小学校6年生で習う漢字①(異~困)
小学校6年生で習う漢字を説明します。
『小学校6年生で習う漢字①』(異~困)と
『小学校6年生で習う漢字②』(砂~寸)、
『小学校6年生で習う漢字③』(聖~脳)、
『小学校6年生で習う漢字④』(派~論)に分割しています。ご了承下さい。
漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢(建光元年・西暦121年)の許慎(キョシン)の「説文解字(セツモンカイジ)」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。
①.物の形を象った(かたどった)『象形文字』(ショウケイモジ)、②.象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』(シジモジ)、③.文字を組み合わせて造った『会意文字』(カイイモジ)、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声文字』(ケイセイモジ)の四種です。『会意文字』と『形声文字』は漢字の足し算で表す事が出来ます。六年生の漢字については一覧にしてありますので象形・指事・会意・形声 六年生も御覧ください。
漢字の成り立ちについての解釈は四通りです。どの時代の漢字に重点を置くか、また「説文解字(セツモンカイジ)」にどれほど敬意を払うかにより、解釈が違う場合が稀(まれ)にあります。ある辞書では『見』を象形文字、別の辞書では目+儿の会意文字としています。漢字の解釈については諸説あることを御承知下さい。
『異(イ)』yì は、別にもう一つの物を持つ様子を表す会意文字です(藤堂)。漢字の足し算覚えるならば、田(頭)+共(両手)=異(もう一本の手をそえて物を持つ。転じて異なる)です。漢字の部首は『田・た』、漢字の意味は『異(こと)なる』、『違う』、『怪しい』、『他と違ってすぐれた』、『分ける』です。
『説文解字』には分(わ)けるとあります。
音読みは呉音・漢音ともに『イ』、訓読みは『異(こと)なる』です。違った意味を異義(イギ)、違った意見を異議(イギ)・異論(イロン)、その日以外を異日(イジツ)、他と違って非常にすぐれていることを異色(イショク)といいます。
『すぐれた』の意味に使い、『こと』、『より』など名前にも使われます。
異(イ)の漢字の仲間には翼(ヨク)があります。詳しくは『漢字の覚え方 異』をご覧ください。
『胃(イ)』wèiは、胃を表す会意文字です。漢字の足し算では、田(米の入った胃袋)+月(身体)=胃(食べ物の入る袋。胃袋。い)です。漢字の部首は『月・にくづき』、漢字の意味は『胃袋(イぶくろ)』、『円(まる)い』です。
田はこの場合田畑ではなく、米の入った口(袋)を表しています。
音読みは呉音・漢音ともに『イ』です。胃と腸を胃腸(イチョウ)、胃の炎症を胃炎(イエン)といいます。
『胃(イ)』は旧小学校4年生で習う漢字、新小学校6年生で習う漢字 です。『漢字の覚え方 胃』 をご覧ください。
『遺(ユイ・イ)』yí、weiは、とりのこしたものを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶(行く)+貴(残された)=遺 (取り残して行く。とりのこされた。遺す。のこす)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は、『遺(のこ)す』です。
中国では遗の字体が使われています。
音読みは呉音が『ユイ』、漢音が『イ』、訓読みは『遺(のこ)す』です。臨終に言い遺す言葉を遺言(ユイゴン)、置き忘れること・忘れることを遺失(イシツ)、昔の事件のあった場所や建物を遺跡(イセキ)といいます。
白川は人に遺贈(イゾウ)することが本義であるとしています。
遺(ユイ・イ)は貴(キ)と同じ漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 貴』をご覧ください。
『域(イキ)』yùは、武器を持って守る一定の区域・土地を表わす会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、土(土地)+或 (武器を持って守る一定の区域・土地)=域 (武器を持って守る一定の区域・土地。区画。境)です。漢字の部首は『土・つちへん』、意味は『区域』、『境』、『区画』です。
音読みは呉音が『イキ』、漢音が『ヨク』です。くぎられた一定範囲の場所を区域(クイキ)、一定範囲の土地を地域(チイキ)、神聖な地域・触れてならない問題を聖域(セイイキ)といいます。
非常に大事な漢字で『くに』、『むら』と人名に使われます。
域 (イキ)は或(ワク)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 或』をご覧ください。
『宇(ウ)』yǔは、大きな屋根の家や宇宙の様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、宀(うかんむり・屋根)+于 (長く、曲がった)=宇(長く曲がった屋根。星が張り付いている宇宙)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『大きな屋根』、『宇宙』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ウ』です。宇宙(ウチュウ)、廟宇(ビョウウ)の宇です。
苗字では宇野さん、宇多田さんがあります。
宇宙の蓋を宇(ウ)といい、空間の広がりを示し、宇宙の軸を宙(チュウ)といい、時間の広がりを示します。合わせて宇宙(ウチュウ)です。『宙』については『漢字の覚え方 由』 をご覧ください。
宇(ウ)は于(ウ)と同じ漢字の仲間で、他に迂(ウ)、紆(ウ)、芋(ウ)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 于・夸』をご覧ください。
『映(エイ)』yìngは、光が映る様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、日(光)+央(真ん中)=映(真ん中の光が映る。映える)です。漢字の部首は『日・ひへん』、意味は『映(うつ)る』、『映(は)える』です。
写真の『写る(うつる)』xieは、他の場所に移して書くの意味があります。写生(シャセイ)、写真(シャシン)、写経(シャキョウ)など移動を伴う場合に使います。
音読みは漢音が『エイ』で、呉音の『ヨウ』は使いません。訓読みは『映(うつ)る』、『映(は)える』です。映画(エイガ)、反映(ハンエイ)、映像(エイゾウ)の映です。良い意味の漢字なので、『あきら』、『てる』、『みつ』と名前に使われます。
映(エイ)は央(オウ)の漢字の仲間で、英(エイ)、瑛(エイ)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 央』をご覧ください。
『延(エン)』yánは、足を延(の)ばす様子を表す会意文字です(藤堂)。漢字の足し算で覚えるならば、廴(ひきのばす)+ノ(のばす)+止(足)=延(長くひきのばして進む。延ばす。のばす)です。漢字の部首は『廴・えんにょう』、意味は『延(の)ばす』です。
乏と廴に従い、死者を弔う場所・墓道を表す漢字であるとする説(白川)もあります。
止の部分は三画に書きますが、常用漢字体では四画に書いて下さい。
音読みは呉音・漢音とも『エン』、訓読みは『延(の)ばす』です。時間や距離などをのばすこと延伸(エンシン)、長さや期間などを長く延ばすことを延長(エンチョウ)、火事が火元から他へ燃えうつることを延焼(エンショウ)、支払いがのびて滞るこをを延滞(エンタイ)といいます。
非常に縁起の良い漢字で『すけ』、『すすむ』、『ただし』、『とお』、『なが』、『のぶ』、『のぶる』と名前に使われます。
延(エン)の同じ漢字の仲間には、筵 (エン・むしろ)、誕(タン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 延』をご覧ください。
『沿(エン)』yánは、川や道路に沿う様子を示す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+㕣(川・水路)=沿(川に沿う。沿う)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『沿う(そう)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『エン』です。訓読みは『沿(そ)う』です。岸に沿うで沿岸(エンガン)、海に沿うのを沿海(エンカイ)、沿(そ)うと革(あらた)めるで遷り変りを沿革(エンカク)、川に沿うで川沿い(かわぞい)です。
㕣(エン)は㕣(エン)と同じ漢字の仲間で、鉛(エイ)、船(セン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 㕣』をご覧ください。
『我(ガ)』wǒは、自分を指し示す象形文字です。元々はギザギザのついた形の良い武器・刃物(戈・ほこ)の事を示します(藤堂)。自分を示す『ガ』を我(ガ)の音を借りて表した仮借(カシャ)と呼ばれる漢字の用法です。
漢字の部首は『戈・ほこづくり』、意味は『我(われ)』、『形の良い』、『折り目正しい』です。一人称のわたしの意味に使われる事が多く、『折り目正しい』の意味では義を使います。
音読みは呉音・漢音ともに『ガ』、訓読みは『われ』、『わ』です。自己意識から起こす慢心・忍耐することを我慢(ガマン)、自分・他者と区別する自分を自我(ジガ)、思いかけない災難・傷の重いものを怪我(ケガ)、私たちの硬い言い方を我々(われわれ)といいます。。
我(ガ)の漢字の仲間には、義(ギ)、議(ギ)、蛾(ガ)、餓(ガ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 我・義』をご覧ください。
『灰(ハイ)』huīは、燃えかすを表す会意文字です。手で燃えかすの灰を引き出す様(藤堂)といわれています。漢字の足し算で覚えるならば、E(手)+火 =灰(手で引き出す燃えかす。灰。はい)です。漢字の部首は『火・ひ』、漢字の意味は『燃えかす』、『灰(はい)』、『石灰』、『灰色』、『元気のない』です。
火の上は、厂(ガン・がけ)と同形ですが、E(手)や∃(手)と言われています。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『カイ』、唐宋音が『クイ』、訓読みが『灰(はい)』です。草木の灰を水に浸けた上澄みを灰汁(カイジュウ・あく)、ものが焼けてすっかり滅びることを灰燼(カイジン)、灰に水を入れたときに舞い上がる状態を灰神楽(はいかぐら)といいます。
灰(カイ)は火(カ)に従った漢字で、恢(カイ・ひろい)などの仲間の漢字があります。火(カ)については『漢字の覚え方 火』もご覧ください。
『拡・擴(カク)』kuòは、手で広げる様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手の動作)+廣(広い)=擴・拡(手で広げる。拡大する)です。部首は『扌・てへん』、意味は『拡大する』です。
『擴』が正字ですが、常用漢字に登録されている字体は省略形の『拡』です。『拡』の字を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『カク』です。訓読みは常用外の『拡(ひろ)がる』があります。全体的に広げて大きくすることを拡大(カクダイ)、部分的に広げて大きくすることを拡張(カクチョウ)、広がってバラバラに散らばることを拡散(カクサン)といいます。
拡(カク)は黄(コウ)と同じ漢字の仲間で、黄(コウ)、広(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 黄・広』をご覧ください。
『革(カク)』kuòは、動物のかわを剥(は)いで、全体をピンと張った様子を表す象形文字です。漢字の部首は『革・かわ』、意味は『革(かわ)』、『張り直す』、『革(あらた)める』です。
音読みは呉音が『キャク』、漢音が『カク』です。訓読みは『革(かわ)』、常用外に『革(あらた)める』があります。生の皮となめした革・動物の皮を加工したものを皮革(ヒカク)、従来の制度を改めて良いものにすることを改革(カイカク)、支配される側が支配者を倒し、権力を握ぎって社会の仕組みを変えること・物事が急激に発展することを革命(カクメイ)といいます。
革(カク)の漢字の仲間には、覇(ハ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 革』をご覧ください。
『閣(カク)』géという字は、扉をつかえさせる石の事で、転じて宝物の建物、高い建物、行政の最高機関を示すようになりました。漢字の足し算で覚えるならば、門(もん)+各 (つかえる)=閣(扉止めの石。閣)です。漢字の部首は『門・もんがまえ』です。
映像で示すと、矢印↑の部分です。
音読みは、呉音・漢音ともに『カク』、常用外の訓読みに『閣(たかどの)』があります。内閣制度(ナイカクセイド・行政機関)、天守閣(テンシュカク・高い建物)の閣です。
閣(カク)は各(カク)の『単語家族』で、各(カク)、客(カク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 各』をご覧ください。
『割(カツ)』gēは、進んでくるものを止める様子表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、害(進んでくるものを止める)+刂(刀)=割(進んでくるものを刀で止める。転じて二つに割る)です。漢字の部首は『刂・りっとう』、意味は『割(わ)る』、『割(さ)く』、『取り去る』、『割り算』、『1/10』です。
音読みは呉音が『カチ』、漢音が『カツ』、訓読みは『割(わ)る』、『割(さ)く』です。惜((お)しいものを取り去ることを割愛(カツアイ)、実力者が土地を分け合ってたてこもることを割拠(カッキョ)、いくつかに分けることを分割(ブンカツ)といいます。
割(カツ)は害(ガイ)の『単語家族』で、轄(カツ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 害』 をご覧ください。
『株(シュ)』zhūは、切り株を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(き)+朱(切り株の赤い部分)=株(切り株の赤い部分。切り株)です。漢字の部首は『木・き』、漢字の意味は『切り株』、『草木を植える単位』、『得意』、『身分・評価』、『株式』です。
音読みは呉音・漢音が『チュウ』、漢音が『シュ』、訓読みが『株(かぶ)』、『株(くいぜ)』です。我が国では一定の出資金を募る制度を株式(かぶシキ)、親分(おやブン)相等の身分を親分株(おやブンかぶ)、切り株(かぶ)を守ること・進歩がないことを守株(シュシュ)といいます。
古い習慣に頼りにして、進歩がないことを守株(シュシュ)といいます。その由来です。
昔、中国の宋(ソウ)の国の農夫が、偶々(たまたま)、切り株(かぶ)に当たって死んだ兎(うさぎ)を拾った。それから農夫は田を耕すことをを止めて、切り株の傍(そば)で、次の兎が来るのを待ったが、兎は来るはずもなく、国中の笑い者になってしまった。
良い意味の漢字で『もと』、『より』と名前に使われます。
株(シュ)は朱(シュ)の漢字の仲間で、珠(シュ)、侏(シュ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 朱』をご覧ください。
『干(カン)』gānは、棒や盾を表す象形文字(ショウケイモジ)です。漢字の意味は、『太い棒』、『せめる』、『まもる』、『かかわる』で、『干す』の意味があります。古い字形である篆文(テンブン)も一緒に載せておきます。漢字の部首は『干・かん・ほす』です。
『干(カン)』gānにはもともと干す(ほす)の意味はありません。『乾(カン・ほす)・(ケン)』gān・qiánと音が同じため、乾く(かわく)、乾す(ほす)の意味が加わるようになり、現在では干(ほ)すの意味で多く使われます。『乾(カン・ほす)』は吹流しの様子といわれており、そこから乾く(かわく)の意味になったといわれています。
音読みは呉音・漢音ともに『カン』です。訓読みは『干す(ほす)』、『ひ』です。干拓(カンタク)、干潮(カンチョウ)、干物(ひもの)、物干し(ものほし)、干渉(カンショウ)の干です。
干(カン)の漢字の仲間には幹(カン・みき)、汗(カン・あせ)、栞(カン・しおり)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 干』をご覧ください。
『巻(カン)』juǎn、juànは、広がったものを両手で巻く様子を表す会意文字です。漢字の足し算覚えるならば、釆(広がった)+共(両手)+㔾・己(人間の丸くなった形)=卷・巻(広がったものを両手で巻く。巻く。巻き物。書物を数えることば)です。漢字の意味は、『巻(ま)く』、『巻き物』、『書物を数えることば』です。常用漢字体では㔾→己に置き換えました。常用漢字体の巻を使って下さい。
音読みは呉音・漢音とも『ケン』、慣用音が『カン』、訓読みは『巻(ま)く』です。失敗したものが勢いを盛り返すことを巻土重来(ケンドチョウライ)、書物や巻き物の最初の部分を巻頭(カントウ)、海苔に酢飯を広げ巻き簾で巻いたお寿司を巻(ま)き寿司といいます。
巻(カン)の漢字の仲間には圏(ケン)、倦(ケン)、券(ケン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 巻』をご覧ください。
『看(カン)』kàn・kānは、手をかざして良く見る様子を表す会意文字です(藤堂)。漢字の足し算で覚えるならば、手(て)+目(見る)=看(手をかざして、良く見る。看る。みる)です。漢字の部首は『目・め』、漢字の意味は『看(み)る』、『見守る』です。
音読みは呉音、漢音ともに『カン』、訓読みは常用外の『看(み)る』があります。見守ること・刑務所で見張りをすることを看守(カンシュ)、病人の世話をすることを看病(カンビョウ)、店名などを人の目につくように揚げた板を看板(カンバン)といいます。
漢字の世界では『みる』について、ニュアンスの違いがあります。
見(み)る 目立つ。目に止まる。現れる。見(ケン)http://bit.ly/ZCbIEZ
視(み)る 真っ直ぐ視る。注意して視る。視(シ)http://bit.ly/1Vps6QQ
看(み)る 手をかざして看る。よくみる。看(カン)http://bit.ly/1Z5TbdM
診(み)る 細かいところまですみずみまでみる。診(シン)http://bit.ly/1ygC0wK
察(み)る すみずみまでみる。察(サツ)http://bit.ly/1zwPD77
覧(み)る 高い所から下を覧る。覧(ラン)http://bit.ly/25ApacQ
臨(のぞ)む 高い所から下を臨む。臨(リン)http://bit.ly/1WvVxot
監(み)る 上から下のものをみて、みさだめる。監(カン)http://bit.ly/25ApacQ
観(み)る 多くのものを比べて観る。批評する。観(カン)http://bit.ly/11kw1b1
眺(なが)める 右に左にと広く見渡す。眺(チョウ)http://bit.ly/1vDDgri
望(のぞ)む 遠くの見えにくいものをもとめみる。望(ボウ)http://bit.ly/1v84fty
看(カン)は手 (シュ・て)を使った漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 手』 をご覧ください。
『簡(カン)』jiǎnは、竹製の文書・書類(竹簡・チクカン)を表す形声文字です。紙のなかった頃は、竹の札に漢字を書いて、一枚ずつ綴(と)じていました。一枚ずつ間が空くので『簡』といいます。漢字の成り立ちは、竹(竹製)+間(あいだ)=簡(竹製の書類。竹簡。ちくかん)です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『竹簡(チクカン)』です。
音読みは呉音が『ケン』、漢音が『カン』です。竹製の文書を竹簡(チクカン)、一枚の簡を簡単(カンタン)と言い、複雑でないことを指します。簡単で質素な様を簡素(カンソ)、簡単ですっきりした様子を簡潔(カンケツ)と言います。
簡(カン)は間(カン)の漢字の仲間で、閑(カン)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 間』をご覧ください。
『危(キ)』wēiは、崖の下の危険な人を表す会意文字です。ク(人)+厄(崖下の人)=危(崖の下の危ない状態の人。危ない)です。漢字の部首は『卩・ふしづくり』、意味は『危ない』です。
音読みは呉音・漢音が『ギ』、慣用音が『キ』、訓読みは『危(あぶ)ない』、『危(あや)うい』です。危機(キキ)、危険(キケン)、危害(キガイ)、危急(キキュウ)の危です。
髪の毛一本のわずかな違いで、非常に危ない状態に陥(おちい)る様子を危機一髪(キキイッパツ)といいます。一発(イッパツ)ではありません。
危険が急ぐ(せまる)状態で生き残れるか亡びるかの重要な秋(とき・重要な時期)を危急存亡の秋(キキュウソンボウのとき)といいます。
『危ない』の反対の『安(やす)らか』は女性の人が家の中でくつろいでいる様子を表す漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 安』をご覧下さい。
危(キ)は厂(ガン)を使った漢字です。岩(ガン)、岸(ガン)などについては『漢字の覚え方 厂』をご覧ください。
『机(キ)』jīは、木製の脚つきの机(つくえ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(木製)+几(つくえ)=机(木製の机。つくえ)です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『机(つくえ)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『机(つくえ)』です。机の上を机上(キジョウ)、肘掛けのない折り畳み式の腰掛けを床机(ショウギ)、といいます。
中華人民共和国では機(キ)http://bit.ly/1KgGya7 の簡体字に机(キ)を使います。
机(キ)は几(キ)の『単語家族』で、飢(キ)、肌(キ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 几』をご覧ください。
『揮(キ)』huīは、軍隊を指揮する様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌(手の動作)+軍(軍隊)=揮(軍隊を指揮する。揮う。ふるう)。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『揮(ふる)う』。筆を使う、涙をはらうの意味にも使います。『筆を揮(ふる)う』、『涙を揮(ふる)う』です。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『キ』、訓読みは『揮(ふる)う』です。人間の集団を指導し動かすことを指揮(シキ)、能力を充分に揮うことを発揮(ハッキ)、涙をはらうことを揮涙(キルイ)といいます。
揮(キ)は軍(グン)の『単語家族』で、輝(キ)、暉(キ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 軍』をご覧ください。
『貴(キ)』guìは、両手で財貨を持つ様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、臾(両手で持つ)+貝(財貨)=貴(両手で財貨を持つ。貴(たっと)い。貴(とうと)い)です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『貴(たっと)い』、『貴(とうと)い』です。
音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『貴(たっと)い』、『貴(とうと)い』です。身分の高い人を貴公(キコウ)、とうとんで重んずること・大事にすること貴重(キチョウ)、相手の女性尊敬して呼ぶ言葉を貴女(キジョ・あなた)といいます。
貴い漢字で『あつ』、『あて』、『たか』、『たかし』、『たけ』、『むち』、『よし』と名前に使われます。
貴(キ)の『単語家族』には、簣(キ)、匱(キ)、遺(イ)、潰(カイ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 貴』をご覧ください。
『疑(ギ)』yíは、疑って立ち止まる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、矣(後ろを振り返る)+マ(子の省略)+疋(足を止める)=疑(子供に心をひかれ立ち止まる。思案にくれて進まない。転じて疑う)です。漢字の部首は『疋・ひき』、漢字の意味は『思案して進まない』、『疑(うたが)う)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ギ』、訓読みは『疑(うたが)う』です。疑わしいと思われる事柄を疑問(ギモン)、疑いまどって決めかねる気持ちを疑惑(ギワク)、見分けにくいほど良く似ていることを擬似(ギジ)といいます。
疑(ギ)の『単語家族』には、凝(ギョウ)、癡(チ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 疑』をご覧ください。
『吸(キュウ)』xīは、『口がとどく』で吸う動作を示した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口(くちへん・口)+及(とどく)=吸(口がとどく。口をつけて吸う)です。漢字の部首は『口』です。
音読みは『キュウ』、訓読みは『吸う(すう)』です。吸引(キュウイン)、吸収(キュウシュウ)、呼吸(コキュウ)、吸着(キュウチャク)、吸盤(キュウバン)の吸です。
吸(キュウ)は及(キュウ)の『単語家族』で、級(キュウ)、汲(キュウ)、急(キュウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 及・急』 をご覧ください。
『供(キョウ)』gòngは、差し出して供(そな)える様子を映像にした形声文字です。漢字の足し算では、亻(人のする動作)+共(差し出す)=供(差し出して供える。供える)です。漢字の部首は『亻・にんべん』、意味は『供える』、『差し出す』の他に『述べる』があります。
音読みは漢音の『キョウ』が普通で、呉音の『ク』があります。訓読みは『供(そな)える)』と子供の『とも・ども』です。供花(キョウカ)、供応(キョウオウ)、供述(キョウジュツ)、供物(クモツ)、子供(こども)の供です。
供(キョウ)は共(キョウ)の『単語家族』で、恭(キョウ)、洪(コウ)、拱(キョウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 共』をご覧ください。
『胸(キョウ)』xiōngは、胸の映像を漢字にしたものです。漢字の足し算では、月(にくづき・身体)+匈(むね)=胸(身体の中の胸。胸)です。部首は『月・にくづき』、意味は『むね』です。
音読みは漢音が『キョウ』、呉音が『ク』です。訓読みは『むね・むな』です。胸囲(キョウイ)、胸中(キョウチュウ)、度胸(ドキョウ)、胸元(むなもと)の胸です。
胸(キョウ)は凶(キョウ)の『単語家族』で、凶(キョウ)、匈(キョウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 凶』をご覧ください。
『郷(キョウ)』xiāngは、故郷(ふるさと)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、乡+皀(ごちそうに向かい合う人)+阝(邑・むら)=郷・鄕(ごちそうに向かい合う人の村。ふるさと)です。漢字の部首は『邑・おおざと』、漢字の意味は『村里』、『故郷(ふるさと)』、『土地』です。
音読みは呉音が『コウ』、漢音が『キョウ』、慣用音が『ゴウ』、訓読みは常用外の『郷(さと)』です。生まれ育った土地を故郷(コキョウ・ふるさと)、故郷に帰ることを帰郷(キキョウ)、年に近い村を近郷(キンゴウ)といいます。
縁起の良い漢字で『あき』、『あきら』、『さと』、『のり』と名前に使われます。
郷(キョウ)の『単語家族』には響(キョウ)、饗(キョウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 郷』をご覧ください。
『勤(キン)』qínは、勤(つと)める様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、堇(小さな・細かい)+力(ちから)=勤・勤(細かいところまで力を尽くす。勤める)です。漢字の部首は『力・ちから』、漢字の意味は『勤(つと)める』、『仏教での勤め』、『主君にお目にかかる』です。
正字は革を使った勤ですが、常用漢字体の勤を使って下さい。
音読みは呉音が『ゴン』、漢音が『キン』、訓読みは『勤(つと)める』で、常用外に『勤(いそ)しむ』があります。会社などでつとめて仕事をすることを勤務(キンム)、心身を労して仕事にはげむことを勤労(キンロウ)、仏教でのお勤めを勤行(ゴンギョウ)、出仕して主君にお目にかかることを参勤(サンキン)といいます。
勤(キン)は堇(キン)の『単語家族』で、僅(キン)、菫(キン)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 堇』をご覧ください。
『筋(キン)』jīnは、筋肉の繊維(センイ)を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹(繊維)+月(身体)+力(ちから)=筋(力を入れて引き締まった筋肉の繊維。筋。すじ)です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は『筋(すじ)』、『筋肉』、『筋道』、『大体のの内容』です。
音読みは呉音が『コン』、漢音が『キン』、訓読みが『筋(すじ)』です。筋肉と骨組を筋骨(キンコツ)、小説などのあらすじや前もって仕組んだ計略を筋書(すじがき)、筋肉の力を筋力(キンリョク)といいます。
筋(キン)は力(リョク)に従った漢字です。力(リョク)についたは『漢字の覚え方 力』をご覧ください。
『系(ケイ)』xìは、糸をつないだ様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、ノ(引き延ばす)+糸=系(糸を引きのばしてつなぐ。つながる)です。漢字の部首は『糸・いと』、意味は『繋(つな)ぐ』、『つながり』です。
音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『ケイ』です。つながった仲間・つながった配列を系列(ケイレツ)、先祖から子孫までの人名の系列を系図(ケイズ)、一定の法則に従ったつながりを系統(ケイトウ)といいます。
非常に縁起の良い漢字で『いと』、『つぎ』、『つら』、『とし』と人名に使われます。
系(ケイ)の『単語家族』には、係(ケイ)、孫(ソン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の成り立ち 系』をご覧ください。
『敬(ケイ)』jìngは、羊と人と口(サイ・祝器)に攵(ぼくづくり・動作を示す)で祈りの映像を漢字にしたものです。漢字の足し算では、苟(羊に祝器を奉げる)+攵(動作)=敬(信仰の対象の羊。敬う。つつしむ)です。漢字の部首は『攵・ぼくづくり』、意味は『うやまう』、『つつしむ』です。羊は古くから信仰の対象で、犠牲、占い(法律・裁判)の動物として重要でした。
音読みは漢音の『ケイ』が普通で、呉音の『キョウ』はあまり使う事がありません。訓読みは『敬(うやま)う』の他に、常用外の『敬(つつし)む』があります。
敬い愛することを敬愛(ケイアイ)、相手に対する敬意を表す言葉を敬語(ケイゴ)、敬意を表して礼をすることを敬礼(ケイレイ)、やさしく愛らしいことを愛敬(アイキョウ)、心からおそれ敬うことを畏敬(イケイ)、つつしんで申し上げることを敬具(ケイグ)といいます。
非常に良い意味の漢字です。『うやまう』、『つつしむ』の意味で『あき』、『あつ』、『いつ』、『うや』、『かた』、『さとし』、『たか』、『たかし』、『とし』、『のり』、『はや』、『ひろ』、『ひろし』、『ゆき』、『よし』と沢山あります。
呉音の『キョウ』は漢音では『ケイ』になることがあります。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音をご覧ください。
敬(ケイ)の『単語家族』には、警(ケイ)、驚(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 敬』をご覧ください。
『警(ケイ)』jǐngは、言葉で注意する様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、敬(ケイ・つつしむ)+言(ごんべん・言葉)=警(言葉で注意する。いましめる)です。部首は『言』、意味は『いましめる』です。
音読みは漢音の『ケイ』が普通で、呉音の『キョウ』はあまり使う事がありません。訓読みは常用外(日常使わない読み方)の『警(いまし)める』があります。警察(ケイサツ)、警官(ケイカン)、警護(ケイゴ)、警鐘(ケイショウ)、夜警(ヤケイ)の警です。
警(いまし)めるは戒(いまし)めるhttp://bit.ly/1I4lWDa とも書きます。
警(ケイ)は敬(ケイ)の『単語家族』で、驚(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 敬』をご覧ください。
『劇(ゲキ)』jùは、虎(とら)と豕(いのしし)が闘う劇的なシーンを表す形声文字です。漢字の足し算では、虎(とら)+豕(いのしし)+刂(刀・闘う)=劇(虎(とら)と豕(いのしし)がはげしく闘うシーン。劇・げき)です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は、『劇(はげ)しい』、『劇(ゲキ)』です。
『豦(キョ)』jùは虎(とら)と豕(いのしし)が闘う様子を表しています。
音読みは呉音が『ギャク』、漢音が『ケキ』、慣用音が『ゲキ』です。訓読みは常用外に『劇(はげ)しい』があります。命にかかわるような劇(はげ)しい薬を劇薬(ゲキヤク)、劇しく演ずる芝居の事を演劇(エンゲキ)、芝居を見るような強い印象を与える様子を劇的(ゲキテキ)といいます。
劇(はげ)しいは激(はげ)しいと書くのが普通です。
劇(ゲキ)は豦(キョ)の『単語家族』で、醵(キョ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 豦』をご覧ください。
『激(ゲキ)』jīは、水が岩に激しくぶつかる様を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+白(白いしぶき)+放(放つ)=激(水が岩に激しくぶつって白いしぶきを放つ様子。激しい。はげしい)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『激(はげ)しい』、『激(はげ)ます』、『速い』です。
音読みは呉音が『キャク』、漢音が『ケキ』、慣用音が『ゲキ』、訓読みが『激(はげ)しい』です。訓読みは『激(はげ)しい』です。激しい流れを激流(ゲキリュウ)、はげまして元気づけることを激励(ゲキレイ)、非常に速いことを急激(キュウゲキ)といいます。
ツンツンと戟(ホコ)で刺すこと・その反応を刺戟(シゲキ)といいます。一般には常用漢字を使って刺激(シゲキ)と書きます。激(はげ)しく刺したら死んでしまうと思いますがどうでしょう?
激(はげ)ますは励(はげ)ますと書くことが普通です。
激(ゲキ)は敫(ヤク)の『単語家族』で、檄(ゲキ)、邀(ゲキ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 敫』をご覧ください。
『穴(ケツ)』xuéは、居住のために掘った穴(あな)を表す会意文字です。漢字の足し算では、宀(家・住居)+八(左右に分ける)=穴(居住のために左右に土をどかして掘った穴。あな)です。漢字の部首は『穴・あな』、漢字の意味は『穴(あな)』、『欠け目』、『番狂わせ』、『尻(しり)』です。
音読みは呉音が『ゲチ』、漢音が『ケツ』、訓読みは『穴(あな)』です。狭い隙間(すきま)を穴隙(ケツゲキ)、競馬などの賭け事で番狂わせの大きなものを大穴(おおあな)、墓のために掘った穴を墓穴(ボケツ)といいます。
穴(ケツ)の『単語家族』には、泬(ケツ)などの仲間の漢字があります。詳しくは 『漢字の覚え方 穴』 をご覧ください。
『権(ケン・ゴン)』quánという漢字があります。権は木製の秤(はかり)のことです。漢字の足し算で覚えるならば、木(木製の秤)+雚(左右をそろえる)=權・権(はかりごと。力関係の調整をする)です。漢字の部首は『木・もくへん』、意味は『はかりごと』、『力関係を調整する』、『社会のバランスに左右する資格』です。
權は旧字体で、常用漢字体では権と書きます。常用漢字体の権を使って下さい。
音読みは漢音の『ケン』が普通で、呉音の『ゴン』と読むこともあります。権威(ケンイ)、権力(ケンリョク)、主権(シュケン)、権利(ケンリ)、権現(ゴンゲン)の権です。
権(ケン)は雚(カン)の漢字の仲間で、歓(カン)、勧(カン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 雚』をご覧ください。
『憲(ケン)』xiànは、 人間の言動を取り締まる掟(おきて)表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、害(止める)+罒(目)+心(心の動き)=憲(人間の目や心の動きを止める。人間の言動を取り締まる。法律)です。漢字の部首は『心・こころ』、意味は『人間の言動を取り締まる掟』、『法律』、『取り締まる』です。
音読みは呉音が『コン』、漢音が『ケン』です。国家の掟(おきて)を憲法(ケンポウ)、軍隊で取り締まり活動をする兵隊を憲兵(ケンペイ)、集団の明らかな掟(おきて)を憲章(ケンショウ)といいます。
非常に重要な漢字で『あきら』、『かず』、『さだ』、『ただし』、『ただす』、『とし』、『のり』と名前に使われます。
憲(ケン)は害(ガイ)を使った漢字です。害(ガイ)の『単語家族』には、割(カツ)、轄(カツ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 害』をご覧ください。
『絹(ケン)』juànは、蚕の繭(ケン・まゆ)からとる糸を表す形声文字です。漢字の足し算では、糸(いと)+肙(小虫・中空)=絹(小虫・蚕からとる糸。絹。きぬ)です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『絹(きぬ)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ケン』、訓読みは『絹(きぬ)』です。蚕の繭からとった糸を絹糸(ケンシ・きぬいと)、絹糸で織った織物を絹織物(きぬおりもの)といいます。
絹(ケン)は肙(ケン)の『単語家族』、狷(ケン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 肙』をご覧ください。
中国の読み方と日本語の音読みについて 日本語の音読みは、昔『漢字』を中国から輸入した時の中国の読み方(当時の日本人が聞き取った)です。
音読みの源(ゲン)、厳(ゲン)は現在の中国語のyuán(ヤン)yán(ユェン)とかなり違っていますね。源(ゲン)の古い中国音は『グァン』、厳(ゲン)の古い中国音は『ガン』に近い音だったと思われます。王朝の交替などもあって現在の中国語ではg音からy音に変化しまっています。日本語の音読みと現在の中国の発音は全く違いますが、もとは一緒です。
『源(ゲン)』yuánは、漢字の足し算では、氵(水)+原(いずみ)=源(崖から湧き出る泉。原泉。水源)です。部首は『氵・さんずい』、意味は『水源(スイゲン)』、『源(みなもと)』です。『原(ゲン)』が平原や野原を表すようにもなったので水源には氵を足した『源(ゲン)』が使われます。
音読みは呉音が『ゴン』、漢音が『ゲン』、慣用音が『ガン』、訓読みは『源(みなもと)』です。源流(ゲンリュウ)、根源(コンゲン)、財源(ザイゲン)、起源(キゲン)、源泉(ゲンセン)、源(みなもと)の源です。
『厳・嚴(ゲン)』yánは、厳(きび)しい様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、敢(あえて)+厂(険しい)+口×2=嚴・厳(敢えて口やかましく厳しくする。厳しい。厳か)です。部首は『ツ・つかんむり』です。ツは口口を省略した形です。漢字の意味は『厳しい(きびしい)』、『厳か(おごそか)』、『敬う』、『尊ぶ』、です。字体は常用漢字体の『厳』を使ってください。
音読みは呉音が『ゴン』、漢音が『ゲン』、訓読みは『厳しい(きびしい)』、『厳か(おごそか)』、常用外に『厳(いつく)し』があります。荘厳(ソウゴン)、威厳(イゲン)、厳格(ゲンカク)、厳重(ゲンジュウ)、厳戒(ゲンカイ)の厳です。
良い意味の漢字ですので、『いつ』、『いつき』、『いわ』、『かね』、『たか』、『つよ』、『つよし』、『ひろ』、『よし』と名前に使われます。
源(ゲン)、厳(ゲン)は厂(ガン)の『単語家族』で、岩(ガン)、岸(ガン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 厂』をご覧ください。
『己(コ・キ)』jǐは、『自ら始める』、『気づく』の意味で、糸巻きの始めを表す象形文字です。『自ら始める』から『己(おのれ)』、『自分自身』の意味に使われるようになりました。また、『始める』の意味は糸偏の紀(キ)に引き継がれるようになりました。漢字の部首は『己・おのれ』です。十干の六番目、『つちのと』にあてています。
音読みは呉音の『コ』が普通で、漢音の『キ』はあまり使いません。訓読みは『おのれ』、『つちのと』です。自己(ジコ)、克己(コッキ)の己です。
己(コ)の『単語家族』には、起(キ)、紀(キ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 己』をご覧ください。
『呼(コ)』hūは、声を出して呼ぶ様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、口(口に出す)+乎(下から上へ)=呼(身体から声を出して呼ぶ。呼ぶ)です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『呼(よ)ぶ』、『大声を出す』、『名づける』、『息を吐く』です。
音読みは呉音が『ク』、漢音が『コ』、訓読みが『呼(よ)ぶ』です。呼びかけに対して応(こた)えることを呼応(コオウ)、名をつけて呼ぶことを呼称(コショウ)、息を吸ったり吐いたりすることを呼吸(コキュウ)といいます。
非常に縁起の良い漢字で『うん』、『おと』、『こえ』、『よぶ』と名前に使われます。
呼(コ)は乎(コ)の『単語家族』です。詳しくは 『漢字の覚え方 乎』 をご覧ください。
『誤(ゴ)』yúは、まちがう様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるなら、言(言葉)+呉(頭をかしげる)=誤(頭をかしげる言葉。間違う。誤る)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、意味は『誤る』です。
音読みは漢音の『ゴ』が普通で、呉音の『グ』は使いません。訓読みは『誤(あやま)る』です。誤解(ゴカイ)、錯誤(サクゴ)、誤差(ゴサ)の誤です。
誤(ゴ)は呉(ゴ)の『単語家族』で、娯(ゴ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 呉』をご覧ください。
『后(コウ)』hòuは、后(きさき)・後ろを表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、人(座った人)+口(言葉)=后(命令をする人。后。きさき)です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『后(きさき)』、『後宮』転じて、『後ろ』です。
説文解字には『四方に告げるを以て施令す』とあり君主、君后を表す漢字です。
『うしろ』の意味では我が国では『後(ゴ)』hòuを使います。戦争に負けてからは、常用漢字とその制限された読み方が重んじられています。現在の常用漢字表には『后(ゴ)』の読み方が記載されていませんので、午后(ゴゴ)は使わないようにしましょう。
音読みは呉音が『グ』、漢音が『コウ』、慣用音が『ゴ・ゴウ』です。訓読みは常用外に『后(きさき)』があります。天皇や皇帝の后(きさき)を皇后(コウゴウ)、正午からの夜12時までの時間を午后(ゴゴ)といいます。
非常に縁起の良い漢字で『きみ』、『ご』、『のち』、『み』と名前に使われます。
后(コウ)の『単語家族』には、垢(コウ)、逅(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 后』をご覧ください。
『孝(コウ)』xiàoは、子が親を大切にする会意文字です。漢字の足し算では、耂・老(老人)+子(子供)=孝(子が老いた親を大切にする。孝行)です。漢字の部首は『子・こ』、意味は『孝行する』です。
音読みは呉音が『キョウ』、漢音が『コウ』です。親を大切にする行いを孝行(コウコウ)、大切にしない行いは親不孝(おやフコウ)です。
孝(コウ)の『単語家族』には、酵(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 孝』をご覧ください。
『皇(オウ・コウ)』huángという漢字は、王の中の王様を表す形声文字です。漢字の足し算では、白(自分)+王=皇(自分が王。王の中の王。天子。皇帝)です。漢字の部首は『白・しろ』です。白は白色のことではなく自分のことです。
音読みは呉音が『オウ』、漢音が『コウ』です。日本語では『ん』の後では『ノウ』と読むことがあります。天皇(テンノウ)、法皇(ホウオウ)、皇太子(コウタイシ)、皇帝(コウテイ)、皇后(コウゴウ)の皇です。
皇(オウ)は王(オウ)の『単語家族』で、往(オウ)、徨(コウ)、匡(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 王』をご覧ください。
『紅(コウ)』hóngという漢字がありますが、絳(あか・コウ)という漢字の代わりに新しく作られた漢字です。工(つらぬく)の元の意味には関係がありません。漢字の足し算では、糸+工(つらぬく・コウ)=紅(コウという音からつくられた絳(あか・コウ)を表す漢字。あか)です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『濃い赤』、『紅(くれない)』です。
あえて同じイメージで覚えるとすれば、口紅(くちべに)のイメージでしょうか。一文字につらぬかれて引かれた紅の色。もともとは桃色に近い赤色ですが、深紅(濃い赤)のイメージです。女の人、花のような女性もさしています。
紅の訓読みの『くれない』は呉(くれ・中国の呉地方)の藍(あい)からきています。音読みは漢音の『コウ』が普通で、呉音の『グ』、慣用音の『ク』があります。訓読みには『紅(べに)』、『紅(あか)』があります。紅蓮(グレン)、深紅・真紅(シンク)の紅です。秋になり葉が赤くなることを紅葉(コウヨウ)といいますが、特別な読み方で紅葉(もみじ)とも読みます。
糸は染色されるので、色を表す漢字に使われます。
紺 http://bit.ly/1xOj18b 青を含む(甘)色
緑 http://bit.ly/1FE8NJa、竹皮を剥(は)がす(彔)時の緑色
紫 http://bit.ly/1sPxUXG 赤と青を並べて(此)混ぜた色
紅 http://bit.ly/101tzpr 口紅などの色
緋 http://bit.ly/1qQSVwG 鮮やかな(非)美しい赤などです。
紅(コウ)は工(コウ)の『単語家族』で、江(コウ)、項(コウ)、攻(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 工』をご覧ください。
『降(コウ)』jiàng、xiáng は、降(お)りる様子・負けて降(くだ)る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、阝(丘)+夅(下向きの左足と右足)=降(上から丘に降りてくる。降りる)です。漢字の部首は『阝・こざとへん』、漢字の意味は『高い所からおりる』、『空から降る』、『敵に負ける』、『雨が降る』です。
阝について藤堂は『丘』から降りる、白川は『梯子(はしご)』を使って降りてくるとしています。
音読みは呉音が『ゴウ』、漢音が『コウ』、訓読みは『降(お)りる』、『降(ふ)る』で常用外に『降(くだ)る』があります。高い所から低い所へおりることを降下(コウカ)、空から雨が降ってくることを降雨(コウウ)、戦いの負けを認めて従うことを降伏(コウフク)といいます。
降(コウ)は夅(コウ)の漢字の仲間で、絳(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 夅』をご覧ください。
『鋼(コウ)』gāngは、かたい鋼(はがね)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金(金属・鉄)+岡(かたいつな)=鋼(硬い金属。硬い鉄・鋼。はがね)です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『綱(はがね)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、訓読みは『綱(はがね)』です。炭素を含んだ硬い鉄類を鉄鋼(テッコウ)、製造したままの鋼(はがね)を粗鋼(ソコウ)といいます。
縁起の良い漢字で『かた』と名前に使われます。
鋼(コウ)は岡(コウ)の『単語家族』で、綱(コウ)、剛(ゴウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 岡』をご覧ください。
『刻(コク)』kèは、刻(きざ)む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、亥(豚の骨)+刂(刀)=刻(かたいものに刀で刻み目をつける。刻む。刻み目)です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は『刻(きざ)む』、『時を刻(きざ)む』、『骨身を削るような苦心』です。
水時計の刻み目も刻(コク)です、時間の刻みを表す漢字でもあります。
音読みは呉音・漢音ともに『コク』、訓読みは『刻(きざ)む』、常用外に『刻(とき)』があります。木などを彫り込んで形を造ることを彫刻(チョウコク)、時の流れの中で刻(きざ)まれた一定の瞬間を時刻(ジコク)、決められた時刻を刻限(コクゲン)、心身を苦しめ努めることを刻苦(コック)といいます。
刻(コク)は亥(ガイ)の『単語家族』で、骸(ガイ)、該(ガイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 亥』 をご覧ください。
『穀(コク)』gǔは、穀物(コクモツ)を表す形声文字です。漢字の足し算では、殻(から)+禾(作物・食べられる実)=穀(かたい殻をつけた食べられる実。穀物)です。漢字の部首は『禾・のぎ』、漢字の意味は『食べられる作物』、『穀物』です。
『設文解字注』に黍(きび)、稷(ひえ)、稻(いね)、粱(おおあわ)、麻(あさ)、大小豆(ダイズ・あずき)、小麥(こむぎ)、苽(まこも)なり。とあります。食べられる作物をいいます。
我が国では米(こめ)、麦(みぎ)、粟(あわ)、豆(まめ)、黍(きび)を五穀(ゴコク)といいます。
音読みは呉音・漢音ともに『コク』です。種子などを常食とする農作物を穀物(コクモツ)、穀物を成長させる雨が降るころを穀雨(コクウ)といいます。
穀(コク)は殻(カク)の『単語家族』で、轂(コク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 殻』をご覧ください。
『骨(コツ)』gǔは、肉のついた骨を表す形声文字です。漢字の足し算では、冎(関節)+月(肉・身体)=骨(肉のついた骨。身体を支える骨。ほね)です。漢字の部首は『骨・ほね』、漢字の意味は『骨』、『良く動く』、『組みたてのしんになるもの』、『身体』、『人柄・気質』、『要領』、『苦労』など非常に多いです。
音読みは呉音が『コチ』、漢音ともに『コツ』、訓読みは『骨(ほね)』です。身体の骨組みを骨格(コッカク)、物事の要点を骨子(コッシ)、自分の信念を曲げない気性を気骨(キコツ)、骨と肉・肉親のことを骨肉(コツニク)といいます。
「要領を得る」ことを「コツをつかむ」と言いますが、漢字を使わないでカタカナで書きます。骨(ほね)と読んでしまうからです。
骨(コツ)の『単語家族』には、滑(カツ)、猾(カツ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 骨』をご覧ください。
『困(コン)』huは、動きがとれず困(こま)る様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、囗(囲う)+木(樹木)=困(囲われる木。動きがとれず困(こま)る。困る)です。漢字の部首は『囗・くにがまえ』、漢字の意味は『困(こま)る』です。
出入りをとめる門限の形(白川)とも言われています。
音読みは呉音・漢音ともに『コン』、訓読みは『困(こま)る』です。物事が非常にむずかしいことを困難(コンナン)、困り果てて苦しむことを困窮(コンキュウ)、貧しくて生活に困っていることを貧困(ヒンコン)といいます。
困(コン)の『単語家族』には、梱(コン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 困』をご覧ください。
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本を、下記の本をお読みください。
篆文(テンブン)を中心にした体系的な記述・韻の説明は、諸橋轍次先生の『新漢和辞典』、藤堂明保先生の『漢字源』・『漢字の過去と未来』を参考にさせて頂いてます。
甲骨文字・金文のもつ呪術的な解釈には白川静先生の『字通』・『字統』・『漢字』・『中国古代の文化』を参考にさせて頂いています。
漢字の伝来や常用漢字の解釈については、大島正二先生の『漢字伝来』、高島俊男先生の『漢字と日本人』を参考にさせて頂いています。
日本語については、金田一京助先生の『日本語の変遷』、大野晋先生の『日本語の文法を考える』、新村出先生の『広辞苑』を参考にさせて頂いております。
最近の研究については、落合淳思先生の『漢字の成り立ち』を参考にさせて頂いております。
医学用語については伊藤正男・井村裕夫・高久史麿先生の『医学大辞典』を参考にさせて頂いております。
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