漢字の覚え方 質
漢字には発音・意味・構造上の漢字の仲間があります。今日は『質(シチ・シツ)』zhìという字を基本とした漢字の仲間を説明します。この漢字の仲間には質、躓という漢字が含まれます。これらの漢字は質(シチ・シツ)という同じ構成要素からなるので、漢字の足し算で表すことが出来ます。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『質(シチ・シツ)』に何を足したら躓になるのかを考えます。質は小学校5年生で習う漢字 、躓は常用漢字ではありませんが一緒に覚えましょう。
『質(シチ・シツ)』zhìは、実質のある物事の価値を表す会意文字です。漢字の足し算では、斤 +斤 (秤の錘(おもり)。釣り合う)+貝(財宝・価値)=質(物事の釣り合う価値。またその中身)です。漢字の部首は『貝・かい』、意味は『中身』、『性質』、『生まれるつきの』、『中身をつきつめる』、『質(ただ)す』、『釣り合う値打ち』です。
『説文解字』には「貝に従い、斦に従う」とあります。
音読みは呉音が『シチ』、漢音が『シツ』です。持ち物の価値に似合うお金を貸してくれるところを質屋(シチや)、問い質すことを質問(シツモン)、生まれ持った中身を性質(セイシツ)、飾り気のない生まれたままのの性質を質朴(シツボク)といいます。
呉音の『チ』韻は、漢音で『ツ』韻になることがあります。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』21 もご覧ください。
呉音の『チ』韻は、漢音では『ツ』韻に変わることがあります。中国中古の『チ』・『ツ』韻は入声音と呼ばれ、漢字を輸入したわが国には残っていますが、中国では宋から元のモンゴル帝国時代に無くなったといわれており(藤堂)、現在の北京語では『チィ』zhì になっています。
質(シチ・シツ)は小学校5年生で習う漢字です。
『躓(チ)』zhìは、足が物(質)につかえて躓(つまず)く様子表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、足+質(中身のある物)=躓(足が物(質)につかえて躓く。つまずく)です。漢字の部首は『足・あしへん』、意味は『躓(つまず)く』、『失敗する』です。
音読みは呉音・漢音ともに『チ』です。訓読みが『躓(つまず)く』です。躓いて仆(たお)れることを躓仆(チフ)といいます。
躓(チ・つまずく)は常用漢字ではありません。
『躓(つまず)く』は『磋 (つまず)く』とも書きます。差に『でこぼこ』の意味があり、足が『でこぼこ』にとられて蹉(つまず)くのです。詳しくは 『漢字の覚え方 左』 をご覧ください。
質(シチ・シツ)に使われている斤(キン)ですが斧(おの)を表す象形文字で、秤(はかり)の錘(おもり)意味します。
『斤(キン)』jīnは、斧(おの)を表す象形文字です。漢字の部首は『斤・おの』、意味は『おの』、『斤(おの)の重さ(約500g)or(600g)』です。
近(キン)、欣(キン)、祈(キ)などの漢字の部分では『近づく』の意味で使われます。
音読みは呉音が『コン』、漢音が『キン』、訓読みは『斤(おの)』です。斤(おの)は秤(はかり)の分銅に用いたので、目方の単位に使います。現在の中国では約500g、中国の唐~清時代、我が国、台湾、香港、マカオでは約600gの単位です。秤(はかり)ではかった目方を斤量(キンリョウ)といいます。
斤(キン)には、近(キン)、欣(キン)、祈(キ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 斤』 をご覧ください。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-625d.html
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.先生に しつもん( )する。
2.生まれもった せいしつ( )。
3.石に つまず( )く。
解説です。基本の漢字は質、躓(つまず)くは足を足してに躓です。
解答です。質問、性質、躓く、蹉く。
札幌に初雪が降りました。 七竈 滲みる寒さか 手稲山 風船