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-292f.html

『漢字の覚え方 尺』 　尺 釈 沢 択

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.しゃっかんほう（　　　　）。

2.まきじゃく（　　　）を使う。

3.妥当な かいしゃく（　　　）。

4.せんたく（　　　）の自由。

5.こうたく（　　　）のある生地。

6.たくさん（　　　）のお菓子。

解説です。基本の漢字は尺、釈（と）くは釆（のごめへん）を足して釈、択（えら）ぶは扌を足して択、沢（さわ）は氵（さんずい）を足して沢です。

解答です。尺貫法、巻尺、解釈、選択、光沢、沢山。

漢字の覚え方 石

　漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『石（セキ）』shíという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には石（セキ・いし）、碩（セキ・おおきい）、跖（セキ・あしうら）、妬（ト・ねたむ）、拓（タク・ひらく）という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『石』に何を足したら碩（セキ）、跖（セキ）、妬（ト）、拓（タク）になるのかを考えます。石は小学校1年生で習う漢字 、拓は中学生 で習う常用漢字、妬 は中学生で習うようになった常用漢字 、碩は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『石（セキ）』shíは、石を表す象形文字です。厂は崖を表し、口が石本体を表すといわれています(藤堂）。漢字の部首は『石・いし』です。漢字の意味は『石（いし）』、『充実した』、『融通のきかない』、『硬い』です。

甲骨文字では、三角形の石板（叩いて音を出す）を表す象形になっています(落合）。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、慣用音が『シャク』、『コク』です。訓読みは『いし』です。岩石（ガンセキ）、石灰（セッカイ）、一石（イッセキ）、一石（イッコク・180ℓ）、砥石（といし）、小石（こいし）の石です。

硬い、充実したの意味があり、『あつ』、『いし』、『いそ』、『いわ』、『かた』、『し』と地名、人名に使われます。

石（セキ）は小学校1年生で習う漢字です。

少し漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の辞書は後漢（西暦100年頃）の許慎（キョシン）の「説文解字（セツモンカイジ）」です。許慎はその中で漢字について六種の原理を説明しています。これを『六書（リクショ）』といいます。六種類のうち四種類は漢字の成り立ちについて、残りの二種類は漢字の使用法についてしるしています。

彼は、漢字（＝文字）の成り立ちを、物の形に象（かたど）った『象形』（ショウケイ）、象形文字を基に点や線を足すことによって示された『指事』（シジ）、文字を組み合わせた『会意』（カイイ）、意味と音・声を示す文字を組み合わせた『形声』（ケイセイ）の四種類に分類しました。

『石』は石（いし）を象（かたど）った象形文字です。『碩』は石に頁、『跖』は足に石、『妬』は女に石、『拓』は扌に石を組み合わせた文字です。『石（セキ）』の音・声（音符）含みますから『形声文字』です。

漢字の殆（ほとん）どはこの『形声文字』です。漢字が足し算であるというのは、この漢字の成り立ちに関わっています。『形声文字』は音・声（音読み）が同じなので、音・声（音読み）を基にして漢字の足し算で、漢字を覚えようとしているわけです。

象形・指事・会意・形声　一年生 もご覧ください。

　『碩（セキ）』shuòは、優れている頭を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、石(充実した）＋頁（頭）＝碩（優れている頭。中身が充実している。。中身が充実している）です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『優れている人』、『中身が充実している』、『大きい』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』です。知識の充実した人を碩学（セキガク）、立派な人・美人を碩人（セキジン）、立派な人格で人々の信頼を集めていることを碩望（セキボウ）といいます。

非常に立派な漢字で『おお』、『ひろ』、『みち』、『みつ』、『みつる』、『ゆたか』と名前に使われます。

碩（セキ）は人名用漢字です。

　『跖（セキ）』zhíは、足の裏を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足（あし）＋石（かたい）＝跖（皮膚のかたい足の裏。あしうら）です。漢字の部首は『足・あし』、漢字の意味は『あしうら』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』です。古代中国の大泥棒を盗跖（トウセキ）といいます。

跖（セキ）は常用漢字から外れています。

　『妬（ト）』dùは、他人の幸福をうらやむ気持ちを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（おんな）＋石（かたい・いっぱい）＝妬（他人の幸福をうらやむ女性の気持ちがいっぱい。妬む。ねたむ）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『妬（ねた）む』です。女性だけでなく男性の妬（ねた）みにも使います。

女性が真っ赤になって興奮することを表す（藤堂）ともいわれています。

石の上古音（古い発音）はdhiak（ジャク）で、その音から妬tagto（タク・ト）の音を表した(藤堂）ので石（ジャク）と違う、妬（ト）という音になっています。

異体字に妒（ト）があるとも言われています（白川）。

音読みは呉音が『ツ』、漢音が『ト』、訓読みは『妬（や）く』、『妬（ねた）む』です。妬（ねた）みうらやむ気持ちを嫉妬（シット）、やきもちの女性を妬婦（トフ）といいます。

妬（ト）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『拓（タク）』tuòは、未開の地をひらく様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋石（いし）＝拓（石をどけて未開の地を拓く。ひらく）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『拓（ひら）く』です。

拓（タク）tàにはもう一つ意味があります。『石摺（いしず）り』です。漢字の足し算で表せば、扌（手の動作）＋石（いし）＝拓（石碑（セキヒ）に紙を置いて、墨のついたたんぽでたたく。石摺り）です。

石の上古音（古い発音）はdhiak（ジャク）で、その音から拓tagto（タク・ト）の音を表した(藤堂）ので石（ジャク）と違う、拓（タク）という音になっています。

音読みは呉音・漢音ともに『タク』、訓読みは『拓（ひら）く』です。未開の地を切り開いて人の住めるようにすることを開拓（カイタク）、未開の地に移住し開拓することを拓殖（タクショク）、石碑に紙を置いて、墨のついたたんぽで上からたたき、表面の文字を写すことを拓本（タクホン）のといいます。

非常に立派な漢字で『ひら』、『ひらく』、『ひろ』、『ひろし』と名前に使われます。

拓（タク）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-3723.html

『漢字の覚え方 石』 　石　碩　妬　跖　拓

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本を直接お読みください。

少し練習しましょう。

1.がんせき（　　　）の研究。

2.おおいし（　　　）内蔵助。

3.せきがく（　　　）の人。

4.しっと（　　　）深い人。

5.土地を かいたく（　　　）。

6.たくしょく（　　　）大学。

解説です。基本の漢字は石、近いは辶を足して碩、跖（あしうら）は足（あし）を足して跖、妬（や）くは女を足して妬、拓（ひら）くは扌（てへん）を足して拓です。

解答です。岩石、大石、碩学、嫉妬、開拓、拓殖。

漢字の覚え方 赤

　今日は『赤（セキ）』chìという漢字を基本とした漢字の仲間の覚え方について説明します。この漢字の仲間には赤、赦、赫、嚇という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『赤』に何を足したら赦、赫、嚇になるのかを考えます。赤は小学校1年生で習う漢字 、赦、嚇は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『赤（セキ）』chìは、燃え盛る火の色をデザインした会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、大（大きな）＋火＝赤（燃え盛る火の色。赤）です（藤堂）。漢字の部首は『赤・あか』、漢字の意味は『赤（あか）』、『赤い（あかい）』と『赤』から転じた『はだかの』です。

『人の罪を火で清める』呪術的な意味もある（白川）とされています。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』です。訓読みは『赤（あか）』、『赤い（あかい）』です。赤心（セキシン）、赤道（セキドウ）、赤貧（セキヒン）、赤裸々（セキララ）、赤銅（シャクドウ）、赤信号（あかシンゴウ）の赤です。

呉音の『シャク』は漢音の『セキ』に変化することがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』をご覧ください。

赤（セキ）は小学校1年生で習う漢字です。象形・指事・会意・形声　一年生 もご覧ください。

　『赦（シャ）』shèは、赦（ゆる）す様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、赤（人の罪を祓う）＋攵（動作・鞭打つ）＝赤（人の罪を祓（はら）って赦す。鞭打つことで赦す。ゆるす）です（白川）。漢字の部首は『赤・あか』、漢字の意味は『赦（ゆる）す』です。

赤（シャク・セキ）とは直接関係ない形声文字という説（藤堂）もあります。

音読みは呉音・漢音ともに『シャ』、訓読みが『赦（ゆる）す』です。罪を赦すことを赦免（シャメン）、罪を赦すことを書いた文章を赦状（シャジョウ）といいます。

漢字の世界では『ゆるす』に、ニュアンスの違いがあります。

許（ゆる）す。　人の話を聞きいれる　『漢字の覚え方 午』http://bit.ly/1tplk3i

赦（ゆる）す。　罪を赦す　　　　　　『漢字の覚え方 赤』http://bit.ly/1Y6frns

恕（ゆる）す。　人の心をおもいやる　『漢字の覚え方 女』http://bit.ly/1N8X8uX

赦（シャ）は中学校で習う常用漢字です。

　『赫（カク）』hèは、赤赤と光輝く様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、赤（燃え盛る火）＋赤（燃え盛る火）＝赫（赤赤と光輝く。光輝く）です。漢字の部首は『赤・あか』、漢字の意味は『光輝く』です。

音読みは呉音が『キャク』、漢音が『カク』です。光り輝いている様子を赫灼（カクシャク）、物事の勢いが盛んななまを赫然（カクゼン）といいます。

異体字に爀（カク）があります。

赫（カク）は常用漢字から外れています。

　『嚇（カク）』hèは、かっと怒る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（言葉）＋赤（赤赤と光輝く）＝嚇（赤くなってかっと怒る。おこる。おどす）です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『怒る』、『嚇（おど）す』です。

音読みは呉音が『キャク』、漢音が『カク』で、訓読みは『嚇（おど）す』です。威力をもって嚇（おど）す様子を威嚇（イカク）、烈しく怒ることを嚇怒（カクド）といいます。

嚇（カク）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-ce67.html

『漢字の覚え方 赤』 赤　赦　赫　嚇

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本を直接お読みください。

少し練習しましょう。

1.せきどう（　　　）直下。

2.あかしんごう（　　　　）。

3.罪を しゃめん（　　　　）される。

4.いかく（　　　　）射撃。

解説です。基本の漢字は赤、赦（ゆる）すは攵（ぼくづくり）を足して赦、赤に赤を足して赫、嚇（おど）すは口を足して嚇です

解答です。赤道、赤信号、赦免、威嚇。

漢字の覚え方 責

漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『責（セキ）』zéという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には責、積、債、漬、績、蹟、簀という漢字が含まれます。藤堂はこのような漢字の仲間について『単語家族』という表現を使っていました。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『責』に何を足したら積、債、漬、績、蹟、簀になるのかを考えます。積は小学校4年生で習う漢字 、責、績は小学校5年生で習う漢字 、債は中学生 、漬は中学生 で習う常用漢字(普段の生活で使う漢字）です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『責（セキ）』zéは、借金を責める様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、朿（とげ・刺す）＋貝（財貨）＝責（借金を刺すように繰り返し責める。責める。せめる）です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『責（せ）める』、『果たさなければ負い目』、『繰り返す』です。

『説文解字』には｢求めるなり。貝に従い朿の聲。｣とあります。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『サク』、漢音から変化した慣用音が『セキ』、訓読みが『責（せ）める』です。他人の失敗を叱り責めることを叱責（シッセキ）、果たさなければならない負い目や任務を責任（セキニン）、責任を引き受けることを引責（インセキ）、厳しくとがめる責めることを呵責（カシャク）といいます。

責（セキ・せめる）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『積（セキ）』jīは、収穫した穀物を積む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾（穀物）＋責（重ねる・繰り返す）＝積（穀物を重ねる。積む。つむ）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『積（つ）む』、『積み重ねる』、『広さ・量』、『掛け合わせる』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みが『積（つ）む』、『積（つ）もる』です。積み重なった年を積年（セキネン）、雪が積もることを積雪（セキセツ）、平面の広さを面積（メンセキ）、立体の量を体積（タイセキ）といいます。

大変縁起の良い漢字で、『あつ』、『かず』、『かつ』、『さ』、『さね』、『つね』、『つみ』、『もち』、『もり』と広く名前に使われます。

呉音の『シャク』は漢音で『セキ』と読むことがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』⑯http://bit.ly/1LUTTpI もご覧ください。

積（セキ・つむ）は小学校4年生で習う漢字 です。

　『債（サイ）』zhàiは、催促（サイソク)されている貸借関係（タイシャクカンケイ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ（人間の経済行為）＋責（借金を刺すように繰り返し責める）＝債（催促されている貸借関係）です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『返さなければならない金品』、『返してもらうべき金品』です。

イ（にんべん）http://bit.ly/2cZIz35 は人間の行為を表しますが、借（か）りるhttp://bit.ly/1tAQ8uY、値（あたい）http://bit.ly/1sY4zux、俸（ホウ）、償（つぐな）うhttp://bit.ly/1zeLdFK、貸（か）すhttp://bit.ly/1tysNxb、儲（もう）けるhttp://bit.ly/1tAG41T など経済活動を表すことがあります。

音読みは呉音が『セ』、漢音が『サイ』です。金銭などの返済の責任や義務を債務（サイム）、金銭など貸した人が持つ返済の請求権利を債権（サイケン）、金銭を借りて返済の責任を負うこと・その借金を負債負債（フサイ）、国が発行する返さなければならない証券を国債（コクサイ）といいます。

債（サイ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『漬（シ）』zìは、水に漬ける様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋責（重ねる・繰り返す）＝漬（水に重ねる。漬ける。つける）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『漬（つ）ける』、『漬（ひた）す』です。

音読みは呉音が『セ』、漢音が『シ』です。訓読みは『漬（つ）ける』と常用外の『漬（ひた）す』です。野菜を塩や醤油などの液体に重ねておいたものを漬（つ）け物といいます。

漬（シ・つける）は中学生 で習う常用漢字です。

　『績（セキ）』jìは、繊維を縒（よ）り合せて糸をつくる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（繊維）＋責（重ねる・繰り返す）＝績（繊維を重ねて糸にする。つむぐ）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『繊維を合せて糸にする』、『績（つむ）ぐ』、『積み重ねた仕事』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みが常用外の『績（つむ）ぐ』です。繊維をより合わせて糸をつくることを紡績（ボウセキ）、事業や研究で積み上げた成果を業績（ギョウセキ）、仕事や学業の成果の結果を成績（セイセキ）といいます。

績（つむ）ぐは紡（つむ）ぐhttp://bit.ly/1oh7v59 と書くのが普通です。積み重ねた成果を表す大変良い漢字で、『いさ』、『いさお』、『さね』、『つみ』、『なり』、『のり』、『もり』と広く人名に使われます。

績（セキ・つむぐ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『蹟（セキ）』jìは、足あとを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足＋責（重ねる・繰り返す）＝蹟（足を重ねる。足蹟。あしあと）です。漢字の部首は『足・あしへん』、漢字の意味は『足蹟（あしあと）』、『蹟（あと）』です。

蹟（セキ・あと）は常用漢字（普段日常で使う漢字）の跡（セキ・あと）と書くのが普通です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みが常用外の『蹟（あと）』です。歴史上の事件や建物の跡を史跡・史蹟（シセキ）、書かれた文字のあとを筆跡・筆蹟（ヒッセキ）、逃げたものの足蹟を追いかけることを追跡・追蹟（ツイセキ）といいます。

蹟（セキ）は常用漢字から外れています。また跡（セキ）については『漢字の覚え方 亦』 をご覧ください。

　『簀（サク）』zé は、竹製の簀（すのこ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹(竹製）＋責（重ねる・繰り返す）＝簀（竹や葭を重ねてつくる簀。すのこ。す）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『簀（すのこ）』、『すだれ』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『サク』、訓読みが『簀（すのこ）』、『簀』です。簀（す）の子とは竹や葦（よし）を重ねて編んだもので床や庇（ひさし）に使われます。近代では、板を透かして打ち付けたものをいい、洗い場などに使われます。魚を水中の竹垣（たけがき）で囲い一時的に飼育する施設を生け簀（す）といいます。

簀（サク・す）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-7725.html

『漢字の覚え方 責』　責　積　債　績　漬　簀

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.せきにん（　　　）を果たす。

2.良心の かしゃく（　　　）。

3.せきせつ（　　　）が多い年。

4.めんせき（　　　）の計算。

5.さいむ（　　　）の返済。

6.こくさい（　　　）の発行。

7.つ（　）けもの。

8.ぼうせき（　　　）工場。

9.せいせき（　　　）が上がる。

10.ひっせき（　　　）鑑定。

11.す（　　）の子

12.生け す（　　）。

解説です。基本の漢字は責、積（つ）むは禾（のぎへん）を足して積、債務（サイム）はイ（にんべん）を足して債、漬（つ）ける口を足して漬、績（つむ）ぐは糸を足して績、蹟（あと）は足を足して蹟、簀（す）は竹を足して蹟です。

解答です。責任、呵責、苛責、積雪、面積、債務、国債、漬け、紡績、筆跡・筆蹟、簀、簀。

漢字の覚え方 昔

昔、借、惜、措、錯、藉、籍いう漢字のについて説明します。基本になる漢字は『昔（シャク・セキ）』で、『数える』、『集める』という意味を表します。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『昔』に何を足すと借、措、錯、惜、藉、籍になるのかを考えます。昔は小学校で3年生で、借は小学校で4年生で、惜、措、錯、籍は中学校で習う常用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『昔（シャク・セキ）』xīは、日数を重ねる様子を表わす会意文字です。漢字の足し算では、龷
(重なる）＋日（ひにち）＝昔（日にちを重ねる。昔）です。漢字の部首は『日・にち』、意味は『昔（むかし）』、『夜（よる）』です。

龷 は干した肉を重ねたものと言われています。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みは『昔（むかし）』です。毎夜毎夜・はるか昔を昔昔（セキセキ・むかしむかし）、今と昔を今昔（コンジャク）、昔の日々・ずっと昔を昔年（セキネン）といいます。

少し漢字の読み方の話をします。漢字の読み方は漢字を中国から輸入したときの読み方音読みと大和（やまと）言葉にあわせた訓読み（くんよみ）があります。音読みには、最初に輸入した中国江南地方（呉）の音である呉音（ゴオン）、遣唐使が持ち帰った長安の音である漢音（カンオン）、鎌倉仏教を通して入ってきた唐宋音（トウソウオン）、我が国で慣用的に使われる慣用音（カンヨウオン）があります。

『昔（むかし）』xiの呉音は『シャク』です。今昔は、古い時代に入ってきた読み方なので今昔（コンジャク）と呉音で読みます。昔年（セキネン）は平安時代に入ってきた読み方なので昔年（セキネン）と漢音の『セキ』で読みます。

一般に呉音の語尾（韻・イン）が『ヤク』であるとき、漢音の語尾（韻）は『エキ』に変わります。従って呉音『シャク』の漢音では『セキ』です。役（ヤク・エキ）、益（ヤク・エキ）などもその例です。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音もご覧ください。

『昔（シャク・セキ）』は小学校3年生で習う漢字です。

　『借（シャク）』jièは、借りる様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、イ（にんべん・経済活動・お金を都合する）＋昔（重ねる）＝借（何度もお金の都合つける。借りる。かりる）です。漢字の部首は『イ・にんべん』、意味は『借（か）りる』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みが『借（か）りる』です。借りたお金を借金（シャッキン）・借財（シャクザイ）、貸すことと借りることを貸借（タイシャク）、賃料（チンリョウ・代価の金銭）を払って借りることを賃借（チンシャク）といいます。

『借（シャク・かりる）』は小学校4年生で習う漢字です。

借（か）りるの反対の、貸（か）すは、代の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 代』をご覧下さい。

　『惜（セキ）』xīは、惜しいと思う様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、忄（心）＋昔（重ねる）＝惜（何度も思い出す。心に残る。惜しいと思う。おしい）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、意味は『惜（お）しい』です。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』、訓読みが『惜（お）しい』です。もったいないと思う・残念であることを可惜（カセキ・おしむべし）、過ぎゆく春を名残惜しく思うことを惜春（セキシュン）、別れを惜しむことを惜別（セキベツ）、惜しい負けを惜敗（セキハイ）といいます。

『惜（セキ・おしむ）』は中学校でで習う常用漢字です。

　『措（ソ）』cuòは、上から物を置く様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋昔（重ねる）＝措（上から物を置く。転じて対処する。ふるまい）です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『対処する』、『ふるまい』です。

音読みは呉音が『ス』、漢音が『ソ』です。単語（辞）を重ねること・詩文の言葉の使い方を措辞（ソジ）、うまくとりはからうことを措置（ソチ）、人間の動作を挙措（キョソ）といいます。

『措（ソ）』は中学校でで習う常用漢字です。

　『錯（サク）』cuòは、金属を重ねた様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、金（金属）＋昔（重ねる）＝錯（金属を重ねる。交る。めっきする）です。漢字の部首は『金・かねへん』、意味は『交る』、『めっきする』、『間違う』です。

音読みは呉音・漢音ともに『サク』です。縦横に交わることを交錯（コウサク）、間違うことを錯誤（サクゴ）、思い違いを錯覚（サッカク）、金属の上に金属を重ねることを錯金・鍍金（めっき）といいます。

『錯（サク）』は中学校でで習う常用漢字です。

『めっき』は『鍍金』と書くのが普通です。

　『耤（セキ）』jièは、耕す様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、耒（すき）＋昔（重ねる）＝耤（土を重ねて耕す。耕す。たがやす）です。漢字の部首は『耒・すき』、意味は『耕（たがや）す』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』です。耕作地・君主自らの耕作地を耤田（セキデン）といいます。同じ意味を持つ『藉（セキ）』jieの方が人気があって、我が国ではあまり使われ得ない漢字です。

『耤（セキ）』は常用漢字ではありません。

　『藉（セキ・シャ）』jí・jièは、わらを藉（し）く様子、耕（たがや）す様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、艹（植物）＋耒（すき）＋昔（重ねる）＝藉（土を重ねて耕す。耕す。わらを藉く。しく）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、意味は『耕（たがや）す』、『藉（ふ）む』、『わらを藉（し）く』、『藉（か）りる』、『クッションをしく』、『なぐさめる』です。

『耕耕（たがや）す』、『藉（ふ）む』の意味での音読みは、呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』です。訓読みは『藉（ふ）む』です。耕作地・君主自らの耕作地を藉田（セキデン）といいます。

漢字の世界では、狼（おおかみ・ロウ）の寝た跡の草（藉）が酷（ひど）く乱れているといわれています。このことから、乱暴なふるまいを狼藉（ロウゼキ）といいます。

また、『藉（し）く』・『藉（か）りる』・『なぐさめる』の意味での音読みは、呉音が『ジャ』、漢音が『シャ』、訓読みは『藉（し）く』、『藉（か）りる』です。精神的苦痛への賠償を慰藉料・慰謝料（イシャリョウ）といいます。

『藉（セキ・しく）』は常用漢字から外れています。

　『籍（セキ）』jíは、公文書を重ねた様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、竹（竹簡・文書）＋昔（重ねる）＝籍（公文書を重ねて保存する。公文書）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、意味は『公文書』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』です。家族（戸）単位で登録する公の文書（籍）を戸籍（コセキ）、男女が婚姻し新しい戸籍に入ることを入籍（ニュウセキ）、書物のことを書籍（ショセキ）、スポーツの世界で所属が変わることを移籍（イセキ）といいます。

『籍（セキ）』は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-5034.html

『漢字の覚え方 昔』　昔　借　惜　措　錯　耤　藉　籍

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.むかし（　　）と今。

2.こんじゃく（　　　）物語。

3.しゃっきん（　　　）をする。

4.たいしゃく（　　　）対照表。

5.せきべつ（　　　）の想い。

6.適切な そち（　　　）。

7.時代 さくご（　　　）。

8.ろうぜき（　　　）を働く。

9.こせき（　　　）謄本。

10.チームの  いせき（　　　）。

解説です。基本の漢字は昔、借（か）りるはイ（にんべん）を足して借、惜（お）しむは忄（りっしんべん）を足して惜、対処（措）するは扌（てへん）を足して措、間違う（錯）は金（かねへん）を足して錯、耕す（耤）は耒（すき）を足して耤、藉（し）くは艹（くさかんむり）足して藉、公文書（籍）は竹（たけかんむり）を足して籍です。

解答です。昔、今昔、借金、貸借、惜別、措置、錯誤、狼藉、戸籍、移籍。

漢字の覚え方 夕

　今日は『夕（セキ）』xīという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『夕』です。音読みは『セキ』、意味は『夕方』、『夜』です。夕、汐などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。夕に何を足すと汐になるのかを考えます。夕は小学校で1年生で、汐は人名用漢字です。

　『夕（セキ）』xīは、夕方の月を表す象形文字です。月を表すことで、夕方や夜を意味する漢字になっています。漢字の部首は『夕・ゆう』です。漢字の意味は『夕方（ゆうがた）』、『よる』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、訓読みは『ゆう・ゆ』です。夕映（セキエイ・ゆうばえ）、夕影（セキエイ・ゆうかげ）、一朝一夕（イッチョウイッセキ）、夕方（ゆうがた）、夕飯（ゆうハン・ゆうめし）の夕です。大変綺麗な漢字ですので『ゆ』、『ゆう』と名前に使われます。

『夕（セキ・ゆう）』は小学校１年生で習う漢字です。

実は『夜』の中にも『月』（ななめで『夕』に近い形です）が入っています。『夜（ヤ・よる）』yeは、月が出て亦（また）、月が出る様子を漢字にしたもので、足し算では、亦（また）＋月＝夜（また月が出る。昼の両側。夜）です。意味は『よる』です。

『夜』は『亦』に『月』を足してデザインを少し変更したものです。詳しくは『漢字の覚え方 亦・夜』をご覧ください。

『朝』は月が沈み日が昇る様子を表す漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 朝』をご覧ください。

　『汐（セキ）』xīは、太陽と月の引力で変わる海の水位変動（潮汐・チョウセキ）を表す漢字です。漢字の世界では、朝の水位変動を潮（チョウ・しお）といい、夕方の水位変動を汐（セキ・しお）といいます。ふたつ合わせて潮汐（チョウセキ）です。漢字の足し算では、氵（水）＋夕＝汐（夕方の水位変動。汐。しお）です。漢字の部首は『氵・さんずい』です。意味は『汐（しお）』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音の『セキ』です。潮汐（チョウセキ）の汐です。汐入（しおいり）、汐留（しおどめ）など海の近くの地名に使われます。また、綺麗な漢字ですので、『しお』、『きよ』、『せき』と名前に良く使われています。氵（さんずい）は汐、清、浄、沙などの漢字に綺麗なイメージがあり名前に良く使われてます。『汐』は人名用漢字です。

『潮（チョウ）』は『朝（チョウ・あさ）』と同じ仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 朝』をご覧ください。

　『夕（セキ）』に近い親戚の様な漢字に『外（ガイ・ゲ）』があります。

　『外（ガイ・ゲ）』wàiは、月を占なう様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、月（夕・三日月）＋卜（うらなう）＝外（月のかけ方を見て占なう。占なった月の外側。外）です。もともと月占ないを示す漢字でしたが、月の外側を示すようになり、月以外の外の部分を表すようになりました。漢字の部首は『夕・ゆう』です。漢字の意味は『外（そと）』、『外（ほか）』、『外す（はずす）』です。

音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『ガイ』、訓読みは『外（そと）』、『外（ほか）』、『外す（はずす）』、『外（と）』です。城の外が城外（ジョウガイ）、疎（うと）んじて外（はず）すのが疎外（ソガイ）、外の国が外国（ガイコク）、外国との交渉が外交（ガイコウ）、道に外（はず）れるのを外道（ゲドウ）といいます。また、一族・譜代以外の外の大名を外様大名（とざまダイミョウ）といいます。

　『夕（セキ）』をもとにした漢字に『名（ミョウ・メイ）』míngがあります。名前は夕方に口にするので（夕方は呼ばないと暗くて誰だかわからないから）『名』といわれています。詳しくは『漢字の覚え方 名』をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-469a.html

『漢字の覚え方 夕』 夕 汐 外

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ゆうがた（　　　　）に仕事に出る。

2.ゆうばえ（　　　　）の空。

3.ゆうはん（　　　　）の支度。

4.一朝いっせき（　　　　）には出来ない。

5.ちょうせき（　　　　）。

6.がいこう（　　　　）問題。

7.とざま（　　　　）大名。

8.夕方に なまえ（　　　　）を呼ぶ。

出来ましたか？解答です。基本の漢字は月を形にした夕、汐（しお）は氵を足して汐、月占ないから外を表すようになったので卜を足して外、夕方口にして名です。

夕方、夕映え、夕飯、（一朝）一夕、潮汐、外交、外様、名前