漢字の覚え方 若
漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『若(ジャク・ニャク)』ruòという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には若(ジャク・ニャク・わかい)、惹(ジャク・ひかれる)、諾(ダク・うべなう)、匿(トク・かくす)という漢字が含まれます。これらの漢字は同じ構成要素をもつので、漢字の足し算で表すことが出来ます。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算でを覚えると便利です。『若』に何を足したら惹(ジャク・ひかれる)、諾(ダク・うべなう)、匿(トク・かくす)になるのかを考えてます。若は小学校6年生で習う漢字 、諾、匿は中学生 で習う常用漢字、惹は人名用漢字です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。
『若(ジャク)』ruòは、若い女性のしなやかな様子を表す象形文字 です(藤堂)。神に仕える若い巫女(みこ)がエクスタシー状態になっている(白川)ともいわれています。漢字の部首は『艹・くさかんむり』、漢字の意味はとても多く、『若(わか)い』、『若(も)し』、『若(ごと)し』、『それ』、『若(なんじ)』などがあります。
音読みは呉音が『ニャク』、漢音が『ジャク』、訓読みは『若(わか)い』、『若(も)し』です。老いと若いことを老若(ロウニャク)、自分を謙遜した言葉でまだ年が足りないことを若輩(ジャクハイ)、数量がそれほど多くない事を若干(ジャッカン)といいます。
若(ジャク)は小学校6年生で習う漢字です。象形・指事・会意・形声 六年生 もご覧ください。
『惹(ジャク)』rěは、惹(ひ)かれる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、若(それ)+心(こころ・思う)=惹(それを思う。惹かれる。ひかれる)です。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『惹(ひ)かれる』、『事件を起こす』です。
音読みは呉音が『ニャク』、漢音が『ジャク』、訓読みは『惹(ひ)かれる』です。事件を起こすことを惹起(ジャッキ)、人の心をひきつける言葉を惹句(ジャック)といいます。
惹(ジャク)は人名用漢字です。
『諾(ダク)』nuòは、うなずく様子を表す象形文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(言う)+若(それ)=諾(それを言う。「よし」という。諾(うべな)う)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『諾(うべな)う』です。
音読みは呉音が『ナク』、漢音が『ダク』、訓読みは『諾(うべな)う』です。相手の意見を「よし」と言って受け入れることを承諾(ショウダク)、相手の公的な申し入れを「はい」と言って受け入れることを受諾(ジュダク)といいます。
大事な漢字で『つく』、『つぐ』と名前に使われます。
諾(ダク)は中学生 で習う常用漢字です。
『匿(トク)』nìは、匿(かく)す様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、若(それ)+匸(かくす)=匿(それを容器に入れる。匿す。かくす)です。漢字の部首は『匸・かくしがまえ』、漢字の意味は『惹(ひ)かれる』です。
常用漢字では三画の匚(はこがまえ)と二画の匸(かくしがまえ)は三画の匚(はこがまえ)に統一されますが、ここでは漢字の成り立ちを考えておりますので『匸・かくしがまえ』と表記します。
若(ジャク)を桑の葉と解釈して蚕 (かいこ)が匿(かく)れる様子(藤堂)を表すという説もあります。
音読みは呉音が『ニョク』、漢音が『ジョク』、慣用音が『トク』、訓読みは『匿(かく)す』です。名前をかくすことを匿名(トクメイ)、秘密にして匿すことを秘匿(ヒトク)といいます。
匿(トク)は中学生 で習う常用漢字です。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-5670.html
『漢字の覚え方 若』 若 惹 諾 匿
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.わかもの( )。
2.じゃくはい( )者。
3.ろうにゃく( )なんにょ。
4.事件を じゃっき( )する。
5.ポツダム宣言 じゅだく( )。
6.相手が しょうだく( )する。
7.とくめい( )記事。
解説です。基本の漢字は若、惹(ひ)かれる心(こころ)を足して惹、諾(うべな)う王は言を足して諾、匿(かく)すは匸(かくしがまえ)を足して匿です。
解答です。若者、若輩、弱輩、老若、惹起、受諾、承諾、匿名。