今日は『隹(スイ)』zhuīという漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『隹』です。音読みは『スイ』、意味は『隹(とり)』、『重い』です。隹(スイ・ふるとり)、推(スイ・おす)、錐(スイ・きり)、維(イ・つな)、唯(ユイ・ただ)、堆(タイ・うずたかい)などがこの漢字の仲間で、準(ジュン・なぞらえる)、准(ジュン・なぞらえる)、隼(ジュン・はやぶさ)、集(シュウ・あつめる)、進(シン・すすむ)、雑(ザツ)、隻(セキ)、雙(ソウ)などに隹(スイ)が使われています。これらの漢字には同じ構成要素である『隹(スイ)』が使われているので、漢字の足し算で表すことが出来ます。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『隹』に何を足すと推、錐、維、唯、準、准、隼、集、進、雑、隻、奪になるのかを考えます。進、集は小学校3年生で習う漢字 、準、雑は小学校5年生で習う漢字 、推、奮は小学校6年生で習う漢字 、維、唯、隻、奪、双は中学校で習います、学校、学年にかかわらず一緒に覚えましょう。
『隹(スイ)』zhuīは、尾の短い鳥・太めの鳥を表す象形文字です(藤堂)。雀(すずめ・ジャク)、隼(はやぶさ・ジュン)、雉(きじ・チ)などを指しますが、鳥全体を表します。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『隹(とり)』、『重い』です。
『説文解字』には「鳥之短尾緫名也」とあります。
音読みは呉音・漢音ともに『スイ』、訓読みは『隹(ふるとり)』、『隹(とり)』です。
鶏(とり)はにわとり、酉(とり)は暦(こよみ)・時刻・方角、鳥(とり)、隹(とり)は鳥全体を表します。
鳥(とり)『漢字の覚え方 鳥』http://bit.ly/1nrfZG8
隹(とり)『漢字の覚え方 隹』http://bit.ly/1STcEwU
酉(とり)『漢字の覚え方 酉』http://bit.ly/20WOXGq
鶏(とり)『漢字の覚え方 奚』http://bit.ly/1AzEFkx
隹(スイ)は常用漢字から外れています。
漢字の部首の『隹(ふるとり)』は隹(とり)が舊・旧(ふる)いに含まれているため、鳥(とり)、酉(とり)、鶏(とり)と区別するために名付けたものです。
『推(スイ)』tuīは、重みをかけて推(お)す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手の動作)+隹(とり・重い)=推(重みをかけて推す。おす)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『推(お)す』、『推し進める』、『推し量る・推し測る』です。鳥を見て占いをする事象から成る漢字(白川)ともいわれています。
音読みは呉音・漢音が『スイ』、訓読みは『推(お)す』です。推し進(すす)めることを推進(スイシン)、推し測(はか)ることを推測(スイソク)、物事が次々に移り進むことを推移(スイイ)といいます。
上から力を加える意味の押(お)すは『押(オウ)』yāを使います。
推(スイ)は小学校6年生で習う漢字です。象形・指事・会意・形声 六年生 もご覧ください。
『錐(スイ)』zhuīは、錐(きり)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金(金属)+隹(下が重い)=錐(上から下へ重みをかけて穴をあける道具。錐。きり)です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『錐(きり)』、『上から下』です。
音読みは呉音・漢音ともに『スイ』、訓読みは『推(きり)』です。錐(きり)を立てること・狭い面積を立錐(リッスイ)、一点の頂天から下面の円周(エンシュウ)に向かって出来る立方体を円錐(エンスイ)といいます。
錐(スイ・きり)は人名用漢字です。
『維(イ)』wéiは、四隅(よすみ)引っ張る綱(つな)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸(いと)+隹(重みをかける)=維(重みをかけて引っ張る糸。維。つな)です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『維(つな)』、『体制を引き締める』、『おおもと』、『これ』です。
音読みは呉音が『ユイ』、漢音が『イ』、訓読みは常用外に『維(つな)』があります。張りつなをおさえて体制を保つこと維持(イジ)、古くから伝わる悪習を改めて新しくすることを維新(イシン)、天地をつなぐ大きなつな・天地の秩序を維綱(イコウ)といいます。
神人の乗って参向する馬をつなぐ(白川)太い綱と言われています。
維(つな)は綱(つな)http://bit.ly/1LrjHpW と書くのが普通です。
非常に良い意味の漢字で『これ』、『しげ』、『すけ』、『すみ』、『ただ』、『たもつ』、『つな』、『つなぐ』、『ふき』、『ふさ』、『まさ』、『ゆき』と名前につかわれます。
維(イ・つな)は中学生 で習う常用漢字です。
『唯(イ)』wéiは、『はい』と返事する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口(言葉)+維(これ)=唯(これと言う。『はい』という。これだけ。唯。ただ)です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は、『はい』、『ただ』です。
音読みは呉音が『ユイ』、漢音が『イ』、訓読みは『唯(ただ)』です。『はいはい』と言う返事を漢語で唯唯(イイ)、他人の言う通りになる様を唯唯諾諾(イイダクダク)、唯(ただ)一つのことを唯一(ユイイツ)、物質だけが唯一の存在であるという考え方を唯物論(ユイブツロン)といいます。
非常に良い意味の漢字で『ただ』と名前につかわれます。
唯(イ・ただ)は中学生 で習う常用漢字です。
『堆(タイ)』duīは、下を重いように土を高く積む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、土(つち)+隹(下が重い)=堆(土を高く積む。堆い。うずたかい)です。漢字の部首は『土・つちへん』、漢字の意味は、『土を高く積む』、『堆(うずたか)い』です。
音読みは呉音が『テ・タイ』、漢音が『タイ』、唐宋音が『ツイ』、訓読みは『堆(うずたか)い』です。うず高く積み重ねることを堆積(タイセキ)、草や藁などを積み上げて腐らせた肥料を堆肥(タイヒ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『おか』、『たか』、『のぶ』と名前につかわれます。
堆(タイ・うずたかい)は中学生で習うようになった常用漢字 です。
『椎(ツイ)』chuíは、下の重い木づちを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(木製)+隹(下が重い)=堆(下の重い木製の木づち)です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は、『木製の木づち』、『つちの形』、『下の重い木=椎(しい)』です。
音読みは呉音が『ツイ』、漢音が『ズイ』、訓読みは『椎(しい)』です。『つちの形』の背骨(脊)を脊椎骨(セキツイコツ)、脊椎骨と脊椎骨の間のクッション状の軟骨組織を椎間板(ツイカンバン)といいます。
木づちは木鎚(きづち)http://bit.ly/1Qxkye6 と書くのが普通です。
椎(しい)の木はブナ科の常緑高木で、建築材として使われ、実は食用になり、椎(しい)の枯れ木に発生するキノコを椎茸(しいたけ)といいます。
椎(ツイ)は中学生で習うようになった常用漢字 です。
『準(ジュン)』zhǔnは、水面に浮かぶ隹(とり)と水の境(さかい)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+隹(とり)+十(そろえる)=準(水面に浮かぶ隹(とり)と水の境(さかい)です。転じて水平をはかる)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『水平をはかる』、『物事をはかるよりどころ』、『のっとる』、『準(なぞら)える』です。
音読みは呉音・漢音が『シュン』、慣用音が『ジュン』、訓読みは常用外に『準(なぞら)える』があります。物事の基礎となるよりどころ基準(キジュン)、物事をする前に決まった用意をすることを準備(ジュンビ)、急行列車に準じた列車を準急(ジュンキュウ)といいます。
準(ジュン)は小学校5年生で習う漢字です。
『准(ジュン)』zhǔnは、準(水面に浮かぶ隹(とり)と水の境(さかい)。転じて水平をはかる)の略字です。漢字の部首は『冫・にすい』、漢字の意味は『水平をはかる』、『物事をはかるよりどころ』、『のっとる』、『准(なぞら)える』です。
音読みは呉音・漢音が『シュン』、慣用音が『ジュン』、訓読みは常用外に『准(なぞら)える』があります。皇后に准ずる者を准后(ジュンゴウ・ジュンコウ)、看護師に准ずる者を准看護士(ジュンカンゴシ)といいます。
准(ジュン・なぞらえる)は中学生 で習う常用漢字です。
『隼(ジュン)』sǔnは、隼(はやぶさ)を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、隹(とり)+十(まとまる・細くなる)=隼(細くまとまるすらりとした隹(とり)。はやぶさ)です。漢字の部首は『隹(ふるとり)』、漢字の意味は『隼(はやぶさ)』です。
獲物(えもの)を襲(おそ)う時に、高い所から身体を細くして急降下して、素早い動きをすることが知られています。
音読みは呉音・漢音が『シュン』、慣用音が『ジュン』、訓読みは『隼(はやぶさ)』です。素早い動きで勇敢な人々を隼(はやぶさ)に準(なぞら)えて隼人(はやと)といいます。
非常に良い意味の漢字で『たか』、『とし』、『はや』、『はやし』、『はやと』、『はやぶさ』と人名に使われます。
隼(ジュン・はやぶさ)は人名用漢字です。
追記:リオ五輪 卓球男子シングルス 水谷隼(じゅん)選手 銅メダル獲得おめどとうございます。
『進(シン)』jìnは、隹(とり)が飛ぶように進む様子を表した会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶(行く)+隹(鳥)=進(鳥が飛ぶように進む。すすむ)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、意味は『進(すす)む』、『速く進む』です。
漢字には(衣))に動物を足して、進む様子を表す造字方法があります。辶(しんにょう)に大 ききな羊を足して良く進む・巧く進む『達(タツ)』、辶に犀(サイ)を足してゆっくり進む『遲・遅(チ)』、辶に隹(とり)を足して飛ぶように進む『進(シン)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シン』、訓読みが『進(すす)む』です。進みゆくこと・はかどることを進行(シンコウ)、真っ直ぐ進むことを直進(チョクシン)、物事が良いほうに変化することを進化(シンカ)、進むことと退くことを進退(シンタイ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『す』、『すす』、『すすみ』、『すすむ』、『のぶ』、『みち』、『ゆき』と広く名前に使われます。
進(シン・すすむ)は小学校3年生で習う漢字です。
漢字の部首は『辶・しんにょう』は足で道を行くことを表しています。足の向きや状態はいろいろあります。
☆前向きの場合 進(すす)む 迫(せま)る 迎(むか)える 邀(むか)える 近(ちか)づく 過 (すぎ)る 逼(せま)る 追(お)う 遂(と)げる 逢(あ)う 遇(あ)う 遭(あ)う 遘(あ)う 邂(あ)う 逅(あ)う 連(つら)なる 通(とお)る 透(とお)る 達(とお)る 遣(つか)わす 這(は)う 辿(たど)る 迄(いた)る 込(こ)む 適(かな)う 遡(さかのぼ)る
☆後ろ向きの場合 退(しりぞ)く 逆(さか)らう 逃(に)げる 逡(しりぞ)く 遁(のが)れる 避(さ)ける 遠(とお)のく 遺(のこ)す 迭(か)わる 迂(まが)る 逝(ゆ)く 違(そむ)く 遜(へりくだ)る 遮(さえぎ)る
☆戻る場合 還(かえ)る 返(かえ)す
☆廻る場合 廻 (めぐ)る 巡(めぐ)る 辺(あた)り 遊(あそ)ぶ 遍(あまね)く 迷(まよ)う
☆足のスピード 速(はや)い 遅(おそ)い 迅(はや)い 遥(はる)か
☆歩く場所 道(みち) 途(みち)
☆作業を進める 造(つく)る 述(の)べる 選(えら)ぶ
『集(シュウ)』jíは、木に隹(とり)が集まっている様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、隹(鳥)+木=集(木に隹が集まる。集まる。あつまる)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、意味は『集(あつ)まる』、『一つになる』、『集(つど)う』です。
異体字に隹(とり)を三羽あつまった形の雧(シュウ)があります。
音読みは呉音が『ジュウ』、漢音が『シュウ』、訓読みは『集(あつ)まる』です。多くのものが一か所に集まることを集中(シュウチュウ)、優れた人物を集めることを集英(シュウエイ)、多くのものを集めて完成させることを集大成(シュウタイセイ)、人が集まり落ちついて住む村を集落(シュウラク)といいます。
良い意味の漢字で『あい』、『い』、『ため』、『ち』、『ちか』、『つどい』と名前に使われます。
集(シュウ・あつめる)は小学校3年生で習う漢字です。
『雑(ゾウ・ザツ)』záは、いろいろな隹(とり)が木に集まった様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、九(衣)+集(隹(とり)が木に来る)=雑(いろいろな隹が木に集まる。寄せ集めの衣。まじる)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『入り混じる』、『まとまりがない』、『主要でない』です。
音読みが呉音が『ゾウ』、漢音が『ソウ』、慣用音が『ザツ』です。常用外の訓読みに『雑(ま)じる』があります。物事のがこみいっていることを複雑(フクザツ)、日常生活のこまごました品物を雑貨(ザッカ)、餅 (もち) に色々な具をあしらった汁物を雑煮(ゾウに)といいます。
雑(ゾウ・ザツ・まじる)は小学校5年生で習う漢字です。
『奮(フン)』fènは、隹(とり)が飛ぼうとして羽ばたく様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、大(大きく)+隹(とり)+田(地面)=奮(隹が飛ぼうとして地上で力をこめて羽ばたく。力を一気に発する。奮う。ふるう)です。漢字の部首は『大・だい』、意味は『力を一気に発する』、『奮(ふる)う』です。
音読みが呉音・漢音ともに『フン』、訓読みが『奮(ふる)う』です。奮い立つことを奮起(フンキ)、奮いたって闘うことを奮闘(フントウ)・奮戦(フンセン)、勢い激しく奮いたつことを奮迅(フンジン)といいます。
奮(フン・ふるう)は小学校6年生で習う漢字です。
『奪(ダツ)』duóは、人が脇にはさんでいる鳥を手で抜き取る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、大(人の姿)+隹(とり)+寸(手)=奪(人が脇にはさんでいる鳥を手で抜き取る。奪う。うばう)です。漢字の部首は『大・だい』、意味は『奪(うば)う』です。
音読みが呉音が『ダツ・ダチ』、漢音が『タツ』、訓読みが『奪(うば)う』です。奪いかえすことを奪回(ダッカイ)、力づくで他人の物を抜き取ることを強奪(ゴウダツ)、下位の者が君主の位を奪うことを簒奪(サンダツ)といいます。
奪(ダツ・うばう)は中学生 で習う常用漢字です。
『雞(ケイ)』jīは、つながれた鳥。飼われている鳥を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、奚(つながれた・飼われた)+隹=雞(つながれた隹。飼われている隹。雞。にわとり)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、意味は『雞(にわとり)』です。
『雞(ケイ)』は異体字の『鶏(ケイ)』http://bit.ly/1AzEFkx を使うの普通です。
音読みは呉音が『ケ』・漢音が『ケイ』、訓読みは『鶏(とり・にわとり)』です。鶏の群を鶏群(ケイグン)、鶏の卵を鶏卵(ケイラン)、夜明けの鶏の鳴き声を鶏鳴(ケイメイ)といいます。
『雞』は常用外、『鶏(ケイ・とり・にわとり)』は中学生 で習う常用漢字です。
鶏(とり)は鳥(とり)、酉(とり)とも書きます。鳥は鳥全体を表し、字の成り立ちとしては象形文字(鳥などの形を象った文字)です。酉(とり)は酒の樽や壺を表す象形文字で御酒を搾る季節10月を表すといわれています。
中国を中心とした東アジアの世界では、子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 子の十二支を使って暦、時刻、方角を表しました。数字でもなんでもない漢字の順番を覚えるの大変です。そこで、神様に新年の挨拶に来た十二種類の動物になぞらえて、十二支を宛てて覚えたのです。
酉は暦(平成5年、17年、29年・10月)、時刻(午後6時)、方角(西)を表す。
鶏(酉・とり)は十番目に挨拶に来た動物と覚えるわけです。猿と犬は仲が悪く、喧嘩しながら来たので遅くなったとされています。鶏(酉・とり)が喧嘩の仲裁をしたため、猿と犬の間に入って申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)の順番になってしましました。
ちなみに一番目は牛の背中に乗ってきた鼠(子・ねずみ)、十二番目は勢いよく走ってきて、神様の前を通り越してしまった猪(子・いのしし)です。
鶏(にわとり)の子を雛(ひな・ひよこ)といいます。
『雛(スウ)』chúは、鶏(にわとり)の子を表す形声文字です。漢字の足し算では、芻(小さくまとめる)+隹(とり)=雛(小さい隹。鶏(にわとり)の子。雛。ひな)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『雛(ひな)』です。特に我が国では『実物を小さくしたもの』、『小さいもの』、『愛らしい』の意味に用いられます。
音読みは呉音が『ジュ』、漢音が『ス』、慣用音が『スウ』、訓読みは『雛(ひな)』、『雛(ひよこ)』です。雛祭りの時に飾る人形を雛人形(ひなニンギョウ)、実物を小さくかたどっったもの・書類などの見本を雛型(ひながた)といいます。
雛(スウ・ひな)は芻(スウ)の『単語家族』で、趨(スウ)、皺(シュウ・しわ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 芻』 http://bit.ly/1KDtGO8 をご覧ください。
雛(スウ・ひな)は人名用漢字です。
『隻(セキ)』zhī は、隹(とり)一羽を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、隹(とり)+又(手)=隻(隹を一羽手に持つ。一羽。ひとつの)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『一羽』、『ひとつの』、『片方の』で、鳥や舟を数える単位にも使われます。
音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』です。片方の眼・独特の見方・優れた見識を隻眼(セキガン)、ただ一つの物の影を隻影(セキエイ)といいます。
『隻(セキ・ひとつ)』は中学生 で習う常用漢字です。
『雙(ソウ)』shuāng は、隹(とり)二羽を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、隹隹(とり二羽)+又(手)=雙(隹を二羽手に持つ。二羽。ふたつの)です。漢字の部首は『又・また』、漢字の意味は『ふたつ』、『ひとつがい』、『ならぶ』です。
常用漢字体の『双(ソウ)』を使います。
音読みは呉音が『ソウ』、漢音が『ソウ』、訓読みは『ふた』です。一対の玉・二人の優れた人を双璧・雙璧(ソウヘキ)、芽を出したばかりの二枚の若葉を双葉・雙葉(ソウヨウ・ふたば)といいます。
『双(ソウ・ふたつ)』は中学生 で習う常用漢字です。
☆隹 を使ったか漢字に稚(チ・おさない)がありますが、犀(サイ・ゆっくり歩く)という漢字の仲間です。
『稚・穉(チ)』zhì は、作物の成長が遅い様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾(作物)+犀(サイ・ゆっくり歩く)=稚・穉 (成長の遅い作物。わかい。おさない・いとけない)です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『稚(おさな)い』、『稚(わか)い』、『稚(いと)けない』です。
音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは常用外に『稚(おさな)い』、『稚(わか)い』、『稚(いと)けない・稚(いとけな)い』があります。年齢が幼いこと・やり方が未熟なことを幼稚(ヨウチ)、物事の出来が子供っぽく下手(へた)なことを稚拙(チセツ)、幼い子供・寺院に仕える少年を稚児(ちご)といいます。
稚(おさな)いは幼(おさな)いと書くのが普通です。
改定常用漢字表では稚児(ちご)と読みます。『漢字の覚え方 犀』 もご覧ください。
稚(チ・おさない)は中学生 で習う常用漢字です。穉(チ・おさない)は常用漢字から外れています。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-04ff.html
『漢字の覚え方 隹』 隹 推 錐 錐 唯 維 堆 椎 集 進 雑 隼 準 准 奪 奮 雛 隻 雙 稚 穉
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.緑化の すいしん( )。
2.すいそく( )の域。
3.季節の すいい( )。
4.明治 いしん( )。
5.体制の いじ( )。
6.ゆいいつ( )の存在。
7.えんすい( )形。
8.車が ちょくしん( )。
9.しんたい( )を伺う。
10.しゅうごう( )時間。
11.しゅうちゅう( )力。
12.ふくざつ( )な仕組み。
解説です。基本の漢字は隹、推(お)すは足して推、錐(きり)は金を足して錐、維(つな・これ)は糸を足して維、唯(ただ)は口を足して唯、堆(うずたか)いは土を足し、椎(しい)は木を足し、準・准(なぞら)えるは氵(さんずい)と十を足して準、冫(にすい)を足して准、隼(はやぶさ)は十を足し、進(すす)むは辶(しんにょう)を足し、集(あつ)まるは木を足し、雑(ザツ)はさらに九(衣)を足し、隻(セキ)は又を足し、雙(ふたつ)は隹と又を足します。
解答です。推進、推測、推移、維新、維持、唯一、円錐、直進、進退、集合、集中、複雑。