漢字の覚え方 厄

今日は厄（ヤク・わざわい）、扼（ヤク・おさえる）、軛（ヤク・くびき）、危（キ・あぶない）という漢字について説明します。基本になる漢字は『厄（ヤク）』です。厄（わざわい）・不吉を表す会意文字です。これらの漢字は同じ『厄（ヤク）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。厄（ヤク）に何を足したら、扼（ヤク）、軛（ヤク）、危（キ）になるのか考えます。危（キ）は小学校6年生で習う漢字 、厄（ヤク・わざわい）は中学生 で習う常用漢字、扼（ヤク）・軛（ヤク）は常用漢字から外れています。常用漢字の指定の有無に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『厄（ヤク）』è は、崖の下の不吉な人を表す会意文字です。厂（崖）＋卩（屈んだ人）＝厄（崖の下の危ない状態の人。不吉）です。漢字の部首は『厂・がんだれ』、意味は『厄（わざわい）』、『不吉』、『良くない廻（めぐ）り合わせ』です。

音読みは呉音が『アク』、漢音が『ヤク』です。訓読みは常用外の読み方に『厄（わざわい）』、『厄（くる）しむ』があります。災難にあう日を厄日（ヤクび）、身にふりかかる厄（わざわい）を厄難（ヤクナン）、不吉なめぐり合わせの年を厄年（ヤクどし）、他人に面倒を掛けることを厄介（ヤッカイ）といいます。 

厄（ヤク・わざわい）は中学生 で習う常用漢字です。

　『扼（ヤク）』è は、扼（おさ）える様子の形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋厄（くるしむ・おさえる）＝扼 （手で押さえつける。おさえる）です。漢字のの部首は『扌・てへん』、意味は『扼（おさ）える』です。

音読みは呉音が『ヤク』、漢音が『アク』、訓読みは『扼（おさ）える』です。手で首をしめて殺すことを扼殺（ヤクサツ）、無念さなどの気持ちから歯ぎしりをし、腕を強く握り締めることを切歯扼腕（セッシヤクワン）といいます。

扼（ヤク・おさえる）常用漢字から外れています。

　『軛（ヤク）』è は、軛（くびき）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、車（くるま）＋厄（おさえる）＝軛（車で牛馬のくびを押さえる横木 。くびき）です。漢字のの部首は『車・くるま』、意味は『軛（くびき）』です。

車の轅(ながえ)の端につけて牛馬のくびを押さえる横木をいいます。軛（くびき）は頸木（くびき）とも書きます。

音読みは呉音が『ヤク』、漢音が『アク』、訓読みは『軛（くびき）』です。

軛（ヤク・くびき）常用漢字から外れています。

厄（ヤク・わざわい）を使った漢字に危（キ・あぶない）があります。

　『危（キ）』wēiは、崖の下の危険な人を表す会意文字です。ク（人）＋厄（崖下の人）＝危（崖の下の危ない状態の人。危ない）です。漢字の部首は『卩・ふしづくり』、意味は『危ない』です。

音読みは呉音・漢音が『ギ』、慣用音が『キ』、訓読みは『危（あぶ）ない』、『危（あや）うい』です。悪い結果が予測される状況を危機（キキ）、危（あぶ）ないこと・悪い結果を招く可能性があること を危険（キケン）、おそれることを危惧（キグ）、身体・生命・物品を損なうような危険を危害（キガイ）、危険がさし迫っていることを危急（キキュウ）といいます。

髪の毛一本のわずかな違いで、非常に危ない状態に陥（おちい）る様子を危機一髪（キキイッパツ）といいます。一発（イッパツ）ではありません。

危険が急ぐ（せまる）状態で生き残れるか亡びるかの重要な秋（とき・重要な時期）を危急存亡の秋（キキュウソンボウのとき）といいます。

『危（キ・あぶない）』は小学校6年生で習う漢字 です。

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『漢字の覚え方 厄』　厄　扼　軛　危

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.やくどし（　　　）。

2.人の やっかい（　　　）になる。

3.せっしやくわん（　　　　）。

4.きけん（　　　）な状態。

5.きき（　　　）一髪。

解説です。基本の漢字は厄、扼（おさ）えるは扌を足して扼、軛（くびき）は車を足して軛、危（あぶ）ないはクを足して危です。

解答です。厄年、厄介、切歯扼腕、危険、危機。

漢字の覚え方 執

今日は執（シュウ・とる）、摯（シ・まこと）、贄（シ・にえ）、蟄（チツ・こもる）という漢字について説明します。基本になる漢字は『執（シュウ）』です。手に執（と）る様子を表す文字です。これらの漢字は同じ『執（シュウ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。執（シュウ）に何を足したら、摯（シ・まこと）、贄（シ・にえ）、蟄（チツ・こもる）になるのか考えます。執（シュウ・とる）は中学生 で習う常用漢字、摯（シ）は中学生で習うようになった常用漢字 です。中学校何年生で習うかは教科書によって異なります。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『執（シュウ）』zhí は、手に執（と）る様子の会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、幸（手かせ）＋丮（人が両手を出してひざまづいた姿）＝執（人の両手に手かせをはめて、つかまえる。しっかりと握る。手に執（と）る）です。漢字のの部首は『土・つち』、意味は『手に執（と）る』、『あつかう』、『こだわる』、『とりついて離れない』です。

音読みは呉音・漢音が『シュウ』、慣用音が『シツ』、訓読みは『執（と）る』です。法律などの内容を実際に実現することを執行（シッコウ）、ある一つのことを深く思いつめる心を執念（シュウネン）、自分の意見を主張して譲らないこと固執（コシュウ・コシツ）といいます。

執（シュウ・シツ・とる）は中学生 で習う常用漢字です。

　『摯（シ）』zhì は、しっかり攫（つか）む様子・まじめな様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、執（とる）＋手（手の動作）＝摯（しっかりと攫む。まじめ）です。漢字のの部首は『手・て』、意味は『しっかり攫（つか）む』、『隅々まで行き届く』、『まじめ』、『神様への供え物』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは常用外に『摯（まこと）』、『摯（にえ）』があります。まじめで熱心なことを真摯（シンシ）といいます。

摯（シ・まこと）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『贄（シ）』zhì は、贄（にえ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、執（とる）＋貝（財宝）＝贄（神様への供え物。礼物。供物）です。漢字のの部首は『貝・かい』、意味は『贄（にえ）』、『神様への供（そな）え物』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『贄（にえ）』です。神への供物として生きた動物を供えることを生贄（いけにえ）といいます。

贄（シ・にえ）は常用漢字から外れています。

　『蟄（チツ）』zhí は、蟄（かく）れる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、執（おさえる）＋虫（むし）＝蟄（じっと押さえられた虫。こもる。隠れる）です。漢字のの部首は『虫・むし』、意味は『蟄（こも）る』、『蟄（かく）れる』です。

音読みは呉音が『ジュウ』、漢音が『チュウ』、慣用音が『チツ』です。訓読みは『蟄（こも）る』、『蟄（かく）れる』です。自宅に閉じ込めて謹慎させることを蟄居（チッキョ）、冬ごもりの虫が地中からはい出るころを啓蟄（ケイチツ）といいます。

蟄（チツ・かくれる）は常用漢字から外れています。『部首索引 虫（むし）』 もご覧ください。

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『漢字の覚え方 執』　執　摯　贄　蟄

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.しっこう（　　　）猶予。

2.相手の しゅうねん（　　　）。

3.しんし（　　　）な態度。

4.いけにえ（　　　）。

5.ちっきょ（　　　）処分。

6.春の けいちつ（　　　）。

解説です。基本の漢字は執、摯（まこと）は手を足して摯、贄（にえ）は貝を足して摯、蟄（こも）るは虫を足して蟄です。

解答です。執行、執念、真摯、生贄、蟄居、啓蟄。

漢字の覚え方 巩

今日は巩（キョウ）、恐（キョウ）、蛩（キョウ）という漢字について説明します。基本になる漢字は『巩（キョウ）』です。を表す象形文字です。これらの漢字は同じ『巩 （キョウ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。巩（キョウ）に何を足したら、恐（キョウ）になるのか考えます。恐（キョウ）は中学生 で習う常用漢字、巩（キョウ）、蛩（キョウ）は常用漢字から外れています。常用漢字の指定に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『巩（キョウ）』gǒngは、堅固（ケンゴ）な様子の形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、工（突き通す）＋丮（両手をさしのべる）＝巩（穴をあけてしっかり縛る。穴をあける。しっかり縛る）です。漢字のの部首は『工・こう』、意味は『穴をあける』、『しっかり縛る
』、『堅固』です。

音読みは呉音が『ク』、漢音が『キョウ』です。我が国では巩（キョウ）の漢字自体を使うことはありませんが、恐（キョウ・おそれる）、蛩（キョウ・こおろぎ）という漢字の音符になっています。

巩（キョウ）は常用漢字から外れています。

　『恐（キョウ）』kǒngは、恐（おそ）れる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、巩（穴をあける）＋心（心の動き）＝恐（穴をあけた心。恐（おそ）れる。恐（こわ）がる）です。漢字のの部首は『心・こころ』、意味は『恐れる』、『こわがる』、『つつしむ』です。

音読みは呉音が『ク』、漢音が『キョウ』、訓読みは『恐（おそ）れる』で、常用外（通常に用いる以外の読み方）に『恐（こわ）い』があります。おじけ怖がることを恐怖（キョウフ）、相手の厚意にたいして申し訳なく思うことを恐縮（キョウシュク）といいます。

恐（キョウ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『蛩（キョウ）』qióng は、蛩（こおろぎ）を表すの形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、巩 （穴をあける・うつろ）＋虫（むし）＝蛩（うつろに悲し気に鳴く虫。蛩。こおろぎ）です。漢字のの部首は『虫・むし』、意味は『蛩（こおろぎ）』、『蝉の抜け殻』です。

音読みは呉音が『グ・グウ』、漢音が『キョウ』、訓読みは『蛩（こおろぎ）』です。晩秋にさびしそうに鳴く蛩を寒蛩（カンキョウ）といいます。

蛩（こおろぎ）は蟋 蟀 （シッシュツ・こおろぎ）とも書きます。『部首索引 虫（むし）』も御覧ください。

蛩（キョウ・こおろぎ）は常用漢字から外れています。

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『漢字の覚え方 巩』　巩 　恐　蛩　

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きょうふ（　　　）に怯える。

2.きょうしゅく（　　　）する。

3.こおろぎ（　　）。

解説です。基本の漢字は巩、恐（おそ）れるは心を足して恐、蛩（こおろぎ）は虫を足して蛩です。

解答です。恐怖、恐縮、蛩、蟋蟀。

漢字の覚え方 咢

今日は咢（ガク）、愕（ガク）、諤（ガク）、顎（ガク）、鍔（ガク）、鰐（ガク）いう漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『咢（ガク）』です。口々に騒がしい様子・咢（おどろ）く様子を表す形声文字です。これらの漢字は同じ『咢（ガク）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。咢（ガク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。顎（ガク）は中学生で習うようになった常用漢字 です。咢（ガク）、愕（ガク）、諤（ガク）、鍔（ガク）、鰐（ガク）は常用漢字から外れていますが、常用漢字の指定に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『咢（ガク）』è は、口々に騒がしい様子・咢（おどろ）く様子を表す形声文字です。漢字の部首は『口・くち』です。漢字の足し算で表すならば、口口（騒がしい）＋屰（さかさま）＝咢・㖾（口々に逆さまに言う。言い争う。咢（おどろ）く）です。漢字の部首は『口・くち』です。
漢字の意味は『咢（おどろ）く』、『咢（いいあらそ）う』です。異体字に㖾（ガク）があります。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『咢（おどろ）く』、『咢（いいあらそ）う』です。自分の考えを遠慮なく言うこと・盛んに議論をすることを侃侃咢咢（カンカンガクガク）といいます。咢（おどろ）くは愕（おどろ）く、咢（いいあらそ）うは諤（いいあらそ）うという漢字があるのであまり使われない漢字です。

屰（さかさま）については 『漢字の覚え方 屰』 をご覧ください。

咢（ガク・おどろく・いいあらそう）は常用漢字から外れています。

　『愕（ガク）』è は、愕（おどろ）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で表すならば、忄（心の動き）＋咢（口々に逆さまに言う。言い争う）＝愕（言い争うのに愕（おどろ）く）です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、漢字の意味は『愕（おどろ）く』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『愕（おどろ）く』です。非常に驚く様子を愕然（ガクゼン）、非常に驚くことを驚愕（キョウガク）といいます。

愕（ガク・おどろく）は常用漢字から外れています。

　『諤（ガク）』è は、口々に騒がしい様子様子を表す形声文字です。漢字の足し算で表すならば、言（言葉）＋咢（口々に逆さまに言う。言い争う）＝諤（口々に言い争う。諤（いいあらそ）う）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『諤（いいあらそ）う』、『遠慮せずに言う』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『諤（いいあらそ）う』です。自分の考えを遠慮なく言うこと・盛んに議論をすることを侃侃諤諤（カンカンガクガク）といいます。

愕（ガク・いいあらそう）は常用漢字から外れています。

　『顎（ガク）』è は、顎（あご）を表す形声文字です。漢字の足し算で表すならば、咢（騒がしい）＋頁（顔）＝顎（口々に逆さまに言う。言い争う顔の部分。顎。あご）です。漢字の部首は『頁・おおがい』、漢字の意味は『顎（あご）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『顎（あご）』です。顎の関節を顎関節（ガクカンセツ）、疲れること・息があがることを顎（あご）が出るといいます。

顎（ガク・あご）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『鍔（ガク）』è は、刀の刃・刀の鍔（つば）を表す形声文字です。漢字の足し算で表すならば、金（金属）＋咢（言い争う。ごつごつした。かたい）＝鍔（刀の刃。刀の鍔（つば））です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『刃（やいば）』、『刀の鍔（つば）
』です。我が国では、日本刀の鍔（つば）を指します。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『鍔（つば）』です。相手の打った刀を自分の刀の鍔で受け止めて押し合うこと・激しい試合を鍔（つば）迫（ぜ）り合いといいます。

鍔（ガク・つば）は常用漢字から外れています。

　『鰐（ガク）』è は、鰐（わに）を表す形声文字です。漢字の足し算で表すならば、魚（さかな・水中生物）＋咢（噛み合う）＝鰐（噛み合う水中生物。鰐。わに）です。漢字の部首は『魚・さかなへん』、漢字の意味は『鰐（わに）』、『鮫（さめ）の古い名』です。

両顎（あご）に多数の鋭い歯を備え、嚙かむ力が強い水陸両生のの爬虫類です。また、鮫（さめ）の古い名を鰐（わに）といいます。

音読みは呉音・漢音ともに『ガク』、訓読みは『鰐（わに）』です。神社仏閣前にある円形の大きな鈴・がまぐち を鰐口（わにぐち）といいます。

鰐（ガク・わに）は常用漢字から外れています。部首索引 魚(うお・さかな) もご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-385936.html

『漢字の覚え方 咢』　咢　諤　愕　鍔　顎　鰐

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.かんかんがくがく（　　　　　）の議論。

2.相手の態度に がくぜん（　　　）とする。

3.あご（　　）が出る。

4.つば（　　）迫（ぜ）り合い。

5.わに（　　）。

解説です。基本の漢字は咢、愕（おどろ）くは忄を足して愕、咢（いいあらそ）うは言を足して諤、鍔（つば）は金を足して鍔、鰐（わに）はに魚を足して鰐です。

解答です。侃侃咢咢、侃侃諤諤、愕然、顎、鍔、鰐。

漢字の覚え方 凹 凸

凹（オウ）、凸（トツ）という漢字のについて説明します。基本になる漢字は『凵（カン）』です。窪む様子を表す漢字です。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。凵（カン）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。凹（オウ）、凸（トツ）は中学生 で習う常用漢字です。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『凹（オウ）』āo は、凹（へこ）んだ様子を表す象形文字です。漢字の部首は『凵・うけばこ』、漢字の意味は『凹（くぼ）む』、『凹（へこ）む』、『凹（ぼこ）』です。藤堂は窪（ワ・くぼ）と関係が深いとしています。

音読みは呉音が『ヨウ』、漢音が『オウ』、訓読みは常用外に『凹（くぼ）む』、『凹（へこ）む』、『凹（ぼこ）』があります。反射面が凹形になっている鏡を凹面鏡（オウメンキョウ）といいます。

凹（オウ・へこむ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『凸（トツ）』tū は、止まった様子を表す象形文字です。漢字の部首は『凵・うけばこ』、漢字の意味は『凸（でこ）』、『突き出ている』
です。藤堂は突（トツ）と関係が深いとしています。

音読みは呉音が『トチ』、漢音が『トツ』、訓読みは常用外に『凸（でこ）』があります。反射面が凸形になっている鏡を凸面鏡（トツメンキョウ）、表面が平らでないことを凸凹（でこぼこ）といいます。

凸（トツ・でこ）は中学生 で習う常用漢字です。

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『漢字の覚え方 凹凸』　凹　凸　

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.おうめんきょう（　　　　）。

2.とっぱん（　　　）印刷。

3.でこぼこ（　　　）。

解説です。基本の漢字は一、凹（へこ）むは一凵一を足して凹、凸（でこ）は一∩一を足して凸です。

解答です。凹面鏡、凸版、凸凹。

漢字の覚え方 巾

今日は巾（キン）、布（フ）、幅（フク）、帛（ハク）、錦（キン）いう漢字について説明します。基本になる漢字は『巾（キン）』です。布（ぬの）を表す象形文字です。『巾（キン）を使った漢字を幾つか紹介します。これらの漢字は同じ『巾（キン）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。巾（キン）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。布（フ）は小学校5年生で習う漢字です。幅（フク）は中学生 で習う常用漢字、巾（キン）、錦（キン）は中学生で習うようになった常用漢字 、中学何年生で習うかは教科書によって異なります。帛（ハク）は常用漢字から外れています。常用漢字の指定に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『巾（キン）』jīn は、布（ぬの）を表す象形文字です。漢字の部首は『巾・はば』です。布（フ）、幅（フク）、帛（ハク）、錦（キン）、帆（ホ）などに含まれ、布を表します。

白川は腰に佩（お）びる儀礼時に重要なものであると述べています。

音読みは呉音が『コン』、漢音が『キン』、慣用音が『コ』、訓読みが『巾（きれ）』、『巾 （はば）』です。頭を覆（おお）う布製の被（かぶ）り物を頭巾（ズキン）、婦人の髪を覆（おお）うものを巾摑（キンカク）、布で作った小さな袋・ある人の身辺を離れないで付き従う人を巾着（キンチャク）といいます。

巾（はば）は幅（はば）の字を使うのが普通です。

巾（キン・きれ）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『布（フ・ぬの）』bùは、広い布（ぬの）・巾（きれ）を表す形声文字です。漢字の足し算では、父（広い）＋巾（布）＝布（広い布。布。ぬの）です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『広い布』、『広げる』です。

音読みは呉音が『フ』、漢音が『ホ』、訓読みが『布（ぬの）』です。食器類をふく布を布巾（フキン）、動植物が広いある範囲を占めていることを分布（ブンプ）、配って広く行き渡らせることを配布（ハイフ）、中国の布と杖を持ち歩いた禅僧、弥勒菩薩の化身、七福神の一人を布袋（ホテイ）といいます。

縁起の良い漢字で『しき』、『しく』、『たえ』、『ぬの』、『のぶ』、『よし』と名前に使われます。

布（フ・ぬの）は小学校5年生で習う漢字 です。 『漢字の覚え方 父』 もご覧ください。

　『幅（フク）』fúは、織物（おりもの）の横幅を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、巾（はばべん・ぬの。布の巾）＋畐（ゆたか・横幅）＝幅（織物の横幅）です。意味は『はば』です。

音読みは『フク』で、訓読みは『はば』です。道路や橋などの幅を幅員（フクイン）、道路の幅を広くすることを拡幅（カクフク）、振動の幅の半分を振幅（シンプク）、高値と安値の差額を値幅（ねはば）、肩の幅を肩幅（かたはば）といいます。

幅（フク・はば）は中学生 で習う常用漢字です。 『漢字の覚え方 畐』 もご覧ください。

　『帛（ハク）』bóは、白い絹の布を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、白（白い）＋巾（きれ・ぬの）＝帛（白い絹の布。絹織物。帛（きぬ）。ぬさ）です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『白い絹布』、『ぬさ』です。

漢字の世界では、絹で織った布を帛（ハク）、綿や麻で織った布を布（フ）として区別することがあります。

音読みは呉音が『ビャク』、漢音が『ハク』、訓読みが『帛（きぬ）』です。絹に書かれれた文書を帛書（ハクショ）、絹と布のことを帛布（ハクフ）といいます。

帛（ハク）は白（ハク）の漢字仲間で、白、拍、迫、泊、舶、箔、伯などの仲間の漢字もあります。詳しくは『漢字の覚え方 白』をご覧ください。

帛（ハク・きぬ）は常用漢字からは外れています。

　『錦（キン）』jǐn は、白い絹の布を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金（金糸）＋帛（白い絹の布）＝錦（金の糸や色の糸を使った絹の布。鮮やかな絹織物。にしき）です。漢字の部首は『金・きん』、漢字の意味は『錦（にしき）』、『美しい』です。

『説文解字』には「帛に从 （したが）い金の聲 」とあります。

音読みは呉音が『コン』、漢音が『キン』、訓読みが『錦（にしき）』です。錦でつくった立派な着物を錦衣（キンイ）、錦でつくった旗・天皇旗印を錦旗（キンキ）、色彩の鮮やかな鯉の改良種を 錦鯉（にしきごい）といいます。

非常に良い意味の漢字で『かね』、『にしき』と名前に使われます。

錦（キン・にしき）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

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『漢字の覚え方 巾』　錦　巾　

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ずきん（　　　）を被る。

2.部長の こしぎんちゃく（　　　　）。

3.資料の はいふ（　　　）。

4.食器を ふきん（　　　）で拭く。

5.道路の かくふく（　　　）。

6.広い かたはば（　　　）。

7.故郷に にしき（　　）を飾る。

解説です。基本の漢字は巾、布（ぬの）は父を足して布、幅（はば）は畐を足して幅、帛（きぬ）は白を足して帛、錦（にしき）は帛（きぬ）に金を足して錦です。

解答です。頭巾、腰巾着、配布、布巾、拡幅、肩幅、錦。

漢字の覚え方 雪

今日は雪（セツ・ゆき）、鱈（たら）という漢字について説明します。基本になる漢字は『雪 （セツ）』です。雪（ゆき）を表す象形文字です。これらの漢字は同じ『雪 （セツ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。雪 （セツ）に何を足したら、鱈（たら）になるのか考えます。雪（セツ・ゆき）は小学校2年生で習う漢字 、鱈（たら）は常用漢字から外れています。常用漢字の指定に拘わらず、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『雪（セツ）』xuěは、雲から雪が降っている様子の会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、雨（あめ）＋彗（掃き清める）＝雪（汚れを清める雪。雪）です。漢字のの部首は『雨・あめかんむり』、意味は『雪』、『雪（すす）ぐ』です。

音読みは呉音が『セチ』、漢音が『セツ』、訓読みは『雪（ゆき）』、常用外の『雪（すす）ぐ』、『雪（そそ）ぐ』です。大雪（ダイセツ・タイセツ・おおゆき）、淡雪（あわゆき）、深雪（シンセツ・みゆき）、雪辱（セツジョク）の雪です。

雪辱（セツジョク）とは辱（はじ）を『雪（すす・そそ）ぐ』ことで、雪のように清めることです。

常用漢字の付表では吹雪（ふぶき）、雪崩（なだれ）と読みます。

雪（セツ・ゆき）は小学校2年生で習う漢字です。

　『鱈（たら）』xuě は、雪国の深海に棲む鱈（たら）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚＋雪（雪の降る北国）＝鱈（雪の降る北国で獲れる魚。鱈。たら）です。漢字の部首は『魚・さかなへん』、漢字の意味は『鱈（たら）』です。

『鱈（たら）』は、我が国でつくられた国字です。音読みはありません。訓読みは『鱈（たら）』です。大食いの魚として知られており、お腹一杯食べることを鱈腹（たらふく）といいます。また、鱈の漁獲される北国で獲れる蟹（カニ）にタラバガニがあります。

部首索引 魚（うお・さかな） もご覧ください。

鱈（たら）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-f7be.html

『漢字の覚え方 雪』　雪　鱈　

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.あわゆき（　　　）。

2.敗戦の せつじょく（　　　）。

3.たらふく（　　　）食べる。

解説です。基本の漢字は雪、鱈（たら）は魚（さかな）を足して鱈です。

解答です。淡雪、雪辱、鱈腹。

漢字の覚え方 鹿

今日は、鹿（ロク・しか）、麓（ロク・ふもと）、漉（ロク・こす）、轆（ロク）、麗（レイ・うるわしい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『鹿（ロク）』で、鹿（しか）を表す象形文字です。これらの漢字は同じ『鹿（ロク）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。鹿（ロク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。鹿（ロク・しか）、麓（ロク・ふもと）は 中学生で習うようになった常用漢字 、麗（レイ・うるわしい）は中学生 で習う常用漢字です。中学何年生 で習うかは教科書によって異なります。漉（ロク・こす）、轆（ロク）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『鹿（ロク）』lù は、鹿（しか）を表す象形文字です。獣（けもの）の名前で、走るのが速く、群れをつくり、雄には立派な角があります。漢字の部首は『鹿・しか・11画』、漢字の意味は『鹿』、『帝』、『群れる』、『列をなす』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ロク』、訓読みは『鹿（しか）』です。鹿を放し飼いにした庭園を鹿苑（ロクエン）、鹿の鳴き声・賓客をもてなす宴（うたげ）を鹿鳴（ロクメイ）といいます。また天下の帝位を目指すことを中原（チュウゲン）に鹿を逐（お）う・逐鹿（チクロク）といいます。

我が国では明治時代に作られた、条約改正交渉を目的とした社交場に鹿鳴館（ロクメイカン）があります。

奈良時代や平安時代に中国から輸入した漢字の発音の中（呉音・漢音 ）で、語尾にp t k の音が入るものは、入声音（にっしょうおん）とよばれ、短くつまって発音で、現代の中国の北京語では失われた発音と考えられています。『鹿（ロク）』は 現代北京語では『 ルー』 lù ですが、古代の発音はlukと考えられており、日本に輸入された呉音・漢音の（ロク）に近かったものと思われます。

非常に良い意味の漢字で『か』、『かのしし』、『しし』、『しか』と名前に使われます。

鹿（ロク・しか）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『麓（ロク）』lù は、麓（ふもと）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、林（はやし）＋鹿（連なって列をなす）＝麓（林のある長く連なる山すそ。ふもと）です。漢字の部首は『鹿・しか』、漢字の意味は『麓（ふもと）』、『山林を管理する役人』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ロク』、訓読みは『麓（ふもと）』です。山の麓（ふもと)を山麓（サンロク）といいます。

麓 （ロク・ふもと）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『漉（ロク）』lù は、漉（こ）す様子・漉（す）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（みず）＋鹿（連なって列をなす）＝漉（水が次々と連なって列をなす。漉す。こす。漉く。すく）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『漉（こ）す』、『漉（す）く』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ロク』、訓読みは『漉（こ）す』、『漉（す）く』です。酒を漉ことを漉酒（ロクシュ）、木材の繊維を原料に簀（す）の子の上に薄く広げて紙をつくることを紙漉（かみす）きといいます。

漉 （ロク・こす・すく）は常用漢字から外れています。

　『轆（ロク）』lù は、滑車（カッシャ）や轆轤（ロクロ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、車（くるま）＋鹿（コロコロという回る音）＝轆（車が回るときの音。滑車。ロクロ）です。漢字の部首は『車・くるま』、漢字の意味は『轆轤（ロクロ））』、『滑車（カッシャ）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ロク』です。井戸の水を汲（く）むための滑車・焼き物を作るための回転装置を轆轤（ロクロ）といいます。

轆（ロク）は常用漢字から外れています。

鹿（ロク）に関係した漢字に麗（レイ）があります。

　『麗（レイ）』lì は、綺麗（キレイ）な角のある鹿を表す象形文字です。鹿の角（つの）が綺麗に並んだ姿を描いたもの（藤堂）といわれています。漢字の部首は『鹿・しか』、漢字の意味は『整っている』、『綺麗（キレイ）』、『麗（うるわ）しい』、『おだやか』、『麗（うら）らか』『ならぶ』です。

『説文解字』には「鹿に从 （したが）い丽（レイ）の聲」とあります。形声文字であるならば、丽＋鹿（しか）＝麗（角が綺麗に整った鹿）です。

音読みは呉音が『ライ』、漢音が『レイ』、訓読みは『麗（うるわ）しい』、常用外に『麗（うら）らか』があります。色・形などが華やかな美しいこと・せいぜんとしていることを綺麗（キレイ）、一段と立派で美しいことを秀麗（シュウレイ）、うららかな春の日を麗日（レイジツ）といいます。

麗（レイ・うるわしい）は中学生 で習う常用漢字です。

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『漢字の覚え方 鹿』　鹿　麓　漉　轆　麗

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.中原に しか（　　）を逐う。

2.ろくめいかん（　　　　）。

3.富士の さんろく（　　　）。

4.和紙を す（　　）く。

5.ろくろ（　　　）を使う。

6.きれい（　　　）に片づける。

7.眉目 しゅうれい（　　　）。

解説です。基本の漢字は鹿、麓（ふもと）は林を足して麓、漉（こ）すは氵（さんずい）を足して漉、轆轤（ロクロ）は車を足して轆轤、麗しいはを足して麗です。

解答です。鹿、鹿鳴館、山麓、漉、轆轤、綺麗、秀麗。

漢字の覚え方 犀

今日は、犀（サイ・セイ）、遲・遅 （チ・おそい）、稚・穉 （チ・わかい）という漢字について説明します。基本になる漢字は『犀（サイ）』です。動物の犀（サイ）を象った象形文字です。二つの漢字は同じ『犀（サイ）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。犀（サイ）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。遅 （チ・おそい）は中学生 、稚（チ・わかい）は中学生 習う常用漢字です。中学何年生で習うかは教科書によって異なります。犀（サイ）は人名用漢字、遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『犀（サイ）』xī は、犀（サイ）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、㞑 ・尾（しっぽ）＋牛（牛に似た動物）＝犀 （ゆっくり歩く牛に似た動物。犀。さい）です。漢字の部首は『牛・うし』、漢字の意味は『犀（さい）』、『鋭い角』、『堅くて鋭い』です。獣（けもの）の名前で、鋭い角を持ち、皮膚が堅いため、昔はよろいに用いられていました。

音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』です。兵器が堅くて鋭利なことを犀利（サイリ）といいます。樹皮が犀の足に似た樹木を木犀・木樨
（モクセイ）といいます。

堅固な漢字で『かた』と名前に使われます。

犀（サイ）は人名用漢字です。

　『遅・遲 （チ）』chíは、犀（サイ）がゆっくり歩く様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（進む）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝遲・遅（犀（サイ）がゆっくり歩く。遅い。遅れる）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』、『気長に待つ』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 羊 が使われます。常用漢字では、遅の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは『遅（おそ）い』、『遅（おく）れる』です。物事が定時より遅れて延びることを遅延（チエン）、遅いことと速いことを遅速（チソク）、文章を書くことが遅いことを遅筆（チヒツ）、日が長くなり遅くまで明るくなった春の日を遅日（チジツ）、決められた時刻に遅れることを遅刻（チコク）といいます。

待ってあげる意味を表すため、『まつ』と名前に使われることがあります。

漢字の部首は『辶・しんにょう』は足で道 を行くことを表しています。足の向きや状態はいろいろあります。

☆前向きの場合　進（すす）む　迫（せま）る　迎（むか）える　邀（むか）える　近（ちか）づく　過 （すぎ）る　逼（せま）る　追（お）う　遂（と）げる　逢（あ）う　遇（あ）う　遭（あ）う　遘（あ）う　邂（あ）う　逅（あ）う　連（つら）なる　通（とお）る　透（とお）る　達（とお）る　遣（つか）わす　這（は)う　辿（たど）る　迄（いた）る　込（こ）む　 適（かな）う　遡（さかのぼ）る

☆後ろ向きの場合　退（しりぞ）く　逆（さか）らう　逃（に）げる　逡（しりぞ）く　遁（のが）れる　避（さ）ける　遠（とお）のく　　遺（のこ）す　迭（か）わる　迂（まが）る　逝（ゆ）く　違（そむ）く　遜（へりくだ）る　遮（さえぎ）る

☆戻る場合　還（かえ）る　返（かえ）す

☆廻る場合　廻 (めぐ）る　巡（めぐ）る　辺（あた）り　遊（あそ）ぶ　遍（あまね）く　迷（まよ）う

☆足のスピード　速（はや）い　遅（おそ）い　迅（はや）い　遥（はる）か

☆歩く場所　道（みち）　途（みち）

☆作業を進める　造（つく）る　述（の）べる　選（えら）ぶ

遅（チ・おそい）は中学生 で習う常用漢字です。遲 （チ・おそい）は常用漢字から外れています。

　『稚・穉（チ）』zhì は、作物の成長が遅い様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾（作物）＋犀（サイ・ゆっくり歩く）＝稚・穉 （成長の遅い作物。わかい。おさない・いとけない）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない』です。

犀（サイ）は書くのが大変なので、省略した字体の 隹 が使われます。常用漢字では、稚の字体を用います。

音読みは呉音が『チ』、漢音が『ジ』、訓読みは常用外に『稚（おさな）い』、『稚（わか）い』、『稚（いと）けない・稚（いとけな）い』があります。年齢が幼いこと・やり方が未熟なことを幼稚（ヨウチ）、物事の出来が子供っぽく下手（へた）なことを稚拙（チセツ）、幼い子供・寺院に仕える少年を稚児（ちご）といいます。

稚（おさな）いは幼（おさな）いと書くのが普通です。

改定常用漢字表では稚児（ちご）と読みます。

稚（チ・おさない）は中学生  で習う常用漢字です。穉（チ・おさない）は常用漢字から外れています。

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『漢字の覚え方 犀』　犀　遅　遲　稚　穉

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.動物の さい（　　　）。

2.きんもくせい（　　　　）。

3.ちえん（　　　）行為。

4.学校に ちこく（　　　）。

5.ようち（　　　）園。

6.ちぎょ（　　　）の放流。

解説です。基本の漢字は犀、遲（おそ）いは辶（しんにょう ）を足して遲、穉（おさな）いは禾（のぎへん ）を足して穉 です。

解答です。犀、金木犀、金木樨、遅延、遅刻、幼稚、稚魚。

漢字の覚え方 別

今日は、別（ベツ・わける）、捌（ハツ・さばく）という漢字について説明します。基本になる漢字は『別（ベツ）』です。骨と骨の関節を刀で別（わ）ける様子を表しているといわれています。二つの漢字は同じ『別（ベツ）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。別（ベツ）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。別（ベツ・わける）は 小学4年 で覚える常用漢字、捌（ハツ・さばく）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『別（ベツ）』bié は、骨と骨の関節を刀で別（わ）ける様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、另（骨と骨の関節）＋刂（刀）＝別（骨と骨の関節を刀で別（わ）ける。別ける）です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は『一緒にいたものが離れる』、『特徴によって分け離す』、『もうひとつの』です。

音読みは呉音が『ベチ』、漢音が『ヘチ』、慣用音が『ベツ』、訓読みは『別（わか）れる』です。人と別れて離れることを別離（ベツリ）、あるものと違うものを特徴によって分け離すことを区別（クベツ）、もうひとつの屋敷を別荘（ベッソウ）といいます。

知性のある漢字で『のぶ』、『わき』、『わく』、『わけ』と地名・人名に使われます。

別（ベツ・わける）はは 小学4年 で覚える常用漢字です。象形・指事・会意・形声　四年生も御覧ください。

　『捌（ハツ）』bā は、複雑なものをうまく仕分ける様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の作業）＋別（わける）＝捌（手を使って複雑なものを別ける。捌（さば）く）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『仕分ける』、『捌（さば）く』、『商品を売って始末する』です。

音読みは呉音が『ハチ』、漢音が『ハツ』、訓読みは『捌（さば）く』です。魚を捌く。仕事を捌く。在庫を捌く。馬群を捌く。ハンドル捌きのように手際よく処理する場合に使います。

善悪についての判断を下すという意味では、裁（さば）くという漢字を使います。

捌（ハツ・さばく）は常用漢字から外れています。

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『漢字の覚え方 別』　別　捌

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.友人との べつり（　　　）。

2.特徴による くべつ（　　　）。

3.べっけん（　　　）逮捕。

4.魚を さば（　）く。

5.仕事を さば（　）く。

6.公平に さば（　）く

解説です。基本の漢字は別、捌（さば）くは扌を足して捌です。

解答です。別離、区別、別件、捌く、捌く、裁く。

漢字の覚え方 目

今日は、目（モク・め・ま）、苜（モク・うまごやし）という漢字について説明します。基本になる漢字は『目（モク）』で、目を象（かたど）った象形文字です。二つの漢字は同じ『目（モク）』という構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。目（モク）に何を足すとどのような漢字になるか考えます。目（モク・め・ま）は小学校1年生で習う漢字 で覚える常用漢字、苜（モク・うまごやし）は常用漢字から外れていますが、漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『目（モク）』mùは、目を描いた象形文字です。漢字の部首は『目・め』、漢字の意味は『目（め）』、『目印』、『網の目』、『すじ目』、『国司の四等官』などです。

音読みは呉音が『モク』が普通です。漢音の『ボク』はあまり使いません。訓読みは『め』、『ま』です。目でみる方向・目指すものを目的（モクテキ）、目印のついた文書を目録（モクロク）、網の目を網目（あみめ）、木のすじ目を木目（モクめ）、目の意味ある動きを目配せ（めくばせ）といいます。

発音の話をします。中国では六朝時代のm音が、唐の時代にはb音に変化しました。『目（モク→ボク）』です。我が国でも、呉音（唐時代のm 音）を使います。『文・モン』と読んだり『文・ブン』と読んだりするのです。詳しくは呉音と漢音をご覧ください。

現在の北京語では『ム』mùという発音ですが、『目（モク）』miuk の上古音 は入声音とよばれ、我が国に輸入した当時は、語尾にkの音があって『モク』に近い発音だったと考えられています。

目（モク・め）は小学校1年生で習う漢字です。

　『苜（モク・うまごやし）』mùは、苜蓿（うまごやし）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋目（モクよいう音）＝苜（モクという名前の植物。うまごやし）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『うまごやし』です。西アジア原産の植物で、牧草や肥料として使われている植物です。わが国でもムラサキウマゴヤシが、アルファルファという英名で知られています。

音読みは呉音が『モク』が普通です。漢音の『ボク』は使いません。訓読みは『苜（うまごやし）』です。マメ科の二年草で、牧草や肥料にするのでこの名前があります。漢語で、苜蓿（モクシュク）、牧蓿（モクシュク）と表現します。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-ecbda.html

『漢字の覚え方 目』　目　苜

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.もくてき（　　　）と手段。

2.めくば（　　　）せ。

3.図書の もくろく（　　　）。

4.うまごやし（　　　）。

5.かいさつ（　　　）口。

解説です。基本の漢字は目、苜（うまごやし）は艹を足して苜です。

解答です。目的、目配せ、目録、苜、苜蓿、牧蓿。