漢字の覚え方 宗
宗(ソウ・シュウ)、綜(ソウ)、踪(ソウ)、粽(ソウ)、棕(シュ)、崇(スウ)という漢字のについて説明します。基本になる漢字は『宗(ソウ・シュウ)』です。先祖を祭る廟(みたまや)を表しているといわれています。音読みは『ソウ』、『シュウ』などで漢字によって違います。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。宗(ソウ・シュウ)に何を足すとどのような漢字になるか考えます。宗(ソウ・シュウ)は小学校で、踪(ソウ)、崇(スウ)は中学校で覚える常用漢字、綜(ソウ)は人名用漢字、粽(ソウ)、棕(シュ)は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
『宗(ソウ・シュウ)』zōngは、先祖を祭る廟(みたまや)を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀(屋根・家)+示(祭壇)=宗(先祖を祭る廟。一族の集団。信仰の団体)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『先祖を祭る廟』、『一族の集団』、『信仰の団体』、『中心になるもの』、『まとめる』、『縦に続く』です。
音読みは呉音が『ソ』、漢音が『ソウ』、慣用音が『シュウ』です。訓読みは常用外の『宗(むね)』があります。一族の先祖を祭る廟(みたまや)を宗廟(ソウビョウ)、中心になる考えを宗旨(ソウシ)、神仏を信じることにより救いを得ようとする教えを宗教(シュウキョウ)といいます。
大変縁起の良い漢字で、『かず』、『たかし』、『とき』、『とし』、『のり』、『ひろ』、『むね』、『もと』と人名・地名に使われます。
宗(シュウ)は小学校6年生で習う漢字 です。
『綜(ソウ)』zèngは、機織りの道具を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸(いと)+宗(まとめる・縦に続く)=綜(縦糸を上下させ何本もの糸をまとめる道具。綜(す)べる)です。漢字の部首は『糸・いと』、漢字の意味は『綜(す)べる』、『綜(へ)る』、『まとめる』です。
音読みは呉音が『ソ』、漢音が『ソウ』、訓読みが『綜(す)べる』、『綜(へ)る』です。ひとつにまとめることを綜合(ソウゴウ)といいます。
白川は糸の縦横に交わるのが綜(ソウ)、その末端が純(ジュン)、集めて垂らしたものが総(ソウ)であるとしています。
良い意味の漢字で『あぜ』、『おさ』と名前に使われます。
我が国では意味が近い常用漢字の総(ソウ)を使うのが普通です。
綜(ソウ)は常用漢字から外れています。
『踪(ソウ)』zōngは、行方(ゆくえ)や跡(あと)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足(あし)+宗(縦に続く)=綜(縦に続く足跡。行方)です。漢字の部首は『足・あし』、漢字の意味は『踪(あと)』、『行方(ゆくえ)』です。
異体字に從(したが)うを足した蹤(ソウ)があります。
音読みは呉音が『ソ』、漢音が『ソウ』、慣用音が『シュウ』です。訓読みは常用外に『踪(あと)』があります。行方(ゆくえ)不明になることを失踪(シッソウ)といいます。
踪(ソウ)は 中学生で習うようになった常用漢字です。
『粽(ソウ)』zòngは、粽(ちまき)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、米(こめ)+宗(縦に続く)=粽(縦に長いお米の食べ物。粽(ちまき)です。漢字の部首は『米・こめ』、漢字の意味は『粽(ちまき)』です。
音読みは呉音が『ス・スウ』、漢音が『ソウ』、訓読みは『粽(ちまき)』です。水神や屈原をまつった端午の節句に食べるもち米を蒸した食べ物です。粽(ちまき)を漢語で粽子(ソウシ)といいます。
綜(ソウ・ちまき)は常用漢字から外れています。
『棕(シュ)』zōngは、棕櫚(シュロ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(樹木)+宗(縦に続く)=棕(縦にまっすぐな樹木。棕櫚(シュロ))です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『棕櫚(シュロ)』です。
音読みは呉音が『ス』、漢音が『ソウ』、慣用音が『シュ』です。棕櫚(シュロ)はヤシ科の常緑高木樹で、扇状の熊手型の葉を持ち、幹の毛で箒(ほうき)や繩(なわ)などをつくります。
棕(シュ)は常用漢字から外れています。
『崇(スウ)』chóngは、山が高い様子・崇(あが)める様子を表す形声文字です。漢字の足し算足し算で覚えるならば、山(やま)+宗(縦に続く)=崇(山が縦に高くそびえる。崇(たか)い。けだかい。崇める)です。漢字の部首は『山・やま』、漢字の意味は『崇(たか)い』、『けだかい』、『崇(あが)める』です。
音読みは呉音が『ズウ』、漢音が『シュウ』、慣用音が『スウ』です。訓読みは常用外に『崇(たか)い』、『崇(あが)める』があります。けだかいことを漢語で崇高(スウコウ)、あがめとうとぶことを崇拝(スウハイ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『かた』、『し』、『たか』、『たかし』、『たけ』と名前に使われます。
崇(スウ)は 中学生で習う常用漢字です。
崇(スウ・あがめる)に似た漢字で、祟(スイ・たたる)があります。
『祟(スイ)』suìは、祟(たた)る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、出(でる)+示(鬼神)=祟(鬼神が出現し、災(わざわ)いを及ぼす。祟(たた)る)です。漢字の部首は『示・しめす』、漢字の意味は『祟(たた)る』、『怨霊からの報い』、『悪い結果が生じる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『スイ』、訓読みは『祟(たた)る』です。
祟(スイ・たたる)は常用漢字から外れています。
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少し練習しましょう。
1.そうしゅこく( )。
2.しゅうきょう( )。
3.そうごう( )警備保障。
4.しっそう( )事件。
5.ちまき( )。
6.しゅろ( )の木。
7.すうこう( )な理念。
8.神を すうはい( )。
9.無理が たた( )る。
解説です。基本の漢字は宗、綜(す)べるは糸を足(た)して綜、踪(あと)は足(あし)を足(た)して踪、粽(ちまき)は米を足して粽、棕櫚(シュロ))は木を足して棕、崇(あが)めるは山を足して崇、祟(たた)るは出に示を足して祟です。
解答です。宗主国、宗教、綜合、失踪、粽、棕櫚、崇高、崇拝、祟。