漢字の覚え方 彖

今日は『彖（タン）』tuànという字を基本とした彖（タン）、縁（エン）、篆（テン）、椽（テン）、掾（エン）という漢字について説明します。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『彖』に何を足したら縁、篆、椽、掾になるのかを考えます。縁は中学校で習う漢字、篆、椽、掾常用漢字ではありませんが、一緒に覚えましょう。

　『彖（タン）』tuànは、お腹の垂れた豕（ぶた）を表す象形文字です。漢字の部首は『彐・いのこがしら』、漢字の意味は『垂れた』です。

藤堂は全体を絵とみて象形文字としていますが、『説文解字』には｢彑（カイ）に従い、豕（シ）に従う」とありますので、会意文字とも考えられます。

音読みは呉音・漢音ともに『タン』です。彖（タン）の漢字自体を使うことはありませんが、縁、篆、椽、掾の構成要素になっています。

彖（タン）は常用漢字から外れています。

　『縁（エン）』yuánは、布の端に垂れた部分のふちを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（糸・布）＋彖（垂れた）＝縁（布の端の垂れた部分。ふち。へり）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『縁（ふち）』、『縁（へり）』、『手づる』、『えにし』です。

正字は緣ですが、常用漢字体の縁を使います。

音読みは呉音・漢音ともに『エン』、訓読みは『縁（ふち）』で、常用外に『縁（へり）』、『縁（よ）る』、『縁（えにし）』があります。物事の生因・起源・由来を縁起（エンギ）、仏門に入る日・祭りを行う日を縁日（エンニチ）、そうなった理由・関係のある人を縁故（エンコ）といいます。

大変良い意味の漢字で『まさ』、『むね』、『やす』、『ゆか』、『ゆかり』、『よ』、『よし』、『より』と名前に使われます。

縁（エン）は中学校で習う常用漢字です。

　『掾（エン）』yuànは、上官を支える役人を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（動作）＋彖（周辺の）＝掾（上官を周辺から支える役人。副官）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『副官』、『補佐官』です。我が国の律令制では、国司の三等官をいいます。

音読みは呉音・漢音ともに『エン』、訓読みは『掾（じょう）』、『掾（たす）ける』です。訓読みの『掾（じょう）』は丞（ジョウ）の音を借りたものと思われます。

掾（エン）は常用漢字から外れています。

　『椽（テン）』chuánは、垂る木を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（木材）＋彖（垂れた）＝椽（屋根のてっぺんから下へ垂れ下がる垂木。たるき）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『椽（たるき）』です。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『椽（たるき）』です。

★｢茅茨（ボウシ）剪（き）らず采椽（サイテン）削（けず）らず｣という言葉がありますが、揃（そろ）えていない茅葺（かやぶき）、切りだしたままの椽（たるき）のことです。四字熟語では茅屋采椽（ボウオクサイテン）といい、質素な家の例えとして使われます。

椽（たるき）は垂木（たるき）と書くのが普通です。

椽（テン）は常用漢字から外れています。

　『篆（テン）』zhuànは、垂れた漢字の字体である篆書（テンショ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹簡・文書）＋彖（垂れた）＝篆（字の端が垂れた書体。篆書・篆文）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『篆書（テンショ）・篆文（テンブン）』です。

篆書（テンショ）・篆文（テンブン）とは漢字の字体の種類で、周の宣王の時代につくられた大篆（ダイテン）と、秦の李斯が大篆（ダイテン）を簡略化してつくったといわれる小篆（ショウテン）があります。この小篆が秦の時代に正式に統一書体として採用され、現在も使用されている楷書体（カイショタイ）の直接の先祖にあたります。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』です。印鑑に使われる字体で、篆文を印材に彫ることを篆刻（テンコク）といいます。

篆（テン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-dfd3.html

『漢字の覚え方 彖』　彖 縁 掾 椽 篆

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.神社の えんにち（　　　）で賑わう。

2.えんぎ（　　　）の良い漢字。

3.がくぶち（　　　）を購入する。

4.茅屋 さいてん（　　　）。

5.印鑑に使われる てんぶん（　　　　）。

解説です。基本の漢字は彖、縁（ふち）は糸（いとへん）を足して縁、掾（じょう）は扌（てへん）を足して掾、椽（たるき）は木を足して椽、竹（たけかんむり）を足して篆です。

解答です。縁日、縁起、額縁、采椽、篆文。

漢字の覚え方 爰

今日は『爰（エン）』yuán という字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の名間には爰（エン）、援（エン）、媛（エン）、緩（カン）、暖（ダン）、煖（ダン）という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えてまとめて、漢字の足し算で覚えると便利です。『爰』に何を足したら援、媛、緩、暖、煖になるのかを考えます。暖は小学校6年生で習う漢字 、援、緩は中学校で習う常用漢字、媛は人名用漢字です。学校に関係なく、一緒に覚えましょう。

　『爰（エン）』yuán は、手と手の間にゆとりのある様子を表した会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、爫(手）＋一（あるもの・間）＋友・又（手）＝爰（手と手の間。ゆったり。ゆとり）です。漢字の部首は『爪・つめかんむり』、漢字の意味は『ゆったり』、『ゆとり』です。

音読みは呉音が『オン（ヲン）』、漢音が『エン（ヱン）』です。爰（エン）の漢字自体を我が国では使うことはありませんが、援、媛、緩、暖、煖の構成要素になっています。

爰（エン）は常用漢字から外れています。

　『援（エン）』yuánは、手を手で引いて援（たす）ける様子を表した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作・引く）＋爰（手と手で援ける・ゆとり）＝援（手を手で引いて援（たす）ける）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『手で引っ張り上げる』、『援（たす）ける』です。

音読みは呉音が『オン（ヲン）』、漢音が『エン（ヱン）』、訓読みは常用外に『援（たす）ける』がります。たすけることを漢語で援助（エンジョ）、脇から敵の攻撃をそらせて、味方の行動を掩（かば）うこと援（たす）けることを掩護・援護（エンゴ）といいます。

援（たす）けるは助（たす）けるhttp://bit.ly/1qnAOOz とも書きます。

援（エン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『猨（エン）』yuánは、手の長い猨（さる）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（動物）＋爰（手の長い・木の枝を引っ張る）＝援（手の長い獣。猿。テナガザル）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『猿（さる）』です。

本字は『猨（エン）』ですが、現在は『猿（エン）』http://bit.ly/1sz2BAa の漢字が使われています。

音読みは呉音が『オン』、漢音が『エン』で、訓読みは『猿（さる）』です。犬猿（ケンエン）、猿楽（さるガク）、猿回し（さるまわし）の猿です。

猿（エン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『媛（エン・ひめ）』yuànは、ゆったりとした美しい女性を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（女性）＋爰（ゆったり）＝媛（ゆったりとした女性。ひめ）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『媛（ひめ）』です。

『説文解字』には｢美女なり｣の記載があります。

音読みは呉音・漢音ともに『エン（ヱン）』、訓読みは『媛（ひめ）』です。四国の伊予の国を愛媛（えひめ）といいます。

古事記には愛らしい太陽のような女性の愛比賣（えひめ）の記載があります。伊予の国の女神様が愛比賣（えひめ）→愛媛（えひめ）ということと思われます。

媛（エン・ひめ）は姫（キ・ひめ）とも書きます。

媛（エン）は人名用漢字です。

　『緩（カン）』huǎnは、緩く糸を結んだ様子を表した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋爰（ゆとり）＝緩（緩く糸を結ぶ。緩い。ゆるい）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『緩（ゆる）い』、『緩（ゆる）める』です。

音読みは呉音が『ガン』、漢音が『カン』、訓読みが『緩（ゆる）い』です。ゆったりとしていることと、せわしいことをを緩急（カンキュウ）、ゆったりとしてのろいことを緩慢（カンマン）、厳しさを緩め和らげることを緩和（カンワ）といいます。

大変良い意味の漢字で『のぶ』、『ひろ』、『ふさ』、『やす』と名前に使われます。

緩（カン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『暖（ダン）』nuǎnは、太陽で暖（あたた）かい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、日（太陽）＋爰（手と手で援ける・ゆとり）＝暖（太陽の援けで暖かい様子。暖かい）です。漢字の部首は『日・にち』、漢字の意味は『暖かい』です。

大昔は㬉（ダン）と書いていました。日（太陽）＋耎（柔らかい）＝㬉（太陽の柔らかい㬉かさ。あたたかい）です。現在では暖（ダン）の漢字が使われています。

音読みは呉音が『ナン』、漢音が『ダン』、唐宋音が『ノン』、訓読みが『暖（あたた）かい』です。暖かい気候を暖気（ダンキ）、酒屋の中を暖めるための簾（すだれ）を暖簾（ノンレン・ノレン）、暖かい潮の流れを暖流（ダンリュウ）といいます。

異体字に㬉（ダン）、暄（ダン）があります。

暖（ダン）は小学校6年生で習う漢字 です。

　『煖（ダン）』nuǎn は、火で暖（あたた）かい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、火（ひ）＋爰（手と手で援ける・ゆとり）＝煖（火の援けで暖かい様子。煖かい。あたたかい）です。漢字の部首は『火・ひ』、漢字の意味は『煖かい』です。

音読みは呉音が『ナン』、漢音が『ダン』、訓読みは『煖（あたた）かい』です。暖（ダン）という漢字があるため、煖（ダン）が使われることはあまりありません。あたたかい衣服と充分な食事・贅沢な暮らしをを暖衣飽食・煖衣飽食（ダンイホウショク）といいます。

異体字に煗（ダン）、煊（ダン）があります。

煖（ダン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-1d32.html 

『漢字の覚え方 爰』 爰 援 媛 緩 煖 暖

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.けんじょ（　　　）を申し出る。

2.えひめ（　　　）県。

3.かんきゅう（　　　）自在。

4.規制 かんわ（　　　）。

5.かんだん（　　　）の差が激しい。

6.のれん（　　　）をくぐる。

解説です。基本の漢字は爰、援（たす）けるは扌（てへん）を足して援、媛（ひめ）は女を足して媛、緩（ゆる）いは糸を足して緩、暖（あたた）かいは日（にち）を足して暖、煖（あたた）かいは火を足して煖です。

解答です。援助、愛媛、緩急、緩和、寒暖、暖簾。

漢字の覚え方 延

　漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『延（エン）』yánという字を基本とした漢字の仲間を説明します。このこの漢字の仲間には延（エン・のびる）、莚（エン・むしろ）、筵（エン・むしろ）、涎（エン・よだれ）、誕（タン）、蛋（タン）という漢字が含まれます。これらの漢字は『延びる』という意味を持ち、『エン』や『タン』という音を持ちます。また、『延（エン）』という同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『延』に何を足したら<莚（エン・むしろ）、筵（エン・むしろ）、涎（エン・よだれ）、誕（タン）、蛋（タン）になるのかを考えてます。延、誕は小学校6年生、蛋、涎、莚、筵は常用漢字から外れています。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『延（エン）』yánは、足を延（の）ばす様子を表す会意文字です（藤堂）。漢字の足し算で覚えるならば、廴（ひきのばす）＋ノ（のばす）＋止（足）＝延（長くひきのばして進む。延ばす。のばす）です。漢字の部首は『廴・えんにょう』、意味は『延（の）ばす』です。

乏と廴に従い、死者を弔う場所・墓道を表す漢字であるとする説（白川）もあります。

止の部分は三画に書きますが、常用漢字体では四画に書いて下さい。

音読みは呉音・漢音とも『エン』、訓読みは『延（の）ばす』です。時間や距離などをのばすこと延伸（エンシン）、長さや期間などを長く延ばすことを延長（エンチョウ）、火事が火元から他へ燃えうつることを延焼（エンショウ）、支払いがのびて滞るこをを延滞（エンタイ）といいます。

非常に縁起の良い漢字で『すけ』、『すすむ』、『ただし』、『とお』、『なが』、『のぶ』、『のぶる』ちと名前に使われます。

延（エン・のびる）は小学校6年生で習う漢字 です。象形・指事・会意・形声　六年生 もご覧ください。

　『莚（エン）』yánは、草がはびこる様子・敷くときに延ばして使う莚（むしろ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋延（のばす）＝莚（草がはびこる。延ばして使う莚。むしろ）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、意味は『莚（むしろ）』です。

音読みは呉音・漢音とも『エン』、訓読みは『莚（むしろ）』です。我が国では、主に、敷くときに延ばして使う莚（むしろ）の意味で使います。

莚（エン・むしろ）は常用漢字か外れています。

　『筵（エン）』yánは、敷くときに延ばして使う筵（むしろ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製品）＋延（のばす）＝筵（竹製品で延ばして使う筵。むしろ）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、意味は『筵（むしろ）』です。

音読みは呉音・漢音とも『エン』、訓読みは『筵（むしろ）』です。宴会の座席を筵席（エンセキ）といいます。

筵（エン・むしろ）は常用漢字か外れています。

　『涎（ゼン・エン）』xiánは、涎（よだれ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋延（のばす・たらす）＝涎（水が延びてしまう。涎。よだれ）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『涎（よだれ）』です。

音読みは呉音が『ゼン』、漢音が『セン』、訓読みは『涎（よだれ）』です。水が細く流れるの意味では呉音・漢音とも『エン』と読みます。涎を垂らすこと・羨ましく思うことを垂涎（スイゼン・スイエン）といいます。

涎（エン・よだれ）は常用漢字から外れています。

　『誕（タン）』dànは、大きく言うこと・生まれることを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋延（のばす）＝誕（大きく言う。転じて赤子が世に出る。生まれるむ）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、意味は『大きく言う』、『生まれる』です。

『延（エン）』についてはdian→yienと音が変化したと考えられており（藤堂）、誕（タン）にその音が残っていると思われます。また旦（タン・日があらわれる）と近い関係にある漢字と言われています。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。おおげさな嘘を嘘誕（キョタン）、とてつもなく大きいことを誕宏（タンコウ）、赤子が産まれることを誕生（タンジョウ）といいます。

誕（タン）は小学校6年生で習う漢字 です。

　『蛋・蜑（タン）』dànは、爬虫類の卵（たまご）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、虫（むし）＋延（のばす）＝蛋・蜑（爬虫類から生まれる卵）です。漢字の部首は『虫・むし』、意味は『爬虫類から生まれる卵』、『海人（あま）』です。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。鶏の卵を鶏蛋（ケイタン・チータン）、卵の白身を蛋白（タンパク）といいます。

もとは南方の海人族をさす漢字とも（白川）いわれています。。『部首索引 虫（むし）』も御覧ください。

蛋・蜑 （タン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-1581.html

『漢字の覚え方 延』 誕 延 涎　筵　蛋

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.えんちょう（　　　）戦を制する。

2.えんたい（　　　）料金。

3.むしろ（　　）を敷く。

4.たんじょう（　　　）日。

5.たんぱく（　　　）質。

解説です。基本の漢字は延、莚（むしろ）は艹（くさかんむり）を足して莚、筵（むしろ）は竹を足して筵、涎（よだれ）は氵（さんずい）を足して涎、誕（生まれる）は言を足して誕、蛋（たまご）は虫を足して蛋です。

解答です。延長、延滞、莚、筵、誕生、蛋白。

漢字の覚え方 炎

今日は『炎・焱（エン）』yánという字を基本とした炎、談、痰、淡という仲間の漢字について説明します。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『炎』に何を足したら談、痰、淡になるのかを考えます。談は小学校3年生 、炎は中学生 、淡は中学生 で習う常用漢字です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。学校に関係なく、炎、談、痰、淡、一緒に覚えましょう。

『炎（エン）』yán の前に『火（カ）』huǒを説明致します。

　『火（カ）』huǒは、火が燃える様子を描いた象形文字です。漢字の部首は『火・ひ』です。火の文字が漢字の脚に使われるときは『灬・れっか』というデザインになります。漢字の意味は『火』、『火曜日』です。

音読みは呉音・漢音ともに『カ』、唐宋音が『コ』、訓読みが『ひ』・『ほ』です。火事（カジ）、火炎（カエン）、火曜（カヨウ）、花火（はなび）、火遠理命（ほおりのみこと）の火です。

火（カ・ひ）は小学校1年生で習う漢字 です。象形・指事・会意・形声　一年生 　『漢字の覚え方 火』 もご覧ください。

　『炎・焱（エン）』yánは、炎（ほのお）が盛んに燃える様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、火（火）＋火（火）＝炎（盛んに燃える）です。漢字の部首は『火・ひへん』、意味は『盛んに燃える』、『身体の一部に熱を起こす』です。

同じ意味を表す漢字に『焱（エン）』yánがありますが、常用漢字（中学校までに習う社会一般で使われる漢字）の『炎（エン）』を使います。

音読みは呉音・漢音が『エン』、訓読みが『炎（ほのお）』です。火が燃え上がることを炎上（エンジョウ）、身体の一部が熱をもったり痛みがあるこを炎症（エンショウ）、熱せられた大気によって物が歪（ゆが）んで見える現象を陽炎（かげろう）といいます。

『炎（エン）』yánは、部首として使われると『談（ダン）』tán、『痰（タン）』tán 、『淡（タン）』dàn という発音になります。

『延（エン）』→『誕（タン）』『漢字の覚え方 延』 、『爰（エン）』→『暖（ダン）』『漢字の覚え方 爰』 も同じような関係にあります。

炎（エン・ほのお）は中学生 で習う常用漢字です。

　『談（ダン）』tánは、さかんに話す様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、言（言葉）＋炎（さかんに燃える）＝談（さかんに言葉を話す）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、意味は『さかんに話す』、『おしゃべりをする』です。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。会ってさかんに話すことを会談（カイダン）、商売の話を商談（ショウダン）、美しい話・エピソードを美談（ビダン）といいます。

談（ダン）は小学校3年生で習う漢字です。

　『痰（タン）』tánは、咳（せき）『漢字の覚え方 亥』 につれて気管からでる熱をもった唾（つばき）『漢字の覚え方 垂』  を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、疒（病気）＋炎（熱をもった）＝痰（熱をもった唾（つばき）。痰。たん）です。漢字の部首は『疒・やまいだれ』、意味は『痰（タン）』です。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。血の混じった痰を血痰（ケッタン）、痰（タン）と咳（せき）を痰咳（タンガイ）といいます。

痰（タン）は常用漢字からは外れています。

　『淡（タン）』dànは、淡（あわ）い様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋炎（たたえる）＝淡（水がゆったりしている。淡い。あわい）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『ゆったりした水』、『淡（あわ）い』です。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。訓読みは『淡（あわ）い』です。あっさりとしていることを淡泊・淡白・澹泊（タンパク）、濃いと淡いを濃淡（ノウタン）、塩分のない水を淡水（タンスイ）、さりげない様子を淡淡・澹澹（タンタン）、あっさり積もる雪を淡雪（あわゆき）といいます。

同じ意味を表す『澹（たん）』dàn (水がゆったりしている様・あっさりしている様）http://bit.ly/2bOzBBY と同じですが、音が同じなだけで炎（ほのお）の原義には関係ないともいわれています。

淡（あわ）いの反対は、濃（こ）いです。濃（ノウ）は農（ノウ）、膿（ノウ）などの漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 農』をご覧ください。

淡（タン・あわい）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-19af.html

『漢字の覚え方 炎』 炎 談　痰　淡

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ブログが えんじょう（　　　）。

2.筋肉の えんしょう（　　　）。

3.三者 かいだん（　　　）。

4.しょうだん（　　　）を進める。

5.けったん（　　　）を吐く。

6.たんぱく（　　　）な味。

7.色彩の のうたん（　　　）。

8.たんすい（　　　）魚。

9.あわゆき（　　　）。

解説です。基本の漢字は炎、談（盛んに話す）は言（ごんべん）を足して談、痰（タン）は疒（やまいだれ）を足して痰、淡（あわ）いは氵（さんずい）を足して淡です。

解答です。炎上、炎症、会談、商談、血痰、淡泊・淡白、澹泊、濃淡、淡水、淡雪。