漢字の覚え方 叔
今日は叔(シュク)、淑(シュク)、寂(ジャク)、督(トク)、戚(セキ)、蹙(シュク)という漢字のについて説明します。基本になる漢字は『叔(シュク)』です。小さなものや身近なものを表しています。基本の音読みは『シュク』や『セキ』、『トク』と読むものもあります。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。叔(シュク)に何を足すとどのような漢字になるか考えます。叔(シュク)、淑(シュク)、寂(ジャク)、督(トク)、戚(セキ)は中学校で習う常用漢字、蹙(シュク)は常用漢字ではありませんが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
『叔(シュク)』shūは、兄弟の序列で上から三番目を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、上(つるの巻いた豆の形)+小(小さい)+又(手)=叔(小さな豆を手で拾う。小さなもの。父の弟。兄弟の序列で上から三番目)です。漢字の部首は『又・また』、漢字の意味は『小さなもの』、『父の弟』、『兄弟の序列で上から三番目』です。
中国では、男子の兄弟のうち、長男を伯(ハク)、次男を仲(チュウ)、三男を叔(シュク)、末弟を季(キ)という漢字を使って表します。実力伯仲(ハクチュウ)というのは長男と次男ではそれほど差がないという意味です。
音読みは呉音が『スク』、漢音が『シュク』です。父の弟にあたる人を叔父(シュクフ・おじ)、父の妹を叔母(シュクボ・おば)といいます。
良い意味の漢字で『はじめ』、『よし』と名前に使われます。
常用漢字表では叔父(おじ)、叔母(おば)と読んでいます。
叔(シュク)は中学校で習う常用漢字です。
『淑(シュク)』shūは、淑(しと)やかな様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水・清らかな)+叔(小さい)=淑(清らかで小さなもの。淑(しと)やか。淑(よ)い。)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『淑(しと)やか』、『淑(よ)い』、『つつましい』です。
音読みは呉音が『ジュク』、漢音が『シュク』、訓読みは常用外に『淑(しと)やか』、『淑(よ)い』があります。善良でしとやかな女性を淑女(シュクジョ)、女性がつつましく清らかな様子を淑徳(シュクトク)、良い人と思ってひそかに慕うことを私淑(シシュク)といいます。
非常に良い意味の漢字で『きみ』、『きよ』、『きよし』、『きよし』、『すえ』、『すみ』、『とし』、『ひで』、『ふかし』、『よ』、『よし』と名前に使われます。
淑(シュク)は中学校で習う常用漢字です。
『寂(ジャク・セキ)』jìは、家の中で寂(さび)しい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀(家)+叔(小さい)=寂(家の中の小さな声。寂(さび)しい。『寂(しず)か)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『寂(さび)しい』、『寂(しず)か』です。
音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、訓読みは『寂(さび)しい』で、常用外に『寂(さみ)しい』、『寂(しず)か』があります。静かでひっそりとしていることを静寂(セイジャク)、ひひっそりとして寂(さび)しい様子を寂漠・寂寞(セキバク)といいます。
非常に良い意味の漢字で『しず』、『ちか』、『やす』と名前に使われます。
寂(ジャク・セキ)は中学校で習う常用漢字です。
『督(トク)』dūは、見張る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、叔(小さい・締める)+目(め)=督(目で見はって締める。見張る。取り締まる)です。漢字の部首は『目・め』、漢字の意味は『督(み)る』、『見張る』、『取り締まる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『トク』、訓読みは常用外に『督(み)る』があります。組織を見張って指図することを監督(カントク)、物事を約束を実行するように最速することを督促(トクソク)といいます。
非常に良い意味の漢字で『おさむ』、『かみ』、『こう』、『すけ』、『すすむ』、『ただ』、『ただす』、『まさ』、『よし』と名前に使われます。
督(トク)は中学校で習う常用漢字です。
『戚(セキ)』qìは、身内を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、尗(小さな)+戊・戉(斧)=戚(小さな手斧。身近な。身近にひしひし感ずる。憂い。戚(うれ)える)です。漢字の部首は『戈・ほこ』、漢字の意味は『手斧』、『身近な』、『身近にひしひし感ずる』、『戚(うれ)える』です。
音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『セキ』、訓読みは常用外に『戚(うれ)える』、『戚(いた)む』があります。身近にひしひしと感じる様子を戚戚(セキセキ)、血縁関係にある身近な人を親戚(シンセキ)といいます。
戚(セキ)は中学生で習うようになった漢字です。
『蹙(シュク)』cùは、物事がさしせまる様子・蹙(しか)める様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、戚(身近にひしひし感ずる)+足(あし)=蹙(物事がさしせまる。ちぢこまる。しかめる)です。漢字の部首は『足・あし』、漢字の意味は『物事がさしせまる』、『ちぢこまる』です。
音読みは呉音が『スク』、漢音が『シュク』、訓読みは『蹙(しか)める』です。不快に感じて顔を顰・蹙(しか)めることを顰蹙(ヒンシュク)といいます。
蹙(シュク)は常用漢字から外れています。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-664b.html
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.親戚の おじ( )。
2.紳士 しゅくじょ( )。
3.ししゅく( )する。
4.夜のせいじゃく( )。
5.チームの かんとく( )。
6.しんせき( )。
7.ひんしゅく( )。
解説です。基本の漢字は叔、淑(しと)やかは氵(さんずい)を足して淑、寂(さび)しいは宀(うかんむり)を足して寂、督(み)るは目を足して督、戚(うれ)えるは尗に戊を足して戚、蹙(しか)めるは戚に足して蹙です。
解答です。叔父、伯父、淑女、私淑、静寂、監督、親戚、顰蹙。