小学校6年生で習う漢字②(砂~寸)
小学校六年生で習う漢字です。『小学校6年生で習う漢字①』(異~困)と 『小学校6年生で習う漢字②』(砂~寸)、 『小学校6年生で習う漢字③』(聖~脳)、 『小学校6年生で習う漢字④』(派~論)に分割しています。ご了承下さい。
漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢(建光元年・西暦121年)の許慎(キョシン)の「説文解字(セツモンカイジ)」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。
①.物の形を象った(かたどった)『象形文字』(ショウケイモジ)、②.象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』(シジモジ)、③.文字を組み合わせて造った『会意文字』(カイイモジ)、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声文字』(ケイセイモジ)の四種です。『会意文字』と『形声文字』は漢字の足し算で表す事が出来ます。六年生の漢字については一覧にしてありますので象形・指事・会意・形声 六年生も御覧ください。
漢字の成り立ちについての解釈は四通りです。どの時代の漢字に重点を置くか、また「説文解字(セツモンカイジ)」にどれほど敬意を払うかにより、解釈が違う場合が稀(まれ)にあります。ある辞書では『見』を象形文字、別の辞書では目+儿の会意文字としています。漢字の解釈については諸説あることを御承知下さい。
『砂(サ・すな)』shāは、石が水で洗われて小さくなったものを表す形声文字です。漢字の足し算で表わすと、石(いし)+少(小さくする)=砂(石が水に洗われて小さくなったもの。砂)です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『砂(すな)』、『砂のように小さいもの』です。
沙(すな)の方がより小さいとされています。本来の砂(すな)の意味では砂という漢字が使われます。沙には水でよなぐという別の意味があります。沙は水でよなぐ(良いものをえりわける)の意味で使われる事が多いです。
音読みは呉音が『シャ』、漢音が『サ』、訓読みは『砂(すな)』、常用外『砂(いさご)』があります。岩波古語辞典には砂(いさご)=石子の記載があります。
大陸の中で雨がごく少なく植物の育たない地帯を砂漠・沙漠(サバク)、砂状の糖を 砂糖(サトウ)、砂がたまって出来た丘を砂丘・沙丘(サキュウ)、ある目的のため川底などから集めた小石や砂を砂利(ジャリ)といいます。
砂(サ)は小(ショウ)の『単語家族』で、沙(サ)、省(ショウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 小』をご覧ください。
『座(ザ)』zuòは、人が地面に坐(すわ)る場所を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、广(家)+坐(坐(すわ)る)=座(人が地面に坐る場所。坐る)です。漢字の部首は『广・まだれ』、漢字の意味は『坐(すわ)る場所』、『神体を置く場所』、『星のある場所』、『中世の商工組合』、『貨幣鋳造の場所』、『興業場所』です。
『座(ザ)』は『坐(すわ)る場所』、『坐(ザ)』は『坐(すわ)る』を表していましたが、常用漢字の『座(ザ)』に統一されています。
音読みは呉音が『ザ』、漢音が『サ』、訓読みは『座(すわ)る』です。貴人の座る席を御座(ゴザ)、坐(すわ)る場所を座席(ザセキ)、星の集まりがある場所を星座(セイザ)、銀を鋳造(チュウゾウ)する場所を銀座(ギンザ)といいます。
座(ザ)は坐(ザ)の『単語家族』で、挫(ザ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 坐』をご覧ください。
『済(サイ)』jìは、不足を補って平等にする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+齊・斉(ととのえる)=済(川の水量を調整して不足を補う。すくう。調整する。済ます)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は、『済(すく)う』、『調整する』、『済(す)ます』です。
音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『済(す)む』、常用外に『済(すく)う』があります。苦しんでいる人を救い助けることを救済(キュウサイ)、人間の生活に必要な金銭のやりとり・世を治め民を救うことを経済(ケイザイ)、借りた金や物を相手に返すことを返済(ヘンサイ)といいます。
大変良い意味の漢字で『いつき』、『お』、『かた』、『さだ』、『さとる』、『すみ』、『ただ』、『とおる』、『なり』、『なる』、『まさ』、『まさ』、『ます』、『やす』、『よし』、『わたす』、『わたり』、『わたる』と地名、川名、名前に使われます。
済(サイ)は斉(サイ)の『単語家族』で、剤(ザイ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 斉』をご覧ください。
『裁(サイ)』cáiは、衣服を仕立てるために布を切る様子を表した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、才(切る)+戈(ほこ)+衣=裁(衣服を仕立てるために布を切る。裁つ。いる)です。漢字の部首は『衣・ころもへん』、意味は『裁(た)つ』、『切り分ける』転じて『よしあしの区別をつける』、『裁く』、『適当に按配する』です。
音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『サイ』です。訓読みは『裁(た)つ』、『裁(さば)く』です。衣服を仕立てるのに布を切ることを裁断(サイダン)、物事の是非を判断すること・法律を適用して裁くことを裁判(サイバン)、銀行・政党の長で総合的に判断を下す役職を総裁(ソウサイ)、物事を自分の考えで処理することを裁量(サイリョウ)といいます。
裁(サイ)は才(サイ)の漢字の仲間で、材(ザイ)、財(ザイ)、載(サイ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 才』をご覧ください。
『策(サク)』cèは、文字を書くための竹製の文書・竹製の笞(むち)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹(竹製)+朿(とげのある)=策(竹のとげを取ってつくるふだ。文書。竹製の笞)です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『文書』、『計画』、『方針』、『むち』、『杖(つえ)』です。
音読みは呉音が『シャク』、漢音が『サク』です。政党の施政上の方針を政策(セイサク)、目的を達するために相手を陥れる計画を策略(サクリャク)、目的もなくぶらぶらと杖をついて歩くことを散策(サンサク)といいます。
策(サク)は朿(シ)の漢字の仲間で、刺(シ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 朿』をご覧ください。
『冊(サク・サツ)』cèは、竹簡(チクカン)に書かれた古代の文書を表す象形文字です。竹簡と竹簡を綴じた様子がよりわかる册という字体もあります。漢字の部首は『冂・けいがまえ』、漢字の意味は『文書』、『書物』、『ふだ』、『爵位を授ける』です。
音読みは呉音が『シャク』、漢音が『サク』、慣用音が『サツ』です。本・書物のことを冊子(サッシ)、諸侯に爵位を授けることを冊封(サクホウ)、細長く切った薄い竹・木、和歌などを書くための細長い紙を短冊(タンザク)といいます。
冊(サク)の『単語家族』には、柵(サク)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 冊』をご覧ください。
『蚕(サン)』cánは、天の漢字が使われていますが、正式な字体は蠶(サン)で、蚕(かいこ)の幼虫が桑の葉に潜って(潛)いる様子を表す漢字です。書くのがとても大変なので、略字の蚕(サン)を使います。漢字の部首は『虫・むし』です。
漢字の足し算では、濳(ひそむ)+虫虫(むし)=蠶(蚕(かいこ)の幼虫が桑の葉に潜って(潛)いる。蠶。かいこ)です。
正式な天の仲間の漢字ではないので、音読みも『サン』と違います。
音読みは呉音が『ゾン』、漢音が『サン』、訓読みは『蚕(かいこ)』です。蚕(かいこ)は桑のの葉を食べて成長する蛾の幼虫です。成虫になる前に繭(まゆ)をつくります。子の繭から絹糸(きぬいと)をつくるのです。蚕を飼うことを養蚕(ヨウサン)といいます。
蚕(サン)は天(テン)を使った漢字です。天(テン)については『漢字の覚え方 天』 『漢字の覚え方 兂』をご覧ください。
『至(シ)』zhìは、矢が目標に届いた様子を漢字にしたものです。古い字体の篆文(テンブン)を参考にして下さい。部首は『至・いたる』、意味は『至る(いたる)』、『いきづまり』、『まっすぐ届く』、『ぎりぎりまで届く』です。
音読みは呉音・漢音とも『シ』、訓読みは『至る(いたる)』です。非常に急ぐことを至急(シキュウ)、この上なく高く届いた様を至高(シコウ)、最も道理に合った言葉を至言(シゲン)、太陽が最も高くなる日を夏至(ゲシ)といいます。
『至(いた)る』の反対の『自(よ)り』については『漢字の覚え方 自』をご覧ください。
至(シ)の『単語家族』には、室(シツ)、致(チ)、緻(チ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 至』をご覧ください。
『私(シ)』sī は、収穫物を自分のものにする様子・抱きかかえる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾(穀物)+ム(自分で耕す。ひじで抱え込む)=私(収穫物を自分のものにする。わたくし)です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『自分のもの』、『私(わたくし)』、『ひぞかに』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』。訓読みが『私(わたくし)』、『私(わたし)』です。私立の学校を私学(シガク)、個人の財産を私財(シザイ)、公(おおやけ)と私(わたくし)で公 私(コウシ)、個人の立場での感情を私情(シジョウ)といいます。
私(シ)の漢字の仲間には、ム(シ)、治(チ)、始(シ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 ム・台』をご覧ください。
『姿(シ)』zīは、女性が屈(かが)んで身づくろいする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、次(人が屈む・順序良く)+女(女性)=姿(人が屈んで化粧する姿。女性が順序良く身支度する姿。容姿。すがた)です。女性だけでなく人間一般に使われます。漢字の部首は『女・おんな』、意味は『姿(すがた)』、『容姿』、『身支度する』です。
音読みは呉音・漢音が『シ』です。訓読みは『姿(すがた)』です。人の姿(すがた)・容(かたち)を容姿(ヨウシ)、勇ましい姿を勇姿(ユウシ)といいます。
非常に良い意味の漢字で、『かた』、『しな』、『たか』と名前に使われます。
姿(シ)は次(シ)『単語家族』で、資(シ)、諮(シ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 次』をご覧ください。
『視(シ)』shìは、真っ直ぐに視る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、示(はっきり・まっすぐ)+見(みる)=視(真っ直ぐに視る。転じて注意して視る)です。漢字の部首は『見・みる』、漢字の意味は『真っ直ぐに視る』、『注意して視る』です。
漢字の世界では『みる』について、ニュアンスの違いがあります。
見(み)る 目立つ。目に止まる。現れる。見(ケン)http://bit.ly/ZCbIEZ
視(み)る 真っ直ぐ視る。注意して視る。視(シ)http://bit.ly/1Vps6QQ
看(み)る 手をかざして看る。よくみる。看(カン)http://bit.ly/1Z5TbdM
診(み)る 細かいところまですみずみまでみる。診(シン)http://bit.ly/1ygC0wK
察(み)る すみずみまでみる。察(サツ)http://bit.ly/1zwPD77
覧(み)る 高い所から下を覧る。覧(ラン)http://bit.ly/25ApacQ
臨(のぞ)む 高い所から下を臨む。臨(リン)http://bit.ly/1WvVxot
監(み)る 上から下のものをみて、みさだめる。監(カン)http://bit.ly/25ApacQ
観(み)る 多くのものを比べて観る。批評する。観(カン)http://bit.ly/11kw1b1
眺(なが)める 右に左にと広く見渡す。眺(チョウ)http://bit.ly/2t44mNH
望(のぞ)む 遠くの見えにくいものをもとめみる。望(ボウ)http://bit.ly/1v84fty
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読みが『視(み)る』です。視える範囲を視界(シカイ)、眼が真っ直ぐに向いている方向を視線(シセン)、実際にその場所に行って詳しく調べてみることを視察(シサツ)、警戒して注意して視ることを監視(カンシ)といいます。
視(シ)は示(シ)『単語家族』で、示(シ)、祇(ギ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 示』をご覧ください。
『詞(シ)』cí は、言葉が続く様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、言(言葉)+司(続く・小さな)=詞(小さな言葉。一字、一字つないで出来た文句。べさせる。飼う。かう)です。漢字の部首は『言・ごんへん』、漢字の意味は『文句』、『詞(ことば)』、『文法上の単語の種類』、『詩文』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『詞(ことば)』です。お祝いを述べることば・神に祈ることばを祝詞(シュクシ・のりと)、動作を表す文法上のことばを動詞(ドウシ)、歌の文句を歌詞(カシ)、歌詞を作ることを作詞(サクシ)、詩文の才能を詞藻(シソウ)といいます。
非常に重要で良い意味の漢字で『こと』、『なり』、『のり』、『ふみ』と名前に使われます。
詞(シ)は司(シ)『単語家族』で、伺(シ)、嗣(シ)などの漢字の仲間があり、まとめて覚えるのが良いです。詳しくは『漢字の覚え方
司』をご覧ください。
『誌(シ)』zhìは、志を誌(し)るす様子を表わした形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(言葉を書く)+志(こころざし)=誌(志を誌(し)るす)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、意味は『誌(し)るす』、『誌(し)したもの』、『記録』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』です。訓読みは常用外(普通に使わない)の読み方に『誌(し)るす』があります。日誌(ニッシ)、週刊誌(シュウカンシ)、雑誌(ザッシ)の誌です。
誌(し)るすは普通、記(しる)すと書きます。記(キ)は、己(キ)の『単語家族』で、まとめて覚えるのが良いです。詳しくは『漢字の覚え方 己』をご覧下さい。
詞(シ)は志(シ)『単語家族』です。基本漢字の、志(シ)について詳しくは『漢字の覚え方 志』をご覧ください。
『磁(ジ)』cíは、砂鉄を引き寄せる鉱石(コウセキ)を表す形声文字です。漢字の足し算では、石(鉱石)+茲(増える)=磁(砂鉄が引き寄せられて増えていく。磁石。ジシャク)です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『磁石(ジシャク)』です。
また、焼き物のことをchina(中国)といいます。また、このうち鉱物性のうわぐすりをかけて硬く焼いた焼き物を、中国の磁県が有名な産地であることから、 磁器(ジキ)と呼びます(藤堂)。
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』です。鉄を引きつけ、南北を指す性質を持つ鉱物を磁石(ジシャク)、磁石の南北を指す性質・鉄を引きつける性質を磁気(ジキ)といいます。
磁(ジ)は茲(ジ)『単語家族』で、滋(ジ)、慈(ジ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 茲』をご覧下さい。
『射(シャ)』shèは、弓矢を射る様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、身(弓に矢をつがえた様子)+寸(手の動作)=射(弓矢を射る)です。漢字の部首は『寸・すんづくり』、意味は『射る』で、『勢い良く出す』す。
音読みは漢音の『シャ』を使い、呉音の『ジャ』は使いません。読みは『射(い)る』です。射撃(シャゲキ)、注射(チュウシャ)、発射(ハッシャ)、反射(ハンシャ)の射です。
射(シャ)の『単語家族』には、謝(シャ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 射』をご覧下さい。
『捨(シャ)』shěは、指をのばして捨(す)てる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌(手の動作)+舎(手足をのばしてくつろぐ)=捨(指をのばして捨てる。すてる)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『捨(す)てる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シャ』です。訓読みは『捨(す)てる』です。取ることと捨てることを取捨(シュシャ)、寺や僧に金品を寄附することを喜捨(キシャ)といいます。
拾(ひろ)うは扌(てへん)に合http://bit.ly/ZXapRKを合わせます。
取(と)るは又(て)に耳http://bit.ly/1r1D3q7を合わせます。
東洋・仏教の世界では良い意味で使われ、『いえ』、『えだ』、『すて』と名前に使われます。
捨(シャ)は舎(シャ)の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 舎』をご覧下さい。
『尺(シャク)』chǐは、人が手の幅で長さを測る様子を描いた象形文字です。古代中国では22.5cmで、我が国では30.3cmにあたります。漢字の部首は『尸・しかばね』、漢字の意味は『長さの単位』、『ものさし』です。
音読みは呉音が『シャク』、漢音が『セキ』です。テープ状の巻いてあるものさしを巻尺(マキジャク)、わずかな土地を尺地(シャクチ)、尺八寸の長さの竹製の縦笛を尺八(シャクハチ)といいます。
また、睪(エキ・タク)の省略形に用い、常用漢字では駅(エキ)、択(タク)、沢(タク)http://bit.ly/1EJiIfU のつくりになります。
尺(シャク)の『単語家族』には、釈・釋(シャク)があります。詳しくは『漢字の覚え方 尺』 をご覧下さい。
『若(ジャク)』ruòは、若い女性のしなやかな様子を表す象形文字です(藤堂)。神に仕える若い巫女(みこ)がエクスタシー状態になっている(白川)ともいわれています。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味はとても多く、『若(わか)い』、『若(も)し』、『若(ごと)し』、『それ』、『若(なんじ)』などがあります。
音読みは呉音が『ニャク』、漢音が『ジャク』、訓読みは『若(わか)い』、『若(も)し』です。老いと若いことを老若(ロウニャク)、自分を謙遜した言葉でまだ年が足りないことを若輩(ジャクハイ)、数量がそれほど多くない事を若干(ジャッカン)といいます。
若(ジャク)の『単語家族』には、惹(ジャク)、諾(ダク)、匿(トク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 若』をご覧下さい。
『樹(ジュ)』shùは、きちんと立っている樹木(ジュモク)を表す形声文字です。漢字の足し算では、木(樹木)+尌(たかつきを手でたてる・きちんとしている)=樹(きちんと立っている樹木。立派な樹)です。漢字の部首は『木・きへん』、意味は『きちんとした木』、『立派な木』、『立派な』、『しっかりとした』です。
音読みは呉音が『ズ・ジュ』、漢音が『シュ』です。訓読みは常用外の『樹(き)』があります。しっかりと立てることを樹立(ジュリツ)、樹を植えることを植樹(ショクジュ)、樹(しっかりとした木)と木(一般の木)で樹木(ジュモク)といいます。
非常に良い意味の漢字で『いつき』、『き』、『しげ』、『たつ』、『たつき』、『な』、『みき』、『むら』と名前に使われます。
樹(ジュ)の『漢字の覚え方 壴』をご覧下さい。
(チュウ・コ)の『単語家族』で、廚(チュウ)、鼓(コ)、喜(キ)、嘉(カ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『収(シュウ)』shōuは、を表す形声文字です。漢字の足し算では、丩(二本の糸を合わせる)+又(手の動作)=収(バラバラのものを一つに集める。取り押さえる。収める。おさめる)です。漢字の部首は『又・また』、意味は『取り入れる』、『取り押さえる』、『引き締まる』です。
音読みは呉音が『ス』、漢音が『シュウ』、訓読みは『収(おさ)める』です。他から収め入れて自分の物にすることを収入(シュウニュウ)、取り押さえて牢に入れることを収監(シュウカン)、引き締まって縮むことを収縮(シュウシュク)といいます。
漢字で『おさめる』は収、納、治、修と書き、それぞれニュアンスが違います。
収(おさ)める 取り集めて収(おさ)め入れる 収 http://bit.ly/1qdrGTb
納(おさ)める 税として納(おさ) 納 http://bit.ly/1rL8dSP
治(おさ)める 河川の氾濫を治(おさ)める。治(なお)す 治 http://bit.ly/1szLDmw
修(おさ)める 形良くする。学問を身につける。直す。 修 http://bit.ly/2cyVQPw
収(シュウ)は丩(キュウ)の『単語家族』で、糾(キュウ)、叫(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 丩』をご覧下さい。
『宗(シュウ)』zōngは、先祖を祭る廟(みたまや)を表す会意文字です。漢字の足し算では、宀(屋根・家)+示(祭壇)=宗(先祖を祭る廟。一族の集団。信仰の団体)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『先祖を祭る廟』、『一族の集団』、『信仰の団体』、『中心になるもの』です。
音読みは呉音が『ソ』、漢音が『ソウ』、慣用音が『シュウ』です。訓読みは常用外の『宗(むね)』があります。一族の先祖を祭る廟(みたまや)を宗廟(ソウビョウ)、中心になる考えを宗旨(ソウシ)、神仏を信じることにより救いを得ようとする教えを宗教(シュウキョウ)といいます。
大変縁起の良い漢字で、『かず』、『たかし』、『とき』、『とし』、『のり』、『ひろ』、『むね』、『もと』と人名・地名に使われます。
宗(シュウ)は示(シ)に従った漢字です。示(シ)の『単語家族』には、視(シ)、祇(ギ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 示』をご覧下さい。
『就(シュウ)』jiùは、京(高い建物、記念塔)に尤(ユウ・生贄の犬)を合わせた会意文字です。漢字の足し算では、京(建物)+尤(ユウ・生贄の犬)=就(建築物に犬を犠牲にして埋める。つく。完成する)です。漢字の部首は『尢・まげあし』、意味は『就(つ)く』、『完成する』です。
古代中国では、儀礼の建築物には犬を犠牲にして埋め、邪気(ジャキ)を払っていました。建築物はこの犬牲をもって完成するわけです。
犬は『嗅ぐ(かぐ)』、『臭い(におい)』(鼻+犬)の漢字からわかるように嗅覚(キュウカク)の鋭い動物です。古代中国では、地中に侵入し、風の中を飛来する邪霊(ジャレイ)・蠱(コ)に対して犬の力を頼って街を守ってもらっていたのです。
地中から大事な物・人を守るといのは、我国にも数多く実例があります。剣豪で有名な宮本武蔵は、死後も細川藩主を守りたいとの希望で、甲冑(カッチュウ)をつけたまま街道沿いに埋葬されています。
音読みは漢音の『シュウ』が普通で、呉音の『ジュ』はあまり使いません。訓読みは『就く(つく)』です。職業に就くことを就職(シュウショク)、眠りに付くことを就寝(シュウシン)、成し遂げることを成就(ジョウジュ)といいます。
就(シュウ))の『単語家族』には、蹴(シュウ)、鷲(ショウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 就』をご覧下さい。
『衆(シュウ)』zhòngは、多くの人々を表す漢字です。漢字の足し算では、血(罒の変形・日の変形)+乑(人人人・三人の人)=衆(太陽の下に三人の人が集まる。多くの人々)です。漢字の部首は『血・ち』、漢字の意味は『多くの人々』、『人数の多い』です。
音読みは呉音が『シュ・ス』、漢音が『シュウ』です。スポーツなどの催し物を見物しに集まった多くの人々を観衆(カンシュウ)、社会一般の人々を公衆(コウシュウ)、多人数で評議・相談することを衆議(シュウギ)、心根(こころね)の卑(いや)しい人を下衆(ゲス)といいます。
United States of America の訳語はアメリカ合衆国ではなくアメリカ合州国のような気がしますが、どうでしょう?
良い意味の漢字で『とも』、『ひろ』、『もり』、『もろ』と名前に使われます。
衆(シュウ)は乑(シュウ)の『単語家族』で、聚(シュウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 乑』をご覧ください。
『從・従(ジュウ)』cóngは、人が従(したが)う様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、彳(行く)+从(たてに並ぶ)+止(足)=從(前の人に後ろの人が並んで行く。従う)です。部首は『彳・ぎょうにんべん』、意味は『従(したが)う』です。
漢字の字体ですが、『從』が本字ですが常用漢字に登録されている『従』を使って下さい。
音読みは呉音の『ジュウ・ジュ』が普通で、漢音の『ショウ』もあります。訓読みは『従(したが)う』です。従順(ジュウジュン)、従来(ジュウライ)、主従(シュジュウ)、追従(ツイジュウ・ツイショウ)、従容(ショウヨウ)の従です。
中国では基本漢字の从(ジュウ)cóngを使います。
『縱・縦(ジュウ)』zòngは、真っ直ぐ伸びた縦(たて)の線を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸+從(たてに並ぶ人)=縦(真っ直ぐ伸びた縦。縦。)です。部首は『糸』、意味は『縦(たて)』、『ほしいままにする』です。縦の意味を強調するため糸が添えられています。『どこまでも伸びる縦』から
『ほしいまま』の意味が生まれました。
漢字の字体ですが、『縱』が本字ですが常用漢字に登録されている『縦』を使って下さい。
音読みは慣用音の『ジュウ』が普通で、呉音の『シュ』、漢音の『ショウ』は使いません。訓読みは『縦(たて)』です。縦隊(ジュウタイ)、縦貫(ジュウカン)、縦横(ジュウオウ・たてよこ)、操縦(ソウジュウ)、放縦(ホウショウ・ホウジュウ)の縦です。
縦(たて)の対(つい)になる横(よこ)ですが、炎が横に広がる様子を表す漢字で、黄(オウ・コウ)、廣(コウ)の仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 黄・広』をご覧ください。
従(ジュウ)、縦(ジュウ)は从(ジュウ)の『単語家族』。詳しくは『漢字の覚え方 从』をご覧下さい。
『縮(シュク)』sù、suōは、紐(ひも)で縛(しば)って小さくする様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、糸(ひも)+宿(狭い宿)=縮(紐で縛って小さくするです。縮ませる)です。部首は『糸・いとへん』、意味は『縮(ちぢ)む』、『縮(ちぢ)める』、『小さくする』です。
音読みは呉音が『スク』、漢音が『シュク』、訓読みは『縮(ちぢ)む』、『縮(ちぢ)める』です。縮めて小さくすることを縮小(シュクショウ)、伸び縮みを伸縮(シンシュク)、時間などを短く縮ませること短縮(タンシュク)といいます。
反対の伸(の)ばす、『申(シン)』の単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 申』をご覧ください。
縮(シュク)は宿(シュク)の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 宿』をご覧ください。
『熟(ジュク)』shúは、良く煮込んだ様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、孰(門のある城壁)+灬(火力)=熟(城壁を突き固める。転じて充分に。煮える。柔らかくなる)です。漢字の部首は『灬・れっか』、意味は『煮える』、『柔らかくなる』、『熟(う)れる』、『慣れる』、『条件が整う』、『充分に』です。
羊を加えている字体もあり羊肉を煮込んだ様子を表すといわれています。
音読みは呉音が『ジュク・ズク』・漢音が『シュク』、訓読みは『熟(う)れる』です。充分に深く考えることを熟考(ジュッコウ)、物事が充分に出来上がることを熟成(ジュクセイ)、充分に良く慣れて上手なことを熟練(ジュクレン)といいます。
熟(ジュク)は孰(ジュク)の『単語家族』で、塾(ジュク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 孰』をご覧ください。
『純(ジュン)』chúnは、織物(おりもの)の端を(はし)表す形声文字です。漢字の足し算では、糸(織物)+屯(こもる・集まる)=純(織物の端の混じり合ってない部分。純)です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『色の混じらない』です。
音読みは呉音が『ジュン』、漢音が『シュン』です。混じりけがないことを純粋(ジュンスイ)、飾り気や穢(けが)れがないことを純真(ジュンシン)、真っ白なことを純白(ジュンパク)といいます。
とても良い意味の漢字で『あつ』、『あつし』、『あや』、『いたる』、『いと』、『きよし』、『すなお』、『すみ』、『つな』、『とう』、『まこと』、『よし』と名前に使われます。
純(ジュン)は屯(トン)の『単語家族』で、鈍(ドン)、沌(トン)、春(シュン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方
屯』をご覧ください。
『処(ショ)』chǔは、人がとどまる様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、夊(足)+几(腰かけ)=処(足を止めて人がとどまる。居る場所。ところ)です。漢字の部首は『几・つくえ』、漢字の意味は『いる場所』、『居る』、『決定する』、『始末する』です。
虎を加えた處がありますが、常用漢字体の処を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『ショ』、訓読みは常用外に『処(ところ)』があります。家にいて嫁に行かない女性・男女の関係のない女性を処女(ショジョ)、あるべき所に落ち着かせることを処理(ショリ)、仕置きをすること・刑を実行することを処刑(ショケイ)といいます。
良い意味の漢字で『おき』、『おく』、『さだむ』、『すみ』、『ところ』、『ふさ』、『やす』と名前に使われます。
処(ショ)の『単語家族』には、拠(キョ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 処』 をご覧ください。
『署(ショ)』shǔは、多くの人が正しく配置されている様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、罒(網・網目状に規則)+者(集まる)=署(多くの人が正しく配置されている役所)です。漢字の部首は『罒・あみがしら』、漢字の意味は『正しく配置されている役所』、『多く集まる』、『公に書きしるす』です。
音読みは呉音が『ジョ』、漢音が『ショ』です。警察を司る役所を警察署(ケイサツショ)、消防を司る役所は消防署(ショウボウショ)、公に名前をしるすことを署名(ショメイ)といいます。我が国では、警察署(ケイサツショ)、消防署(ショウボウショ)に署が使われます。
所(ショ・木を製材する場所、場所)http://bit.ly/1EToW0A よりも組織的に配置された意味が強いです。
署(ショ)は者(シャ)の『単語家族』で、諸(ショ)、曙(ショ)、薯(ショ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方
者』をご覧ください。
『諸(ショ)』zhūは、いろいろな意見が集まる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、言(言葉・人)+者(集まる)=諸(いろいろな意見・人が集まる。諸。もろもろ)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『諸(もろもろ)』、『さまざま』、『集まる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ショ』、訓読みは常用外に『諸(もろもろ)』、『諸(もろ)』があります。兄たち・一般男性の敬称を諸兄(ショケイ)、多くの人に対する敬称を諸君(ショクン)、多くのものを諸子(ショシ)、中国古代の戦国時代における多くの学派を諸子百家(ショシヒャッカ)、さまざまなことを諸般(ショハン)といいます。
縁起の良い漢字で『つら』、『もり』、『もろ』と名前に使われます。
諸(ショ)は者(シャ)の『単語家族』で、儲(ショ)、緒(ショ)、著(チョ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方
者』をご覧ください。
『除(ジョ)』chúは、道路の穢(けが)れを除く様子を表す漢字です。漢字の足し算では阝(こざとへん・土、道)+余(取り除く)=除(道路の穢れを取り除く)です。漢字の部首は『阝・こざとへん』、意味は『取り除く』、『古いものを新しくする』です。
『余』が余(あま)るの意味に使われるので、阝(こざとへん・土、道)を足した『除』を除(のぞ)くの意味で使います。
音読みは呉音が『ジョ』、漢音が『チョ』、慣用音が『ジ』です。訓読みは『除(のぞ)く』です。『取り除く』の意味で、除去(ジョキョ)、除籍(ジョセキ)、解除(カイジョ)、削除(サクジョ)などの単語があります。また、『古いものを新しくする』の意味で、除夜(ジョヤ)、除目(ジモク)、除官(ジョカン)などの熟語があります。除夜(ジョヤ)とは古い年を除いて、新しい年を迎える夜のことです。
除(ジョ)は余(ヨ)の『単語家族』で、徐(ジョ)、途(ト)、叙(ジョ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方
余』をご覧ください。
『将・將(ショウ)』jiāngは、将軍を表す漢字です。漢字の足し算では、爿(供物の台)+月(肉)+寸(手)=将・將(祭肉を手に持った将軍)です。漢字の『将』成り立についてです。進軍時に将軍は、祭肉を携えて行動しました。『将』はその様子を表しているといわれています。漢字の部首は『寸・すん』、意味は『ひきいる』、『ゆく』、『持つ』、『携える』、『まさに』、『おこなう』、『助ける』、『正しい』です。
また、一説では『将』jiāngは長い指(爿+月+寸)でリダーシップを表しているといわれています。将指(ショウシ)は手では中指、足では親指のことです。字体は常用漢字に登録されている『将』を使って下さい。
音読みは呉音が『ソウ』、漢音が『ショウ』です。訓読みは『将(まさ)に』、『将(ひき)いて』です。将軍(ショウグン)、将校(ショウコウ)、主将(シュショウ)、将来(ショウライ)の将です。
非常に良い意味の漢字で、『すけ』、『すすむ』、『たすく』、『ただし』、『たもつ』、『のぶ』、『はた』、『ひとし』、『まさ』、『もち』、『ゆき』と多くの名前に使われます。
将(ショウ)は爿(ショウ)の『単語家族』で、奨(ショウ)、醤(ショウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 爿』をご覧ください。
『傷(ショウ)』shāngです。『昜』は太陽の昇る良い感じを表します。この昜(太陽の光)をさえぎるものが傷(ショウ)です。足し算で表わすならば、イ(人)+ノ+一+昜=傷(太陽の光をさえぎられた人。光・希望を遮(さえぎ)られて傷ついた人)です。漢字の部首は『イ・にんべん』です。
漢字の意味は『傷ついた人』、『傷』、『辛く思う』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』、訓読みは『傷(きず)』、『傷(いた)む』、『傷(いた)める』です。凍傷(トウショウ)、中傷(チュウショウ)、損傷(ソンショウ)、傷害(ショウガイ)、傷心(ショウシン)、切り傷(きりきず)の傷です。
漢字の世界では『きず』について、ニュアンスの違いがあります。
傷(きず)傷ついた人。心の傷も表します。 傷(きず)http://bit.ly/1rjHdtB
創(きず)刀でつけられた切り創。 創(きず)http://bit.ly/1LEcVib
瑕(きず)宝石につけた表面の瑕。欠点。 瑕(きず)http://bit.ly/1JaXWcB
疵(きず)ギザギザした疵。欠点。 疵(きず) http://bit.ly/1sPxUXG
傷の元の意味は精神的なダメージのようです。ある本では創(ソウ 刀きず)に同じとあり、切り傷(きず)の意味は後から追加されたようです。
傷(ショウ)は昜(ヨウ)の『単語家族』で、揚(ヨウ)、腸(チョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方
昜』をご覧ください。
『障(ショウ)』zhàngは、まともにさえぎる様子を表す漢字です。漢字の足し算では、阝(こざとへん・土)+章(あきらか)=障(土を盛ってあきらかにさえぎる。障る)です。部首は『阝・こざとへん』、意味は『さえぎる』、『さわる』です。良い意味にも良くない意味にも使います。
阝・こざとへんの漢字は防、阻、障とふせぐ、さえぎるの意味に使われる事があります。
音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』です。訓読みは『障(さわ)る』。悪口を投げかけて人を傷つけることを中傷(チュウショウ)、まともに防ぐことを保障(ホショウ)、さえぎられて障りになることを障害(ショウガイ)・故障(コショウ)、部屋をさえぎるものを障子(ショウジ)といいます。
守るの意味では保障(ホショウ)、証人・請け負うの意味では保証(ホショウ)、償う(つぐなう)意味では補償(ホショウ)という熟語を使います。
障(ショウ)は章(ショウ)の『単語家族』で、彰(ショウ)、商(ショウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 章』をご覧ください。
『城(ジョウ)』chéngは、城(しろ)を造り上げる様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、土(土木作業)+成(成す)=城(城を造り上げる。城。しろ)です。漢字の部首は『土・つちへん』、意味は『城(しろ)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『セイ』、訓読みは『城(しろ)』です。城のもとにある町を城下町(ジョウカマチ)、城を囲む壁を城壁(ジョウヘキ)、城に籠ることを籠城(ロウジョウ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『き』、『くに』、『さね』、『しげ』、『しろ』、『なり』、『むら』と広く名前に使われます。
城(ジョウ)は成(セイ)の『単語家族』で、誠(セイ)、盛(ジョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 成』をご覧ください。
『蒸(ジョウ)』zhēngは、蒸(む)す様子を表す文字です。漢字の足し算では、艹(上にのびる植物)+丞(両手で器をかざす)+灬(火)=蒸(火の上に器をかざして蓋をして蒸す。むす)です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『蒸(む)す』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』、唐宋音が『セイ』、慣用音が『ジョウ』、訓読みが『蒸(む)す』です。水が蒸発してできた無色透明の気体を蒸気(ジョウキ)、液体がその表面から気化すること・人が突然いなくなることを蒸発(ジョウハツ)、湯気で蒸すための竹製の籠(かご)を蒸籠(セイロウ)といいます。
蒸(ジョウ)は丞(ジョウ)の『単語家族』で、承(ショウ)、丞(ジョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 丞』をご覧ください。
『針(シン)』zhēnは、針(はり)を表す形声文字です。漢字の足し算では、金(金属)+十(十字状の)=針(金属製の先のとがった針。はり)です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『針(はり)』、『先を示す』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シン』です。古代中国で『十』の発音はzip『ジフ』であったと考えられています。このpがmに変化したした形が呉音・漢音の『シン』です。訓読みは『針(はり)』です。羅針盤の示す方向を針路(シンロ)、漢方の針と灸を針灸・鍼灸(シンキュウ)、磁石の針の示す方向・物事の頼りになるものを指針(シシン)といいます。
針(はり)は鍼(はり)とも書きます。鍼(はり)は咸の仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 咸』をご覧ください。
針(シン)は十(ジュウ)の『単語家族』で、什(ジュウ)、汁(ジュウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 十』をご覧ください。
『仁(ジン)』rénは、二人の人間が信頼し合う様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、イ(人間)+二(ふたつ)=仁(二人の人間が信頼し合う。隣人愛。思いやり)です漢字の部首は『イ・にんげん』、漢字の意味は『隣人愛』、『思いやり』、『柔らかい』です。
音読みは呉音が『ニ・ニン』・漢音が『ジン』です。人を慈しむ徳を仁徳(ニントク・ジントク)、仏法を守る二神を仁王(ニオウ)、人をあわれみ慈しむことを仁愛(ジンアイ)、杏(あんず)の柔らかい種の部分を杏仁(キョウニン・アンニン)といいます。
仁(ジン)は二(ニ)の『単語家族』で、弐(ニ)などの仲間の漢字があります。詳しくは 『漢字の覚え方 二』をご覧ください。
『垂(スイ)』chuíは、稲穂(いなほ)が垂(た)れる様子を表す会意文字です。漢字の足し算で尾辺rならば、|壬|(稲穂が垂れる)+土(つち)=垂(稲穂が土に届くように垂れる。垂れる。重くなる)です。漢字の部首は『土・つち』、漢字の意味は『垂(た)れる』です。
音読みは、呉音が『ズイ』、漢音が『スイ』、訓読みは『垂(た)れる』です。まっすぐ垂れ下がることを垂直(スイチョク)、襟(えり)を肩から垂(た)らす武士の礼服を直垂(ひたたれ)といいます。
非常に御目出度い漢字で『しげる』、『たり』、『たる』、『たれ』と名前に使われます。
垂(スイ)の『単語家族』には、睡(スイ)、錘(スイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 垂』をご覧ください。
『推(スイ)』tuīは、重みをかけて推(お)す様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌(手の動作)+隹(とり・重い)=推(重みをかけて推す。おす)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『推(お)す』、『推し進める』、『推し量る・推し測る』です。鳥を見て占いをする事象から成る漢字(白川)ともいわれています。
音読みは呉音・漢音が『スイ』、訓読みは『推(お)す』です。推し進(すす)めることを推進(スイシン)、推し測(はか)ることを推測(スイソク)、物事が次々に移り進むことを推移(スイイ)といいます。
推(スイ)は隹(スイ)の『単語家族』で、錐(スイ)、椎(ツイ)、堆(タイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 隹』 をご覧ください。
『寸(スン)』cùnは、手の指の幅を表す会意文字です。漢字の足し算では、ヨ(右手)+一(一本)=寸(手の指一本分の幅。長さの単位。非常に短い間)です。漢字の部首は『寸・すん』、意味は『長さの単位・約3cm』、『非常に短い間』です。
音読みは呉音が『スン』、漢音が『ソン』です。謙遜していうわずかな志・贈り物を寸志(スンシ)、少しの暇を寸暇(スンカ)といいます。
寸(スン)の『単語家族』には、村(ソン)、忖(ソン)、尋(ジン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 寸』をご覧ください。
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本を、下記の本をお読みください。
篆文(テンブン)を中心にした体系的な記述・韻の説明は、諸橋轍次先生の『新漢和辞典』、藤堂明保先生の『漢字源』・『漢字の過去と未来』を参考にさせて頂いてます。
甲骨文字・金文のもつ呪術的な解釈には白川静先生の『字通』・『字統』・『漢字』・『中国古代の文化』を参考にさせて頂いています。
漢字の伝来や常用漢字の解釈については、大島正二先生の『漢字伝来』、高島俊男先生の『漢字と日本人』を参考にさせて頂いています。
日本語については、金田一京助先生の『日本語の変遷』、大野晋先生の『日本語の文法を考える』、新村出先生の『広辞苑』を参考にさせて頂いております。
最近の研究については、落合淳思先生の『漢字の成り立ち』を参考にさせて頂いております。
医学用語については伊藤正男・井村裕夫・高久史麿先生の『医学大辞典』を参考にさせて頂いております。
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