漢字の覚え方 易
漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『易(エキ・イ・やさしい)』yìという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には易(エキ・イ・やさしい)、蜴(エキ・とかげ)、鯣(エキ・するめ)、賜(シ・たまわる)、錫(シャク・すず)という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『易(エキ・イ・やさしい)』に何を足したら蜴(エキ・とかげ)、鯣(エキ・するめ)、賜(シ・たまわる)、錫(シャク・すず)になるのかを考えてます。易は小学校5年生で習う漢字 、賜は中学生 で習う常用漢字、錫は人名用漢字です。蜴、鯣は常用漢字から外れていますが、学年、学校、常用漢字に関係なく一緒に覚えましょう。
『易(エキ・イ)』yìは、次々と横に移っていく様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、日ノ(やもり・とかげ)+彡(もよう)=易(やもりが次々と横に移っていく。かわる。かわりやすい。易(やさ)しい)です(藤堂)。漢字の部首は『日・にち』、漢字の意味は『かわる』、『易(やさ)しい』、『避ける』です。
やもりではなく、玉(宝石)や太陽とし、玉光や日光のかわる様子とする説(白川・加藤)もあります。
読み方は意味によって二通りあります。
『かわる』、『避ける』の意味では音読みが呉音で『ヤク』、漢音で『エキ』です。改めかえること・武士の身分を剥奪し、領地を没収することを改易(カイエキ)、天子の姓がかわることを易姓(エキセイ)、財貨をかえ合い取引することを貿易(ボウエキ)といいます。
『易(やさ)しい』の意味では音読みが呉音・漢音ともに『イ』、訓読みが『易(やさ)しい』です。たやすいこと・やさしいことを容易(ヨウイ)、簡単で手軽なことを簡易(カンイ)、難しいことと易しいことを難易(ナンイ)といいます。
易(エキ・やさしい)は小学校5年生で習う漢字 です。
易(エキ)が『易(やさ)しい』、『避ける』の意味に使われたために、やもり・とかげを表すために造られた漢字が蜴(エキ)です。
『蜴(エキ)』yìは、蜥蜴(とかげ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、虫 (むし)+易(次々と横に移っる。平たい)=蜴(次々と横に移っていく動物。平たい動物。やもり・とかげ)です(藤堂)。漢字の部首は『虫 ・むし』、漢字の意味は『蜥蜴(とかげ)』です。
蜥(セキ・切れても生きている動物)と一緒に使って蜥蜴(とかげ)を表します。
漢字の世界では「爬虫 類(ハチュウルイ)」も虫を使って表します。
音読みが呉音で『ヤク』、漢音で『エキ』です。次々と横に移っていく爬虫類を蜥蜴(とかげ・セキエキ)といいます。
蜴(エキ・とかげ)は常用漢字から外れています。部首索引 虫(むし)も御覧ください。
『鯣(エキ)』yì、sīは、平たい鯣(するめ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚 (さかな)+易(平たい)=鯣(平たく伸ばした魚介類。鯣。するめ)です。漢字の部首は『魚・さかな』、漢字の意味は『鯣(するめ)』です。
音読みが呉音で『ヤク』、漢音で『エキ』、訓読みは『鯣(するめ)』です。イカを開いて内臓を出し、平たく干した物をいいます。
博打(ばくち)の世界では、『お金を磨(す)り減らす目』に通ずることを嫌って『鯣(あたりめ)』と呼びます。
鯣(エキ・するめ)は常用漢字から外れています部首索引 魚(うお・さかな) をご覧下さい。
『賜(シ)』cìは、上位の者が下位の者に物を与える様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、貝(財宝)+易(移す・おしやる)=賜(上位の者が下位の者に財宝を移す。賜る。たまわる)です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『賜(たまわ)る』です。
音読みが呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『賜(たまわ)る』です。天皇・君主から物を賜ることを恩賜(オンシ)、天子が臣下に姓を与えることを賜姓(シセイ)をいいます。
賜(シ・たまわる)は中学生 で習う常用漢字です。
『錫(シャク)』xī は、銀白色の平らに延ばすことの出来る金属・錫(すず)を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金(金属)+易(平らに延ばす)=錫(平らに延ばすことの出来る金属。すず)です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『錫(すず)』です。
音読みが呉音が『シャク』、漢音ともに『セキ』、訓読みは『錫(すず)』です。死者とともに埋葬する錫(すず)製の人形を錫人(シャクジン)、僧侶が用いる錫(すず)の輪のがついた杖(つえ)を錫杖(シャクジョウ)をいいます。
錫(シャク・すず)は人名用漢字です。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-159e.html
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.ぼうえき( )の収支。
2.かんい( )診断。
3.なんい( )度が高い。
4.とかげ( )。
5.するめ( )。
6.上野 おんし( )公園。
7.お地蔵さんの しゃくじょう( )。
解説です。基本の漢字は易、蜥蜴(とかげ)の蜴(エキ)は虫を足して蜴、鯣(するめ)は魚を足して鯣、賜(たまわ)るは貝を足して賜、錫(すず)は金を足して錫です。
解答です。貿易、簡易、難易、蜥蜴、鯣、恩賜、錫杖。