漢字の覚え方 寧

 今日は寧（ネイ・やすらか）、檸（ネイ）、濘（ネイ・ぬかる）、 獰（ドウ・わるい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『寧（ネイ）』です。寧（やす）らかな様子を表す会意文字 です。これらの漢字は同じ『寧（ネイ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。寧（ネイ・やすらか）に何を足したらどのような漢字になるのか考えます。寧（ネイ・やすらか）は中学生で習う常用漢字  、檸（ネイ）、濘（ネイ）、 獰（ドウ）は常用漢字から外れています。常用漢字の指定に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『寧（ネイ）』níng は、寧（やす）らかな様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀（屋根・建物）＋心（人間）+皿（食事）+丁・于（落ち着く）＝寧（家の中でじっと落ち着いた状態。寧（やす）らか）です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『寧（やす）らか』、『落ち着いた』、『静かにさせる』、『～より良い』です。

音読みは呉音が『ニョウ』、漢音が『ネイ』、訓読みは常用外に『寧（やす）い』、『寧（むし）ろ』、『寧（いず）くんぞ』があります。を丁寧（テイネイ）、を安寧（アンネイ）といいます。

常用漢字では皿ではなく罒を使った字体が使われます。

非常に良い意味の漢字で『さだ』、『しず』、『やす』、『やすし』と名前に使われます。

寧（ネイ・やすらか）は中学生で習う常用漢字 です。

　『檸（ネイ）』níng は、植物の檸檬（レモン）を表す形声文字です。檸檬（レモン・ネイモウ）はインド原産のミカン科の常緑低木樹で、果実が食用のなります。漢字の檸檬（レモン）は英語のlemonの音訳で、檬（モウ）と一緒に使います。漢字の足し算で覚えるならば、木（植物）＋檸（ネイという発音）＝檸（ネイという音の植物。檸檬。レモン）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『檸檬（レモン）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ネイ』です。檬（モウ）と一緒に使って檸檬（レモン）を表します。

檸（ネイ）は常用漢字から外れています。

　『濘（ネイ）』níng は、泥濘（ぬかるみ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（みず）＋寧（落ち着いた。しっとりとした）＝濘（しっとりと粘りつく水の状態。ぬかるみ。泥）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『泥濘（ぬかるみ）』です。

音読みは呉音が『ニョウ』、漢音が『ネイ』、訓読みは『濘（ぬか）る』です。泥濘（ぬかるみ）を漢語でを泥濘（デイネイ）といいます。

濘（ネイ・ぬかる）は常用漢字から外れています。

　『獰（ドウ）』níng は、犬の執拗（シツヨウ）な様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（犬）＋寧（落ち着いた。しっとりとした。粘り強い）＝獰（粘り強く意地悪い。わるい）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『獰（わる）い』です。

音読みは呉音が『ニョウ』、漢音が『ノウ』、慣用音が『ドウ』です。訓読みは『獰（わる）い』があります。性質が執拗で荒々しい様子を獰猛（ドウモウ）といいます。

獰（ドウ・わるい）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-122824.html

『漢字の覚え方 寧』　檸　寧　濘　獰

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ていねい（　　　）な対応。

2.むし（　　）ろ鶏口と為るも 

3.れもん（　　　）。

4.ぬかるみ（　　　）。

5.どうもう（　　　）。

解説です。基本の漢字は寧、檸檬（レモン）は木を足して檸、濘（ぬか）るは氵を足して濘、獰（わる）いは犭を足して獰です。

解答です。丁寧、寧、檸檬、泥濘、獰猛。

漢字の覚え方 然

今日は『然（ネン・ゼン・しかり）』ránという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には然（ネン・ゼン・しかり）、燃（ネン・もえる）、撚（ネン・よる）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『然』に何を足したら燃（ネン・もえる）、撚（ネン・よる）になるのかを考えてます。然は小学4年生、燃は小学5年生、撚は常用漢字から外れています。学年、学校に関係なく漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『然（ネン・ゼン）』ránは、燃（も）える「そのまま」の様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、月（肉）＋犬（犬・動物）＋灬（火）＝然（動物の肉が燃える・焼ける様子。そのまま。そのとおり）です。漢字の部首は『灬・れっか』、漢字の意味は『そのまま』、『そのとおり』、『然（しか）り』、『様子』です。

然は燃（も）えている様子を表していましたが、燃えるにかかわらず、様子を表す漢字になりました。燃えるを表す漢字は火を足した燃（ネン）を使います。漢字の世界ではこのような関係が多くみられます。者（煮ている人・煮ている以外にも使う）と煮（灬を足して煮るを表す）も同じような関係にあります。

音読みは呉音が『ネン』、漢音が『ゼン』、訓読みは常用外に『然（さ）』、『然（しか）り』があります。自（みずか）らそうある様子を自然（シゼン）、生まれつきの自然のままの様子を天然（テンネン）、不意に起こる様子を突然（トツゼン）といいます。

然（ネン・ゼン）は小学校4年生で習う漢字http://bit.ly/1RpPj7c です。象形・指事・会意・形声　四年生 もご覧ください。

　『燃（ネン）』ránは、肉を焼く様子・燃える様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、火（火）＋月（肉）＋犬（犬・動物）＋灬（火）＝燃（動物の肉が燃（も）える。燃える）です。漢字の部首は『火・ひへん』、漢字の意味は『燃（も）える』です。

然は燃（も）えている様子を表していましたが、燃えるにかかわらず、様子を表す漢字になりました。燃えるを表す漢字は火を足した燃（ネン）を使います。

音読みは呉音が『ネン』、漢音が『ゼン』、訓読みは『燃（も）える』です。熱を出して燃えることをを燃焼（ネンショウ）、燃やすのに必要な材料を燃料（ネンリョウ）、機械が消費する燃料の効率を燃費（ネンピ）といいます。

燃（ネン）は小学校5年生で習う漢字http://bit.ly/1TKUzji です。象形・指事・会意・形声　五年生 もご覧ください。

　『撚（ネン）』niǎnは、撚（よ）る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋然（燃える肉・脂身）＝撚（指先でねっとりと撚る。よる）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『撚（よ）る』、『撚（ひね）る』です。

然（燃える肉・脂身）は（ねっとりとした）の意味に使われています（藤堂）。

音読みは呉音が『ネン』、漢音が『デン』、訓読みは『撚（よ）る』、『撚（ひね）る』です。細く切った紙をひねってひも状にしたもを紙撚（こよ）り、紙をひねってこよりをつくることを撚紙（ネンシ）いいます。

撚（ひね）るは、捻（ひね）るhttp://bit.ly/1rkDWdF 、拈（ひね）るhttp://bit.ly/1ofEarL とも書きます。

撚（ネン）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-1abf.html

『漢字の覚え方 然』 　然 　燃　撚

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.しぜん（　　　）発火。

2.とつぜん（　　　）変異。

3.ねんしょう（　　　）試験。

4.ねんりょう（　　　）の補給。

5.紙を　ひね（　）る。

解説です。基本の漢字は然、燃（も）えるは火を足して燃、撚（よ）るは扌（てへん）を足して撚です。

解答です。自然、突然、燃焼、燃料、撚る、捻る、拈る。

漢字の覚え方 奴

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『奴（ド）』núという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には奴（ド・やつ）、努（ド・つとめる）、怒（ド・いかる）、弩（ド・おおゆみ）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『奴（ド）』に何を足したら努（ド・つとめる）、怒（ド・いかる）、弩（ド・おおゆみ）になるのかを考えてます。努は小学校4年生で習う漢字 、奴、怒は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『奴（ド）』núは、召使いを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（おんな）＋又（手）＝奴（手で労働する女性の召使い）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『召使い』、『使用人』です。我が国では武家の下男を『奴（やっこ）・家っ子』と言い、人を軽蔑するときに『奴（やつ）』という言い方をします。

古代の辞書『説文解字』には、「辠（つみ）人也（なり）」の記述があります。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みは『奴（やっこ）』、『奴（やつ）』です。最も身分の低い召使い・人間としての自由を認められない使用人を奴隷（ドレイ）といいます。

現在では奴隷制度はありません。

丸山和也参議院議員が例え話において不見識な発言をされました。当ブログは漢字の成り立ちについて説明申し上げておりまして、差別表現について励行している訳ではありません。御了承下さい。（2/19追記）。

中国の歴史書に登場する我が国の最初の国名が『奴（な）』です。後漢書によれば光武帝の建武中元二年（西暦57年）に、倭（わ）の奴（な）国が朝貢にきて、印綬を授けたとあります。江戸時代に博多湾の志賀島（しかのしま）からこのときの印が発掘されています。

金製の印綬に刻まれた五文字は、漢委奴国王（かんのわのなのこくおう）と読むのが一般的です。

奴（ド）は中学生 で習う常用漢字です。

　『努（ド）』nǔは、力を抜かず頑張る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、奴（召使い）＋力＝努（召使いが手を抜かず頑張る。努（つと）める）です。漢字の部首は『力・ちから』、漢字の意味は『努（つと）める』です。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みが『努（つと）める』です。力を尽くして一所懸命行うことを努力（ドリョク）といいます。

努（ド・つとめる）は小学校4年生で習う漢字 です。

　『怒（ド）』nùは、怒（おこ）る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、努（力を込める）＋心＝怒（力をこめて怒る。怒（いか）る。怒（おこ）る）です。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『怒（おこ）る』、『怒（いか）る』です。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みは『怒（おこ）る』、『怒（いか）る』です。顔つきに現れる怒った気を怒気（ドキ）、激しく荒れ狂う大波を怒涛（ドトウ）、激しく怒ることを激怒（ゲキド）といいます。

激しい怒りのために髪が逆だち冠を衝きあげることを『怒髪（ドハツ）冠（カン）を衝く』、『怒髪（ドハツ）天（テン）を衝く』といいます。

怒（ド・おこる）は中学生 で習う常用漢字です。

　『弩（ド）』nǔは、弩（おおゆみ）を表す形声文字です。漢字の足し算では、努（力を込める）＋弓＝弩（力をこめて引く弓。弩（おおゆみ）。怒（おこ）る）です。漢字の部首は『弓・ゆみ』、漢字の意味は『弩（おおゆみ）』、『弩（いしゆみ）』です。

音読みは呉音が『ヌ・ノ』、漢音が『ド』、訓読みは『弩（おおゆみ）』、『弩（いしゆみ）』です。機械仕掛けで射る強い弓をいいます。1906年に建造された英国の大型戦艦「ドレッドノート」号に『弩（ド）』という漢字が当てられ弩級戦艦（ドキュウセンカン）と呼ばれました。

弩（ド）は中学校で習う常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-c7dd.html

『漢字の覚え方 奴』　奴 努 怒 弩

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.どれい（　　　）制度の解消。

2.どりょく（　　　）の結果。

3.げきど（　　　）する。

4.どはつ（　　　）天を衝(つ)く

5.どきゅう（　　　）戦艦。

解説です。基本の漢字は奴、努（つと）めるは力を足して努、怒（おこ）るは心を足して怒、弩（おおゆみ）弓を足して弩です。

解答です。奴隷、努力、激怒、怒髪、弩級。

漢字の覚え方 女

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『女（ジョ）』nǚという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には女、汝、如、恕、茹という漢字が含まれます。これらの漢字は女（ジョ）という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『女』に何を足したら汝、如、恕、茹になるのかを考えます。女は小学校1年生で習う漢字 、如は中学生 で習う常用漢字です。恕、汝は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『女（ニョ・ジョ）』nǚは、女性を表す象形文字です。女性の座っている姿といわれています。漢字の部首は『女』です。

音読みは呉音が『ニョ』、漢音が『ジョ（ヂョ）』、慣用音が『ニョウ』です。訓読みは『おんな』、『め』です。男女（ナンニョ・ダンジョ）、天女（テンニョ）、女御（ニョウゴ・ニョゴ）、女子（ジョシ・おなご）、乙女（おとめ）、早乙女（さおとめ）、海女（あま）の女です。乙女（おとめ）、早乙女（さおとめ）、海女（あま）は常用漢字表に掲載されている特別な訓読みです。

老若男女（ロウニャクナンニョ）は奈良時代に入ってきた言葉なので、呉音で『ニョ』と読みます。呉音が『ニョ』と読むとき、漢音では『ジョ（ヂョ）』と読むことがあります。呉音と漢音については『呉音と漢音』③ をご覧ください。

女（ニョ・ジョ）は小学校1年生で習う漢字 です。

　『汝（ジョ）』rǔ は、もとは川の名前です。二人称の代名詞として使われるようになりました。二人称の代名詞の発音niag・niakに、近い漢字の『汝（ニョ）』、『若（ニャク）』をあてはめた仮借（カシャ）の用法といわれています（藤堂）。

漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋女（ニョ・ジョ）＝汝（女という地を流れる川。汝水。仮借（カシャ）の用法で、なんじ）です。漢字の部首は『氵・さんずい』です。漢字の意味は『川の名前』、『汝（なんじ）』です。

音読みは呉音が『ニョ』、漢音は『ジョ』、訓読みは『汝（なんじ）』です。同等か目下のものに使われます。

「艱難（カンナン）汝（なんじ）を玉にす」とは、困難や逆境が人間を成長させるという成語です。

汝（ニョ・ジョ）は人名用漢字です。

　『如（ニョ・ジョ）』rúは、しなやかに言う・やさしく言う様子を表す形声文字です。やがて『～のようだ』、『どうであるか』、といった比較判断や疑問を表す言葉として使われるようになりました。漢字の足し算で覚えるならば、女（しなやか）＋口（言葉）＝如（しなやかに言う。転じて、～のようだ）です。漢字の部首は『女』です。漢字の意味は『～のようだ』、『どうであるか』、『～と同じくらい』、『もし～ならば』、『ゆく』です。

音読みは呉音が『ニョ』、漢音は『ジョ』、訓読みは『如（ごと）し』です。方法や処置をどのようにしたらよいかを如何（いかん）、思いのままの状態を如意（ニョイ）、気が利（き）いている状態を如才（ジョサイ）無い、二月を如月（ジョゲツ・きさらぎ）といいます。

非常に重要な漢字で『いく』、『すけ』、『なお』、『もと』、『ゆき』、『よし』と名前に使われます。

如（ニョ・ジョ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『恕（ジョ）』shùは、自分の事のように相手を思いやる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、汝（相手）＋心（言葉）＝恕（自分の事のように相手を思いやる。相手を思いやる。ゆるす）です。漢字の部首は『心・こころ』です。漢字の意味は『相手を思いやる』、『ゆるす』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シュ』、慣用音が『ジョ』、訓読みは『恕（ゆる）す』です。思いやりの心を恕思（ジョシ）、寛大な心で許すこと宥恕（ユウジョ）といいます。

漢字の世界では『ゆるす』に、ニュアンスの違いがあります。

許（ゆる）す。　人の話を聞きいれる　『漢字の覚え方 午』http://bit.ly/1tplk3i

赦（ゆる）す。　罪を赦す　　　　　　『漢字の覚え方 赤』http://bit.ly/1Y6frns

恕（ゆる）す。　人の心をおもいやる　『漢字の覚え方 女』http://bit.ly/1N8X8uX  です。

孔子は、大事なことは何か弟子に問われた時、思いやりの心である『恕』が大事であるといっています。

「其（そ）れ恕乎（か）、己の欲せざる所、人に施すこと勿（な）かれ」

『其れは思いやりの心ではないだろうか。自分のして欲しくない事は、他人にしてはならない。』

非常に重要な漢字で『くに』、『くみ』、『しのぶ』、『ただし』、『のぶ』、『のる』、『はかる』、『ひろ』、『ひろし』、『ひろむ』、『みち』、『もろ』、『ゆき』、『ゆるす』、『よし』と名前に使われます。

恕（ジョ）は人名用漢字です。

　『茹（ジョ）』rú は、茹（ゆ）でる様子・食べる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋如 （しなやか
）＝茹 （植物をしなやかにする。茹でる）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』です。漢字の意味は『柔らかくする』、『茹でる』、『食べる』です。

音読みは呉音が『ニョ』、漢音は『ジョ』、訓読みは『茹（ゆ）でる』、『茹（く）う』です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-2d12.html

『漢字の覚え方 女』 女 如 汝　恕

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.だんじょ（　　　）平等。

2.老若 なんにょ（　　　）。

3.てんにょ（　　　）の羽衣。

4.艱難 なんじ（　　）を玉にす。

5.じょさい（　　　）無い。

6.にょい（　　　）棒。

7.じょ（　　）の精神。

解説です。基本の漢字は女、汝（なんじ）は氵（さんずい）を足して汝、如（ごと）くは口を足して如、恕（ゆる）すは心を足して恕です。

解答です。男女、男女、天女、汝、如才、恕。

漢字の覚え方 南

　漢字には発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『南（ナン）』nánという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には南、楠、喃という漢字が含まれ、南を使った漢字に献（コン・ケン）があります。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『南』に何を足したら楠、喃、献になるのかを考えます。南は小学校2年生 、献は中学生 で習う常用漢字、楠は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『南（ナン）』nánは、小屋に入りこむ暖かい空気を表す漢字です。草木の伸びる方向を表すとも、南方民族の演奏する太鼓・銅鑼（どら）を表すともいわれています。漢字の部首は『十・じゅう』、漢字の意味は『南（みなみ）』です。

白川は楽器の象形文字、藤堂は甲骨文字の段階では象形文字、篆文では形声文字としています。

音読みは呉音が『ナン』、漢音が『ダン』、慣用音が『ナ』、訓読みが『南（みなみ）』です。南の方を南方（ナンポウ）、南の風を南風（ナンプウ・みなみかぜ）、南の方にある山を南山（ナンザン）といいます。我が国では北の比叡山延暦寺を北嶺（ホクレイ）、南の興福寺を南都（ナント）といいます。

呉音のナンは漢音ではダンに変化します。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』もご覧ください。

南（ナン・みなみ）は小学校2年生で習う漢字です。

東西南北については、『漢字の覚え方 東西南北』もご覧ください。

　『楠（ナン）』nánは、楠（くすのき）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木＋南(南方）＝楠（南方の木。くすのき）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『楠（くすのき）』です。

音読みは呉音が『ナン』、漢音が『ダン』、訓読みが『楠（くすのき）』です。我が国では、四国・九州に多く、神社の御神木になっていることがあります。枝葉から樟脳（ショウノウ）をとります。

楠（くすのき）は樟（くすのき）とも書きます。

鎌倉時代から南北朝にかけての武将に楠木正成（くすのきまさしげ）がいます。

楠（ナン・くすのき）は人名用漢字です。

　『喃（ナン）』nánは、口ごもって話す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（くち）＋南(＝納。納める）＝喃（口の中に納めるように口ごもって話す）です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『口ごもって話す』です。直接南（みなみ）と関係ないようです。

音読みは呉音が『ネン』、漢音が『ダン』、慣用音が『ナン』です。もたもたと話し続ける様子を喃喃（ナンナン）、くどくど話すこと・男女がこそこそ話すことを喃語（ナンゴ）といいます。

喃は常用漢字から外れています。

　『献（ケン）』xiànは、たてまつる様子・ささげる様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、鬳(立派な食器）＋犬(獣の肉）＝獻・献（肉を立派な食器で捧げる。たてまつる）です。漢字の部首は『犬・いぬ』、漢字の意味は『捧げ』、『奉（たてまつ）る』、『前に進む』、『物知り』です。

漢字の世界では鬳(ケン・立派な食器）の省略した形に南を使います。正字は獻ですが、常用漢字体の献を使って下さい。

音読みは呉音が『コン』、漢音が『ケン』です。訓読みは常用外に『献（たてまつ） る』があります。目上の人に丁寧に差し上げることを献上（ケンジョウ）、意見を申し上げることを献言（ケンゲン）、盃に酒をついですすめることを献盃（ケンパイ）、物知りの言い伝え・研究の参考資料を文献（ブンケン）、料理の捧げる順番・種類を献立（コンダテ）といいます。

呉音のコンは漢音ではケンに変化することがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』 もご覧ください。

献（コン・ケン・たてまつる）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-7a0a.html

『漢字の覚え方 南』　南　楠　喃　献

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.みなみかぜ（　　　）が吹く。

2.なんぽう（　　　）の民族。

3.とうざいなんぼく（　　　　　）。

4.くすのき（　　）。

5.宝玉を けんじょう（　　　）する。

6.ぶんけん（　　　）を調べる。

7.こんだて（　　　）を考える。

解説です。基本の漢字は南、楠（くすのき）は木（きへん）を足して楠、喃（くちごもる）は口（くちへん）を足して喃、献（ささげる）るは犬（いぬ）を足して献です。

解答です。南風、南方、東西南北、楠、献上、文献、献立。

漢字の覚え方 内

今日は内（ナイ）、納（ノウ）、訥 （トツ）という漢字について説明します。基本の漢字は『内（ナイ）』nèiで、家に入る様子を表しています。音読みは『ナイ』や『ノウ』、『トツ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『内』に何を足したら納、訥になるのかを考えます。内は小学校2年生、納は6年生で習う漢字です。学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　基本の漢字の『内（ナイ）』nèiは、家に入る様子を表す会意文字（カイイモジ）です。会意文字とは漢字と漢字を足したものです。漢字の足し算で表すならば、冂（家）＋入（はいる）＝内（家に入る。うち）です。漢字の部首は『冂・けいがまえ』、漢字の意味は『うち』、『入れる』です。

音読みは呉音が『ナイ』、漢音が『ダイ』です。訓読みは『内（うち）』です。内定（ナイテイ）、内面（ナイメン）、境内（ケイダイ）、内裏（ダイリ）、内気（うちき）の内です。

『内（ナイ）』は小学校2年生で習う漢字です。

縁起の良い漢字ですので名字、地名、名前に活躍している漢字です。名字では内川さん、内田さん、内山さん。名前では『うち』、『ただ』、『のぶ』、『まさ』、『はる』と読ませます。

　『納（ノウ）』nàは、税として納（おさ）める糸・織物を漢字にしたものです。漢字の足し算では、糸（糸・織物）＋内（入れる）＝納（税として糸・織物を納める。おさめる）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、意味は『納める（おさめる）』です。

読み方は沢山あります。呉音が『ノウ』、漢音が『ドウ』、唐宋音が『ナ』、『ナン』、『ナッ』、慣用音が『トウ』です。訓読みは『納める（おさめる）』です。納税（ノウゼイ）、納品（ノウヒン）、納豆（ナットウ）、納屋（ナや）、納戸（ナンド）、出納（スイトウ）の納です。

漢字で『おさめる』は収、納、治、修と書き、それぞれニュアンスが違います。

収（おさ）める  取り集めて収（おさ）め入れる　　　　  　　　　　 　  収 http://bit.ly/1qdrGTb

納（おさ）める　税として納（おさ）める　　　　　　　　　　　　 　納 http://bit.ly/1rL8dSP

治（おさ）める　河川の氾濫を治（おさ）める。治（なお）す　　       治 http://bit.ly/1szLDmw

修（おさ）める　形良くする。学問を身につける。直す。　　            修 http://bit.ly/2cyVQPw

『納（ノウ）』は小学校6年生で習う漢字です。

　少し漢字の読み方の話をします。漢字の読み方には音読みと訓読みがあります。音読みには、漢字を輸入した時期により違いがあります。六朝時代の江南地方の読み・呉音（ゴオン）、唐の長安の読み・漢音（カンオン）、鎌倉時代に輸入した読み・唐宋音（トウソウオン）、日本で慣用的に読まれる慣用音（カンヨウオン）があります。訓読みは大和言葉（やまとことば）に合わせた読み方です。

『納』の呉音は『ノウ』、漢音の『ドウ』は使いません。唐宋音の基本が『ナ』で『ナッ』、『ナン』と読むことがあります。慣用音が『トウ』、訓読みが『うち』です。

もう少し発音の話をします。中国では六朝時代のn音が、唐の時代にはd音に変化しました。『内（nai・ナイ→daiダイ）』、『納（nou・ノウ→douドウ）』。現在では『内』nei、『納』naの発音ですから、再びn音に戻ったのです。我が国では、呉音（六朝時代のn音）・漢音（唐時代のd音）ともに、統一されずに残ってしまい、『内・ナイ』と読んだり『内・ダイ』と読んだりします。気をつけましょう。呉音と漢音については呉音と漢音もご覧ください。

　『訥（トツ）』nèは、言葉が巧みでない様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、言（言葉）＋内（入れる。中にこもる）＝訥（言葉が内にこもる。口が重い）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、意味は『口が重い』です。

音読みは、呉音が『ノチ』、漢音が『ドツ』、慣用音が『トツ』です。訥言（トツゲン）とは言葉が巧みでないこと、朴訥（ボクトツ）とは質朴で言葉が少ない事です。

☆君子は言に訥（トツ）にして、行に敏（ビン）ならんと欲す。（「論語・里仁」より）。教養のある人物は、口下手であっても行動は機敏でありたいと思うもの。

『訥（トツ）』は中学校で習う常用漢字からは外れています。

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-3a01.html

『漢字の覚え方 内』 内 納　訥

少し練習しましょう。

1.寺の けいだい（　　　）。

2.人間の ないめん（　　　）。

3.福は うち（　）。

4.就職の ないてい（　　　）。

5.うちき（　　　）な性格。

6.税金を おさ（　）める。

7.商品を おさ（　）める。

8.成果を おさ（　）める。

9.暴動を おさ（　）める。

10.朝食の なっとう（　　　）。

11.役所の すいとう（　　　）係。

12.ぼくとつ （　　　）な人間。

解説です。内は家に入る基本漢字の『内』、納（おさ）めるは糸を足して『納』です、訥（トツ）は言（ごんべん）を足して『訥』です。

解答です。境内、内面、内、内定、内気、納める、納める、収める、治める、納豆、出納、朴訥。

漢字の覚え方 念

　今日は『念（ネン）』niànという漢字の『単語家族』について説明します。基本になる漢字は『念』です。心で強く思う様子を表しています。念、捻、稔、唸、鯰などがこの漢字の『単語家族』です。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。ここでは、『念』に何を足すとどんな漢字になるのかを考えます。念は4年生で、捻は中学校で習い、稔は人名用漢字です。ます。学校、学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　まず『今（コン・キン）』jīnの漢字の説明をします。『今（コン・キン）』は蓋で押さえた瞬間を示す会意文字です(藤堂）。漢字の部首は『人・ひと』、意味は『いま』、『ふくむ』です。漢字の足し算では、亼（シュウ・蓋）＋一（存在）＝今（蓋で押さえた瞬間。今）です。今とその単語家族は『漢字の覚え方 今』をご覧ください。

音読みは呉音が『コン』で、漢音が『キン』です。訓読みは『いま』です。古今（コキン・ココン）、今月（コンゲツ）、今上（キンジョウ）、今朝（けさ）、今日（コンニチ・きょう）、今年（ことし）の今です。今朝（けさ）、今日（きょう）、今年（ことし）常用漢字表の付表に掲載されている特別な読み方です。

今井、今田、今川、今、今日子と人名・地名に多く使われる縁起の良い漢字です。沖縄では今帰仁（なきじん・いまき→なき）という地名があり有名です。

呉音が『コン』と読むとき、漢音では『キン』と読むことがあります。呉音と漢音については呉音と漢音 もご覧ください。

『今（コン・キン）』は小学校2年生で習う漢字です。

　念は今『ふくむ』と心を合わせた漢字で、今よりも強いイメージを持ちます。念の『単語家族』念、捻、稔、唸です。基本の漢字は『念』です。強く心で含むのが念、手で強く含むのが捻、稲の中で強く含むのが稔、口で強く唸るのが唸です。音も『ネン』niànと粘っこい感じがします。

　『念（ネン）』niànは、心の中で思う様子を表す漢字です。漢字の足し算では、今（含む）+心(心の動き）＝念（心の中に強く思う。念じる）です。部首は『心』、意味は『念じる』です。

音読みは呉音の『ネン』が普通で、漢音の『デン』は使いません。信念（シンネン）、無念（ムネン）、念願（ネンガン）、念仏（ネンブツ）、念力（ネンリキ）の念です。

『念（ネン）』は小学校4年生で習う漢字です。

　『捻（ネン）』niǎnは、捻（ひね）る様子を示す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋念（強く含む）＝捻（手の中に強く含む。包む。手でひねる）です。部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『ひねる』です。

音読みは呉音の『ネン』が普通で、漢音の『デン』は使いません。訓読みは『捻（ひね）る』、『捻（ね）じる』です。捻挫（ネンザ）、捻転（ネンテン）、捻出（ネンシュツ）の捻です。

『捻（ネン）』は平成22年度に追加された中学校で習う常用漢字です。

捻出（ネンシュツ）は拈出（ネンシュツ）とも書きます。拈（ネン）は、占、店、点など同じ漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 占』をご覧ください。

　『稔（ネン）』rěnは、穀物が稔る様子を示す形声文字です。漢字の足し算では、禾（のぎへん・穀物）＋念（強く含む）＝稔（穀物を強く含む。稔る）です。部首は『禾・のぎへん』、意味は『みのる』です。

音読みは慣用音の『ネン』が普通で、呉音の『ニン』、漢音の『ジン』あまり使いません。訓読みは『稔（みの）る』です。豊かに稔ることを豊稔（ホウネン）といい、日本酒・地名にその名があります。穀物が熟すことを稔熟（ジンジュク）といいます。とても良い漢字なので、『みのる』、『みのり』、『とし』、『ゆたか』と人名に使われます。

『稔（ネン・みのる）』人名用漢字です。

　『唸（ネン）』niànは、唸（うな）る様子を示す形声文字です。漢字の足し算では、口（含む）＋念（強く含む）＝唸（口の中で強く含む。唸る）です。部首は『口・くちへん』、意味は『唸（うな）る』です。

音読みは慣用音の『ネン』、呉音・漢音の『テン』があります。訓読みは『唸（うな）る』です。あまり使われない漢字です。

『唸（ネン）』は常用漢字から外れています。

　『鯰（ネン）』niánは、『なまず』を表す漢字で、我が国で造られた国字です。漢字の足し算では、魚＋念（強く思う）＝鯰（強く思う魚。鯰。なまず）です。音読みは『ネン』、訓読みは『なまず』です。漢字の部首は『魚・さかな』です。

『なまず』の漢字はもともと『鮎（ネン・なまず）』niánでしたが、我が国では、『鮎（あゆ）』として使用しているので、漢字の造字方法（発音が同じ）に基づいて、新しく漢字を造ったのです。

元の漢字『鮎（ネン・なまず）』niánは、魚＋粘（粘る。ヌルヌルした）＝鮎（ヌルヌルした魚。鮎。なまず）です。

我が国では、『鯰（ネン）』を『なまず』、『鮎（ネン）』niánを『あゆ』に使っています。中国と日本では生息する動植物に差があり、漢字も違う字を使用することが多いのです。

鮎（ネン・あゆ・縄張りを占める魚）は、占、店、点など同じ漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 占』をご覧ください。また部首索引 魚(うお・さかな) も御覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-f7be.html

『漢字の覚え方 念』 念 捻 稔 唸 鯰

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.しんねん（　　　　）を貫く。

2.ねんぶつ（　　　　）を唱える。

3.ねんい（　　　　）りに調査する。

4.費用を ねんしゅつ（　　　　）する。

5.スキーで ねんざ（　　　　）する。

6.稲が豊かに みの（　　）る。

7.虎が うなる（　　）る。

8.なまず（　　）の地震予測。

解答です。心に含む強い思いが念、手で強く含むのが捻、稲が含むのが稔、唸るは口を足して唸、鯰（なまず）は魚を足して鯰です。

信念、念仏、念入り、捻出、拈出、捻挫、稔る、実る、唸る、鯰。