漢字の覚え方 旨
今日は『旨(シ)』zhǐという漢字を基本にした漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『旨』です。音読みは『シ』、意味は『旨(うま)い』、『内容』、『指(さ)す』です。旨、指、脂、鮨、耆、嗜、鰭、詣、稽などがこの漢字の漢字の仲間です。
漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて漢字の足し算で覚えると便利です。『旨』に何を足すと指、脂になるのかを考えます。指は小学校3年生で習う漢字 、旨、脂は中学生で習う常用漢字 、稽、詣は中学生で習うようになった常用漢字 です。学年、学校に関係なく一緒に覚えましょう。
『旨(シ)』zhǐ は、旨(うま)いものを表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、ヒ(さじ)+甘(旨いもの・甘いもの)=旨(旨い食物。旨いものを指す。転じてさし示した内容。旨。むね)です。漢字の部首は『日・にち』、漢字の意味は『旨(うま)い』、『さし示した内容』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『旨(うま)い』、『旨(むね)』です。旨い料理を旨肴(シコウ)、旨い酒を旨酒(シシュ)、文章で述べようとする意向・内容を趣旨(シュシ)といいます。
旨(シ)は中学生 で習う常用漢字です。
旨(うま)いは美味(うま)いとも書きます。
『指(シ)』zhǐ は、旨(うま)いものを食べる指を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手)+旨(旨いもの・甘いもの)=指(旨いものを食べる指。ゆび。指す)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『指(ゆび)』、『指(さ)す』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『指(ゆび)』、『指(さ)す』です。物事を指し示すことを指示(シジ)、方向を指し示して導くことを指導(シドウ)、物事のやり方などを指示して人を動かすことを指図(さしず)、人を差す指(ゆび)を人差し指(ひとさしゆび)、人差し指・食欲をそそられることを食指(ショクシ)といいます。
「食指(ショクシ)が動く」というのは、食欲が起こる。興味が生じることをいいます。昔中国の鄭(てい)の子公の人さし指が、ごちそうに前には動いたという故事(コジ)によります。
指(シ)は小学校3年生で習う漢字です。
『脂(シ)』zhīは、こってりした動物性の脂(あぶら)を表す形声文字です。漢字の足し算では、月(肉)+旨(旨いもの・甘いもの)=脂(こってりした動物性の脂。脂肉。あぶら)です。漢字の部首は『月・にくづき』、漢字の意味は『脂(あぶら)』、『やに』、『紅(べに)を溶(と)く脂(あぶら)』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『脂(あぶら)』です。液体状と固体状のあぶらを油脂(ユシ)、こってりした常温で固体の脂を脂肪(シボウ)、樹木から出るこってりした脂を樹脂(ジュシ)、紅(べに)と白粉(おしろい)を脂粉(シフン)といいます。
体脂肪率というのを測ったことがあります。Yamatoボディプランナー と Zeus9.9 という機械では測定値に差があります。筋肉量と水分量にも差がありました。
体重68kg
体脂肪率 Yamato ボディプランナー 18.8%
Zeus9.9 21.3%
腕の筋肉量 Yamato ボディプランナー 2.8kg
Zeus9.9 左3.2kg 右3.0kg
脚の筋肉量 Yamato ボディプランナー 10.9kg
Zeus9.9 左9.27kg 右8.63kg
水分量 Yamato ボディプランナー 40.2kg
Zeus9.9 38.5kg
脂(シ)は中学生 で習う常用漢字です。
『あぶら』は油(ユ・あぶら・搾った液体状のあぶら)http://bit.ly/1DrqpJ9、膏(コウ・あぶら・薬に使うあぶら)http://bit.ly/1w5VyzZ とも書きます。
『鮨(シ)』qí、yìは、鮨(すし)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚+旨(旨いもの)=鮨(魚を使った旨いもの。酢飯に魚をのせて握った食べ物。鮨。すし)です。漢字の部首は『魚・さかなへん』、漢字の意味は『鮨(すし)』ですが、我が国独自の使い方です。中国では本字である鰭(キ・ひれ)と同じ意味に使います。
音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、慣用音が『シ』、訓読みが『鮨(すし)』です。
鮨(シ)は中学校で習う常用漢字から外れています。
『すし』は鮓(サ・すし・酢を使った食べ物)http://bit.ly/1u0607V、寿司(すし・めでたい食べ物)とも書きます。
魚を使った漢字について詳しくは『部首索引 魚』 もご覧下さい。
『耆(キ)』qíは、年寄りになって味わいのある様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、老(歳をとる)+旨(旨いもの)=耆(年寄りになって味わいのある。経験豊か)です。漢字の部首は『老・おいる』、漢字の意味は『年寄り』、『経験豊か』です。
音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みが『耆(お)いる』です。徳の高い老人を耆艾(キガイ)、人々に慕われている老人を耆旧(キキュウ)といいます。
耆(キ)は中学校で習う常用漢字から外れています。
『嗜(シ)』shìは、嗜(たしな)む様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、口(食べる・飲む)+耆(時間のたった味わい)=耆(時間のたったものを味わう。嗜む。たしなむ)です。漢字の部首は『口・くちへん』、漢字の意味は『嗜(たしな)む』です。対象は食べ物だけでなく学問・芸術に対しても使います。
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読みが『嗜(たしな)む』です。好き好むことをを嗜好(シコウ)、むさぼり眠ることを嗜眠(シミン)といいます。
嗜(シ)は中学校で習う常用漢字から外れています。
『鰭(キ)』qíは、魚の鰭(ひれ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、魚(さかな)+耆(年寄りの・髪の長い)=鰭(髪のように長い魚の部分。鰭。ひれ)です。漢字の部首は『魚・さかな』、漢字の意味は『鰭(ひれ)』です。
音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みが『鰭(ひれ)』です。魚の尾の部分にある鰭を尾鰭(ビキ・おびれ)、背にある鰭を背鰭(ハイキ・せびれ)といいます。
魚を使った漢字について詳しくは『部首索引 魚』 もご覧下さい。
鰭(キ)は中学校で習う常用漢字から外れています。
旨(シ)を使った漢字に詣(ケイ)があります。
『詣(ケイ)』yì は、学問が高いところまで到達する様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(学問)+旨(旨いもの・甘いもの)=詣(学問が旨い。学問が高いところまで到達する)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『学問が高い』、『高い境地』です。我が国では、神社にお参(まい)りをするときにも使います。
音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『ゲイ』、慣用音が『ケイ』、訓読みが『詣(もう)でる』です。深い知識や理解を造詣(ゾウケイ)、神社にお参りに行くことを参詣(サンケイ)といいます。
詣(ケイ)は中学生で習うようになった常用漢字 です。
『稽(ケイ)』jīは、作物を留(とど)める様子・稽(かんが)える様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾(作物)+尤(とりわけ・手)+旨(長く)=稽(長く貯えた作物。留める。考える)です。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『留(とど)める』、『稽(かんが)える』です。
藤堂によれば、長く貯えておく収穫物を表す漢字で、のちに計(ケイ)jì http://bit.ly/1gpSgnE の影響から稽(かんが)えるの意味が加わったとしています。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『ケイ』、訓読みは常用外に『稽(かんが)える』があります。昔の事を考えて調べること・学習すること・練習することを稽古(ケイコ)、根拠がないことを無稽(ムケイ)といいます。
☆荒唐無稽(コウトウムケイ)とは言動に根拠がなく、現実的でないこと・とりとめないことを言います。
稽(ケイ)は2010年より新たに登録された中学生で習うようになった常用漢字 です。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-08c0.html
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.論文の しゅし( )。
2.うま( )い料理。
3.物事を さしず( )する。
4.方向 しじ( )。
5.しぼう( )と蛋白質。
6.じゅし( )を原料にする。
7.すし( )を食べる。
8.煙草は しこう( )品。
9.神社に さんけい( )する。
10.学問の ぞうけい( )が深い。
11.剣道の けいこ( )をする。
解説です。基本の漢字は旨、指(ゆび)は扌(てへん)を足して指、脂(あぶら)は月(にくづき)を足して脂、鮨(すし)は魚を足して鮨、嗜(たしな)むは耆に口を足して嗜、詣(もう)でるは言を足して詣で、稽(かんが)えるは禾(のぎへん)と尤(もっと)もを足して稽です。
解答です。趣旨、旨い、美味い、指図、指示、脂肪、樹脂、鮨、鮓、寿司、嗜好品、参詣、造詣、稽古。
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