漢字の覚え方 岡

今日は『岡（コウ）』gāngという字を基本とした漢字の仲間を説明します。音読みは『コウ』、共通したイメージは『かたい』です。この漢字の仲間には岡（コウ・おか）、綱（コウ・つな）、鋼（コウ・はがね）、剛（ゴウ・つよい）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ『岡（コウ）』という構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『岡（コウ）』に何を足したら綱（コウ・つな）、鋼（コウ・はがね）、剛（ゴウ・つよい）になるのかを考えてます。鋼は小学6年生、岡、綱、剛は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『岡（コウ）』gāngは、かたく平らな台地を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、网（かたいつな）＋山（高い）＝岡（かたく平らな高い場所。岡。おか）です。

音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、訓読みは『岡（おか）』です。かたく平らな山の背を岡陵（コウリョウ）といい、山陽地方に岡山県（おかやまケン）があります。

異体字に崗（コウ）があります。

岡（おか）は 丘（おか）とも書きます。

岡（コウ）は平成22年より中学生で習うようになった常用漢字 です。

　『綱（コウ）』gāngは、太いかたい綱（つな）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋岡（かたいつな）＝綱（太くてかたい綱。つな。物事を統括する大筋）です。漢字の部首は『糸・いとへん』、漢字の意味は『綱（つな）』、転じて『物事を統括する大筋』、『生物学の大きな区分け』です。

音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、訓読みは『綱（つな）』です。太いつなを綱維（コウイ）、事柄の根本となるもの・大づかみにとらえた内容を大綱（タイコウ）、人が手にとって馬を操る綱を手綱（たづな）といいます。

綱（つな）は維（つな）http://bit.ly/1STcEwU とも書きます。

綱（コウ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『鋼（コウ）』gàngは、かたい鋼（はがね）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金（金属・鉄）＋岡（かたいつな）＝鋼（硬い金属。硬い鉄・鋼。はがね）です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『綱（はがね）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、訓読みは『綱（はがね）』です。炭素を含んだ硬い鉄類を鉄鋼（テッコウ）、製造したままの鋼（はがね）を粗鋼（ソコウ）といいます。

縁起の良い漢字で『かた』と名前に使われます。

鋼（コウ）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/2dKqhzH です。象形・指事・会意・形声　六年生 もご覧ください。

　『剛（ゴウ）』gāngは、強くて硬い刀を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、岡（かたいつな）＋刂（かたな）＝剛（強くて硬い刀。強くて硬いもの全般）です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は、『強くて硬い刀』ですが、『強くて硬いもの』全般に用います。

音読みは呉音・漢音ともに『コウ』、慣用音が『ゴウ』です。強くて勇ましいことを剛強（ゴウキョウ）、かたいと柔（やわ）らかい・つよいとやさしいを剛柔（ゴウジュウ）精神力が強く、太っ腹なことを剛腹（ゴウフク）といいます。

縁起の良い漢字で『かた』、『かたし』、『こわし』、『たか』、『たかし』、『たけ』、『たけし』、『つよ』、『つよし』、『ひさ』、『まさ』、『よし』と名前に使われます。

剛（ゴウ）は中学生 で習う常用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-2d05.html

『漢字の覚え方 岡』　岡　綱　鋼　剛

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.吉備の国 おかやま（　　　　）。

2.募集 ようこう（　　　　）。

3.てっこう（　　　　）の生産額。

4.ごうわん（　　　　）投手。

解説です。基本の漢字は岡、綱（つな）は糸を足して鋼、鋼（はがね）は金を足して鋼、剛（つよし）は刂（りっとう）を足して剛です。

解答です。岡山、要綱、鉄鋼、剛腕。

漢字の覚え方 困

漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は困（コン・こまる）、梱（コン・にづくりする）という漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『困（コン）』kùnで、『囲む』、『動けなくする』というイメージがあり、音読みは『コン』と読みます。困（コン・こまる）、梱（コン・しきみ・にづくり）は同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『困（コン）』に何を足したら梱になるのかを考えてます。困は小学校6年生 、梱は中学校で習う常用漢字からは外れていますが、一緒に覚えましょう。

　『困（コン）』kùnは、動きがとれず困（こま）る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、囗（囲う）＋木（樹木）＝困（囲われる木。動きがとれず困（こま）る。困る）です。漢字の部首は『囗・くにがまえ』、漢字の意味は『困（こま）る』です。

出入りをとめる門限の形（白川）とも言われています。

音読みは呉音・漢音ともに『コン』、訓読みは『困（こま）る』です。物事が非常にむずかしいことを困難（コンナン）、困り果てて苦しむことを困窮（コンキュウ）、貧しくて生活に困っていることを貧困（ヒンコン）といいます。

困（コン・こまる）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/2dKqhzH です。象形・指事・会意・形声　六年生 もご覧ください。

　『梱（コン）』kǔnは、門の内外を仕切る梱（しきみ）や荷造りした荷物を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木（樹木・木製）＋困（囲う）＝梱（門を囲う樹木。梱（しきみ）。木製の籠で荷造りする。行李）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『梱（しきみ）』です。我が国では、『荷造りする』、『行李』の意味に用いられます。

音読みは呉音・漢音ともに『コン』、訓読みは『梱（しきみ）』、『梱（こうり）』です。包装して荷造りすること・その荷物を梱包（コンポウ）といいます。

梱（しきみ）は樒（しきみ）とも書きます。

梱（こうり）は行李（こうり）と書くのが普通です。

梱（コン・しきみ・にづくり）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-8019.html

『漢字の覚え方 困』　困　梱

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.こんなん（　　　　）に立ち向かう。

2.疲労 こんぱい（　　　　）。

3.ひんこん（　　　　）社会。

4.荷物を こんぽう（　　　　）する。

解説です。基本の漢字は困、梱（しきみ・こうり）は木を足して梱です。

解答です。困難、困憊、貧困、梱包

漢字の覚え方 芻

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『芻（スウ）』chúという字を基本とした漢字の仲間を説明します。共通する音読みは『スウ』、漢字の意味は『小さい』、『小さくまとめる』です。この漢字の仲間には芻（スウ・まぐさ）、雛（スウ・ひな）、趨（スウ）、皺（シュウ・しわ）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて、まとめて漢字の足し算でを覚えると便利です。『芻（スウ）』に何を足したら雛（スウ・ひな）、趨（スウ）、皺（シュウ・しわ）になるのかを考えてます。雛は人名用漢字、芻、趨、皺は中学校で習う常用漢字からは外れていますが、一緒に覚えましょう。

　『芻（スウ）』chúは、束（たば）ねた飼料用の草を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勹（包む）＋屮（草）＋勹（包む）＋屮（草）＝芻（束ねた草。芻。まぐさ）です。漢字の部首は『艸・くさかんむり』、漢字の意味は『芻（まぐさ）』、『小さくまとめる』です。

音読みは呉音が『シュ』、漢音ともに『ス』、慣用音が『スウ』、訓読みは『芻（まぐさ）』です。草刈りのいう言葉・民間人の意見を芻言（スウゲン）といいます。

芻（スウ）は常用漢字からは外れています。

　『雛（スウ）』chúは、鶏（にわとり）の子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、芻（小さくまとめる）＋隹（とり）＝雛（小さい隹。鶏（にわとり）の子。雛。ひな）です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『雛（ひな）』です。我が国では特に、『実物を小さくしたもの』、『小さいもの』、『愛らしい』の意味に用いられます。

音読みは呉音が『ジュ』、漢音が『ス』、慣用音が『スウ』、訓読みは『雛（ひな）』、『雛（ひよこ）』です。雛祭りの時に飾る人形を雛人形（ひなニンギョウ）、実物を小さくかたどっったもの・書類などの見本を雛型（ひながた）といいます。

大和言葉では『宮・都（みや）』の反対を『鄙（ひな）』といいます。

雛（スウ）は人名用漢字です。

　『趨（スウ）』qūは、小走りに走る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、走(走る）＋芻（小さくまとめる）＝趨（小さくさっさと走る。小走りに走る。ある方向におもむく）です。漢字の部首は『走・そうにょう』、漢字の意味は『小走りに走る』、『ある方向におもむく』です。

音読みは呉音が『ス』、漢音ともに『シュ』、慣用音が『スウ』です。ある方向へと動く勢いを趨勢（スウセイ）、物事が最終的に落ち着くところを帰趨（キスウ）といいます。

趨（スウ）は常用漢字からは外れています。

　『皺（シュウ）』zhòuは、皺（しわ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、芻（小さくまとめる）＋皮（かわ）＝皺（小さく縮んむ皮。皺。しわ）です。漢字の部首は『皮・かわづくり』、漢字の意味は『皺（しわ）』です。

音読みは呉音が『シュ』、漢音ともに『スウ』、慣用音が『シュウ』です。皺のある顔を皺面（シュウメン）といいます。

皺（シュウ・しわ）は常用漢字からは外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-db06.html

芻 雛 趨 皺 『漢字の覚え方 芻』

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.ひなまつ（　　　）り。

2.ひなにんぎょう（　　　　）。

3.世の中の すうせい（　　　）。

4.勝敗の きすう（　　　）。

5.しわ（　　）が増える。

解説です。基本の漢字は芻、雛（ひな）は隹を足して雛、趨は走を足して趨で、皺（しわ）は皮を足して皺です。

解答です。雛祭り、雛人形、趨勢、帰趨、皺。

漢字の覚え方 几

漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『几（キ）』jī という字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には几、机、飢、肌という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来ます。『几』に何を足したら机、飢、肌になるのかを考えてます。机は小学6年生 、肌、飢は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『几（キ）』jī は、物を載せる脚つきの几（つくえ）を表す象形文字です。漢字の部首は『几・つくえ』、漢字の意味は『几（つくえ）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『几（つくえ）』です。肘（ひじ）掛けのない折り畳み式の腰掛けを床几（ショウギ）、身分の高い人の室内を仕切る道具を几帳（キチョウ）、建具などのの角を丸く削ること・行いが正しくきちんとしていることを几帳面（キチョウメン）といいます。

四角い几（つくえ）の意味では、木を足した机（つくえ）の漢字を使います。

几（キ）は中学校で習う常用漢字から外れています。

中華人民共和国では『幾（キ）』jī の代用字として『几（キ）』jī が使われています。

　『机（キ）』jīは、木製の脚つきの机（つくえ）を表す形声文字です。漢字の足し算では、木（木製）＋几（つくえ）＝机（木製の机）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『机（つくえ）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『机（つくえ）』です。机の上を机上（キジョウ）、肘掛けのない折り畳み式の腰掛けを床机（ショウギ）、といいます。

中華人民共和国では機（キ）http://bit.ly/1KgGya7 の簡体字に机（キ）を使います。

机（キ）は小学校6年生で習う漢字http://bit.ly/2dKqhzH です。

　『飢（キ）』jīは、飢（う）える様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、食（食物）＋几（少ない）＝机（食物が少なくて飢える）です。漢字の部首は『食・しょくへん』、漢字の意味は『飢（う）える）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『飢（う）える）』です。食物がなくて飢えることを飢餓（キガ）、天候不順で、農作物の収穫が少なく食料が不足することを飢饉（キキン）といいます。

飢（う）えるは餓（う）えるhttp://bit.ly/1D68WXb 、饑（う）えるhttp://bit.ly/1KgGya7 とも書きます。

飢（キ）は中学生 で習う常用漢字です。

　『肌（キ）』jīは、肌（はだ）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、月（身体）＋几・幾（少ない）＝肌（身体できめ細かい部分。肌。はだ）です。漢字の部首は『月・にくづき』、漢字の意味は『肌（はだ）』です。

肌理（きめ）細かい肌を表し、几（つくえ）と直接関係ありません。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『肌（はだ）』です。皮膚のきめを肌理（キリ・きめ）、肌に直接身につける下着を肌着（はだぎ）、最近では美しい肌を美肌（ビはだ）といいます。

肌（はだ）は膚（はだ）とも書きます。

肌（キ）は中学生 で習う常用漢字です。

几（キ）に従う漢字処（ショ）、拠（キョ）については、『漢字の覚え方 処』http://bit.ly/1PmELQz をご覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-3d5d.html

『漢字の覚え方 几』　几　机　肌

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きちょうめん（　　　）な性格。

2.きじょう（　　　）の空論。

3.天明の ききん（　　　）。

4.貧困と きが（　　　）と戦い。

5.暖かい はだぎ（　　　）。

解説です。基本の漢字は几、机（つくえ）は木を足して机、飢（う）えるは食を足して飢、肌（はだ）は月（にくづき）を足して肌です。

解答です。几帳面、机上、飢饉、飢餓、肌着。

漢字の覚え方 貴

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『貴（キ）』guìという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には貴（キ・とうとい）、簣（キ・もっこ）、匱（キ・ひつ）、櫃（キ・ひつ）、遺（ユイ・のこす）、潰（カイ・つぶれる）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『貴（キ）』に何を足したら簣（キ・もっこ）、匱（キ・ひつ）、櫃（キ・ひつ）、遺（ユイ・のこす）、潰（カイ・つぶれる）になるのかを考えてます。貴、遺は小学校6年生で習う漢字 、潰は中学生で習うようになった常用漢字 です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

『貴（キ）』guìは簣（もっこ）を持つことを表す漢字ですが、中身の財貨が強調されると『貴（とうと）い』の意味が、簣（もっこ）の状態を強調すると『中身』、『空の』、『残された』等の意味になります。

　『貴（キ）』guìは、両手で財貨を持つ様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、臾（両手で持つ）＋貝（財貨）＝貴（両手で財貨を持つ。貴（たっと）い。貴（とうと）い）です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『貴（たっと）い』、『貴（とうと）い』です。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『貴（たっと）い』、『貴（とうと）い』です。身分の高い人を貴公（キコウ）、とうとんで重んずること・大事にすること貴重（キチョウ）、相手の女性尊敬して呼ぶ言葉を貴女（キジョ・あなた）といいます。

貴（とうと）い漢字で『あつ』、『あて』、『たか』、『たかし』、『たけ』、『むち』、『よし』と名前に使われます。

貴（キ）は小学校6年生で習う漢字です。象形・指事・会意・形声　六年生 もご覧ください。

　『簣（キ）』kuìは、竹製の簣（もっこ）を両手で持つ様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、竹（竹製）＋臾（両手で持つ）＋貝（品物）＝簣（竹製の簣（もっこ）を両手で持つ。貴（もっこ・あじか））です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、漢字の意味は、『簣（もっこ）』、『簣（あじか）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『簣（もっこ）』、『簣（あじか）』です。簣（もっこ）一杯分の土を一簣（イッキ）といいます。

九仞の功を一簣に虧く（キュウジンのコウをイッキにかく）は、高い山を築く（九仞の功）ときに、最後の簣（もっこ）1杯分の土が足りないせいで完成しない。長い時間をかけた努力も最後の少しの過失から駄目になってしまうことのたとえを言います。

簣（キ）は常用漢字から外れています。

　『匱（キ）』guìは、中空の大きな箱を表す形声文字です。漢字の足し算では、匚（箱）＋貴（中身が空）＝匱（中身が空の箱。ひつ）です。漢字の部首は『匚・はこがまえ』、漢字の意味は、『中身が空の箱』、『中身が空』、『匱（ひつ）』です。

音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みは『匱（ひつ）』です。貧しくて苦しむ様子を匱窮（キキュウ）といいます。

匱（キ）は常用漢字から外れています。

　『櫃（キ）』guìは、物をしまっておくための木製の箱や戸棚を表す形声文字です。漢字の足し算では、木（木製）＋匱（中身が空の箱）＝櫃（木製の中身が空の箱。ひつ）です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は、『櫃（ひつ）』です。我が国では、特に炊きあがったご飯を移す木製の器（うつわ）をいいます。

音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みは『櫃（ひつ）』です。ご飯を入れる櫃（ひつ）を飯櫃（めしびつ）、炊く前のお米を入れる容器を米櫃（こめびつ）といいます。

櫃（キ）は常用漢字から外れています。

　『遺（ユイ・イ）』yí、wèiは、とりのこしたものを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶（行く）＋貴（残された）＝遺（取り残して行く。とりのこされた。遺す。のこす）です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は、『遺（のこ）す』、『贈る』です。

音読みは呉音が『ユイ』、漢音が『イ』、訓読みは『遺（のこ）す』です。臨終に言い遺す言葉を遺言（ユイゴン）、置き忘れること・忘れることを遺失（イシツ）、昔の事件のあった場所や建物を遺跡（イセキ）といいます。

☆前向きの場合　進（すす）む　迫（せま）る　迎（むか）える　邀（むか）える　近（ちか）づく　過 （すぎ）る　逼（せま）る　追（お）う　逢（あ）う　遇（あ）う　遭（あ）う　遘（あ）う　逅（あ）う　連（つら）なる

☆後ろ向きの場合　退（しりぞ）く　逆（さか）らう　逃（に）げる　逡（しりぞ）く　遁（のが）れる　避（さ）ける　遠（とお）のく　遺 （のこ）す

☆戻る場合　還（かえ）る　返（かえ）す

☆廻る場合　廻 (めぐ）る　巡（めぐ）る　辺（あた）り　遍（あまね）く

☆足のスピード　速（はや）い　遅（おそ）い

白川は人に遺贈（イゾウ）することが本義であるとしています。

遺（ユイ・イ）は小学校6年生で習う漢字 です。象形・指事・会意・形声　六年生 もご覧ください。

　『潰（エ・カイ）』huì、kuìは、水によって穴があいて崩れる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋貴（残された・空の）＝潰（水によって穴があいて崩れる。堤防が崩壊する。潰れる。つぶれる）です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は、『潰（つぶ）れる』、『堤防が崩壊する』、『潰れる』、『戦争に負けて隊列がくずれる』です。

音読みは呉音が『エ』、漢音が『カイ』、訓読みは『潰（つぶ）れる』、『潰（つい）える』です。川の堤が切れること・崩れることを決壊 ・決潰（ケッカイ）、戦争に負けて軍隊逃げることを潰走（カイソウ）、皮膚や粘膜がただれてくずれることを潰瘍（カイヨウ）といいます。

潰（エ・カイ）は中学生で習うようになった常用漢字 です。

壊（エ・カイ）http://bit.ly/1w0Onas と同じ使い方をし、音読みも呉音が『エ』、漢音が『カイ』になっています。呉音と漢音も御覧ください。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-2141.html

『漢字の覚え方 貴』 貴　匱　簣 櫃 遺 潰

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.きちょう（　　　）品。

2.きぞく（　　　）と平民。

3.九仞の功を いっき（　　　）に虧（か）く。

4.お ひつ（　　）のご飯。

5.父の ゆいごん（　　　）。

6.いせき（　　　）の発掘。

7.軍隊が かいそう（　　　　）する。

8.胃 かいよう（　　　　）。

解説です。基本の漢字は貴、簣（もっこ）は竹を足して簣、匱（ひつ）は匚を足して櫃、遺（のこ）すは辶（しんにょう）を足して遺、潰（つぶ）れるは氵（さんずい）を足して潰です。

解答です。貴重品、貴族、一簣、櫃、遺言、遺跡、潰走、潰瘍。

漢字の覚え方 癸

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『癸（キ）』guǐという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には癸（キ・みずのと）、揆（キ）、葵（キ・あおい）という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『癸』に何を足したら揆、葵になるのかを考えてます。癸、揆 は常用漢字から外れており、葵は人名用漢字です。一緒に覚えましょう。

　『癸（キ）』guǐは、回転する四枚の刃が一巡する様子を表す象形文字です。十干（甲乙丙丁戊己庚辛壬癸）の最後を表します。漢字の部首は『癶・はつがしら』、漢字の意味は『癸（みずのと）』、『一巡する』、『まわる』です。

古代中国では、十の太陽があり、交代して昇り十日で一巡・一旬（イチジュン）すると考えられていました。それぞれの太陽には名前がありそれが、十干（甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸）といわれています。

十干には木火土金水の兄弟(木の兄、木の弟、火の兄、火の弟、土の兄、土の弟、金の兄、金の弟、水の兄、水の弟）であてられています。ですから、癸（キ）は癸（みずのと）と読むのです。古代中国では、十の太陽があり、交代して昇り十日で一巡すると考えられていました。

音読みは呉音・漢音ともに『キ』、訓読みは『癸（みずのと）』です。古代中国の自然哲学に、万物は木火土金水の五元素からなるという五行思想があります。

癸（キ・みずのと）は常用漢字から外れています。

　『揆（キ）』kuíは、手でコンパスを回す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（手の動作）＋癸（一巡する）＝揆（キ）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『コンパスを回す』、『はかりごと』です。

音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』です。農民などが起こした武装蜂起を一揆（イッキ）といいます。

揆（キ）は常用漢字から外れています。

　『葵（キ）』kuíは、開（ひら)いて丸い花の葵（あおい）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹（植物）＋癸（回る）＝揆（開いて丸い花の植物。葵。あおい）です。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『葵（あおい）』です。

音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みは『葵（あおい）』です。葵（あおい）が日光の方に向くことを葵傾（キケイ）といいます。

太陽に向かう非常に良い意味の漢字ですので、『あおい』と家紋・地名・名前に使われます。

アメリカ原産のキク科のヒマワリには、向日葵（ひまわり）の漢字を当てています。

葵（キ）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-d583.html

『漢字の覚え方 癸』 癸 揆 葵

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.十干の みずのと（　　）。

2.百姓 いっき（　　　）。

3.あおい（　　）の御紋。

解説です。基本の漢字は癸、揆は扌（てへん）を足して揆、葵（あおい）は艹（くさかんむり）を足して葵です。

解答です。癸、一揆、葵。

漢字の覚え方 乇

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『乇（タク）』zhé、tuōという字を基本とした漢字の仲間を説明します。音読みは『タク』、共通するイメージは『定着する』、『あずける』、『くつろぐ』です。この漢字の仲間には乇、宅、託、侘、詫という漢字が含ま、同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『乇』に何を足したら宅（タク）、託（タク・かこつける）、侘（タク・わび）、詫（タク・おわびする）になるのかを考えてます。宅は小学校6年生で習う漢字 、詫は中学生 で習う常用漢字、詫は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『乇（タク）』zhé、tuōは、芽生えの植物の様子を表す象形文字(藤堂・白川・鎌田）です。くつろぐ人の姿を表す象形文字（鎌田）ともいわれます。漢字の意味は『定着する』、『あずける』、『くつろぐ』です。

音読みは呉音が『チャク』、漢音が『タク』です。単独で使われることはありませんが、宅、託、侘の音符になっています。

乇（タク）は常用漢字（国で定める日常で使われる漢字。中学までに習う）から外れています。

　『宅（タク）』zhái は、定住している家を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀（家・建物）＋乇（定着した）＝宅（定住している家。家）です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、漢字の意味は『定住している家』、『すまい』です。

音読みは呉音が『ジャク』、漢音が『タク』です。自分の家を自宅（ジタク）、広い立派なすまいを邸宅（テイタク）といいます。

宅（タク）は小学校6年生で習う漢字 です。

　『託（タク）』tuōは、言葉で頼んで人に預ける様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋乇（あずける）＝託（言葉で頼んで人に預ける。まかせる）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『託（タク）す』、『託（かこつ）ける』です。

音読みは呉音・漢音ともに『タク』、訓読みが常用外の『託（かこつ）ける』です。人をたよりにして食うことを託食（タクショク）、信頼できる人に財産等をまかせることを信託（シンタク）といいます。

託（タク・かこつける）は中学生 で習う常用漢字です。

　『侘（タ）』chàは、たちどまる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ（人間の動作）＋宅（定着する）＝侘（たちどまる）です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『たちどまる』です。我が国では、俗事から離れ静寂な風情を楽しむことを『侘（わ）び』といいます。

音読みは呉音が『チャ』、漢音が『タ』、訓読みが『侘（わ）び』です。がっかりして立ち尽くすことを詫傺（タテイ）、茶道・俳句で理想とした静寂で落ち着いた趣を侘（わ）びといいます。

侘（タ・わび）は常用漢字から外れています。

　『詫（タ）』chàは、立ち止まってお詫（わ）びする様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋宅（立ち止まる）＝詫（立ち止まってお詫（わ）びする）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『お詫（わ）びする』です。

音読みは呉音が『チャ』、漢音が『タ』、訓読みが『お詫（わ）び』です。もとは、立ち止まって怪しいこと・変だと思うことを表していましたが、我が国では『お詫（わ）びする』の意味に使います。

詫（タ・おわびるする）は人名用漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-9085.html

『漢字の覚え方 宅』　乇 託 宅 侘 詫

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.じたく（　　　）に招く。

2.ていたく（　　　）に住む。

3.しんたく（　　　）銀行。

4.俳句の わ（　　）び

5.おわ（　　）をする。

解説です。基本の漢字は乇、宅（定住している家）は宀（うかんむり）を足して宅、託（かこつ）ける託、お詫（わ）びするは言に宅をあわせます。

解答です。自宅、邸宅、信託、侘び、お詫び。

漢字の覚え方 段

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『段（ダン）』duànという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には段、鍛、緞という漢字が含まれます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『段』に何を足したら鍛、緞になるのかを考えてます。段は小学校6年生で習う漢字 、鍛は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『段（ダン）』duànは、石段の一段、一段降りる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、耑（布の上端と下端）＋殳（動作）＝段（上から下まで降りる。きざはし。階段）です。漢字の部首は『殳・ほこづくり』、漢字の意味は『きざはし』、『区分』、『等級』、『やり方』です。武術や囲碁・将棋の技術についての等級に使われます。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』です。高低差のある場所をつなぐ段々のある構造物を階段（カイダン）、文章の区分を段落（ダンラク）、ある事を実現させるためにとる方法を手段（シュダン）、物事の進行の状態の区切りを段階（ダンカイ）といいます。

段（ダン）は小学校6年生で習う漢字です。

　『鍛（タン）』duànは、金属を上から下へ叩いて鍛（きた）える様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、金（金属）＋段（上から下）＝鍛（金属を上から下へ叩いて鍛（きた）える）です。漢字の部首は『金・かねへん』、漢字の意味は『鍛（きた）える』です。

音読みは呉音・漢音ともに『タン』、訓読みが『鍛（きた）える』です。金属を鍛えること・体力や技術をすぐれたものにすることを鍛錬（タンレン）といいます。

鍛（タン）は中学生 で習う常用漢字です。

　『緞（タン・ドン）』duànは、上から下へ織った厚手の織物を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸（いと）＋段（上から下）＝緞（上から下へ織った厚手の織物。緞子。どんす）です。漢字の部首は『糸・いと』、漢字の意味は『厚手の織物』、『緞子（ドンス
）』です。

音読みは呉音が『ダン』、漢音が『タン』、唐宋音が『ドン』です。厚い艶のある絹織物を緞子（ドンス）、緞子でつくった幕を緞帳（ドンチョウ）、ビロードなど毛羽のある厚手の織物を絨緞（ジュウタン）といいます。

緞（タン・ドン）は中学校でで習う常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-cb2b.html

『漢字の覚え方 段』 段 鍛　緞

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.かいだん（　　　）を降りる

2.文章の だんらく（　　　）。

3.精神の たんれん（　　　）。

4.芝居の どんちょう（　　　）。

5.じゅうたん（　　　）を敷く。

解説です。基本の漢字は段、鍛（きた）える金を足して鍛で、緞子（ドンス）は糸を足して緞です。

解答です。階段、段落、鍛錬、緞帳、絨緞、絨毯。

漢字の覚え方 奴

　漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『奴（ド）』núという字を基本とした漢字の仲間について説明します。この漢字の仲間には奴（ド・やつ）、努（ド・つとめる）、怒（ド・いかる）、弩（ド・おおゆみ）という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『奴（ド）』に何を足したら努（ド・つとめる）、怒（ド・いかる）、弩（ド・おおゆみ）になるのかを考えてます。努は小学校4年生で習う漢字 、奴、怒は中学生 で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『奴（ド）』núは、召使いを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、女（おんな）＋又（手）＝奴（手で労働する女性の召使い）です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『召使い』、『使用人』です。我が国では武家の下男を『奴（やっこ）・家っ子』と言い、人を軽蔑するときに『奴（やつ）』という言い方をします。

古代の辞書『説文解字』には、「辠（つみ）人也（なり）」の記述があります。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みは『奴（やっこ）』、『奴（やつ）』です。最も身分の低い召使い・人間としての自由を認められない使用人を奴隷（ドレイ）といいます。

現在では奴隷制度はありません。

丸山和也参議院議員が例え話において不見識な発言をされました。当ブログは漢字の成り立ちについて説明申し上げておりまして、差別表現について励行している訳ではありません。御了承下さい。（2/19追記）。

中国の歴史書に登場する我が国の最初の国名が『奴（な）』です。後漢書によれば光武帝の建武中元二年（西暦57年）に、倭（わ）の奴（な）国が朝貢にきて、印綬を授けたとあります。江戸時代に博多湾の志賀島（しかのしま）からこのときの印が発掘されています。

金製の印綬に刻まれた五文字は、漢委奴国王（かんのわのなのこくおう）と読むのが一般的です。

奴（ド）は中学生 で習う常用漢字です。

　『努（ド）』nǔは、力を抜かず頑張る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、奴（召使い）＋力＝努（召使いが手を抜かず頑張る。努（つと）める）です。漢字の部首は『力・ちから』、漢字の意味は『努（つと）める』です。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みが『努（つと）める』です。力を尽くして一所懸命行うことを努力（ドリョク）といいます。

努（ド・つとめる）は小学校4年生で習う漢字 です。

　『怒（ド）』nùは、怒（おこ）る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、努（力を込める）＋心＝怒（力をこめて怒る。怒（いか）る。怒（おこ）る）です。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『怒（おこ）る』、『怒（いか）る』です。

音読みは呉音が『ヌ』、漢音が『ド』、訓読みは『怒（おこ）る』、『怒（いか）る』です。顔つきに現れる怒った気を怒気（ドキ）、激しく荒れ狂う大波を怒涛（ドトウ）、激しく怒ることを激怒（ゲキド）といいます。

激しい怒りのために髪が逆だち冠を衝きあげることを『怒髪（ドハツ）冠（カン）を衝く』、『怒髪（ドハツ）天（テン）を衝く』といいます。

怒（ド・おこる）は中学生 で習う常用漢字です。

　『弩（ド）』nǔは、弩（おおゆみ）を表す形声文字です。漢字の足し算では、努（力を込める）＋弓＝弩（力をこめて引く弓。弩（おおゆみ）。怒（おこ）る）です。漢字の部首は『弓・ゆみ』、漢字の意味は『弩（おおゆみ）』、『弩（いしゆみ）』です。

音読みは呉音が『ヌ・ノ』、漢音が『ド』、訓読みは『弩（おおゆみ）』、『弩（いしゆみ）』です。機械仕掛けで射る強い弓をいいます。1906年に建造された英国の大型戦艦「ドレッドノート」号に『弩（ド）』という漢字が当てられ弩級戦艦（ドキュウセンカン）と呼ばれました。

弩（ド）は中学校で習う常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-c7dd.html

『漢字の覚え方 奴』　奴 努 怒 弩

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.どれい（　　　）制度の解消。

2.どりょく（　　　）の結果。

3.げきど（　　　）する。

4.どはつ（　　　）天を衝(つ)く

5.どきゅう（　　　）戦艦。

解説です。基本の漢字は奴、努（つと）めるは力を足して努、怒（おこ）るは心を足して怒、弩（おおゆみ）弓を足して弩です。

解答です。奴隷、努力、激怒、怒髪、弩級。

漢字の覚え方 㝵

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『㝵（トク）』déという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には㝵、得、碍という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『㝵』に何を足したら得、碍になるのかを考えてます。得は小学校4年生で習う常用漢字、碍は常用漢字ではありませんが、関係なく一緒に覚えましょう。

　『㝵（トク）』déは、お金を手に入れる様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、旦（貝のデザイン・財貨）＋寸（手）＝㝵（お金を手に入れる）です。

音読みは呉音・漢音ともに『トク』です。漢字の部首は『寸・すん』、漢字の意味は『得（え）る』です。

寸を使った漢字については、『漢字の覚え方 寸』http://bit.ly/1FLeubn をご覧ください。

㝵（トク）は常用漢字ではなく、単独で使われることはありませんが、得、棏、淂、碍の部分になっています。

　『得（トク）』děi、déは、歩いて手に入れる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、彳(行く）＋㝵（お金を手に入れる）＝得（歩いて手に入れる。得る。もうける。得をする）です。漢字の部首は『彳・ぎょうにんべん』、漢字の意味は『得（え）る』、『もうける』、『機会に恵まれる』、『うまくあたる』です。

お金を手に入れる漢字が㝵（トク）で、『機会に恵まれる』、『うまくあたる』などの意味が加わった漢字が得（トク）です。

音読みは呉音・漢音ともに『トク』、訓読みは『得（え）る』、『得（う）る』です。自分の思い通りになること・そのことが巧いことを得意（トクイ）、手に入れることを獲得（カクトク）、成功と失敗・利益と損失を得失（トクシツ）、物事を理解し自分のものにすることを会得（エトク）といいます。

得（トク）は小学校4年生http://bit.ly/1RpPj7c で習う漢字です。

得（トク）の『単語家族』には棏（トク・木の名前）、淂（トク・川の名前）がありますが、我が国では使われていません。

得（トク）の『単語家族』に、碍（ガイ）があります。漢字の意味は『碍（さまた）げる』で全く違います。音読みも『ガイ』と違うものになっています。耳で聞いた時に近い音読みだと困るからです。

　『碍（ガイ）』àiは、行く手をさえぎる石を表す会意文字です。漢字の足し算では、石(いし）＋㝵（手に入れる。見つける）＝碍（行く手をさえぎる石。碍（さまた）げる）です。漢字の部首は『石・いしへん』、漢字の意味は『碍（さまた）げる』です。

音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『ガイ』、訓読みは『碍（さまた）げる』です。電線の支柱などに絶縁（ゼツエン）する磁器製の器具を碍子（ガイシ）といいます。

異体字に礙（ガイ）http://bit.ly/1Wwz4XD があります。

スムーズに行かないこと・差し障りのあることを漢語で障礙・障碍（ショウガイ）といいます。戦争に負け、漢字について制限する勢力が多かったため、『礙（ガイ）』・『碍（ガイ）』の漢字は常用漢字にはなりませんでした。

障礙・障碍（ショウガイ）よりも常用漢字の害（ガイ）http://bit.ly/1hynvhb を使った障害（ショウガイ）と書く方が多いですが、害（ガイ）の人を傷つけるのニュアンスを嫌って、障がい（ショウガイ）と書く人もいます。

碍（さまた）げるは妨（さまた）げるhttp://bit.ly/1oh7v59 と書くのが普通です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-1dbe.html

『漢字の覚え方 㝵』 　㝵 　得

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.とくい（　　　）分野

2.とくしつ（　　　）を考える。

3.がいし（　　　）による絶縁。

解説です。基本の漢字は㝵、得（え）るは彳を足して得、碍（さまた）げるは石を足して碍です。

解答です。得意、得失、碍子。

漢字の覚え方 酉

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『酉（ユウ）』yǒuという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には酉、酒、酋、鰌という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『酉』に何を足したら酒、酋、鰌になるのかを考えてます。酒は小学校3年生 、酉は人名用漢字です。学校で習うに関係なく一緒に覚えましょう。

　『酉（ユウ）』yǒuは、酒壺（さかつぼ）を表す象形文字です。漢字の部首は『酉・さけづくり、とり』、漢字の意味は『酒』、『酒（さけ）を搾る十月』、『酉（とり）』です。

音読みは呉音が『ユ』、漢音が『ユウ』、訓読みが『酉（とり）』です。

酉（とり）は酒の樽や壺を表す象形文字で御酒を搾る季節10月を表す(藤堂）といわれています。 暦（平成5年、17年、29年・10月）、時刻(午後6時）、方角(西）を表します。

中国を中心とした東アジアの世界では、子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥の十二支を使って暦、時刻、方角を表しました。数字でもなんでもない漢字の順番を覚えるの大変です。そこで、神様に新年の挨拶に来た十二種類の動物になぞらえて、十二支を宛てて覚えたのです。

鶏(酉・とり）は十番目に挨拶に来た動物と覚えるわけです。

猿と犬は中が悪く、喧嘩しながら来たので遅くなり、鶏（酉・とり）が喧嘩の仲裁をしたため、猿と犬の間に入って（申酉戌）しまいました。

ちなみに一番目は牛の背中に乗ってきた鼠（子・ねずみ）、十二番目は勢いよく走ってきて、神様の前を通り越してしまった猪（亥・いのしし）です。

鶏（とり）はにわとり、酉（とり）は暦（こよみ）・時刻・方角、鳥（とり）、隹（とり）は鳥全体を表します。詳しくは

鳥（とり）『漢字の覚え方 鳥』http://bit.ly/1nrfZG8

隹（とり）『漢字の覚え方 隹』http://bit.ly/1STcEwU

酉（とり）『漢字の覚え方 酉』http://bit.ly/20WOXGq

鶏（とり）『漢字の覚え方 奚』http://bit.ly/1AzEFkx

をご覧ください。

　2月11日は建国記念日ですが、神武天皇が即位された日にちなんでいます。東洋では1260年に一度の辛酉（かのととり・シンユウ）の年に天命が改まるとされています。

我が国では、推古天皇9年（西暦601年）がその年で、1260年前である紀元前660年の辛酉（かのととり・シンユウ）の年の元旦に神武天皇が即位されたといわれています。この年の元旦を現在の太陽暦に換算すると、2月11日になるので、2月11日が建国記念日になっています。

縁起の良い漢字で『とり』、『なが』、『みのる』と名前に使われます。

酉（ユウ・とり）は人名用漢字です。

　『酒（シュ）』jiǔは、酒壺（さかつぼ）に入っている酒を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵（水）＋酉（酒壺）＝酒（酒壺に入ってい酒。さけ）です。漢字の部首は『酉・さけづくり、とり』、漢字の意味は『酒（さけ）』です。

音読みは呉音が『シュ』、漢音が『シュウ』です。訓読みは『酒（さけ）』、『酒（さか）』です。濁りを濾過した清んだ酒を清酒（セイシュ）、酒屋が目印であげる旗を酒旗（シュキ）、酒用に使う大きな粒の米を酒米（さかまい）、酒を貯蔵する樽（たる）を酒樽（シュソン・さかだる）といいます。

酒（シュ）は小学校3年生 で習う漢字です。

樽（ソン）については『漢字の覚え方 尊』http://bit.ly/2ga9oO2 をご覧ください。

　『酋（シュウ）』qiúは、酒（さけ）を醸（かも）す職人の頭を表す象形文字です。酉の上の八は外へ出る香を表すとされています。漢字の部首は『酉・さけづくり、とり』、漢字の意味は、『長（おさ）』、『かしら』です。

音読みは呉音が『ジュ』、漢音が『シュウ』です。酒づくりの職人の長を大酋（タイシュウ）、部族の頭を酋長（シュウチョウ）といいます。

酋（シュウ）は常用漢字から外れています。

　『鰌（シュウ・どじょう）』qiūは、魚類の鰌（どじょう）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚（うお・さかな）＋酋（酒を搾る親方。引き絞る）＝鰌（細い魚。どじょう）です。漢字の部首は『魚・さかなへん』です。

音読みは呉音が『ジュ』、漢音が『シュウ』、訓読みは『鰌（どじょう）』です。我が国では泥の漢字を付けて泥鰌（どじょう）と書くのが一般的です。

★同じ手は二度、三度はきかないことを「柳の下に泥鰌（どじょう）はいない」といいます。魚（さかな）や蝦（えび）は隠れ家を好みます。川の端の垂れた柳の下などにいる理由です。そういつもいつも同じところにいるとは限らないということなのでしょうが、実際はいつも同じところにいます。川の端の柳の下に魚はいつもいます。漁ってみればわかるのですが。。

鰌（シュウ）は常用漢字から外れています。

魚に関して詳しくは『部首索引　魚（うお・さかな）』 をご覧下さい。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-4df3.html

『漢字の覚え方 酉』　酉　酋　酒　鰌

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.とり（　 ）の刻。

2.にほんしゅ（　　 　）。

3.さかだる（　　　）の鏡開き。

4.部族の しゅうちょう（　　　）。

解説です。基本の漢字は酉、、酒（さけ)は氵（さんずい）を足して酒、酋長（シュウチョウ）は八（酒の芳香をあらわす）を足して酋です。

解答です。酉、日本酒、酒樽、酋長。

漢字の覚え方 隺

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『隺（カク）』hèという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には隺、確、鶴という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『隺』に何を足したら確、鶴になるのかを考えてます。確は小学5年生 、鶴は中学生で習うようになった常用漢字 です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『隺（カク）』hèは、高い所を飛ぶ隹（とり）を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、冖（上からおおう）＋隹（とり）＝隺（上を飛ぶ隹。高い所を飛ぶ鳥。つる）です。鶴（つる）のもとになる漢字とされています。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『高く飛ぶ鳥』、『高い』、『鶴（つる）』、『白い』です。

音読みは呉音が『ガク』、漢音が『カク』です。鶴（つる）のもとになる漢字とされています。鶴（つる）は常用漢字の鶴（カク）を使いますので、隺（カク）を使うことはありません。

隺（カク）は常用漢字から外れています。

　『確（カク）』quèは、白くて固（かた）い石を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、石（いし）＋隺（白い鳥）＝確（白くて固い石。硬い。確か。たしか）です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『固い』、『確（たし）か』です。

音読みは呉音・漢音ともに『カク』、訓読みは『確（たし）か』です。しっかりと固まっている様子を確固（カッコ）、確かな約束を確約（カクヤク）、かたく信じることを確信（カクシン）といいます。

非常に良い意味の漢字で『あきら』、『かた』、『かたし』、『たい』、『たしか』と名前に使われます。

確（カク）は小学校5年生で習う漢字http://bit.ly/1ViqkSL です。

　『鶴（カク）』hèは、白くて高く飛ぶ鳥の鶴（つる）を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、隺（白い鳥）＋鳥（とり）＝鶴（白くて高く飛ぶ鳥。鶴。つる）です。漢字の部首は『鳥・とり』、漢字の意味は『鶴（つる）』、『白い』です。

音読みは呉音が『ガク』、漢音が『カク』、訓読みは『鶴（つる）』、『鶴（たず・たづ）』です。鶴の寿命・長生きを鶴寿（カクジュ）、鶴の鳴き声・悲しげな文章を鶴唳（カクレイ）、白い髪を鶴髪（カクハツ）といいます。

御目出度い漢字で『ず』、『たず』、『たづ』、『つ』、『つる』と名前に使われます。

鶴（カク）は平成22年より中学生で習うようになった常用漢字 です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-d8b3.html

『漢字の覚え方 隺』 　確　鶴　隺

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.かっこ（　　　）たる信念。

2.かくにん（　　　）作業。

3.千羽づる（　　）。

4.かくよく（　　　　）の陣形。

解説です。基本の漢字は隺、確（たし）かは石を足して確、鶴（つる）は鳥を足して鶴です。

解答です。確固、確認、鶴。鶴翼。

漢字の覚え方 矍

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『矍（カク）』juéという字を基本とした『単語家族』を説明します。この『単語家族』には矍、攫、護、獲、穫という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『矍』に何を足したら攫、護、獲、穫になるのかを考えてます。護は小学校5年生で習う漢字 、獲、穫は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『矍（カク）』juéは、手に持った隹（とり）がキョロキョロ見る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、目目（め）＋隹（とり）＋又（手）＝矍（手に持った隹（とり）が周囲を見る。素早く反応する）です。漢字の部首は『目・め』、漢字の意味は『素早く反応する』、『手に入れる』です。

音読みは呉音が『カク』、漢音が『キャク』です。キビキビとした元気の良い老人の様子を矍鑠（カクシャク）といいます。

矍（カク）は常用漢字から外れています。

漢字の一部分としては目目のかわりに艹（くさかんむり）が使われます。

　『攫（カク）』juéは、手の中に攫み取る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌（て）＋矍（手に入れる）＝矍（手の中に攫み取る。つかむ）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『攫（つか）む』、『攫み取って連れ去る』、『攫（さら）う』です。

音読みは呉音が『カク』、漢音が『キャク』です。訓読みは『攫（つか）む』です。一つかみで千金を手に入れることを一攫千金（イッカクセンキン）、人を連れ去ることを人攫（ひとさら）いといいます。

攫（つか）むは摑（つか）むhttp://bit.ly/1DP2x2K も書きます。

攫（カク）は常用漢字から外れています。

　『獲（カク）』huòは、獣（けもの）を捕獲（ホカク）する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、犭（動物・獣）＋矍（隹を見守る・手に入れる）＝獲（獣を手に入れる。捕獲（ホカク）する。獲る）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『獲（え）る』、『獲（と）る』です。

音読みは呉音が『ワク』、漢音『カク』、訓読みは『獲（え）る』と、常用外の『獲（と）る』です。手に入れることを獲得（カクトク）、動物を捕らえることを捕獲（ホカク）、漁猟でとったものを獲物（えもの）といいます。

獲（カク）は中学生 で習う常用漢字です。

　『穫（カク）』huòは、穀物（コクモツ）を収穫（シュウカク）する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾（穀物）＋矍（隹を見守る・手に入れる）＝穫（穀物を手に入れる。収穫（シュウカク）する。刈り取る）です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『刈り取る』、『穫（か）る』です。

音読みは呉音が『ワク』、漢音『カク』が、訓読みは常用外の『穫（か）る』です。穀物を刈り取り、収（おさ）めるを収穫（シュウカク）といいます。

非常に縁起の良い漢字で『え』、『みのる』と名前に使われます。

穫（カク）は中学生 で習う常用漢字です。

　『護（ゴ）』hùは、護（まも）るということを宣言することを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言（言葉）＋蒦（隹を見守る）＝護（見守ることを宣言する。見守る。かばって護る）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『見守る』、『かばい護る』です。

音読みは呉音が『ゴ』、漢音が『コ』、訓読みは『護（まも）る』です。憲法を護ることを護憲（ゴケン）、病人をみまもり世話をすることを看護（カンゴ）、外からの危険や脅威からかばい護ることを保護（ホゴ）といいます。

『まもる』は、漢字の世界では、守、護、衛とあってそれぞれニュアンスが違います。

守（まも）る　屋根の下で守る　留守を守る　『漢字の覚え方 守』http://bit.ly/1CuXGl4

護（まも）る　見守る　かばって護る　　　　『漢字の覚え方 矍』http://bit.ly/1m7WN07

衛（まも）る　武器を持って衛る　城を衛る　『漢字の覚え方 韋』http://bit.ly/ZWpSkT

守護 （シュゴ）、護 衛 （ゴエイ）、守 衛 （シュエイ）とニ字合わせても使います。一語で聞いた時よりも二語の方が聞き取りやすいからです。

重要な漢字で『さね』、『もり』と名前に使われます。

護（ゴ）は小学校5年生で習う漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-b00d.html

『漢字の覚え方 矍』 　矍　攫 　獲 　護　穫

少し練習しましょう。

1.いっかくせんきん（　　　　）。

2.商品を かくとく（　　　　）する。

3.鹿の ほかく（　　　　）。

4.稲の しゅうかく（　　　　）。

5.迷子の ほご（　　　　）。

6.身辺の　ごえい（　　　）。

解説です。基本の漢字は矍、攫（つか）むは扌（てへん）を足して攫、獲（と）るは犭（けものへん）を足して獲、穫（か）るは禾（のぎへん）を足して穫、護（まも）るは言を足して護です。

解答です。一攫千金、獲得、捕獲、収穫、保護、護衛。

漢字の覚え方 句

　漢字には『単語家族』と呼ばれる発音・意味上の漢字の仲間があります。今日は『句（ク）』jùという字を基本とした『単語家族』を説明します。漢字の音読みは『ク』、『コウ』、意味は『区切り』、『小さい』です。この『単語家族』には句、駒、狗、拘という漢字が含まれます。

『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。『句』に何を足したら駒、狗、拘になるのかを考えてます。句は小学校5年生、駒、拘は中学校で習う常用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。

　『句（ク）』jùは、句切る様子を表す文字です。漢字の足し算では、勹（かぎ型）＋口(言葉）＝句（言葉を区切る。くぎり）です。甲骨文字では乚口乁と表され、かぎ型で小さく囲うことを示します。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『詩や文章のひとくぎり』、『俳句』、『小さい』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ク』です。文の末尾につける印を句点（クテン）、表現方法が同じの二つの句を並べる詩の技法を対句（ツイク）、年間の節目となるくぎりの日を節句（セック）、演説などの途中で言葉に詰まること・一句が五言の四句からなる漢詩を絶句（ゼック）といいます。

句（ク）は小学校5年生で習う漢字http://bit.ly/1ViqkSL です。

　『駒（ク）』jūは、若い馬を表す形声文字です。漢字の足し算では、馬（うま）＋句(小さい）＝駒（小さい馬。まだ若い馬。駒。こま）です。漢字の部首は『馬・うま』、漢字の意味は『若い馬』、『小さいもの』です。 将棋の駒（こま）、フイルムの駒（こま）にも使われる漢字です。

音読みは呉音・漢音ともに『ク』、訓読みは『駒（こま）』です。若い馬を若駒（わかこま）といいます。

「瓢箪（ヒョウタン）から駒（こま）」というのは、瓢箪のような小さな口から駒が飛び出るように、現実としてはありえない事をいう言葉です。

駒（ク）は中学校で習う常用漢字です。

　『狗（ク）』gǒuは、小さい犬を表す形声文字です。漢字の足し算では、犭（犬）＋句(小さい）＝狗（小さい犬。狗。いぬ）です。漢字の部首は『犭・けものへん』、漢字の意味は『小さい犬』、転じて『人と違うもの』、『異能のもの』です。

音読みは呉音が『ク』、漢音が『コウ』、訓読みは『狗（いぬ）』です。人の手足となって使われうものを走狗（ソウク）、天を翔（か）ける異能のものを天狗（テング）といいます。

「狡兎（コウト）死して走狗（ソウク）烹（に）らる」とは、兎（うさぎ）を捕まえる狗（いぬ）も、兎がいなくなれば用無しにで、烹（に）て食われることを言い、価値があるときは大事にされ、なくなればに捨てられるたとえに使います。

狗（ク）は中学校で習う常用漢字から外れています。

　『拘（コウ）』jūは、手の自由を奪（うば）われた様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手の動作）＋句(区切る）＝拘（手を区切る。手の自由を奪（うば）う。捕らえられる。拘（かか）わる）です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『捕らえられる』、『狭い枠に縛られる』、『拘（こだわ）る』です。

音読みは呉音が『ク』、漢音が『コウ』、訓読みは『拘（かか）わる』、『拘（こだわ）る』です。行動や自由を制限することを拘束（コウソク）、物事に拘（こだわ）り動きが取れない（泥）を拘泥（コウデイ）といいます。

拘（コウ）は中学校で習う常用漢字です。

　『蒟（ク）』jùは、蒟蒻（コンニャク）芋の丸くまとまった様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、艹（植物）＋立句（ぐっとまとまる）＝蒟（ぐっと丸くまとまった植物。蒟蒻の蒟）です。

蒟蒻（コンニャク）の柔らかい様子を表す蒻（ニャク）http://bit.ly/1z3Secx と一緒に使います。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味は『蒟蒻（コンニャク）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『ク』、慣用音が『コン』です。蒟蒻（コンニャク）の蒟です。

蒟（ク）は常用漢字から外れています。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-61fb.html

『漢字の覚え方 句』　句　駒　狗　拘　蒟

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.はいく（　　　　）が盛ん。

2.端午の せっく（　　　　）。

3.将棋の こま（　　）。

4.てんぐ（　　　）。

5.自由を　こうそく（　　　）する。

6.勝ち負けに こうでい（　　　）する。

7.こんにゃく（　　　）。

解説です。基本の漢字は句、駒（こま）は馬を足して駒、狗（いぬ）は犭（けものへん）を足して狗、拘（こだわ）るは扌を足して拘、蒟蒻（コンニャク）るは艹（くさかんむり）と立を足して蒟です。

解答です。俳句、節句、駒、天狗、拘束、拘泥、蒟蒻。