漢字の覚え方 夋
新年明けましておめでとうございまず。新春のお慶びを申し上げます。
今日は夋(シュン)という漢字を基本とした、酸(サン)、俊(シュン)、浚(シュン)、峻(シュン)、竣(シュン)、逡(シュン)、駿(シュン)、唆(サ)という漢字について説明します。基本の漢字は『夋(シュン)』です。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。夋に何を足すとどのような漢字になるか考えます。酸(サン)は小学校5年生で習う常用漢字、俊(シュン)は中学校で習う常用漢字、峻(シュン)、竣(シュン)、駿(シュン)は人名用漢字で、夋(シュン)、逡(シュン)、浚(シュン)は常用漢字から外れています。常用漢字に登録されいるかどうかに拘わらず一緒に覚えましょう。
『夋(シュン)』qūnは、立ちつくす様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、允(すらりとした人)+夊(足・足をひきずる)=夋(すらりとした人。足をひきずって尻ごみする人。たちすくむ)です。漢字の部首は『夊・すいにょう』、漢字の意味は『すらりとした人』、『立ちすくむ』、『しりごみする』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』です。夋(シュン)の漢字自体を使うことはありませんが、酸(サン)、俊(シュン)、浚(シュン)、駿(シュン)などの漢字の構成要素になっています。
夋(シュン)は常用漢字から外れています。
『酸(サン)』suānは、キュッと酸(す)っぱい様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、酉(醗酵した液体)+夋(キュッとした)=酸(キュッと酸っぱい液体。酸。さん)です。漢字の部首は『酉・とり』、漢字の意味は『酸っぱい液体』、『酸性を帯びた化合物』、『辛(つら)い』、『酸素』です。
音読みは呉音・漢音ともに『サン』、訓読みは『酸(す)い』です。酸っぱい味を酸味(サンミ)、辛(つら)い目や苦しい思いを辛酸(シンサン)、塩化水素(HCl)の水溶液を塩酸(エンサン)といいます。
酸(サン)は小学校5年生で習う常用漢字です。
『俊(シュン)』jùnは、すらりとした俊(すぐ)れた人を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ(人間)+夋(すらりとした人)=俊(すらりとした秀いでた人。俊れる。すぐれる)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『俊(すぐ)れる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』、訓読みは常用外に『俊(すぐ)れる』です。才知・能力の優れた人を俊英(シュンエイ)、すぐれた才知・すぐれた才知を持った人を俊才(シュンサイ)、才知のすぐれた立派な人を俊彦(シュンゲン)といいます。
俊(シュン)は中学校で習う常用漢字です。
『浚(シュン)』jùnは、浚(さら)う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+夋(すらりと長い)=浚(水の底を掘ってすらりと深くする。浚う。さらう)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『浚(さら)う』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』、訓読みは『浚(さら)う』です。水底を浚って深くすることを浚渫(シュンセツ)といいます。
浚(シュン)は常用漢字から外れています。
『峻(シュン)』jùnは、峻(けわ)しい山を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、山(やま)+夋(すらりと長い)=峻(高くそそり立つ山。峻(けわ)しい。峻(たか)い)です。漢字の部首は『山・やまへん』、漢字の意味は『峻(けわ)しい』、『峻(たか)い』、『厳しい』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』、訓読みは『峻(けわ)しい』、『峻(たか)い』です。傾斜が急で険(けわ)しいことを急峻(キュウシュン)、険しく高い嶺を峻嶺(シュンレイ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『たか』、『たかし』、『ちか』、『とし』、『みち』、『みね』と名前に使われます。
峻(シュン)は人名用漢字です。
『竣(シュン)』jùnは、建物が完成する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、立(たつ)+夋(すらりと長い)=竣(両足ですらりと立つ。建物が高く立つ。建物が完成する)です。漢字の部首は『立・たつ』、漢字の意味は『建物が高く立つ』、『建物が完成する』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』です。建築工事や土木工事が終了することを竣工(シュンコウ)といいます。
竣(シュン)は人名用漢字です。
『逡(シュン)』qūnは、立ちすくんで逡(しりぞ)く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶(進む)+夋(すらりと長い)=逡(両足でたちすくむ。尻ごみをする。逡(しりぞ)くする)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『立ちすくむ』、『尻ごみをする』、『逡(しりぞ)く』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』、訓読みは『逡(しりぞ)く』です。ためらうことを逡巡(シュンジュン)といいます。
漢字の部首は『辶・しんにょう』は足で道 を行くことを表しています。足の向きや状態はいろいろあります。
☆前向きの場合 進(すす)む 迫(せま)る 迎(むか)える 邀(むか)える 近(ちか)づく 過 (すぎ)る 逼(せま)る 追(お)う 遂(と)げる 逢(あ)う 遇(あ)う 遭(あ)う 遘(あ)う 邂(あ)う 逅(あ)う 連(つら)なる 通(とお)る
☆後ろ向きの場合 退(しりぞ)く 逆(さか)らう 逃(に)げる 逡(しりぞ)く 遁(のが)れる 避(さ)ける 遠(とお)のく 遺(のこ)す 迭(か)わる 迂(まが)る
☆廻る場合 廻 (めぐ)る 巡(めぐ)る 辺(あた)り 遊(あそ)ぶ 遍(あまね)く 遥(さまよ)う
逡(シュン・しりぞく)は常用漢字から外れています。
『駿(シュン)』jùnは、背が高く足のはやい馬を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、馬(うま)+夋(すらりと長い)=峻(背が高く足のはやい馬。優れた馬)です。漢字の部首は『馬・うまへん』、漢字の意味は『優れた馬』、『すみやか』、『駿河』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シュン』です。足のはやいことを駿足(シュンソク)、特別に優れた馬、とくに競走馬を優駿(ユウシュン)といいます。
駿足(シュンソク)は常用漢字を使って俊足(シュンソク)と書くことが多いです。
非常に良い意味の漢字で『たかし』、『とし』、『はやお』、『はやし』と名前に使われます。
駿(シュン・はやい)は人名用漢字です。
『唆(サ)』suōは、唆(そそのか)す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口(言う)+夋(すらりと長い・細い)=唆(口を細くしてけしかける。唆す。そそのかす)です。
音読みは呉音・漢音ともに『サ』、訓読みは『唆(そそのか)す』です。それとなく物事を示し教えることを示唆(シサ)といいます。
唆(サ・そそのかす)は中学校で習う常用漢字です。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-9141.html
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.さん( )味と辛味(からみ)。
2.さんそ( )が必要。
3.天下の しゅんえい( )が集う。
4.しゅんせつ( )工事。
5.きゅうしゅん( )な崖。
6.しゅんそく( )ランナー。
7.ビルの しゅんこう( )。
8.事態の急変に しゅんじゅん( )する。
9.しさ( )に富む話。
解説です。基本の漢字は夋、酸(す)いは酉を足して酸、俊(すぐ)れるはイを足して俊、浚(さら)うは氵(さんずい)を足して浚、峻(けわ)しいは山を足して峻、竣(建物が完成する)は立を足して竣、逡(しりぞ)くはは辶を足して逡、駿(優れた馬)は馬を足して駿、唆(そそのか)すは口を足して唆です。
酸味、酸素、俊英、浚渫、急峻、駿足・俊足、竣工、逡巡、示唆。
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俊と唆の違いを知ろうと思ってこのサイトを開いてみたら
説明書いた方、神かなにかかな?ってレベルでめっちゃ分かりやすかったです🥺
これからお世話になります:)
投稿: 佐藤 | 2021年4月29日 (木) 12時15分
コメントありがとうございます。諸説あって、一応覚え方ということでお願い致します
投稿: ふうせん | 2021年4月30日 (金) 10時08分