漢字の覚え方 狄

今日は狄（テキ・えびす）、荻（テキ・おぎ）、 逖（テキ・にげる） という漢字について説明します。基本になる漢字は『狄（テキ）』です。火で犭（犬・けもの）を横に追い払う様子を表す会意文字です。三つの漢字は同じ『狄（テキ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。狄（テキ）に何を足したら、どのような漢字になるのか考えます。荻（テキ・おぎ）は人名用漢字、狄（テキ・えびす）、 逖（テキ・にげる） は常用漢字から外れています。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『狄（テキ）』díは、犭（犬・けもの）を横に追い払う様子の会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（犬・けもの）＋火（ひ）＝狄（火で犬を横に追い払う。異民族を排斥する。異民族。えびす）です。漢字のの部首は『犭・けものへん』、意味は『犬を横に追い払う』、『狄（えびす）』です。

古代中国の中華に対し、四方に居住する異民族を東夷（トウイ）、西戎 （セイジュウ）、南蛮（ナンバン）、北狄（ホクテキ）と呼びました。

呉音は『ジャク』、漢音では『テキ』になります。訓読みは『狄（えびす）』です。古代中国で四方に居住していた漢民族以外の民族を夷狄（イテキ）、北方に居住していた漢民族以外の民族を北狄（ホクテキ）といいます。

狄（テキ・えびす）は常用漢字から外れています。

　『荻（テキ）』díは、荻（おぎ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋狄（低く伏せる・横になびく）＝荻（低く伏せる・横になびく草。おぎ）です。漢字のの部首は『艹・くさかんむり』、意味は『荻（おぎ）』です。イネ科の多年草で、水辺や湿地に自生する植物です。ススキに似ており、ススキよりも湿った場所に生えます。ススキやスゲなどともに茅葺きの屋根に使われます。

呉音が『ジャク』、漢音が『テキ』になります。訓読みは『荻（おぎ）』です。荻の生えている水辺を漢語で荻浦（テキホ）といいます。荻生（おぎゅう）、荻窪（おぎくぼ）、荻野（おぎの）など荻（おぎ）に関係した地名・人名が多くあります。

また、似た漢字に荻（シュウ・はぎ）があります。山野に自生するマメ科の植物で、秋に紫紅色の花をつけます。花札の絵柄では、猪（いのしし）と一緒に描かれている秋を代表する植物です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋秋（あき）＝荻（秋に咲く植物。はぎ）です。

荻（テキ・おぎ）は人名用漢字です。

　『逖（テキ）』tì は、逃（に）げる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（進む）＋狄（低く伏せる・横になびく）＝逖（横に進む。にげる。とおい）です。漢字のの部首は『辶・しんにょう』、意味は『逖（に）げる』、『逖（とお）い』です。

呉音が『チャク』、漢音が『テキ』になります。訓読みは『逖（に）げる』、『逖（とお）い』です。

逖（テキ・にげる・とおい）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-d34ac9.html

『漢字の覚え方 狄』　狄　荻　逖

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.いてき（　　　）と蔑称。

2.中央線　おぎくぼ（　　　）。

3.おぎゅう（　　　）徂徠。

解説です。基本の漢字は狄、荻（おぎ）は艹を足して荻、逖（とお）いは辶を足して逖です。

解答です。夷狄、荻窪、荻生。

漢字の覚え方 貞

貞（テイ・ただしい）、偵（テイ・きく）、禎（テイ・さいわい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『貞（テイ）』です。『聴く』、『正しい』様子を表しているといわれています。音読みは漢音の『テイ』と読みます。これらの漢字は同じ『貞（テイ）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。貞（テイ）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。貞（テイ）、偵（テイ）は中学生で習う常用漢字、禎（テイ）は人名用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『貞（テイ）』zhēnは、神の真意を正しく聴く様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、卜 (占い）＋鼎・貝 （神聖な器）＝貞（神の真意を正しく聴く。正しい）です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『貞（ただ）しい』、『正しく貞（き）く』、『問う』です。

音読みは呉音が『チョウ』、漢音が『テイ・ジョウ』、常用外の訓読みに『貞（き）く』があります。心が誠実で潔白なことを貞白（テイハク）、節操がかたくて態度がしたやかのことをを貞淑（テイシュク）といいます。

正しい意味を持つ非常に良い漢字で、『さだ』、『ただ』、『ただし』、『ただす』、『つら』、『みさお』と名前に使われます。

貞（テイ・きく）は中学生で習う常用漢字 です。

　『偵（テイ）』zhēnは、神の真意を正しく聴く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ (人間の動作）＋貞 （神の真意を正しく聴く）＝偵 （神の真意を正しく聴く。聴く。偵う。うかがう）です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『偵（うかが）う』、『正しく貞（き）く』、『問う』です。

藤堂は貞（テイ）が『正しい』の意味に広く使われるようになったため、偵（テイ）が『正しく貞（き）く』、『うかがう』の意味で使うようになったとしています。

音読みは呉音が『チョウ』、漢音が『テイ』、訓読みは常用外に『偵（うかが）う』があります。敵の様子を探ることを偵察（テイサツ）、隠された事実を調べる人を探偵（タンテイ）といいます。

偵 （テイ・うかがう）は中学生で習う常用漢字 です。

　『禎（テイ）』zhēnは、神の幸いを受ける表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、ネ (神）＋貞 （神の真意を正しく聴く）＝禎 （神の真意を正しく受ける。幸い。禎い。さいわい）です。漢字の部首は『ネ・しめすへん』、漢字の意味は『禎（さいわ）い』、『めでたい』です。

音読みは呉音が『チョウ』、漢音が『テイ』、訓読みは『禎（さいわ）い』です。神によるめでたいしるしを禎祥（テイショウ）といいます。

非常に良い漢字で、『さだ』、『さだむ』、『さち』、『ただ』、『ただし』、『つぐ』、『とも』、『よし』と名前に使われます。

禎（さいわ）いは幸（さいわ）いと書くことが多いです。

禎（テイ・さいわい）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-bb7a.html

『漢字の覚え方 貞』 貞　偵　禎　

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ていしゅく（　　　）な生涯。

2.敵を ていさつ（　　　）。

3.たんてい（　　　）事務所。

解説です。基本の漢字は貞、偵（うかが）うはイ（にんべん）を足して偵、禎（さいわい）いは示・ネ（しめす）を足して禎です。

解答です。貞淑、偵察、探偵。

漢字の覚え方 殿

今日は殿（デン）、澱（デン）、臀（デン） という漢字についての覚え方を提案します。基本の漢字は『殿（デン）』diànで、『大きな建物』、『身分の高い人』を表し、音読みは『デン』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『殿（デン）』に何を足したら、澱、臀になるのかを考えます。殿は中学校で習う常用漢字、澱、臀は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『殿（デン）』diànは、御殿（ゴテン）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、尸兀(デン・尻・しり・こしかけ）＋殳（動詞）＝殿（尻を腰掛けるような台。転じてずっしりと土台を構えた大きい建物。御殿。身分の高い人。殿（との）。しんがり。尻をたたく）です。漢字の部首は『殳・るまた』、漢字の意味は『御殿』、『身分の高い人』、『殿（との）』、『殿（しんがり）』、『尻をたたく』です。

楷書体では兀（こしかけ）の部分が共になっています。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『殿（との）』、『殿（しんがり）』です。貴人の住宅・立派な構えの屋敷を御殿（ゴテン）、陛下（ヘイカ・天皇の宮殿の階段を表す）に次ぐ敬称を殿下（デンカ）、豪華壮麗な建築物・ある分野に功績のあった人物を記念するための施設を殿堂（デンドウ）、後退する部隊で最後尾の軍隊を殿軍（デングン）といいます。

殿（デン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『澱（デン）』diànは、澱（よど）む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水）＋殿（尻・下に）＝澱（水の中で下にさがる。澱（おり）。澱（よど）む）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『澱（おり）』、『澱（よど）む』です。 　

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『澱（おり）』、『澱（よど）む』です。液体中の細かい固体物質が下方に沈積することを沈澱（チンデン）、沈澱を利用して得る穀類・芋類の炭水化物を澱粉（デンプン）といいます。

沈澱（チンデン）は常用漢字を使って沈殿（チンデン）と書くのが普通です。

澱（よど）むは淀（よど）むとも書きます。

澱（デン）は常用漢字から外れています。

　『臀（デン）』túnは、臀（しり）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、殿（尻の下の腰掛け）＋月（身体）＝臀（腰掛ける身体の部分。臀（しり））です。漢字の部首は『月・にくづき』、漢字の意味は『臀（しり）』です。

音読みは呉音が『ドン』、呉音が『トン』、慣用音が『デン』、訓読みが『臀（しり）』です。 お臀（しり）の部分を漢語で臀部（デンブ）といいます。

藤堂によれば身体の末端が尻（しり）、腰掛けに坐る部分が臀（しり）であるとしています。　

臀（デン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/post-8f63.html

『漢字の覚え方 殿』 殿 澱　臀

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.皇太子 でんか（　　　）。

2.プロ野球 でんどう（　　　）。

3.薯（いも）の でんぷん（　　　）。

4.化合物の ちんでん（　　　）。

5.でんぶ（　　　）に注射。

解説です。基本の漢字は殿、澱（よど）むは氵（さんずい）を足して澱、臀（しり）は月（にくづき）を足して臀です。

解答です。殿下、殿堂、澱粉、沈澱、沈殿、臀部。

漢字の覚え方 帝

　一言申し上げます。お陰さまで、ブログの開始より四年が過ぎようとしております。多くの方に励まして頂き、厚く御礼申し上げます。

漢字の公開の順番ですが、小学校で習う教育漢字、中学校で習う常用漢字、気になる漢字を優先して紹介しております。また、ブログの形で公開しておりますが、御意見を頂く等、随時、加筆・修正させて頂いておりますこと御了承願います。

小生、平日は働いております関係上、漢字の公開は、原則週末になります。年をとって仕事が楽になってからと考えておりましたが、忙しいなりになんとかなるもので、始めて良かったと思っております。

風邪など召されませぬよう皆様のご健康をお祈り申し上げます。

　今日は帝（テイ）、諦（テイ）、締（テイ）、啼（テイ）、蹄（テイ）という漢字について説明します。基本になる漢字は『帝（テイ）』dìで、『帝（みかど）』、『まとめる』などのイメージがあり、音読みは『テイ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『帝』に何を足したら諦、締、啼、蹄になるのかを考えます。帝、諦、締は中学校で習う常用漢字です。常用漢字に係わらず一緒に覚えましょう。

　『帝（テイ）』dìは、三本の線を一筋にまとめる様子・最高の支配者を表す象形文字です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『最高の神』、『最高の支配者』、『帝（みかど）』、『肯定』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは常用外に『帝（みかど）』があります。中国で、天子の尊称を皇帝（コウテイ）、天子のいる都を帝京（テイキョウ）、須弥山の頂上の主を帝釈天（タイシャクテン）といいます。皇帝（コウテイ）とは秦の始皇帝が称した天子の尊称です。英語のemperorの訳語として使われます。

非常に良い意味の漢字で『ただ』、『みかど』と名前に使われます。

ほとんど同じ趣旨の漢字に啇（テキ）http://bit.ly/2fsIIaM があります。

帝（テイ）は中学校で習う常用漢字です。

　『諦（テイ）』dìは、言葉をまとめる様子・明らかにする様子を表す形声文字です。漢字の足し算覚えるならば、言（言葉）＋帝（まとめる）＝諦（言葉をまとめる。明らかにする）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『言葉をまとめる』、『明らかにする』、『諦（あきら）める』です。

道理を悟ることを諦念（テイネン）といいます。本来、諦（テイ）に諦（あきら）めるの意味はありませんが、我が国では諦念（テイネン）・諦観（テイカン）などの漢語から諦（あきら）めるの意味に使うようになりました。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『諦（あきら）める』です。道理を悟る心・あきらめの気持ちを諦念（テイネン）、全体を良く見ること・物事を悟って諦めることを諦観（テイカン）といいます。

諦（テイ）は平成22年より中学生で習うようになった漢字です。

　『締（テイ）』dì は、糸を使ってまとめる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋帝（まとめる）＝締（糸を使ってまとめる。締める）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『締（し）める』、『緩（ゆる）まないようにする』、『まとめて合計する』です。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『締（し）める』です。固く絞（しぼ）ること・条約を結ぶことを締結（テイケツ）、緩（ゆる）まずにきびしく監督することを取（と）り締（し）まり、戸を緩まないように閉ざすことを戸締（じ）まり、期日を定めて、取り扱いを打ち切ることを締（し）め切りといいます。

締（し）めるは〆（しめ）るとも書きます。

締（テイ）は中学校で習う常用漢字です。

　『啼（テイ）』tíは、鳥や獣が啼（な）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋帝・虒（けもの）＝啼・嗁（けもののように号泣する。啼く。なく）です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『啼（な）く』です。

元の漢字は、號（テイ）、嗁（テイ）です。『説文解字注』に「嗁は俗に啼に作る」とあります。諸説ありますが、漢字の成り立ちでは、直接帝（テイ）に関係ないようです。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『啼（な）く』です。涙を流して啼き続けることを啼泣（テイキュウ）、鳥が啼き声を啼鳥（テイチョウ）、ホトトギスの悲痛な啼き声を啼血（テイケツ）といいます。

なくは漢字よって多少のニュアンスの違いがあります。漢語は二語で安定するので啼泣（テイキュウ）、哭泣（コッキュウ）のように重ねて使うこともあります。

泣（な）く　水の粒である涙（なみだ）を流して泣く　http://bit.ly/1086rFo

鳴（な）く　鳥が鳴く。楽器を鳴らす。人がうめく　http://bit.ly/1nrfZG8

哭（な）く　大声をあげて哭（な）く http://bit.ly/28IkSov

啼（な）く　鳥や獣が啼（な）く　大声で啼（な）く http://bit.ly/2fufdFB

啼（テイ）は中学校で習う常用漢字から外れてます。

　『蹄（テイ）』tíは、馬や牛の蹄（ひづめ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足（足先）＋帝（まとめる）＝蹄（足先がまとまったもの。蹄。ひづめ）です。漢字の部首は『足・あしへん』、漢字の意味は『蹄（ひづめ』です。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『蹄（ひづめ）』です。馬の蹄を馬蹄（バテイ）、馬の蹄の裏に打ち付ける鉄具を蹄鉄（テイテツ）といいます。

蹄（テイ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-b989.html

『漢字の覚え方 帝』　帝 締 諦 啼 蹄

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.こうてい（　　　）陛下。

2.たいしゃくてん（　　　　）に参詣。

3.出世を あきら（　　）める。

4.条約を ていけつ（　　　）する。

5.違反を 取り し（　　）まる。

6.処処 ていちょう（　　　）を聞く。

7.ていてつ（　　　）を打つ。

解説です。基本の漢字は帝、諦（あきら）めるは言を足して諦、締（し）めるは糸を足して締、啼（な）くは口を足して啼、蹄（ひづめ）は足を足して蹄です。

解答です。皇帝、帝釈天、諦める、締結、取り締まる、啼鳥、蹄鉄。

漢字の覚え方 啇

今日は啇（テキ）、敵（テキ）、適（テキ）、滴（テキ）、摘（テキ）、嫡（チャク）という漢字について説明します。基本になる漢字は『啇（テキ）』díで、『まとまる』、『適（かな）う』、『正しい』などのイメージがあります。音読みは漢音の『テキ』が普通で、呉音の『チャク』と読む漢字もあります。呉音と漢音もご覧ください。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『啇（テキ）』に何を足したら敵（テキ）、適（テキ）、滴（テキ）、摘（テキ）、嫡（チャク）になるのかを考えます。敵、適は小学校5年生で習う漢字 、滴、摘、嫡は中学校で習う常用漢字です。学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　『啇（テキ）』díは、一筋にまとまった様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、帝（ひとすじにまとまる）＋口（まとまり）＝啇（一筋にまとまる）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『一筋にまとまる』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』です。啇（テキ）の漢字自体を使うことはありませんが、適、滴、摘、嫡などの漢字の音符として漢字の構成要素になっています。

啇（テキ）は常用漢字から外れています。

　『適（テキ）』shì、díは、皇帝が思うままに適（ゆ）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（行く・進む）＋帝・啇（皇帝）＝適（皇帝が思うままに適（ゆ）く。転じて適（かな）う）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『思うままに適（ゆ）く』、『適（かな）う』、『あてはまる』、『心地よい』です。

啇に締（し）まるの意味があり、まとまって適（ゆ）く。転じて適（かな）うという説（藤堂）もあります。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『テキ・セキ』、訓読みは常用外の『適（ゆ）く』、『適（かな）う』があります。その場の状態・条件などによくあてはまることを適応（テキオウ）、条件・目的・などにあてはまること・程度が程良いことを適当（テキトウ）、具合がよくて快いことを快適（カイテキ）、特定の条件をあてはめることを適用（テキヨウ）、といいます。

非常に良い意味の漢字で『あたる』、『あつ』、『あり』、『かなう』、『かのう』、『まさ』、『ゆき』、『ゆく』、『より』と広く名前に使われます。

適（テキ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『敵（テキ）』dí、皇帝がわたり合う敵相手・敵（かたき）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、帝・啇（皇帝）＋攵(行動）＝敵（皇帝がわたり合う相手。敵。かたき）です。漢字の部首は『攵・ほこづくり』、漢字の意味は『対等にわたりあう』、『敵（かたき）』です。

啇に締（し）まるの意味があり、まとまって敵（かたき）にあたるという説（藤堂）もあります。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『敵（かたき）』です。相手を敵とみなして対抗することを敵対（テキタイ）、かねてからの敵を宿敵（シュクテキ）、芝居で悪人の役を敵役（かたきやく）といいます。

敵（テキ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『滴（テキ）』dī、ひとつにまとまった滴（しずく）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋啇(まとまる）＝滴（ひとつにまとまった滴（しずく）。滴（したた）る）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『滴（しずく）』、『滴（したた）る』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『滴（しずく）』、『滴（したた）る』です。水のしたたりを水滴（スイテキ）、長い時間かけて一滴ずつ静脈に注射することを点滴（テンテキ）注射といいます。

滴（しずく）は雫（しずく）とも書きます。

滴（テキ）は中学校で習う常用漢字です。

　『摘（テキ）』zhāi、tì指先をまとめて摘（つ）む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋啇(まとまる）＝摘（指先をまとめて摘（つ）む。摘まみ取る）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『摘（つ）む』、『摘まみ取る）』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『摘（つ）む』、『摘（つ）まむ』です。悪事を摘み出して行くことを摘発（テキハツ）、大事な点を選び出すこと・その大事な点を書き記したものを摘要（テキヨウ）、果実を摘み取ることを摘果（テキカ）といいます。

摘（テキ）は中学校で習う常用漢字です。

　『嫡（チャク）』díは、正妻・世継ぎを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（女性・家系）＋啇(対等にわたりあう・まっすぐな）＝嫡（対等にわたりあう女性。正妻。正妻の生んだ子。まっすぐな血のつながりの子）です。漢字の部首は『女・おんなへん』、漢字の意味は『正妻』、『世継ぎ』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』です。正妻の産んだ子を嫡子（チャクシ）、嫡子から嫡子へと家系を継いでいく様を嫡嫡（チャクチャク）といいます。

嫡嫡（チャキチャキ）の江戸っ子は、嫡嫡（チャクチャク）からきている表現です。

嫡（チャク）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-6bf5.html 

『漢字の覚え方 啇』 啇　適 摘 敵 滴 嫡

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.かいてき（　　　）な部屋。

2.てきおう（　　　）能力。

3.てきたい（　　　）組織。

4.芝居の かたきやく（　　　）が弱まる。

5.病院で てんてき（　　　）。

6.密売人の てきはつ（　　　　）。

7.条件の てきよう（　　　）。

8.ちゃくなん（　　　）の誕生。

解説です。基本の漢字は啇、適（かな）うは辶（しんにょう）を足して適、適（かたき）は攵（ぼくづくり）を足して敵、滴（しずく）は氵（さんずい）を足して滴、摘（つ）むは扌（てへん）を足して摘、女を足して嫡です。

解答です。快適、適応、敵対、敵役、点滴、摘発、適用、嫡男。

漢字の覚え方 氐

　漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『氐（テイ）』dīという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間
には氐（テイ・そこ）、低（テイ・ひくい）、底（テイ・そこ）、抵（テイ・あたる）、邸（テイ・やしき）、砥（テイ・とぐ）という漢字が含まれます。これらの漢字は、『低（ひく）い』、『底』といった共通のイメージがあり、音読みは『テイ』、また、同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『氐（テイ）』に何を足したら低、底、抵、邸、砥になるのかを考えてます。低、底は小学校4年生で習う漢字 、抵、邸は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。　

　『氐（テイ）』dīは、ナイフや匙（さじ）の下を表す指事文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氏(ナイフや匙）＋一（下線）＝氐（匙（さじ）の下。低い。底。下）です。部首は『氏・うじ』、意味は『低（ひく）い』、『底』、『下』、『下まで届く』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』です。の漢字自体は使われる事はありませんが、低、底、抵、邸の漢字の部分になっています。

『氐（テイ）』は常用漢字から外れています。

もとの漢字になっている氏（シ）ですが、薄い刃物といわれています。

　『氏（シ）』shì、zhīは、薄い刃物を表す象形文字です。古代中国では、肉などの祭りの御馳走を、同じ一族で分ける習慣がありました。このとき使う刃物が氏です。

氏（シ）や仲間の漢字の 紙（シ）、舐（シ）について詳しくは 『漢字の覚え方 氏』 http://bit.ly/1tzcGzz をご覧ください。

　『低（テイ）』dīは、背の低（ひく）い人を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ(人間）＋氐（ナイフの下）＝低（背の低い人。低い。ひくい）です。部首は『イ・にんべん』、意味は『背の低い人』、『低（ひく）い』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『低（ひく）い』です。高いことと低いことを高低（コウテイ）、低い気圧を低気圧（テイキアツ）、低い音を低音（テイオン）、価格の低いことを低廉（テイレン）といいます。

低いの反対は高いです。高 の漢字の仲間について、詳しくは 『漢字の覚え方 高』 http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-95d6.htmlをご覧ください。

『低（テイ・ひくい）』は小学校4年生で習う漢字です。

　『底（テイ）』dǐ は、建物の底（そこ）を表す形声文字です。漢字の足し算では、广（建物）＋氐（ナイフの下）＝底（建物の底（そこ）。底、そこ）です。部首は『广・まだれ』、意味は『物の下』、『底（そこ）』、『奥』、『際限』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『底（そこ）』です。海の底を海底（カイテイ）、奥にある真の力を底力（そこぢから）、際限がわからないことを底（そこ）知れないといいます。

『底（テイ・そこ）』は小学校4年生で習う漢字 です。

　『抵（テイ）』dǐは、下まで届く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋氐（下）＝抵（下まで届く。突き当たる。抵（あた）る）です。部首は『扌・てへん』、意味は『突き当たる』、『抵（あた）る』、転じて『相当する』、『張り合う』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『抵（あた）る』です。外からの力に対して、はむかうことを抵抗（テイコウ）、突き当たって触れること・衝突することを抵触（テイショク）、権利や財産を、借金などの保証にあてることを抵当（テイトウ）といいます。

『抵（テイ・あたる）』は中学生 で習う常用漢字です。

　『邸（テイ）』dǐは、大きな平屋の屋敷を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氐（下・土地・平屋）＋阝（大きな村）＝邸（大きな平屋の屋敷。邸、やしき）です。部首は『阝・おおざと』、意味は『邸（やしき）』、『役所の建物』、『宿舎』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『邸（やしき）』です。立派で大きな屋敷を邸宅（テイタク）、役所の建物を官邸（カンテイ）といいます。

『邸（テイ・やしき）』は中学生 で習う常用漢字です。

　『砥（テイ）』dǐは、石を使って砥（と）ぐ様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、石（いし）＋氐（ナイフの下）＝砥（石を使ってナイフを砥（と）ぐ）です。部首は『石・いしへん』、意味は『砥（と）ぐ』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『砥（と）ぐ』です。砥石でとぐこと・修養することを砥礪（シレイ）、刃物を砥ぐ石を砥石（といし）といいます。

砥（と）ぐは研（と）ぐhttp://bit.ly/1xLSzvS、磨（と）ぐhttp://bit.ly/1wgqwnk、礪（と）ぐとも書きます。

『砥（テイ・とぐ）』は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-4c47.html

『漢字の覚え方 氐』　低　底　抵　邸

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.こうてい（　　　）差。

2.ていきあつ（　　　　）。

3.かいてい（　　　）ケーブル。

4.そこぢから（　　　）を出す。

5.ていこう（　　　）勢力。

6.ていとう（　　　）権の設定。

7.総理 かんてい（　　　）。

8.立派な ていたく（　　　）。

9.刃物と といし（　　　　）。

解説です。基本の漢字は氐、低（ひく）いはイを足して低、底（そこ）は广（まだれ）を足して底、抵（あた）るは扌（てへん）を足して抵、砥（と）ぐは石を足して砥です。

解答です。高低、低気圧、海底、底力、抵抗、抵当、官邸、邸宅、砥石。

漢字の覚え方 翟

　今日は『翟（テキ）』díという漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『翟（テキ）』で、共通するイメージは『高く飛ぶ』、音読みは『テキ』や『ヨウ』です。翟（テキ）、曜（ヨウ・てらす）、躍（ヨウ・おどりあがる）、擢（テキ・ぬきでる）、濯（タク・あらう）、櫂（トウ・かい）、耀（ヨウ・かがやく）、燿（ヨウ・てる）などがこの漢字の仲間です。これらの漢字は『翟（テキ）』という同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『翟』に何を足すと曜、擢、濯、耀、燿、櫂、躍になるのかを考えます。曜は小学2年生 、濯、躍は中学校で習い、擢、櫂、耀、燿は人名用漢字です。学校、学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　『翟（テキ）』díは、キジなどの隹が飛ぶ様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、羽（はね）＋隹（とり）＝翟（キジなどの隹が飛ぶ。抜き出る）です。漢字の部首は『羽・はね』、意味は『飛ぶ』、『抜き出る』です。特に雉（きじ）や雉の尾羽を指す（藤堂）といわれています。

音読みは呉音が『ジャク』・漢音が『テキ』です。雉の羽根で飾った衣を翟衣（テキイ）といいます。

翟（テキ）は常用漢字から外れています。

　『擢（テキ）』zhuóは、抜き出す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（人の動作）＋翟（高く飛ぶ）＝擢（高く飛ぶように抜き出す。抜き出る）です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『抜き出す』、『抜き出る』です。

音読みは呉音が『ダク』、漢音が『タク』、慣用音が『テキ』です。多くの人の中から抜き出して用いることを抜擢（バッテキ）といいます。

擢（テキ・ぬきでる）は人名用漢字です。

　『濯（タク）』zhuóは、水から高く抜きあげるように洗う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（みず）＋翟（飛ぶ・抜き出る）＝濯（水から高く抜きあげるように洗う。濯ぐ。すすぐ）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『濯（あら）う』、『濯（すす）ぐ』です。

音読みは呉音が『ダク』、漢音が『タク』、訓読みが『濯（あら）う』、『濯（すす）ぐ』です。水で洗い濯（すす）ぐことを洗濯（センタク）といいます。

濯（タク・あらう）は中学生 で習う常用漢字です。

　『櫂（トウ）』zhàoは、水から高く抜きあげるように洗う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（木の製品）＋翟（飛ぶ・抜き出る）＝櫂（水からさっと抜きあげるようにする櫂。かい）です。漢字の部首は『木・きへん』、意味は『櫂（かい）』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『トウ』、訓読みが『櫂（かい）』です。船頭が船を漕ぎながら歌う歌を櫂歌（トウカ）といいます。

良い意味の漢字で『かい』、『かじ』と地名・人名に使われます。

櫂（トウ・かい）は人名用漢字です。

　『曜（ヨウ）』yàoは、高く輝く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、日（太陽・輝く）＋翟（キジが高く飛ぶ）＝曜（高く光輝く。曜。てらす）です。漢字の部首は『日・にち』、意味は『輝く』、『照らす』です。

中国では古来より、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星の空高く輝く星を『七曜（シチヨウ）』といいます（春秋穀梁伝）。現在では、『七つの天体が守護する七つの日』という西洋の概念にあてはめて、曜の字を使っています。

音読みは呉音・漢音ともに『ヨウ』です。日曜日（ニチヨウビ）、月曜日（ゲツヨウビ）の曜です。大変に縁起の良い漢字で、『あきら』、『てらす』、『てる』の人名に使われます。

日旺日（ニチヨウビ）など『曜』の代わりに『旺』http://bit.ly/1CcLPYG 使われますが、教育現場では間違いとされています。代用字は意味が同じもの、省略したものが使われます。『曜』は羽に隹（とり）で『上にあがる』の意味、『旺』は日に王で『王さまが盛んな様子』の意味があり、音も違うので『旺（オウ）』を『曜（ヨウ）』の代用字に使うのは無理があるようです。

曜（ヨウ・てらす）は小学校で2年生で習う漢字http://bit.ly/1TnGMiq です。

　『燿（ヨウ）』yàoは、火が高く燃えて輝く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、火（ひ）＋翟（キジが高く飛ぶ）＝燿（火が高く燃えて輝く。てらす。ひかり）です。漢字の部首は『火・ひ』、意味は『輝く』、『照らす』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ヨウ』です。徳が目立つように輝く様子を燿徳（ヨウトク）といいます。大変に縁起の良い漢字で『てる』の人名に使われます。

燿（ヨウ・てる）は人名用漢字です。

　『耀（ヨウ）』yàoは、光が高く照り輝く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、光（太陽・光）＋翟（キジが高く飛ぶ）＝耀（光が高く照り輝く。耀く。かがやく）です。漢字の部首は『光・ひかり』、意味は『耀（かがや）く』、『照らす』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ヨウ』です。訓読みに『耀（かがや）く』があります。耀くような栄（さか）え方を栄耀（エイヨウ）、蝉が明るい光に飛び込むこと・君主が自分の徳を明らかにすること耀蟬（ヨウゼン）といいます。大変に縁起の良い漢字で、『あきら』、『てらす』、『てる』、『ひかり』、『ひかる』と人名に使われます。

耀（ヨウ・かがやく）は人名用漢字です。

　『躍（ヤク）』yuèは、躍（おどり）りあがる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足（あし）＋翟（キジが飛ぶ）＝躍（躍りあがる。高く飛び上がる。目にとまる）です。漢字の部首は『足・あしへん』、意味は『躍りあがる』、『高く飛び上がる』、『目にとまる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ヤク』、訓読みが『躍（おど）る』です。勢いよく躍ること・めざましく活動することを活躍（カツヤク）、高く飛び上がることを跳躍（チョウヤク）、性格・態度などがありありと表れていることを躍如（ヤクジョ）といいます。

『とぶ』は漢字の世界ではニュアンスの違いがあります。二字組み合わせて使うこともあります。飛躍（ヒヤク）、飛翔（ヒショウ）、跳躍（チョウヤク）などです。

飛（と）ぶ　羽を使って空高く飛ぶ

跳（と）ぶ　足を使って地面から離れる

翔（と）ぶ　神の使いが空を翔（かけ）めぐる

躍（おど）る　足を使って高く躍（おど）りあがる　

躍（ヤク・おどる）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-27e7.html

『漢字の覚え方 翟』 曜 躍 濯　擢　櫂　耀

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.主任に ばってき（　　　）。

2.せんたく（　　　）日和。

3.舟と かい（　）。

4.日 ようび（　　　）。

5.大 かつやく（　　　）。

6.えいよう（　　　）栄華。

7.面目 やくじょ（　　　）する。

解説です。基本の漢字は翟、抜擢は扌を足して擢、濯（すす）ぐは氵を足して濯、櫂（かい）は木を足して櫂、曜日は日を足して曜、耀（ひかり）は光を足して耀、燿（てら）すは火を足して燿、躍（おど）るは足を足して躍です。

解答です。抜擢、洗濯、櫂、曜日、活躍、栄耀、躍如。

漢字の覚え方 廷

　今日は『廷（テイ）』tíngという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『廷』です。音読みは『テイ』、意味は『平らな場所』、『まっすぐ伸びた』です。廷、庭、挺、艇、梃、霆などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『廷』に何を足すと庭、挺、艇になるのかを考えます。庭は小学校で3年生で、廷は中学校で習います。一緒に覚えましょう。　　

最初に?（テイ）と壬（ジン）の解説を致します。印刷字体ではほぼ一緒ですが、正しく書くと?（テイ）は下の横棒を長く書き、人のすねが真っ直ぐ伸びている様子を指す指事文字です。一方、壬（ジン）は糸を巻き取っている様子の象形で、膨らむなどの意味があり、任（ニン）、妊（ニン）http://bit.ly/21AIQI3 などの仲間のある漢字です。ブログのシステムの更新に伴い漢字の一部が非表示になりました。御容赦下さい。

　『廷（テイ）』tíngは、天子の住む平らに地ならしをした場所を表す形声文字です。漢字の足し算では、廴（延ばす）＋?（真っ直ぐ伸びた所）＝廷（天子の住む平らな場所。転じて政治を行うところ。裁判を行うところ）です。漢字の部首は『廴・えんにょう』、漢字の意味は『政治を行うところ』、『裁判を行うところ』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』、訓読みは『庭（にわ）』です。天皇・国王の居所を宮廷（キュウテイ）、天子が政治を行う所を朝廷（チョウテイ）、裁判を行う場所を法廷（ホウテイ）といいます。

非常に良い意味の漢字で『たか』、『ただ』、『なが』と名前に使われます。廷（テイ）は中学校で習う常用漢字です。

　『庭（テイ）』tíngは、屋敷や朝廷の中庭を表す形声文字です。漢字の足し算では、广（屋敷）＋廷（平らに地ならしをした所）＝庭（屋敷や朝廷のまっすぐ伸びた庭。庭。にわ）です。漢字の部首は『广・まだれ』、漢字の意味は『庭（にわ）』、『家族』、『役所』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』、訓読みは『庭（にわ）』です。草木などを配置した整えられた庭を庭園（テイエン）、生活をともにする親子・夫婦など家族の集まりを家庭（カテイ）、家庭での教えを庭訓（テイキン）といいます。

庭（テイ）は小学校3年生で習う漢字 http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/3-4ad7.htmlです。

　『挺（テイ）』tǐngは、進み出る様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋廷（平らに地ならしをした所）＝挺（進み出る）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『進み出る』です。銃や槍など細長いものを数えるのにも使います。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』、慣用音が『チョウ』です。身を投げ出して困難なことにあたることを挺身（テイシン）といいます。

非常に良い意味の漢字で『ただ』、『なお』、『もち』と名前に使われます。挺（テイ）は人名用漢字です。

　『艇（テイ）』tǐngは、まっすぐ進む速い舟を表す形声文字です。漢字の足し算では、舟＋廷（まっすぐ）＝艇（まっすぐ進む速い舟）です。漢字の部首は『舟・ふね』、漢字の意味は『艇（ふね）』です。小さめの舟やボートをいいます。

音読みは呉音が『チョウ』、漢音が『テイ』です。大小各種の舟を艦艇（カンテイ）、ボートの長さを艇身（テイシン）といいます。艇（テイ）は常用漢字から外れています。

舟は漢字の世界では、ニュアンスが微妙に違います。

艇（テイ）はまっすぐ進む速いふね　『漢字の覚え方 廷』http://bit.ly/1FLcD6f

舟（シュウ）は小さいふね　　　　　　 『漢字の覚え方 舟』http://bit.ly/1DFvsUm

艦（カン）は戦う大きなふね　　　 　　『漢字の覚え方 監』http://bit.ly/25ApacQ

船（セン）はやや大きなふね　　　　  『漢字の覚え方 㕣』http://bit.ly/1vmpZDd

舶（ハク）は海を渡るふね　       　　『漢字の覚え方 白』 http://bit.ly/1rkEIHJ

艦艇（カンテイ）、船舶（センパク）、艦船（カンセン）、舟艇（シュウテイ）。漢字は二字で安定し、聞いた時に解かり易いので組み合わせて使うことがあります。

　『梃（テイ）』tǐngは、梃子（てこ）に使う真っ直ぐな棒を表す形声文字です。木（木材）＋廷（まっすぐ）＝梃（梃子（てこ）に使う真っ直ぐな棒）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『真っ直ぐな棒』、『梃子（てこ）』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』です。真っ直ぐなさまを梃然（テイゼン）、物を動かすのに使う真っ直ぐな棒を梃子（てこ）といいます。

梃（テイ）は常用漢字から外れています。

　『霆（テイ）』tíngは、真っ直ぐにのびる稲妻を表す形声文字です。雨（天候）＋廷（まっすぐ）＝霆（真っ直ぐにのびる稲妻。かみなり。いかずち）です。漢字の部首は『雨・あめかんむり』、漢字の意味は『真っ直ぐにのびる稲妻』、『霆（いかずち）』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』で、訓読みは『霆（いかずち）』です。かみなり、いかずちのことを漢語で雷霆（ライテイ）、稲妻のように一気に攻撃することを霆撃（テイゲキといいます。

霆（テイ）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-759e.html

『漢字の覚え方 廷』 　廷 　庭 　艇

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きゅうてい（　　　）料理。

2.ほうてい（　　　）に立つ。

3.かてい（　　　）料理。

4.なかにわ（　　　）に佇む。

5.銃 いっちょう（　　　）。

6.きょうてい（　　　）の開催日。

7.護衛 かんてい（　　　）。

8.てこ（　　　）の原理。

9.らいてい（　　　）一撃。

解説です。基本の漢字は廷、庭（にわ）は广（まだれ）を足して庭、挺は扌（てへん）を足して挺、艇（ふね）は舟を足して艇、梃子（てこ）は木（きへん）を足して梃、霆（いかずち）は雨を足して霆です。

解答です。宮廷、法廷、家庭、中庭、一挺、競艇、艦艇、梃子、雷霆。

漢字の覚え方 呈

　今日は『呈（テイ）』chéngという漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『呈（テイ）』です。音読みは『テイ』、意味は『真っ直ぐ』です。呈、程、聖、鐵などがこの漢字の仲間です。藤堂はこのような発音・意味・構造上の漢字の仲間を『単語家族』と表現していました。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。基本漢字『呈』に何を足すと程、聖、鐵になるのかを考えます。程は小学5年生、聖は小学6年生、呈は中学生で習う常用漢字です。一緒に覚えましょう。

最初に?（テイ）と壬（ジン）の解説を致します。印刷字体ではほぼ一緒ですが、正しく書くと?（テイ）は下の横棒を長く書き、人のすねが真っ直ぐ伸びている様子を指す指事文字です。一方、壬（ジン）は糸を巻き取っている様子の象形で、膨らむなどの意味があり、 任（ニン）、妊 （ニン）http://bit.ly/21AIQI3 などの仲間のある漢字です。

ブログのシステム変更に伴い、?（テイ）は表示されなくなりました（←元に戻して欲しいです）。? 表示は御容赦願います。

　『呈（テイ）』chéngは、真っ直ぐに差し出す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（言葉・表現）＋?（真っ直ぐ）＝呈（真っ直ぐに表現する。差し出す。表す。呈す）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『差し出す』、『表す』、『呈（しめ）す』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』です。訓読みは常用外の『呈（しめ）す』があります。人に物を差し上げることを贈呈（ゾウテイ）、差し出して示すことを呈示（テイジ）といいます。

差し出すには提（テイ）という漢字もあります。差し出し示すには提 示（テイジ）を使うことが多いです。詳しくは『漢字の覚え方 是』 http://bit.ly/1ObkoZj をご覧ください。

呈（テイ・しめす）は中学生 で習う常用漢字です。

　『程（テイ）』chéngは、穀物の真っ直ぐに垂れた実の部分を表す形声文字です。漢字の足し算では、禾（穀物）＋呈（真っ直ぐに垂れた部分）＝程（穀物の真っ直ぐに垂れた実の部分。一定の量。基準。度合い。道のり）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『一定の量』、『基準』、『道のり』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『テイ』、訓読みが『程（ほど）』です。物事の大小・高低・優劣などの度合いを程度（テイド）、物事の変化する道筋を過程（カテイ）、目的地などに行く道のりを行程（コウテイ）といいます。

程（テイ・ほど）は小学校5年生で習う常用漢字http://bit.ly/1Dp5GoH です。

　『聖（セイ）』shèngは、真っ直ぐ聞き取ることの出来る聖人を表す形声文字です。漢字の足し算では、耳（聞く）＋呈(真っ直ぐ）＝聖（真っ直ぐ聞き取ることの出来る聖人。聖人。理想的な人物。特の高い人）です。漢字の部首は『耳・みみ』、漢字の意味は『徳のすぐれた人』、『その道に優れた人』、『天子』、『けがれのない』、『神聖な』、『仏教の高徳の僧』です。

音読みは呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』、唐宋音が『シン』です。訓読みが『聖（ひじり）』、常用外に『聖（きよ）い』があります。中国・東洋において理想的な人とする堯（ギョウ）、舜（シュン）、孔子（コウシ）などを聖人（セイジン）、極めて優れた詩人・杜甫のことを詩聖（シセイ）、宗教・信仰などにおいてけがれのないことを神聖（シンセイ）、キリスト教で聖人によって書かれた神聖な書物を聖書（セイショ）、仏教で徳の高い僧を聖人（ショウニン）といいます。

中国・東洋では最高級の漢字で、『あきら』、『あき』、『きよ』、『きよし』、『さと』、『さとし』、『さとる』、『たから』、『とし』、『まさ』と人名に使われます。

聖（セイ・きよし）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/1rMjElI です。

　『逞（テイ）』chěng は逞（たくま）しい様子を表す形声文字です。

逞（テイ・たくましい）は人名用漢字です。

　『鐵・鉄（テツ）』tiěは、よく切れる金属の鉄（テツ）を表す形声文字です。鐵が本字で鉄は省略形の漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、金（金属）＋戈＋才（ほこで切る）＋呈（まっすぐ）＝鐵（まっすぐに物を切れる金属。鉄。くろがね）です。漢字の部首は『金・かねへん』、意味は『鉄（テツ）』、『くろがね』、『かたい』です。

鐵は、書くのがとても大変なので、省略体の鉄を使います。常用漢字体も鉄です。ただ、金を失うと書くので非常に評判の悪い字体です。製鐵会社の中には鐵を使う会社が少なくありません。

漢字の足し算で覚えるならば、金（金属）＋失（すっとすり抜ける）＝鉄（すっと物を切れる金属。鉄。くろがね）です。

音読みは呉音が『テチ』、漢音が『テツ』、訓読みは常用外の『鉄（くろがね）』です。鉄製の器具を鉄器（テッキ）、かたい厳しい規則を鉄則（テッソク）、丈夫な面の皮・あつかましい人を鉄面皮（テツメンピ）といいます。

非常に強い意味の漢字で『かね』、『きみ』、『てつ』、『とし』、『まがね』と名前に使われます。

鉄（テツ）は小学校3年生で習う漢字http://bit.ly/1UIX7zU です。

鉄（テツ）は失（シツ）の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 失』をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-abd9.html

『漢字の覚え方 呈』　呈　程　聖　逞　鐵

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ぞうてい（　　　）式。

2.身分証を ていじ（　　　）。

3.旅行の にってい（　　　）。

4.ある ていど（　　　）良い条件。

5.キリスト教の せいしょ（　　　）。

6.せいか（　　　）リレー。

7.せいてつ（　　　）会社。

8.てつどう（　　　）模型。

解説です。基本の漢字は呈、程（ほど）は禾（のぎへん）を足して程、聖（ひじり）は耳（みみ）を足して聖、鐡（てつ）は金（金属）と戈才（ほこで切る）を足して鐡。

解答です。贈呈、呈示、提示、日程、程度、聖書、聖火、製鉄、製鐵、鉄道、鐵道。

漢字の覚え方 田

　今日は『田（デン）』tiánという漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『田』です。音読みは『デン』、意味は『田（た）』、『平たい』です。田、佃、鈿、男などがこの漢字の仲間です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『田』に何を足すと佃、鈿、男になるのかを考えます。田、男は小学校1年生で習う漢字 です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『田（デン）』tiánは、田を描いた象形文字です。四角に区切った耕作地を表します。我が国では水田を田（た）、水の張らない耕作地を畑（はたけ）として区別しています。漢字の部首は『田・た』、意味は『田（た）』、『産出する場所』、『平たい場所』です。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『田（た）』です。田舎（デンシャ・いなか）とは耕地と住まいの事で、我が国ではふるさと、いなかを指します。美しい耕作地が美田（ビデン）、炭を産出する場所を炭田（タンデン）、田と畑を田畑（たはた）といいます。非常に重要な漢字で、地名、人名に良く使われ、お目出度い漢字の一つです。

田（デン・た）は小学校1年生で習う漢字です。

　『佃（デン）』diàn、tiánは、田畑を耕す人を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ（人間）＋田（田畑）＝佃（田畑を耕す人）です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『田畑を耕す人』です。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『佃（つくだ）』です。田畑を耕す小作人を佃戸・佃子（デンコ）、佃島（つくだじま）発祥のあさり・のりなどを醤油で煮詰めた食品を佃煮（つくだに）といいます。

佃（デン・つくだ）は常用漢字からは外れています。

　『鈿（デン）』diànは、金属製の平たい鈿（かんざし）を表す形声文字です。漢字の足し算では、金（金属・黄金）＋田（平たい）＝鈿（金属製の平たい鈿（かんざし）。かざり）です。漢字の部首は『金・かねへん』、意味は『鈿（かんざし）』、『かざり』です。平たく面積のある豪華なものをいいます。

音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』、訓読みが『鈿（かんざし）』です。黄金をはめ込んで飾った首飾りを鈿瓔（デンエイ）、貝の内側のキラキラした（真珠層）部分をはめ込んだ細工を螺鈿（ラデン）といいます。

鈿（デン・かんざし）は常用漢字からは外れています。

田（デン）に近い漢字に男（ダン）があります。

　『男（ナン・ダン）』nánは、田畑で力を出す男性を表す会意文字です。漢字の足し算では、田＋力（ちから）＝男（田畑で力を出す男性。男）です(許 藤堂 加藤）。漢字の部首は『田・た』、漢字の意味は『男（おとこ）』です。

『説文解字』には、田に従い男に従う。田において力を用いる男と言うなり。とあります。
力については、耒（すき）の象形（白川）、筋力を表す（許 藤堂 加藤）など諸説あります。

音読みは呉音が『ナン』、漢音が『ダン』。訓読みは『男（おとこ）』です。男女（ダンジョ）、男性（ダンセイ）、長男（チョウナン）、男前（おとこまえ）の男です。

呉音の『ナン』は漢音では『ダン』になることがあります。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音をご覧ください。

男（ナン・ダン・おとこ）は小学校1年生で習う漢字です。

田を使っている漢字に、細（サイ）、思（シ）などがありますが、デザインが同じなだけで、囟（シン・小さい）を使った漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 囟(田）』をご覧ください。

田を使った漢字に畑（はたけ）・畠（はたけ）があります。

　『畑（はたけ）』は、畑（はたけ）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、火（焼く）＋田＝畑（草を焼いて肥料にする畑。はたけ）です。畑は我が国でつくられた国字です。漢字の部首は『田・た』、漢字の意味は『畑（はたけ）』、『専門分野』です。

訓読みは『畑（はたけ）』、『畑（はた）』で、音読みはありません。田畑（たはた）、畑仕事（はたけしごと）、畑違（はたけちが）いの畑です。

非常に重要な漢字で『はた』、『はたけ』と地名・人名に使われます。

畑（はたけ）は小学校3年生で習う漢字です。

　『畠（はたけ）』は、畠（はたけ）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、白（白く乾いた）＋田＝畠（白く乾いた畠。水をはらずに野菜をつくる畠。はたけ）です。畠は我が国でつくられた国字です。漢字の部首は『田・た』、漢字の意味は『畠（はたけ）』です。

訓読みは『畠（はたけ）』、音読みはありません。非常に重要な漢字で、『はた』、『はたけ』、と地名・人名に広く使われます。

『畠（はたけ）』は『畑（はたけ）』と書くことが多いです。『畠』は常用漢字ではありません。

『畠（はたけ）』に使われている白（ハク）については、『漢字の覚え方 白』http://bit.ly/1rkEIHJ をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-2d9a.html

『漢字の覚え方 田』 　田　男　畑

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.たはた（　　　）を耕す。

2.夕張 たんでん（　　　）。

3.いなか（　　　）暮らし。

4.つくだに（　　　）。

5.らでん（　　　）細工。

6.だんじょ（　　　）の区別。

7.ちょうなん（　　　）の出生。

解説です。基本の漢字は田、佃（つくだ）はイ（にんべん）を足して佃、鈿（かんざし）は金（かねへん）を足して鈿、男（おとこ）は力を足して男てす。

解答です。田畑、炭田、田舎、佃煮、螺鈿、男女、長男。