享(キョウ)、郭(カク・くるわ)、廓(カク・くるわ)、孰(ジュク・いずれ)、淳(ジュン・あつい)、惇(ジュン・まこと)、醇(ジュン)、鶉(ジュン・うずら)という漢字のについて説明します。基本になる漢字は『享(キョウ)』です。南北の城門を表しているといわれています。音読みは『キョウ』、『カク』、『ジュン』、『トン』で漢字によって違います。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。享(キョウ)に何を足すとどのような漢字になるか考えます。享(キョウ)、郭(カク)は中学校で覚える常用漢字、淳(ジュン)、惇(ジュン)、醇(ジュン)は人名用漢字、孰(ジュク)、廓(カク)、鶉(ジュン)は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
『享(キョウ)』xiǎngは、南北の城門を表す象形文字で、『南北に通る』、『受け入れる』、『もてなす』という意味を持つ漢字です。漢字の部首は『亠・なべぶた』です。
音読みは呉音が『コウ』、漢音が『キョウ』です。受け取って自分のものにすることを享受(キョウジュ)、天から受け入れた寿命を享年(キョウネン)といいます。
異体字に亯(キョウ)があります。
城門ですから、良い意味の漢字で、『あきら 』、『すすむ』、『たか』、『つら』、『みち』、『ゆき』と名前に使われます。
また、淳(ジュン)chún、敦(トン)dūn、孰(ジュク)shúなどの漢字の一部分として良い意味を表します。
『享(キョウ)』は中学生で習う常用漢字です。
『郭(カク)』guōは、城の外囲いを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、享(南北の城門)+阝(邑・むら)=郭(邑・街を囲む城壁)。漢字の部首は『阝・おおざと』、漢字の意味は『城の外囲い』、『とりで』、『特定の一区画』、『外枠』、『拡(ひろ)げる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『カク』、訓読みは常用外に『郭(くるわ)』があります。城の周囲に設けた囲いを城郭(ジョウカク)、物の外形を形づくる線を輪郭(リンカク)、悪いものを取り除くこと・癌の手術で転移の可能性のある領域全部取り除くことを郭清(カクセイ)、
遊女屋を集め周囲を囲った区画を遊郭(ユウカク)といいます。
良い意味の漢字で、『ひろ』と名前に使われます。
郭(くるわ)は廓(くるわ)とも書きます。
皆様のご健康をお祈りいたします。
郭(カク)は中学生で習う常用漢字です。
『廓(カク)』kuòは、城壁にある居住区や廓(くるわ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、广(家)+郭(邑・街を囲む城壁)=廓(邑・街を囲む城壁にある居住区。廓(くるわ))です。漢字の部首は『广・まだれ』、漢字の意味は『城壁にある居住区』、『廓(くるわ)』、『とりで』、『拡(ひろ)げる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『カク』、訓読みが『廓(くるわ)』です。悪いものを取り除くこと・癌の手術で転移の可能性のある領域全部取り除くことを廓清(カクセイ)、遊女屋を集め周囲を囲った区画を遊廓(ユウカク)といいます。
廓清(カクセイ)は常用漢字を使って郭清(カクセイ)と書くのが普通です。
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廓(カク)は常用漢字から外れています。
『孰(ジュク)』shúは、城門を突き固める様子・南北の門の孰(いずれ)か選ぶ様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、享(城門)+丮(手の動作)=孰(城門を突き固める。転じて充分に。南北の門の孰(いずれ)か選ぶ。孰。いずれ)です。漢字の部首は『子・こ』、意味は『充分に』、『孰(いずれ)』です。
音読みは呉音が『ジュク』、漢音が『シュク』、訓読みは『孰(いずれ)』です。充分に考えることを孰考(ジュッコウ)、物事が充分に出来上がることを孰成(ジュクセイ)といいます。『孰(ジュク)』shuはには『孰(いずれ)』の意味もあるため、『充分に』の意味では灬(れっか)を足した『熟(ジュク)』を使うのが普通です。
孰 塾 熟(ジュク) 『漢字の覚え方 孰』 もご覧ください。
空澄んで孰(いず)れ艶なり山桜 風船
孰(ジュク)は常用漢字から外れています。
『淳(ジュン)』chúnは、深く澄んだ様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(みず)+享(充分に)=淳(水が充分にある。深く澄む。清い。すなお。あつい)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『清い』、『深い』、『澄んだ』、『素直な』、『まじめな』、『あつい』です。
音読みは呉音が『ジュン』、漢音が『シュン』、訓読みが『淳(あつ)い』です。真心のこもった手厚い恵みを淳徳(ジュントク)といいます。
非常に良い意味の漢字で『あき』、『あつ』、『あつし』、『きよ』、『きよし』、『すな』、『すなお』、『ただし』、『とし』、『ぬ』、『まこと』、『よし』と名前に使われます。
異体字に湻(ジュン)があります。
淳(ジュン)は人名用漢字です。
『惇(ジュン・トン)』dūnは、人情があつい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄(こころ)+享(充分に)=淳(人情があつい。素直。まこと)です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『あつい』、『誠実』、『素直な』、『まじめな』です。
音読みは呉音・漢音が『シュン』・『トン』、慣用音が『ジュン』、訓読みが『惇(あつ)い』です。真心がこもっていることを惇厚(トンコウ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『あつ』、『あつし』、『すなお』、『つとむ』、『とし』、『まこと』と名前に使われます。
惇(ジュン・トン)は人名用漢字です。
『敦(トン)』dūnは、ずっしりとした様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、享(充分に)+攵(動詞の記号)=敦(ずっしりとあつい。太い。あるべき場所におさめる)です。漢字の部首は『攵・ぼくづくり』、漢字の意味は『あつい』、『重厚な』、『おさめる』、『まじめな』です。
音読みは呉音・漢音が『トン』、訓読みが『敦(あつ)い』です。真心がこもっていることを敦厚(トンコウ)、手厚く行き届いた教えを敦化(トンカ)とといいます。
非常に良い意味の漢字で『あつ』、『あつし』、『おさむ』、『つとむ』、『つる』、『のぶ』、『よい』と名前に使われます。
敦(トン)は人名用漢字です。
『醇(ジュン)』chúnは、濃い御酒を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、酉(さけ)+享(充分に・ずっしりと)=醇(ずっしりとした酒。濃い酒。醇(あつ)い)です。漢字の部首は『酉・さけのとり』、漢字の意味は『濃い酒』、『醇(あつ)い』、『混じりけのない』です。
音読みは呉音が『ジュン』、漢音が『シュン』、訓読みが『醇(あつ)い』です。香りが高く味のよいことを芳醇(ホウジュン)といいます。
非常に良い意味の漢字で『あつ』、『あつし』と名前に使われます。
醇(ジュン)は人名用漢字です。
『鶉(ジュン)』chúnは、鶉(うずら)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、享(充分に・ずっしりと)+鳥(とり)=鶉(ずっしりとした鳥。ずんぐりした鳥。うずら)です。漢字の部首は『鳥・とり』、漢字の意味は『鶉(うずら)』です。
音読みは呉音が『ジュン』、漢音が『シュン』、訓読みが『鶉(うずら)』です。鶉のように住む場所が一定しないことを鶉居(ジュンキョ)といいます。
鶉(ジュン・うずら)は常用漢字から外れています。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-221e.html
『漢字の覚え方 享』 享 郭 廓 淳 惇 敦 醇 鶉
少し練習しましょう。
1.自由を きょうじゅ( )する。
2.顔の りんかく( )。
3.吉原の ゆうかく( )。
4.リンパ節の かくせい( )。
5.ほうじゅん( )な香り。
6.うずら( )の卵。
解説です。基本の漢字は享、郭(くるわ)は阝(おおざと)を足して郭、廓(くるわ)はさらに广(まだれ)を足して廓、孰(いず)れは丮を足して孰、淳(あつ)いは氵(さんずい)を足して淳、惇(あつ)いは忄(りっしんべん)を足して惇、敦(あつ)いは攵(ぼくづくり)を足して敦、醇(あつ)いは酉(さけのとり)を足して醇、鶉(うずら)は鳥(とり)を足して鶉です。
解答です。享受、輪郭、遊郭、遊廓、郭清、廓清、芳醇、鶉。