漢字の覚え方 菊
匊(キク・すくう)、掬(キク・すくう)、菊(キク・きく)、鞠(キク・まり)、麹(キク・こうじ)という漢字について説明します。基本になる漢字は『匊(キク)』です。『まるめる』、『すくう』様子を表しているといわれています。音読みは漢音の『キク』と読みます。これらの漢字は『匊(キク)』という同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。匊(キク・すくう)に何を足すとどのような漢字になるか考えます。菊(キク)中学生 で習う常用漢字、掬(キク・すくう)、鞠(キク・まり)は人名用漢字、匊(キク・すくう)、麹(キク・こうじ)は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。
『匊(キク)』jū は、手のひらをまるめて穀物をすくう様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勹(つつむ)+米(穀物)=匊 (手のひらをまるめて穀物を掬う・すくう)です。漢字の部首は『勹・つつみがまえ』、漢字の意味は『掬(すく)う』です。
音読みは呉音が・漢音ともに『キク』です。訓読みは『匊 (すく)う』です。我が国では匊(キク・すくう)の漢字はほとんど使われません。扌(てへん)を足した掬(キク・すくう)の字を使うことが多いです。また、掬(キク・すくう)、菊(キク・きく)の音符として構成要素になっています。
匊(キク・すくう)は常用漢字から外れています。
『掬(キク)』jū は、手のひらをまるめて穀物(コクモツ)や水をすくう様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手の動作)+匊(手のひらをまるめて穀物を掬う)=掬 (手のひらをまるめて穀物や水を掬う・掬(すく)う)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『掬(すく)う』、『両手一杯の量』、『手に掬うほど多い量』です。
音読みは呉音が・漢音ともに『キク』です。訓読みは『掬(すく)う』です。両手で水をすくうことを掬水(キクスイ)といいます。
掬(キク・すくう)は人名用漢字です。麴
『菊(キク)』jú は、植物の菊(キク)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹(植物)+匊(まとめる)=菊(多くの花びらをまとめた植物。菊)です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『菊(きく)』です。秋に香りの高い美しい花が咲く植物で、邪気を払い命をのばす効果があるとされています。
音読みは呉音が・漢音ともに『キク』です。菊の花を菊花(キクカ・キッカ)、菊の花の咲く陰暦の九月を菊月(キクゲツ・キクづき)といいます。
非常に良い漢字で、『あき』、『ひ』と名前に使われます。
菊(キク)は中学生 で習う常用漢字です。
『鞠(キク)』jú jū は、鞠(まり)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、革(かわ)+匊(まとめる)=鞠 (綿などを芯にしてして糸でかがったり、革で包んだもの。鞠)です。漢字の部首は『革・かくのかわ』、漢字の意味は『鞠(まり)』、『体を丸める』、『大事にする』です。
音読みは呉音が『ギク』、漢音『キク』、訓読みが『まり』です。養い育てることを鞠育(キクイク)、鞠を手でつく遊びを手鞠(てまり)といいます。
非常に良い漢字で、『つぐ』、『まり』、『みつ』と名前に使われます。
鞠(まり)は毬(まり)とも書きます。
鞠(キク・まり)は人名用漢字です。
『麹(キク)』qū は、麹(こうじ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、麦(むぎ・こくもつ)+匊(まとめる)=麹 ・麴 (穀物を加熱してまとめて発酵させる。麹。こうじ)です。漢字の部首は『麦・むぎ』、漢字の意味は『麹(こうじ)』です。米・麦・豆などの穀物を蒸してカビ(麹菌)を繁殖させたもの。米が原料なら米麹、麦が原料なら麦麹。豆が原料なら豆麹といいます。
音読みは『キク』、訓読みが『麹(こうじ)』です。
麹(キク・こうじ)は常用漢字から外れています。
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参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.水を すく( )う。
2.きく( )の花。
3.きっか( )の節句。
4.米と こうじ( )。
解説です。基本の漢字は匊、掬(すく)うは扌(てへん)を足して掬、菊(キク)は艹(くさかんむり)を足して菊、鞠(まり)は革(かわ)
を足して鞠、麹(こうじ)は麦を足して麹です。
解答です。掬、菊、菊花、麴・麹。