漢字の覚え方 尊

今日は『尊（ソン）』zūnという字を基本とした漢字の仲間についてを説明します。この漢字の仲間には尊（ソン）、噂（ソン）、樽（ソン）、鱒（ソン）、遵（ジュン）という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『尊（ソン）』に何を足したら噂（ソン）、樽（ソン）、鱒（ソン）、遵（ジュン）になるのかを考えます。尊は小学校6年生で習う漢字 、遵（ジュン）中学校で習う常用漢字、噂は人名用漢字です。学習漢字に関係なく一緒に覚えましょう。

尊（ソン）の説明の前に酋（シュウ）の説明を致します。

　『酋（シュウ）』qiúは、酒（さけ）を醸（かも）す職人の頭を表す象形文字です。酉の上の八は外へ出る香を表すとされています。漢字の部首は『酉・さけづくり、とり』、漢字の意味は、『長（おさ）』、『かしら』です。

音読みは呉音が『ジュ』、漢音が『シュウ』です。酒づくりの職人の長を大酋（タイシュウ）、部族の頭を酋長（シュウチョウ）といいます。

酋（シュウ）は常用漢字から外れています

酒の壺を表す酉（ユウ）については 『漢字の覚え方 酉』をご覧ください。

　『尊（ソン）』zūnは、上品で形の良い祭祀に用いる酒器を持つ様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、酋（祭祀に用いる酒器）＋寸（手）＝尊（上品で形の良い祭祀に用いる酒器を持つ。転じて尊（たっと）い、尊（とうと）い）です。漢字の部首は『寸・すん』、漢字の意味は、『尊（たっと）い』、『尊（とうと）い』、『大事に扱う』、『尊（みこと）』です。

白川は神霊の前に置いて祀（まつ）る酒器であるとしています。

音読みは呉音・漢音ともに『ソン』、訓読みは『尊（たっと）い』、『尊（とうと）い』です。尊く厳かなことを尊厳（ソンゲン）、優れていると認めてその人を敬うことを尊敬（ソンケイ）、寺院で最も重要な仏像を本尊（ホンゾン）といいます。

非常に良い意味の漢字で『たか』、『たかし』と名前に使われます。

尊（ソン）は小学校6年生で習う漢字 です。

　『噂（ソン）』zūnは、人々が集まって噂（うわさ）をする様子表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口（口を使った動作）＋尊（形の良い祭祀に用いる酒器）＝噂（人々が集まって噂をする。噂。うわさ）です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『噂（うわさ）』です。

藤堂は尊（ソン・尊い）と意味上の関係はなく、音だけを示しているとしています。

御酒を飲んで他人の良い話をするのかもしれませんね。

音読みは呉音・漢音ともに『ソン』、訓読みは『噂（うわさ）』です。

噂（ソン）は人名用漢字です。

　『樽（ソン）』zūnは、酒を入れる樽（たる）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（木製）＋尊（手で酒器を持つ）＝樽（木製の祭祀に用いる酒器。樽。たる）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は、『樽（たる）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ソン』、訓読みは『樽（たる）』です。樽の中の酒を樽酒（ソンシュ）、宴会の御馳走・酒食の席を樽俎（ソンソ）といいます。北海道の都市に小樽（おたる）があります。

樽俎折衝（ソンソセッショウ）とは酒席での外交交渉をし敵の勢力をくじくことをいいます。

樽（ソン）は人名用漢字です。

　『鱒（ソン）』zūnは、鱒（ます）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚（さかな）＋尊（尊（とうと）い）＝鱒（上品で形の良い魚。鱒。ます）です。漢字の部首は『魚・さかな』、漢字の意味は、『鱒（ます）』です。

『説文解字』には「赤い目の魚」とありますが、我が国では鱒（ます）を表す漢字として使われています。鮭（さけ）http://bit.ly/1LVOjDc、鱒（ます）と良い意味の漢字が使われています。

音読みは呉音・漢音ともに『ソン』、訓読みは『鱒（ます）』です。

魚を使った漢字について詳しくは『部首索引 魚』http://bit.ly/1Rqs88v をご覧下さい。

鱒（ソン）は常用漢字から外れています。

　『遵（ジュン）』zūnは、遵（したが）う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（行く・進む）＋尊（手で酒器を持つ）＝遵（祭祀に用いる酒器を持って進む。道筋に沿って行く。先例に従う。遵（したが）う）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『遵（したが）う』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シュン』、慣用音が『ジュン』です。訓読みは常用外に『遵（したが）う』があります。先例にしたがって守ることを遵守（ジュンシュ）、法律にしたがうことを遵法（ジュンポウ）といいます。

遵守（ジュンシュ）は順守（ジュンシュ）とも書きます

遵（ジュン）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-e50a.html

『漢字の覚え方 尊』 尊 噂 樽 遵

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.そんけい（　　　）の眼差し。

2.人としての そんげん（　　　）。

3.うわさ（　　　）話。

4.おたる（　　　）市。

5.鮭と ます（　　）。

6.交通規則を じゅんしゅ（　　　）。

解説です。基本の漢字は尊、噂（うわさ）は口を足して噂、樽（たる）は木を足して樽、鱒（ます）は魚を足して鱒、遵（したが）うは辶（しんにょう）を足して遵です。

解答です。尊敬、尊厳、噂、小樽、鱒、遵守、順守。

漢字の覚え方 帝

　一言申し上げます。お陰さまで、ブログの開始より四年が過ぎようとしております。多くの方に励まして頂き、厚く御礼申し上げます。

漢字の公開の順番ですが、小学校で習う教育漢字、中学校で習う常用漢字、気になる漢字を優先して紹介しております。また、ブログの形で公開しておりますが、御意見を頂く等、随時、加筆・修正させて頂いておりますこと御了承願います。

小生、平日は働いております関係上、漢字の公開は、原則週末になります。年をとって仕事が楽になってからと考えておりましたが、忙しいなりになんとかなるもので、始めて良かったと思っております。

風邪など召されませぬよう皆様のご健康をお祈り申し上げます。

　今日は帝（テイ）、諦（テイ）、締（テイ）、啼（テイ）、蹄（テイ）という漢字について説明します。基本になる漢字は『帝（テイ）』dìで、『帝（みかど）』、『まとめる』などのイメージがあり、音読みは『テイ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『帝』に何を足したら諦、締、啼、蹄になるのかを考えます。帝、諦、締は中学校で習う常用漢字です。常用漢字に係わらず一緒に覚えましょう。

　『帝（テイ）』dìは、三本の線を一筋にまとめる様子・最高の支配者を表す象形文字です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『最高の神』、『最高の支配者』、『帝（みかど）』、『肯定』です。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは常用外に『帝（みかど）』があります。中国で、天子の尊称を皇帝（コウテイ）、天子のいる都を帝京（テイキョウ）、須弥山の頂上の主を帝釈天（タイシャクテン）といいます。皇帝（コウテイ）とは秦の始皇帝が称した天子の尊称です。英語のemperorの訳語として使われます。

非常に良い意味の漢字で『ただ』、『みかど』と名前に使われます。

ほとんど同じ趣旨の漢字に啇（テキ）http://bit.ly/2fsIIaM があります。

帝（テイ）は中学校で習う常用漢字です。

　『諦（テイ）』dìは、言葉をまとめる様子・明らかにする様子を表す形声文字です。漢字の足し算覚えるならば、言（言葉）＋帝（まとめる）＝諦（言葉をまとめる。明らかにする）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『言葉をまとめる』、『明らかにする』、『諦（あきら）める』です。

道理を悟ることを諦念（テイネン）といいます。本来、諦（テイ）に諦（あきら）めるの意味はありませんが、我が国では諦念（テイネン）・諦観（テイカン）などの漢語から諦（あきら）めるの意味に使うようになりました。

音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『諦（あきら）める』です。道理を悟る心・あきらめの気持ちを諦念（テイネン）、全体を良く見ること・物事を悟って諦めることを諦観（テイカン）といいます。

諦（テイ）は平成22年より中学生で習うようになった漢字です。

　『締（テイ）』dì は、糸を使ってまとめる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋帝（まとめる）＝締（糸を使ってまとめる。締める）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『締（し）める』、『緩（ゆる）まないようにする』、『まとめて合計する』です。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『締（し）める』です。固く絞（しぼ）ること・条約を結ぶことを締結（テイケツ）、緩（ゆる）まずにきびしく監督することを取（と）り締（し）まり、戸を緩まないように閉ざすことを戸締（じ）まり、期日を定めて、取り扱いを打ち切ることを締（し）め切りといいます。

締（し）めるは〆（しめ）るとも書きます。

締（テイ）は中学校で習う常用漢字です。

　『啼（テイ）』tíは、鳥や獣が啼（な）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋帝・虒（けもの）＝啼・嗁（けもののように号泣する。啼く。なく）です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『啼（な）く』です。

元の漢字は、號（テイ）、嗁（テイ）です。『説文解字注』に「嗁は俗に啼に作る」とあります。諸説ありますが、漢字の成り立ちでは、直接帝（テイ）に関係ないようです。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『啼（な）く』です。涙を流して啼き続けることを啼泣（テイキュウ）、鳥が啼き声を啼鳥（テイチョウ）、ホトトギスの悲痛な啼き声を啼血（テイケツ）といいます。

なくは漢字よって多少のニュアンスの違いがあります。漢語は二語で安定するので啼泣（テイキュウ）、哭泣（コッキュウ）のように重ねて使うこともあります。

泣（な）く　水の粒である涙（なみだ）を流して泣く　http://bit.ly/1086rFo

鳴（な）く　鳥が鳴く。楽器を鳴らす。人がうめく　http://bit.ly/1nrfZG8

哭（な）く　大声をあげて哭（な）く http://bit.ly/28IkSov

啼（な）く　鳥や獣が啼（な）く　大声で啼（な）く http://bit.ly/2fufdFB

啼（テイ）は中学校で習う常用漢字から外れてます。

　『蹄（テイ）』tíは、馬や牛の蹄（ひづめ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足（足先）＋帝（まとめる）＝蹄（足先がまとまったもの。蹄。ひづめ）です。漢字の部首は『足・あしへん』、漢字の意味は『蹄（ひづめ』です。

音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、訓読みが『蹄（ひづめ）』です。馬の蹄を馬蹄（バテイ）、馬の蹄の裏に打ち付ける鉄具を蹄鉄（テイテツ）といいます。

蹄（テイ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-b989.html

『漢字の覚え方 帝』　帝 締 諦 啼 蹄

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.こうてい（　　　）陛下。

2.たいしゃくてん（　　　　）に参詣。

3.出世を あきら（　　）める。

4.条約を ていけつ（　　　）する。

5.違反を 取り し（　　）まる。

6.処処 ていちょう（　　　）を聞く。

7.ていてつ（　　　）を打つ。

解説です。基本の漢字は帝、諦（あきら）めるは言を足して諦、締（し）めるは糸を足して締、啼（な）くは口を足して啼、蹄（ひづめ）は足を足して蹄です。

解答です。皇帝、帝釈天、諦める、締結、取り締まる、啼鳥、蹄鉄。

漢字の覚え方 啇

今日は啇（テキ）、敵（テキ）、適（テキ）、滴（テキ）、摘（テキ）、嫡（チャク）という漢字について説明します。基本になる漢字は『啇（テキ）』díで、『まとまる』、『適（かな）う』、『正しい』などのイメージがあります。音読みは漢音の『テキ』が普通で、呉音の『チャク』と読む漢字もあります。呉音と漢音もご覧ください。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『啇（テキ）』に何を足したら敵（テキ）、適（テキ）、滴（テキ）、摘（テキ）、嫡（チャク）になるのかを考えます。敵、適は小学校5年生で習う漢字 、滴、摘、嫡は中学校で習う常用漢字です。学年に関係なく一緒に覚えましょう。

　『啇（テキ）』díは、一筋にまとまった様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、帝（ひとすじにまとまる）＋口（まとまり）＝啇（一筋にまとまる）です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『一筋にまとまる』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』です。啇（テキ）の漢字自体を使うことはありませんが、適、滴、摘、嫡などの漢字の音符として漢字の構成要素になっています。

啇（テキ）は常用漢字から外れています。

　『適（テキ）』shì、díは、皇帝が思うままに適（ゆ）く様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（行く・進む）＋帝・啇（皇帝）＝適（皇帝が思うままに適（ゆ）く。転じて適（かな）う）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『思うままに適（ゆ）く』、『適（かな）う』、『あてはまる』、『心地よい』です。

啇に締（し）まるの意味があり、まとまって適（ゆ）く。転じて適（かな）うという説（藤堂）もあります。

音読みは呉音が『シャク』、漢音が『テキ・セキ』、訓読みは常用外の『適（ゆ）く』、『適（かな）う』があります。その場の状態・条件などによくあてはまることを適応（テキオウ）、条件・目的・などにあてはまること・程度が程良いことを適当（テキトウ）、具合がよくて快いことを快適（カイテキ）、特定の条件をあてはめることを適用（テキヨウ）、といいます。

非常に良い意味の漢字で『あたる』、『あつ』、『あり』、『かなう』、『かのう』、『まさ』、『ゆき』、『ゆく』、『より』と広く名前に使われます。

適（テキ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『敵（テキ）』dí、皇帝がわたり合う敵相手・敵（かたき）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、帝・啇（皇帝）＋攵(行動）＝敵（皇帝がわたり合う相手。敵。かたき）です。漢字の部首は『攵・ほこづくり』、漢字の意味は『対等にわたりあう』、『敵（かたき）』です。

啇に締（し）まるの意味があり、まとまって敵（かたき）にあたるという説（藤堂）もあります。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『敵（かたき）』です。相手を敵とみなして対抗することを敵対（テキタイ）、かねてからの敵を宿敵（シュクテキ）、芝居で悪人の役を敵役（かたきやく）といいます。

敵（テキ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『滴（テキ）』dī、ひとつにまとまった滴（しずく）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋啇(まとまる）＝滴（ひとつにまとまった滴（しずく）。滴（したた）る）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『滴（しずく）』、『滴（したた）る』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『滴（しずく）』、『滴（したた）る』です。水のしたたりを水滴（スイテキ）、長い時間かけて一滴ずつ静脈に注射することを点滴（テンテキ）注射といいます。

滴（しずく）は雫（しずく）とも書きます。

滴（テキ）は中学校で習う常用漢字です。

　『摘（テキ）』zhāi、tì指先をまとめて摘（つ）む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋啇(まとまる）＝摘（指先をまとめて摘（つ）む。摘まみ取る）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『摘（つ）む』、『摘まみ取る）』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』、訓読みは『摘（つ）む』、『摘（つ）まむ』です。悪事を摘み出して行くことを摘発（テキハツ）、大事な点を選び出すこと・その大事な点を書き記したものを摘要（テキヨウ）、果実を摘み取ることを摘果（テキカ）といいます。

摘（テキ）は中学校で習う常用漢字です。

　『嫡（チャク）』díは、正妻・世継ぎを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（女性・家系）＋啇(対等にわたりあう・まっすぐな）＝嫡（対等にわたりあう女性。正妻。正妻の生んだ子。まっすぐな血のつながりの子）です。漢字の部首は『女・おんなへん』、漢字の意味は『正妻』、『世継ぎ』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『テキ』です。正妻の産んだ子を嫡子（チャクシ）、嫡子から嫡子へと家系を継いでいく様を嫡嫡（チャクチャク）といいます。

嫡嫡（チャキチャキ）の江戸っ子は、嫡嫡（チャクチャク）からきている表現です。

嫡（チャク）は中学校で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-6bf5.html 

『漢字の覚え方 啇』 啇　適 摘 敵 滴 嫡

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.かいてき（　　　）な部屋。

2.てきおう（　　　）能力。

3.てきたい（　　　）組織。

4.芝居の かたきやく（　　　）が弱まる。

5.病院で てんてき（　　　）。

6.密売人の てきはつ（　　　　）。

7.条件の てきよう（　　　）。

8.ちゃくなん（　　　）の誕生。

解説です。基本の漢字は啇、適（かな）うは辶（しんにょう）を足して適、適（かたき）は攵（ぼくづくり）を足して敵、滴（しずく）は氵（さんずい）を足して滴、摘（つ）むは扌（てへん）を足して摘、女を足して嫡です。

解答です。快適、適応、敵対、敵役、点滴、摘発、適用、嫡男。

漢字の覚え方 師

今日は師（シ）、獅（シ）、篩（シ）、鰤（シ）、帥（スイ）という漢字について説明します。基本になる漢字は『師（シ）』shīで、『先生』、『選ばれた』というイメージがあり、音読みは『シ』、時には『スイ』と読みます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『師（シ）』に何を足したら師（シ）、獅（シ）、篩（シ）、鰤（シ）、帥（スイ）になるのかを考えます。師は小学校5年生 、帥は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『師（シ）』shīは、軍隊を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、 U+200A4 （祭肉・集団）＋帀（めぐる・旗・曲刀）＝師（祭肉を掲げ、曲刀を持った将軍。軍隊）です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『兵士の集団』、『先生』、『専門技術を持つ人』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』です。陸軍の部隊で、作戦上最大の部隊を師団（シダン）、学校で、学業・技芸を教える人を教師（キョウシ）、医術・医療を仕事にする人を医師（イシ）、僧侶が御経を上げるのに東西奔走する12月を師走（シわす）といいます。

とても良い意味の漢字で『かず』、『つかさ』、『のり』、『みつ』、『もと』、『もろ』と名前に使われます。

異体字に师（シ）があります。

師（シ）は小学校5年生 で習う漢字です。

　『獅（シ）』shīは、獅子（シシ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（けもの）＋師（先生）＝獅（けものの先生。獅子。ライオン）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『獅子（しし）』、『ライオン』です。

古代ペルシャ語の音訳である（藤堂）ともいわれています。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『たけ』があります。ライオンのことを漢語で獅子（シシ）といいます。

★｢獅子搏兎（シシハクト）｣とは、ライオンがウサギを捕らえることで、力のあるものが簡単なことでもけっして手を抜かないという例（たと）えに使われます。

★｢獅子身中虫（シシシンチュウのむし）｣とは、獅子も体に寄生し害をなす虫で、内部にいながら味方に害を与える者の例（たと）えに使われます。

獅（シ）は人名用漢字です。

　『篩（シ）』shāiは、篩（ふる）う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製品）＋師（選ばれた・選り分ける）＝篩（竹製品を使って選り分ける。篩う。ふるう）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『篩（ふる）う』、『篩（ふる）い』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読み『篩（ふる）う』、『篩（ふる）い』です。粉などを狭い網目を通して選り分ける竹製の道具をいいます。

篩（シ）は常用漢字から外れています。

　『鰤（シ）』shīは、鰤（ぶり）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚（さかな）＋師（先生・老魚）＝鰤（年を経る魚。鰤。ぶり）です。漢字の部首は『魚・さかな』、漢字の意味は『鰤（ぶり）』です。

『康煕字典』には人を殺す老魚であるという記述があります。魚の中には老魚になると体内に蓄えられた毒素によって、食中毒を起こす種類のものがあります。我が国では鰤（ぶり）を表す漢字として使われます。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読み『鰤（ぶり）』です。鰤（ぶり）はスズキ目アジ科に分類される海水魚で全長1mほどになる大型の肉食魚です。

モジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリなどと大きくなるに従い、呼び名が変わる出世魚として知られています。

鰤（シ）は常用漢字から外れています。

魚を使った漢字について詳しくは『部首索引 魚』 をご覧下さい。

　『帥（スイ）』shuàiは、軍隊の指揮官を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、U+200A4（祭肉・集団）＋巾（旗・曲刀）＝帥（旗を掲げ、曲刀を持った将軍。軍隊の指揮官）です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『軍隊の指揮官』、『将軍』、『帥（ひき）いる』です。

①音読みは、『将軍』の意味では呉音・漢音ともに『スイ』です。軍隊の最高司令官を元帥（ゲンスイ）、軍隊を帥（ひき）いて指揮する大将を将帥（ショウスイ）といいます。

②音読みは、『帥（ひき）いる』の意味では呉音が『ソチ』、漢音が『ソツ』、訓読みが『帥（ひき）いる』(常用外の訓読み）です。我が国では大宰府の長官を帥（ソチ・ソツ）、自ら先に立って人を導くことを帥先（ソッセン）といいます。

帥（ひき）いるは率（ひき）いると書くのが普通で、帥先（ソッセン）は常用漢字を使って率先（ソッセン）http://bit.ly/1Dp5GoH と書くのが普通です。

帥（スイ)は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-55c1.html

『漢字の覚え方 師』　師 獅 篩 鰤 帥

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.してい（　　　）関係。

2.いし（　　　）と患者。

3.しわす（　　　）の忙しさ。

4.しし（　　　）搏兎(ハクト）。

5.ふる（　　　）いにかける。

6.ぶり（　　　）の照り焼き。

7.マッカーサー げんすい（　　　）。

解説です。基本の漢字は師、獅子（しし）は犭（けものへん）を足して獅、篩（ふる）いは竹を足して篩、鰤（ぶり）は魚を足して鰤、帥（ひき）いるは巾を使って帥です。

解答です。師弟、医師、師走、獅子、篩い、鰤、元帥。

漢字の覚え方 丞

今日は『丞（ジョウ）』chéngという字を基本とした承（ショウ）、烝（ジョウ）、蒸（ジョウ）という漢字について説明します。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『丞』に何を足したら、烝、蒸になるのかを考えます。承は小学校5年生、蒸は6年生で習う漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『丞（ジョウ）』chéngは、水などから人を助け出す様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、卩(人）＋＞＜（両手）＋一(水面・高いところ）＝丞（水などから高い所へ人を助け出す。丞（たす）ける）です。漢字の部首は『一・いち』、漢字の意味は『丞（たす）ける』です。

『説文解字』には廾（両手）に従い卩(人）に従い山(山・高い所）に従うとあります。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『ショウ』、訓読みは『丞（たす）ける』、『丞（すく）う』、『丞（じょう）』です。天子を丞（たす）け百官を統べる最高の大臣を丞相（ジョウショウ）、律令制の省の三等官を丞（じょう）といいます。

良い意味の漢字で『すけ』、『すすむ』、『たすく』、『つぐ』と名前に使われます。

丞（ジョウ）は人名用漢字 です。

　『承（ショウ）』chéngは、承（うけたまわ）る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、卩(人）＋＞＜（両手）＋手＝承（ショウ）です。漢字の部首は『手・て』、漢字の意味は『受け継ぐ』、『相手の意向を受け入れる』です。

音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『ショウ』、訓読みが『承（うけたまわ）る』です。前の人の身分・財産などを受け継ぐことを継承（ケイショウ）、相手の事情を理解して聞き入れること・許すこと承知（ショウチ）、事情を汲み納得することを了承（リョウショウ）といいます。

丞ではなくて、一のない氶の形を使います。

承（ショウ）は小学校5年生で習う漢字 です。

　『烝（ジョウ）』zhēngは、烝（む）す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、丞（両手で器をかざす）＋灬(火）＝烝（火の上に器をかざして蓋をして蒸す。烝す）です。漢字の部首は『灬・れっか』、漢字の意味は『烝（む）す』、『盛んになる』、『広がる』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』、慣用音が『ジョウ』、訓読みが『烝（む）す』です。火が盛んにおこる様子を烝烝（ジョウジョウ）、もろもろの万民のことを烝民（ジョウミン）といいます。

烝（む）すは蒸（む）すと書くのが普通です。

烝（ジョウ）は常用漢字から外れています。

　『蒸（ジョウ）』zhēngは、蒸（む）す様子を表す文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹(上にのびる植物）＋丞（両手で器をかざす）＋灬(火）＝蒸（火の上に器をかざして蓋をして蒸す。むす）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『蒸（む）す』です。

艹（くさかんむり）は茂（しげ）る、蕃（しげ）るhttp://bit.ly/1QE6CMV など広がるの意味があり、蒸（む）すの漢字が好んで使われます。

音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』、唐宋音が『セイ』、慣用音が『ジョウ』、訓読みが『蒸（む）す』です。水が蒸発してできた無色透明の気体を蒸気（ジョウキ）、液体がその表面から気化すること・人が突然いなくなることを蒸発（ジョウハツ）、湯気で蒸すための竹製の籠（かご）を蒸籠（セイロウ）といいます。

蒸（ジョウ）は小学校6年生で習う漢字 です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-a9d3.html

『漢字の覚え方 丞』　丞　烝　蒸 承

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.じょうしょう（　　　）諸葛亮。

2.委細 しょうち（　　　）。

3.地位を けいしょう（　　　）。

4.液体が じょうはつ（　　　）。

5.せいろう（　　　）の蕎麦を註文。

解説です。基本の漢字は丞、承（うけたまわ）るは手を足して承、烝（む）すは灬（れっか・れんが）を足して烝、蒸（む）すは更に艹（くさかんむり）を足して蒸です。

解答です。丞相、承知、継承、蒸発、蒸籠。