漢字の覚え方 犀

今日は、犀（サイ・セイ）、遲・遅 （チ・おそい）、稚・穉 （チ・わかい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『犀（サイ）』です。動物の犀（サイ）を象った象形文字です。二つの漢字は同じ『犀（サイ）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。犀（サイ）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。遅 （チ・おそい）は中学生 、稚（チ・わかい）は中学生 習う常用漢字です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。犀（サイ）は人名用漢字、遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『犀（サイ）』xī は、犀（サイ）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、㞑 ・尾（しっぽ）＋牛（牛に似た動物）＝犀 （ゆっくり歩く牛に似た動物。犀。さい）です。漢字の部首は『牛・うし』、漢字の意味は『犀（さい）』、『鋭い角』、『堅くて鋭い』です。獣（けもの）の名前で、鋭い角を持ち、皮膚が堅いため、昔はよろいに用いられていました。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』です。兵器が堅くて鋭利なことを犀利（サイリ）といいます。樹皮が犀の足に似た樹木を木犀・木樨
（モクセイ）といいます。

堅固な漢字で『かた』と名前に使われます。

犀（サイ）は人名用漢字です。

　『遅・遲 （チ）』chíは、犀（サイ）がゆっくり歩く様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（進む）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝遲・遅（犀（サイ）がゆっくり歩く。遅い。遅れる）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』、『気長に待つ』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 羊 が使われます。常用漢字では、遅の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』です。物事が定時より遅れて延びることを遅延（チエン）、遅いことと速いことを遅速（チソク）、文章を書くことが遅いことを遅筆（チヒツ）、日が長くなり遅くまで明るくなった春の日を遅日（チジツ）、決められた時刻に遅れることを遅刻（チコク）といいます。

待ってあげる意味を表すため、『まつ』と名前に使われることがあります。

漢字の部首は『辶・しんにょう』は足で道 を行くことを表しています。足の向きや状態はいろいろあります。

☆前向きの場合　進（すす）む　迫（せま）る　迎（むか）える　邀（むか）える　近（ちか）づく　過 （すぎ）る　逼（せま）る　追（お）う　遂（と）げる　逢（あ）う　遇（あ）う　遭（あ）う　遘（あ）う　邂（あ）う　逅（あ）う　連（つら）なる　通（とお）る　透（とお）る　達（とお）る　遣（つか）わす　這（は)う　辿（たど）る　迄（いた）る　込（こ）む　 適（かな）う　遡（さかのぼ）る

☆後ろ向きの場合　退（しりぞ）く　逆（さか）らう　逃（に）げる　逡（しりぞ）く　遁（のが）れる　避（さ）ける　遠（とお）のく　　遺（のこ）す　迭（か）わる　迂（まが）る　逝（ゆ）く　違（そむ）く　遜（へりくだ）る　遮（さえぎ）る

☆戻る場合　還（かえ）る　返（かえ）す

☆廻る場合　廻 (めぐ）る　巡（めぐ）る　辺（あた）り　遊（あそ）ぶ　遍（あまね）く　迷（まよ）う

☆足のスピード　速（はや）い　遅（おそ）い　迅（はや）い　遥（はる）か

☆歩く場所　道（みち）　途（みち）

☆作業を進める　造（つく）る　述（の）べる　選（えら）ぶ

遅（チ・おそい）は中学生 で習う常用漢字です。遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れています。

　『稚・穉（チ）』zhì は、作物の成長が遅い様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾（作物）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝稚・穉 （成長の遅い作物。わかい。おさない・いとけない）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 隹 が使われます。常用漢字では、稚の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは常用外に『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない・稚（いとけな）い』があります。年齢が幼いこと・やり方が未熟なことを幼稚（ヨウチ）、物事の出来が子供っぽく下手（へた）なことを稚拙（チセツ）、幼い子供・寺院に仕える少年を稚児（ちご）といいます。

稚（おさな）いは幼（おさな）いと書くのが普通です。

改定常用漢字表では稚児（ちご）と読みます。

稚（チ・おさない）は中学生  で習う常用漢字です。穉（チ・おさない）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-77be88.html

『漢字の覚え方 犀』　犀　遅　遲　稚　穉

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.動物の さい（　　　）。

2.きんもくせい（　　　　）。

3.ちえん（　　　）行為。

4.学校に ちこく（　　　）。

5.ようち（　　　）園。

6.ちぎょ（　　　）の放流。

解説です。基本の漢字は犀、遲（おそ）いは辶（しんにょう ）を足して遲、穉（おさな）いは禾（のぎへん ）を足して穉 です。

解答です。犀、金木犀、金木樨、遅延、遅刻、幼稚、稚魚。

漢字の覚え方 豖

今日は豖・啄（チョク）、啄（タク）、琢（タク）、冢・塚（チョウ）という漢字のについて説明します。基本になる漢字は『豖（チョク）』です。一か所を縛る様子を表しています。音読みは『チョク』や『タク』、『チョウ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。豖（チョク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。塚（チョウ・つか）は中学校で習う常用漢字、啄（タク・つつく）、琢（タク・みがく）は人名用漢字、豖（チョク）、冢（チョウ）は常用漢字ではありませんが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『豖（チョク）』chùは、豕（いのしし）の足を締めて結ぶ様子を表す指事文字です。漢字の足し算で覚えるならば、豕（いのしし・ぶた）＋ヽ（脚をしばる）＝豖（豕（いのしし）の足を締めて結ぶ。足を締める。一か所にとどまる）です。漢字の部首は『豕・いのこ』、漢字の意味は『足を締める』、『一か所にとどまる』です。

音読みは呉音が『チク』、漢音が『チョク』です。豖（チョク）の漢字自体を使うことはありませんが、啄（タク）、琢（タク）、冢（チョウ）の構成要素になっています。

豖（チョク）は常用漢字から外れています。

　『啄・啄（タク）』zhuóは、啄（ついば）む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（くち）＋豖（一か所で縛る）＝啄・啄（一か所を口で啄（ついば）む。同じ個所を啄（つつ）く）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『啄（ついば）む』、『啄（つつ）く』です。

音読みは呉音・漢音ともに『タク』、訓読みは『啄（ついば）む』、『啄（つつ）く』です。キツツキを漢語で啄木（タクボク）、啄木鳥（タクボクチョウ）といいます。

我が国では『つくり』の部分は、豖（チョク）を使わずに、ヽをとった豕（シ・いのこ）を使うことが普通です。

啄（タク・ついばむ）は人名用漢字です。

　『琢・琢（タク）』zhuóは、一か所を琢（たた）く・琢（みが）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、王（宝石）＋豖（一か所で縛る）＝琢・琢（原石の一か所を琢（たた）いて角をとって玉にする・琢（みが）く）です。漢字の部首は『王・たま』、漢字の意味は『琢（たた）く』、『琢（みが）く』です。

音読みは呉音・漢音ともに『タク』、訓読みは『琢（たた）く』、『琢（みが）く』です。原石を叩いて形を整え、磨いて宝玉にすること技術・人格の向上に努めることを琢磨（タクマ）といいます。

我が国では、琢（タク）の『つくり』の部分は、豖（チョク）を使わずに、ヽをとった豕（シ）を使うことが多いです。

琢・琢（タク・みがく）は人名用漢字です。

　『冢・塚・塚（チョウ）』zhǒngは、冢・塚（つか）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、冖（かぶせる）＋豖（一か所で縛る）＝冢（一か所を叩いて、土をかぶせた冢（つか））です。漢字の部首は『冖・わかんむり』、漢字の意味は『塚（つか）』、『墓』、『大きくて重い』です。

我が国では冢（チョウ・つか）の漢字自体を使いません。土を足した塚（チョウ・つか）を使います。漢字の足し算で覚えるならば、土（つち）＋冖（かぶせる）＋豖（一か所で縛る）＝塚・塚（一か所を叩いて、土をかぶせた冢（つか））です。漢字の部首は『土・つちへん』になります。漢字の意味は同じです。

音読みは呉音が『チュウ』、漢音が『チョウ』、訓読みは『冢・塚（つか）』です。街道の里程を示す土盛りを一里塚（イチリづか）といいます。

冢・塚（チョウ・つか）は常用漢字から外れています。塚（チョウ・つか）は中学生で習う常用漢字です。

豕（シ・いのこ）については、『漢字の覚え方 豕』をご覧ください。

㒸（ツイ）については、『漢字の覚え方 㒸』をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-e9d7.html

『漢字の覚え方 豖』　豖　啄　琢　塚

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.石川 たくぼく（　　　）。

2.切磋 たくま（　　　）。

3.一里 づか（　　）。

解説です。基本の漢字は豖、啄（ついば）むは口を足して啄、琢（みが）くは王を足して琢、塚（つか）は土と冖を足して塚です。

解答です。啄木、琢磨、塚。

漢字の覚え方 冘

今日は冘（チン）、沈（チン）、枕（チン）、耽（タン）いう漢字のについて説明します。基本になる漢字は『冘（チン）』yínです。人が沈む様子を表しています。基本の音読みは『チン』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。冘（チン）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。沈、枕は中学校で習う常用漢字、耽は人名用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『冘（チン）』yínは、人が沈む様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、人（人間）＋冖（冖形の重荷）＝冘（冖形の重荷で押さえて沈める。沈める）です。漢字の部首は『冖・わかんむり』です。意味は『沈める』です。

藤堂は甲骨文字では、牛＋川 からなり、牛を黄河の底に沈める祭礼を行うさまであるとしています。

冘（チン）の漢字自体を使う事はありませんが、沈（チン）、枕（チン）、耽（タン）等の漢字の音符になっています。

冘（チン）は常用漢字から外れています。

　『沈（チン）』chénは、人が水中に沈む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋冘（冖形の重荷押さえて沈める）＝沈（人を冖形の重荷で押さえて水中に沈める。沈める。沈む）です。漢字の部首は『氵・さんずい』です。意味は『沈める』です。

中国では沉の字体を使われています。

音読みは呉音が『ジン』、漢音が『チン』、訓読みが『沈（しず）む』です。落ち着いていて静かなことを沈静（チンセイ）、沈んで位置が下がることを沈下（チンカ）といいます。

沈（チン・しずむ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『枕（チン）』zhěnは、枕（まくら）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（木製品）＋冘（沈める）＝枕（頭を沈ませる木製品。枕）です。漢字の部首は『木・きへん』です。意味は『枕（まくら）』です。

音読みは呉音が『ジン』、漢音が『チン』、訓読みが『枕（まくら）』です。枕（まくら）もとの事を漢語で枕頭（チントウ）、旅先で就寝することを草枕（くさまくら）、昔の歌文に見られる修辞法で、一定の語句の先頭（枕）につける詞（ことば）を枕詞（まくらことば）といいます。

枕（チン・まくら）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『耽（タン）』dānは、耽（ふけ）る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で表せば、耳（みみ）＋冘（沈める）＝耽（耳を傾けて想いに耽る。ふける）です。漢字の部首は『耳・みみへん』です。意味は『耽（ふけ）る』です。

音読みは呉音が『トン』、漢音が『タン』、訓読みが『耽（ふけ）る』です。一つのことに集中して他を顧（かえり）みないさまを耽溺（タンデキ）といいます。

漢字の耳は

戦闘行為を表す場合　取（と）る　聚（あつ）める

聞く様子を表す場合　聞（き）く　聴（き）く

心の動きを表す場合　恥（は）じる　耽（ふ）る

などがあります。

耽（タン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-8877.html

『漢字の覚え方 冘』　冘　沈　枕　耽

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.地盤 ちんか（　　　）。

2.事態の ちんせい（　　　）化。

3.くさまくら（　　　）。

4.まくらことば（　　　）。

5.たんでき（　　　）する。

解答です。沈下、沈静、草枕、枕詞、耽溺。

解説です。基本漢字は冘です。沈（しず）むは氵（さんずい）を足して沈、枕（まくら）は木を足して枕、耽（ふけ）るは耳を足して耽です。

漢字の覚え方 离

今日は离（チ・リ）、離（リ）、璃（リ）、魑（リ）という漢字の仲間について説明します。基本の漢字は『离（チ・リ）』chī、líで、読み方は『チ』か『リ』、意味は『大蛇』、『離れる』です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『离（チ・リ）』chī、líに何を足すとどんな漢字になるのかを考えます。離、離は中学校で習う常用漢字、魑は常用漢字ではありませんが一緒に覚えましょう。

　『离（チ・リ）』chī、líは、頭が大きく尾を曲げた大蛇（ダイジャ）を象（かたど）った象形文字です。離（はな）れるの意味にも使います。漢字の部首は『禸・ぐうのあし』、漢字の意味は『山の神である大蛇』、『猛獣』、『怪物』などです。

説文解字には｢山神、獸なり。禽頭に従い、禸に従い、屮に従う｣とあります。

大蛇の意味での音読みは呉音・漢音ともに『チ』、離（はな）れるの意味での音読みは呉音・漢音ともに『リ』です。离（チ・リ）は漢字単独で使うことはありませんが、離（リ）、璃（リ）、魑（チ）といった漢字の構成要素になっています。

离（チ・リ）は常用漢字から外れています。

　『離（リ）』líは、大蛇と隹（とり）がつかず離れず争っている様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、离（山の神である大蛇）＋隹（とり）＝離（大蛇と隹がつかず離れず争う。離れる）です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『離れる』、『つく』、『経過する』などです。

音読みは呉音・漢音ともに『リ』、離れることと集まることを離合（リゴウ）、王宮から少し離れた宮殿を離宮（リキュウ）、親しい人々が別れ別れになることを離散（リサン）、人と別れることを離別（リベツ）といいます。

離（リ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『璃（リ）』líは、瑠璃・琉璃（ルリ）を表す形声文字です。瑠（ル）・琉（ル）と一緒に使って紫ががった紺色の宝石を表します。漢字の足し算で覚えるならば、玉（宝石）＋离（リ）＝璃（リの発音の宝石）です。漢字の部首は『王・おう・たま』、漢字の意味は『瑠璃・琉璃（ルリ）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『リ』です。梵語のvaiḍūrya（ヴァイドゥーリャ）の音訳だといわれています。

璃（リ）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『魑（チ）』chīは、山の怪物を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、鬼（化け物）＋离（山の神である大蛇）＝魑（山の怪物。顔は人間で、人を迷わせる怪物。すだま）です。漢字の部首は『鬼・おに』、意味は『魑（すだま）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』、訓読みは『魑（すだま）』です。魑魅魍魎（チミモウリョウ）として人を惑わす妖怪として使います。

魑魅魍魎（チミモウリョウ）の漢字について

魑（チ）は『漢字の覚え方 离』 http://bit.ly/2iAAGmXをご覧ください。

魅（ミ）は 『漢字の覚え方 未』 http://bit.ly/1CD39q4 をご覧ください。

魍（モウ）は『漢字の覚え方 亡』 http://bit.ly/1v84fty をご覧ください。

魎（リョウ）は『漢字の覚え方 両』 http://bit.ly/1YGsCgb をご覧ください。

魑（チ）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-79a1.html 

http://bit.ly/2iAAGmX

『漢字の覚え方 离』 　離　璃　魑

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.恋人との りべつ（　　　）。

2.浜 りきゅう（　　　）。

3.りごう （　　　）集散。

4.るり（　　　）色。

5.ちみもうちょう（　　　　　）。

解説です。基本の漢字は离、離（はな）れるは隹（とり）を足して離、瑠璃（ルリ）は王を足して璃、魑（すだま）は鬼（おに）を足して魑。

解答です。離別、離宮、離合、瑠璃・琉璃、魑魅魍魎。

漢字の覚え方 竹

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『竹（チク）』zhúという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には竹、筑、築、篤という漢字が含まれます。これらの漢字は竹（チク）という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『竹』に何を足したら筑、築、篤になるのかを考えます。竹は小学校1年生で習う漢字 、築は小学校5年生で習う漢字  篤は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『竹（チク）』zhúは、竹を描いた象形文字です。漢字の部首は『竹・たけ』です。意味は『竹（たけ）』です。竹製の笛を指すこともあり、糸竹（シチク）とは東洋の管弦楽器のことです。

音読みは呉音・漢音ともに『チク』、唐宋音が『シツ』、訓読みは『竹（たけ）』です。竹刀（チクトウ・しない）、爆竹（バクチク）、竹林（チクリン）、竹箆（シッペ）返しの竹です。築（チク）、篤（トク）は同じ漢字の仲間です。

竹（チク・たけ）は小学校1年生で習う漢字 です。

　『筑（チク）』zhùは、竹製のたたいて音を出す楽器を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製品）＋巩(地面をたたく）＝筑（竹製のたたいて音を出す楽器。筑）です。漢字の部首は『竹・たけんかんむり』、漢字の意味は『筑（チク）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チク』、訓読みに『筑（つ）く』があります。九州の筑紫（つくし）、関東の筑波（つくば）は築（つ）くではなく筑（つ）くが使われています。

筑（チク・つく）は人名用漢字です。

　『築（チク）』zhúは、土を竹・木製の道具で築（つ）き固める様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、筑（竹製の道具と手と工作）＋木(木製の道具）＝築（土を竹・木製の道具で築（つ）き固める。築く。きずく）です。漢字の部首は『竹・たけんかんむり』、漢字の意味は『土を築（つ）き固める』、『土台をつくる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チク』、訓読みは『築（きず）く』、『築（つ）く』です。建物を土台からつくり上げることを建築（ケンチク）、城を築（きず）くことを築城（チクジョウ）、庭園などに土を盛ってつくった小山を築山（つきやま）といいます。

築（チク・きずく）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『篤（トク）』dǔは、全身に欠け目なく行き届いた馬を表す形声文字（藤堂）です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹がとりまく）＋馬(うま）＝篤（行き届いた馬。行き届く。篤い。あつい）です。漢字の部首は『竹・たけんかんむり』、漢字の意味は『行き届いた馬』、から『行き届く』、『篤（あつ）い』です。人情・親切など良い意味に使いますが、病気などの悪い意味にも使います。

音読みは呉音・漢音ともに『トク』、訓読みは『篤（あつ）い』です。熱心に志すこと・行き届いた親切を篤志（トクシ）、人情に篤く、誠実なことを篤実（トクジツ）、病気が重く危ないことを危篤（キトク）といいます。

良い意味に使うことが多く、『あつ』、『あつし』、『しげ』、『すみ』と名前に使われます。

篤（トク・あつい）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-6e57.html

『漢字の覚え方 竹』 竹　筑　築 篤

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ばくちく（　　　）で祝う。

2.しない（　　　）で撃ち合う。

3.ちくぜん（　　　）煮。

4.つくば（　　　）山。

5.けんちく（　　　）様式。

6.とくじつ（　　　）な性格。

7.きとく（　　　）の状態。

解説です。基本の漢字は竹、筑（つ）くは巩を足して筑、築（きず）くは木を足して築、篤（あつ）いは馬を足して篤です。

解答です。爆竹、竹刀、筑前、筑波、建築、篤実、危篤。

漢字の覚え方 宁

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『宁（チョ）』zhùという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には宁、貯、佇、苧という漢字が含まれます。これらの漢字は宁（チョ）という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。このような漢字の仲間を藤堂は『単語家族』と呼んでいます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です『宁（チョ）』に何を足したら貯、佇になるのかを考えてます。貯は小学校4年生で習う漢字 、佇、苧は日常で使う常用漢字ではありませんが、一緒に覚えましょう。

　『宁（チョ）』zhùは、糸を巻いて貯（たくわ）える様子を表す象形文字です(藤堂）。また、物を囲って貯える姿を表すともいわれています。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『貯（たくわ）える』、『じっと立ち止まる』です。

音読みは呉音が『ヂヨ』、漢音が『チョ』です。貯（たくわ）える、佇（たたず）むの漢字があるので原字の宁を使うことはありません。

宁（チョ・たくわえる）は常用漢字から外れています。

　『貯（チョ）』zhùは、財貨をため込む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、貝（財貨）＋宁（わく）＝貯（あるところに財貨をため込む。貯（たくわ）える）です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『貯（たくわ）える』、『貯（た）める』です

音読みは呉音・漢音ともに『チョ』、訓読みは常用外に『貯（たくわ）える』、『貯（た）める』があります。お金を貯（た）めることを貯金（チョキン）、財貨を貯えることを貯蓄（チョチク）、物を貯えてしまって（蔵）おくことを貯蔵（チョゾウ）といいます。

貯（たくわ）えるは蓄（たくわ）えるを使うのが普通で、蓄えるは「力を蓄える」など力にも使えます。詳『漢字の覚え方  畜』をご覧ください。

貯（チョ）は小学校4年生で習う漢字です。

　『佇（チョ）』zhùは、佇（たたず）む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ（人間）＋宁（わく・とどまる）＝佇（人がじっと立ち止まる。佇（たたず）む）です。部首は『イ・にんべん』、意味は『佇（たたず）む』です。

音読みは呉音が『ヂヨ』、漢音が『チョ』、訓読みは『佇（たたず）む』です。立ち止まってじっとしていることを佇立（チョリツ）といいます。

躇（チョ・ためらう）と非常に近い関係にあるといわれています(藤堂）。

佇（チョ）は常用漢字からはずれています。

　『苧（チョ）』zhùは、苧麻（チョマ・からむし）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋宁（じっと立つ・糸を巻く）＝苧（じっと立っている植物。糸に使う植物）です。部首は『艹・くさかんむり』、意味は『苧麻（チョマ・からむし）』です。

音読みは呉音が『ヂヨ』、漢音が『チョ』、訓読みは『苧（お）』です。苧麻（チョマ・からむし）はイラクサ科の多年草で、茎の皮の繊維で布を織ります。麻（あさ）や苧麻（からむし）の皮の繊維でつくった糸を苧（お）、皮を剥（は）ぎ取った茎の殻を苧殻（おがら）、麻（あさ）や苧麻（からむし）の糸を巻いたもの苧環（おだまき）といいます。

苧（チョ）は常用漢字からはずれています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-7b83.html

『漢字の覚え方 宁』 宁 貯 佇 苧

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.野菜の ちょぞう（　　　）。

2.銀行に ちょきん（　　　）。

3.しばし ちょりつ（　　　）する。

4.おがら（　　　）を燃やす。

5.ちょま（　　　）で布を織る。

解説です。基本の漢字は宁、貯（たくわ）えるは貝を足して貯、佇（たたず）むはイ（にんべん）を足して佇、苧（お）は艹（くさかんむり）を足して苧です。

解答です。貯蔵、貯金、佇立、苧殻、苧麻。

漢字の覚え方 知

　今日は『知（チ）』zhīという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『知』です。音読みは『チ』、意味は『知る』、『心得ている』です。知、智、痴などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来、『単語家族』ごとにまとめて覚えると便利です。『知』に何を足すと智、痴になるのかを考えます。知は小学校で2年生で習う漢字 、痴は中学校で習い、智は人名用漢字です。

　『知（チ）』zhīは、物事の本質を言い当てることを表す漢字です。漢字の足し算では、矢＋口（言い当てる）＝知（矢のように真っ直ぐに物事の本質を言い当てる。知る）です。漢字の部首は『矢・や』、漢字の意味は『知（し）る』、『知らせる』、『心得ている』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』、訓読みは『知（し）る』です。相手に知らせることを通知（ツウチ）、物事を心得ている地方の長官を知事（チジ）、昔からの知り合いを旧知（キュウチ）、物事の本質を判断する心の動きを知恵（チエ）といいます。

矢（シ）については、『漢字の覚え方 矢』 をご覧ください。

動詞系を『知（しる）』、名詞系を『智（さとい）』と分けて漢字を使っていたようですが、区別せずに常用漢字の知を使うのが一般的です。

知（チ）は小学校で2年生で習う漢字です。

知（し）るは、識（し）ると書くことがあります。詳しくは『漢字の覚え方 戠』をご覧ください。

　『智（チ）』zhìは、物事の本質を言い当てて、知らせる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、知（人）＋曰（口にする）＝智（物事の本質を言い当てて、知らせる。理解する。さとい）です。部首は『曰・ひ』。意味は『智（さと）い』、『智慧（チエ）』です。

イラストは七福神の弁財天様です。音楽、智慧（チエ）の神様です。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』です。訓読みは常用外の『智（さと）い』があります。仏教で真理を見極める精神（慧）を智慧（チエ）といい、転じて、物事を正しく処理する能力も智慧・知恵（チエ）というようになりました。仏教では智慧（チエ）と正式な文字を使いますが、仏教以外では常用漢字（普段生活に使う漢字）の知恵を使います。

知るの意味で智を使うことはありませんが、知恵・智恵（チエ）、知能・智能（チノウ）、機知・機智（キチ）の意味では知、智、両方の漢字を使います。

大変に良い漢字で『あきら』、『さかし』、『さと』、『さとし』、智は人名用漢字ですが、常用漢字から外れています。

　『痴（チ）』chīは、字体は癡http://bit.ly/1Wwz4XDが正しい字体で、痴はその略字です。漢字の足し算では、疒（病気）＋疑（動かない）＝癡（頭が働かない病気。智慧が働かない。愚か）です。

常用漢字体の方は、疒（病気）＋知（知る・知恵）＝痴です。漢字の部首は『疒・やまいだれ』、意味は『智慧がない』、『愚（おろ）か』、『ぼけている』です。書くのが簡単で済む常用漢字体の痴を使います。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』です。愚か者のことを痴呆（チホウ）、女性に対してみだらで、愚かな行為をする男を痴漢（チカン）。男女の愛に迷う思いを痴情（チジョウ）といいます。

『痴（チ）』は中学校で習う常用漢字です。

医学（行政）では、脳の機能障害による、思考の緩除、記憶障害、興味の減退などの症状を認知症（ニンチショウ）Dementiaと呼んでいます。痴呆（チホウ）という言葉（人を馬鹿にした表現を含む）は使わなくなっています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-f1c0.html

『漢字の覚え方 知』　知　智　痴

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.滋賀県 ちじ（　　　）。

2.きゅうち（　　　）の間柄。

3.し（　）りあいの人。

4.ちえ（　　　）と勇気。

5.男女の ちじょう（　　　）。

6.ちかん（　　　）が逮捕される。

解説です。基本の漢字は知、智慧は知に日を足してが智、痴は疒（やまいだれ）を足して痴です。

解答です。知事、旧知、知りあい、智慧、智恵、知恵、痴情、痴漢。

漢字の覚え方 直

　今日は『直（チョク）』zhíという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『直』です。真っ直ぐ相手を見る事を示す漢字です。直、植、殖、値、置、徳、德、聴、聽などがこの漢字の『単語家族』です。

　『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。ここでは『直』に何を足したらどんな漢字になるのかを、漢字の成り立ちを通して考えます。直は小学校2年生で、植は3年、置は4年、徳は4年、値は6年、殖、聴は中学校で習います。一緒にまとめて覚えてしまいましょう。

　『直（チョク）』zhíは、真っ直ぐ相手を見る事を示した会意文字（カイイモジ）です。漢字の足し算では、十(正しく）＋目＋乚＝直（真っ直ぐ相手を見る。なおくする）です。漢字の部首は『目』、意味は『直ちに』、『直す』、『真っ直ぐ』です。

音読みは漢音が『チョク』、呉音が『ジキ』です。訓読みは『直ちに（ただちに）』、『直す（なおす）』、『ひた』、『直ぐ（すぐ）』です。直接（チョクセツ）、直球（チョッキュウ）、当直（トウチョク）、直参（ジキサン）、直訴（ジキソ）、直垂（ひたたれ）の直です。

良い意味の漢字なので『あたい』、『なお』、『なおし』、『ただ』、『まさ』、『ちか』と名前に良く使われる漢字です。

『直』は小学校2年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/2-1959.htmlです。

　『植（ショク）』zhíは、木を植える映像を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、木＋直（真っ直ぐ）＝植（木を真っ直ぐに植える。植える）です。部首は『木』、意味は『植える』です。

音読みは漢音が『ショク』、呉音が『ジキ』です。移植（イショク）、植民地（ショクミンチ）、誤植（ゴショク）、植木（うえき）の植です。『植』は小学校3年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/3-1233.htmlです。

　『殖（ショク）』zhíは、子孫が殖える様子を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、歹（ほね・動物）＋植（木を植える）＝殖（植物の様に子孫が殖える。殖える）です。子孫だけでなく、財産・利子が殖えるにも使います。部首は『歹・しかばね』、意味は『繁殖』、『殖（ふ）える』です。

音読みは漢音が『ショク』、呉音が『ジキ』です。訓読みは『殖える（ふえる）』です。繁殖（ハンショク）、増殖（ゾウショク）、利殖（リショク）、養殖（ヨウショク）の殖です。『殖』は中学校で習う漢字です。

　『値（チ）』zhíは、物の値打ちを示す形声文字です。漢字の足し算では、亻（人の経済行為）＋直（まともに向かう）＝値（物の値段。あたい）です。漢字の部首は『亻・にんべん』、意味は『あたい』、『値段』です。

『亻・にんべん』は人間の行為全般を示しますが、倹、価、値、估、借、債のように経済行為に関する漢字にも使われます。

音読みは漢音が『チ』、漢音の『ジ』です。訓読みは『ね』、『あたい』です。価値（カチ）、値段（ねダン）、値千金（あたいセンキン）の値です。

「春宵一刻値千金（シュンショウイッコクあたいセンキン）」は春の宵は素晴らしい時間で千金に値するという意味です。

『値（チ）』は小学校6年生で習う漢字です。

　『置（チ）』zhìは、物を真っ直ぐ置く様子を表した形声文字です。漢字の足し算では、罒・网（網・固定する）＋直（真っ直ぐな）＝置（物を真っ直ぐ固定する。置く）です。部首は『罒・网・あみがしら』、意味は『置く』、『設ける』です。部首の『罒・网』には網で固定するという意味があります。

音読みは呉音・漢音ともに『チ』です。訓読みは『置く（おく）』です。設置（セッチ）、装置（ソウチ）、放置（ホウチ）、処置（ショチ）の置です。『置』は小学校4年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/4-24ef.htmlです。

　『徳・德（.トク）』déは、徳のある行いを漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、彳（行い）＋直（真っ直ぐな）＋心＝徳（真っ直ぐな心の行い。徳）です。部首は『彳・ぎょうにんべん』、意味は『立派な行ない』、『徳』です。

『徳』は『直』の単語家族ではないように思いますが、旧字体の『德』を見れば、直の名残りの横棒があるのが解ります。目の部分はデザインの都合で罒（よこめ）になっていいます。

音読みは呉音・漢音ともに『トク』です。道徳（ドウトク）、人徳（ジントク）、美徳（ビトク）、得用・徳用（トクヨウ）の徳です。

『徳』は小学校5年生で習う漢字http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/5-1427.htmlです。

「早起きは三文の徳」というのは、朝早起きをすると健康に良く、何か良いこともおこることがある。ということわざです。三文（サンモン）は昔のお金。徳は得とも書きます。

　『聴・聽（チョウ・テイ）』tīngは、真っ直ぐに耳を傾ける様子を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、耳＋直（真っ直ぐな）＋心＝聴（真っ直ぐに耳を傾ける。聴く）です。。部首は『耳』、意味は『聴く（きく）』です。旧字体の『聽』では耳の下に壬・王（テイ）が入っていて音符（オンプ・音を表す）になっています。

音読みは呉音が『チョウ』、漢音が『テイ』、訓読みは『聴く（きく）』です。聴衆（チュウシュウ）、視聴者（シチョウシャ）、聴覚（チョウカク）、音楽を聴く（きく）の聴です。『聴』は中学校で習う常用漢字です。

小学校2年生で習う『聞く』wénは、へだたりを示す門（モン）が含まれています。従って、『へだたりを通して聞こえてくる』、『へだたりを通して聞く』、『人の話したのを聞く』の意味があります。風聞（フウブン）、見聞（ケンブン）、外聞（ガイブン）http://bit.ly/1oh6UAxなどと使われます。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-c35d.html

『漢字の覚え方 直』　直　植　殖　値　置　徳　聴

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ちょくせつ（　　　）請求する。

2.夜の とうちょく（　　　）。

3.祖父は うえき（　　　）職人。

4.イギリスの しょくみんち（　　　　）。

5.サケの ぞうしょく（　　　）事業。

6.物の ねだん（　　　）。

7.人間の かち（　　　）。

8.放射能除去 そうち（　　　）。

9.どうとく（　　　）の時間。

10.しちょうしゃ（　　　　）プレゼント

11.音楽を き（　）く。

解説です。相手の目を真っ直ぐ見るのが直、真っ直ぐ木を植えるのが植、殖やすのは歹を足して殖、経済活動は亻（にんべん）を足して値、真っ直ぐ固定するは罒（あみがしら）を足して置、真っ直ぐな心の行いは徳です、真っ直ぐに耳を傾けるは聴です。

解答です。直接、当直、植木、植民地、増殖、値段、価値、放置、装置、道徳、視聴者、聴く

漢字の覚え方 朕・藤

　今日は『朕（チン）』zhènの漢字の仲間について説明します。朕、勝、謄、騰、滕、藤は同じ仲間の漢字です。基本漢字は『朕』です。意味は『上にあがる』です。漢字のパーツとしての読み（音符）は『トウ』か『ショウ』です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。基本漢字の『朕』に何を足したらどんな漢字になるかを考えます。勝は小学校3年で習い、謄、騰、藤は中学校で習う常用漢字です。学校、学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　『朕（チン・ヨウ）』zhènは、天子に盤（舟型の器）を奉げる映像を漢字にしたものです。意味は『上にあげる』です。転じて天子の一人称になりました。古い読み方に『ヨウ』があり、この読み方が勝（ショウ）、謄、騰、滕、藤（トウ）の（音符）『ショウ』・『トウ』に引き継がれています。

　漢和辞典の部首に関して、「漢字がどの部首に入っているかのわからない。」という疑問があります。基本的に（音符）ではないほうの部首に属します。例を示します。勝、謄、騰、滕、藤の音符は『朕』ですから、謄の部首は『言』、勝の部首は『力』、騰の部首は『馬』、滕の部首は『水』、藤の部首は『艹・くさかんむり』になります。

　基本漢字の『朕』zhènの部首は月です。ただし空の月ではなく、舟型の器を奉げる映像なので舟の月です。現在の『月』は舟、肉、月が一緒になった部首です。昔は微妙に書き分けていました。

音読みは呉音が『ジン』、漢音が『チン』、漢字の意味は『持ち上げる』、『天子が用いる一人称』、『われ』です。秦の始皇帝が朕（チン）と自称することを決めたと言われています。

なお、舟については『漢字の覚え方 舟』をご覧ください。

　『勝（ショウ）』shèngは、力で勝つ様子を表す形声文字です。意味は『勝つ（かつ）』、『勝る（まさる）』です。漢字の足し算では、朕（ヨウ・上にあげる）＋力（ちから）＝勝（力で上にあがる。勝つ事）です。

音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』で、訓読みは『勝（か）つ』、『勝（まさ）る』です。勝利（ショウリ）、勝敗（ショウハイ）、勝負（ショウブ）、祝勝（シュクショウ）、景勝（ケイショウ）、勝鬨（かちどき）などの勝です。

大変良い意味の漢字で『かち』、『かつ』、『すぐる』、『すぐれ』、『すぐろ』、『とう』、『のり』、『まさ』、『まさる』、『ます』、『よし』と地名・人名に広く使われます。

『勝』は小学校で小学校で3年で習う漢字です。

　『謄（トウ）』téngは、言葉を写し取ることを示す形声文字です。当時のコピーは石碑などの上に墨を付け、紙を載せて写し取っていました。漢字の足し算では、朕（ヨウ・上にあげる）＋言（ごんべん・言葉）＝謄（言葉に載せて写し取る。写す）です。

音読みは呉音の『ドウ』は使わず、漢音の『トウ』を使います。訓読みは常用外の『謄す（うつす）』があります。謄写（トウシャ）、謄本（トウホン）の謄です。言葉に載せるわけですから、原本通り、全部を写すことを表します。原本の一部を写す事は抄本（ショウホン・少なく写す）といいます。

『謄』は中学校で習う常用漢字です

　『騰（トウ）』téngは、馬が躍り上がる映像を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、朕（上に上がる）＋馬＝騰（馬が躍り上がる。急に上がるです。意味は『急にあがる』です。

 

音読みは呉音の『ドウ』は使わず、漢音の『トウ』を使います。訓読みは常用外の『騰（のぼ）る』、『騰（あ）がる』があります。お湯が沸（わ)くことを沸騰（フットウ）、物価が騰（あ）がる事を高騰（コウトウ）、急に騰（あ）がることを急騰（キュウトウ）といいます。

『騰』は中学校で習う常用漢字です。

　『滕（トウ）』téngは、水の上がる映像を示す形声文字です。漢字の足し算では、朕（上に上がる）＋氺（水）＝滕（水が上に上がる）です。意味は『水が湧く』です。音読みは『トウ』です。現在では人名・地名以外に使われていません。

『滕』は常用漢字から外れています。

　『藤（トウ・ふじ）』téngは、つる性の植物『ふじ』を指す形声文字です。漢字の足し算では、艹（くさかんむり・植物）＋滕（上に上がる）＝藤（上に上がる植物。ふじ）です。四月～五月にかけて紫色の花が咲く植物です。

音読みは呉音が『ドウ』、漢音が『トウ』、訓読みは『ふじ』です。葛（くず）や藤（ふじ）の枝のように心が絡む事を葛藤（カットウ）といいます。藤架（トウカ）とういのは藤棚（ふじだな）のことです。上に上がる目出度い植物で、藤原氏の氏に使われています。源氏、平氏、藤原氏、橘氏の四氏を源平藤橘（ゲンペイトウキツ）といいます。

『藤（トウ・ふじ）』を名字に使う方は非常に多いです。 佐藤さん、伊藤さん、加藤さん、後藤さん、斎藤さん、工藤さん、近藤さん、藤田さん、藤本さん、藤井さん、藤原さん。

『藤（トウ・ふじ）』は平成22年より中学校で習う常用漢字に追加登録されました。

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『漢字の覚え方 朕・藤』 朕 勝 謄 騰　滕　藤

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.天子の一人称 ちん（　　）。

2.しょうはい （　　　）は時の運。

3.しょうり（　　　）への道筋。

4.しゅくしょうかい（　　　　）を開く。

5.けいしょう（　　　）地を訪れる。

6.一本 しょうぶ（　　　）。

7.とうしゃ（　　　）印刷。

8.戸籍 とうほん（　　　）。

9.湯が ふっとう（　　　）する。

10.物価が こうとう（　　　）。

11.心の かっとう （　　　）する。

12.ふじわら （　　　）道長。

解説です。天子の一人称は朕、力で勝ち上がるで勝、言葉を載せるで謄、馬が上がるで騰、艹（くさかんむり）に滕（あがる）を足して藤です。

解答です。朕、勝敗、勝利、祝勝会、景勝地、勝負、謄写、謄本、沸騰、高騰、葛藤、藤原。

漢字の覚え方 畜

　今日は『畜（チク）』chù、xùと『蓄（チク）』zhù、xùの二つの漢字を説明します。畜と蓄は同じ仲間の漢字です。基本の漢字は畜『（チク）』に何を足したら『蓄（チク）』になるのかを考えます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『畜（チク）』chù、xùという漢字は、玄（ゲン・黒い糸）に田（た・たんぼ）を足した会意文字（カイイモジ）です(藤堂）。黒土の田んぼを表します。漢字の足し算では、玄（ゲン・黒い糸）＋田（た・たんぼ）＝畜（養分に富んだ黒い土・やしなう・飼う）です。漢字の部首は『田』です。

『畜』はもともと養分に富んだ黒土がやしなう全てのものを表していました。やがて飼っている動物を指すようになりました。馬、牛、羊、鶏、犬、豚の家畜（カチク）を指します。意味は『飼う』、『やしなう』、『たくわえる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『チク』です。家畜（カチク）、畜産（チクサン）、畜生（チクショウ）の畜です。

『畜（チク）』は中学校で習う常用漢字です。

畜は玄（糸）を田（染料の入った器）に浸している映像であるという説(白川）があります。『浸すから』から『たくわえる』、『やしなう』の意味に発展したというものです。

　『蓄（チク）』zhù、xùという漢字は、艹（植物）に畜を足した形声文字（ケイセイモジ）です。漢字の足し算では、艹（くさかんむり・植物）＋畜（飼う・たくわえる）＝蓄（冬に蓄える植物）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』です。冬季の間に保存する野菜類を表現しています。やがて、野菜類に限らずに『蓄える（たくわえる）』はこの漢字を使うようになりました。

音読みは呉音・漢音ともに『チク』、訓読みは『蓄（たくえ）える）』です。貯蓄（チョチク）、蓄積（チクセキ）、備蓄（ビチク）、含蓄（ガンチク）、薀蓄（ウンチク）の蓄です。

『蓄（チク・たくわえる）』は中学校で習う常用漢字です。

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『漢字の覚え方 畜』　畜　蓄 

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.北海道は ちくさん（　　　）業が盛ん。

2.人間の生活に役立つ かちく（　　　）。

3.石油の びちく （　　　）。

4.がんちく（　　　）に富む言葉。

5. ノウハウの ちくせき （　　　）が重要。

6. 将来に備えて ちょちく （　　　）しておく。

解説です。動物には畜、蓄えるには蓄です。

解答です。畜産、家畜、備蓄、含蓄、蓄積、貯蓄。今日はこの辺で終わりにします。

　少し漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の辞書は後漢（西暦100年頃）の許慎（キョシン）の「説文解字（セツモンカイジ）」です。許慎はその中で漢字について六種類の原理を説明しています。これを『六書（リクショ）』といいます。六種類のうち四種類は漢字の成り立ちについて、残りの二種類は漢字の使用法についてです。

四種類の漢成り字の成り立とは、①物の形に象った（かたどった）文字-『象形文字』（ショウケイモジ）、②象形文字を基に点を打つことにより示された文字-『指事文字』（シジモジ）、③文字を組み合わせて造った文字-『会意文字』（カイイモジ）、④意味と音・声を示す文字を組み合わせた文字-『形声文字』（ケイセイモジ）の四種類です。

『畜』は玄（ゲン・黒い糸）と田（デン・たんぼ）を組み合わせた漢字なので、『会意文字』（カイイモジ）です。玄は黒い糸、田は田んぼを象った（かたどった）文字なので『象形文字』（ショウケイモジ）です。

ここでは出てきませんが、一、二、上、下の漢字は、象形文字に線や点を打った文字なので、『指事文字』です。『蓄』は艹（くさかんむり・植物）に畜を組み合わせたもの、『畜（チク）』は『蓄（チク）』の音・声（音符）『（チク）』を示していますから『形声文字』（ケイセイモジ）です。

漢字の殆どはこの『形声文字』です。漢字が足し算であるというのは、この漢字の成り立ちに関わっています。『形声文字』は音・声（音読み）が同じなので、音・声（音読み）を基に漢字の足し算で、漢字を覚えようという根拠はここにあります。