小学校5年生で習う漢字②(経~職)
小学校5年生で習う漢字を説明します。『小学校5年生で習う漢字①』(圧~群)と 『小学校5年生で習う漢字②』(経~職)、 『小学校5年生で習う漢字③』(制~独)、『小学校5年生で習う漢字④』(任~領)に分割しています。ご了承下さい。
漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢(西暦100年頃)の許慎(キョシン)の「説文解字(セツモンカイジ)」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。
①.物の形を象った(かたどった)『象形文字』(ショウケイモジ)、②.象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』(シジモジ)、③.文字を組み合わせて造った『会意文字』(カイイモジ)、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声文字』(ケイセイモジ)の四種です。『会意文字』と『形声文字』は漢字の足し算で表す事が出来ます。個々の漢字についてはまとめてありますので象形・指事・会意・形声 五年生も御覧ください。
漢字の成り立ちについての解釈は四通りです。どの時代の漢字に重点を置くか、また「説文解字(セツモンカイジ)」にどれほど敬意を払うかにより、解釈が違う場合が稀にあります。ある辞書では『見』を象形文字、別の辞書では目+儿の会意文字としています。漢字の解釈については諸説あることを御承知下さい。
『經・経(ケイ・キョウ)』jīngは、上下にまっすぐ伸びる縦糸を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、糸+巠(ケイ・たて・まっすぐ)=経(真っ直ぐな縦糸。筋道)です。漢字の部首は『糸・いとへん』です。意味は『織物の縦糸』、『縦の方向』です。
現在は常用漢字体である『経』を使うのが普通です。戦争に負ける前は、正字体(旧字体)である『經』が使われていました。
音読みは漢音の『ケイ』が普通で、呉音の『キョウ』と読むこともあります。訓読みは『経て(たて)』、『経つ(たつ)』、『経る(へる)』です。
『経緯(ケイイ・いきさつ)』という言葉がありますが、縦糸(経)と横糸(緯)のことで、事の経過をしめす言葉です。
『経路(ケイロ)』という言葉がありますが、縦の道(経)と横の道(路)のことで、通ってきた道順、道筋を示す言葉です。例えばバスの運行経路(ケイロ)のように使います。
『経』については時間の概念が有り『通り過ぎる』、『へる』、『おさめていく』の意味があります。宗教の教えを書いたものを『経(キョウ)』といいます。経て(たて)に長い文章だからです。
体験を経ることを経験(ケイケン)、英語のeconomyの和訳を経済(ケイザイ)、事業をおさめ、営むことを経営(ケイエイ)、時間が過ぎゆく(経つ)ことを経過(ケイカ)、地球の縦方向を経線(ケイセン)、お経を読むことを読経(ドキョウ)といいます。
『経済』の語源ですが『経世』(ケイセイ・世の中をおさめる)と『済民』(ザイミン・民をすくう)から来ています。この理想的な政策なことを『経済』(ケイザイ)といいました。明治時代にエコノミーの和訳に『経済』という漢字をあてたため、『経済』は人々の生産・消費活動に関する言葉として使われるようになったのです。
経(ケイ)は巠(ケイ)の『単語家族』で、軽(ケイ)、径(ケイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 巠』をご覧ください。
『潔(ケツ)』jiéは、潔(いさぎよ)い状態を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水・きれいな)+絜(契約・紐で引き締める)=潔(きれいで引き締まった状態。潔い。いさぎよい)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『潔(いさぎよ)い』、『正しい行い』です。絜(ケツ)や契(ケイ)は契約(ケイヤク)に関係した漢字といわれています。
音読みは呉音が『ケチ』、漢音が『ケツ』、訓読みが『潔(いさぎよ)い』です。汚れがなく清らかな状態を清潔(セイケツ)、心や行いがきれいなさまを潔白(ケッパク)、余計なものがなくすっきりした状態を簡潔(カンケツ)といいます。
きれいな漢字で『きよ』、『きよし』、『ゆき』、『よし』と名前に使われます。
また呉音の韻が『チ』のときは漢音の韻が『ツ』になることがあります。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音もご覧ください。
潔(ケツ)は契(ケイ)の漢字の仲間で、絜(ケイ・つなぐ)、喫(キツ・のむ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 契』をご覧ください。
『件(ケン)』jiànは、物事を数える言葉を表す漢字です。家畜の代表として牛と人からなる会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ(人間)+牛(家畜・動物の代表)=件(物事を数える言葉)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『物事を数える言葉』、『事柄』です。
音読みは呉音が『ゲン』、漢音が『ケン』です。訓読みは常用外に『件(くだり)』、『件(くだん)』です。大切な用事・必要な条件を要件(ヨウケン)、問題になっている事柄を案件(アンケン)、ある物事が成立・実現するために必要な事柄を条件(ジョウケン)といいます。
重要な漢字で『かず』、『なか』、『わか』と名前に使われます。
件(ケン)は牛(ギュウ)を使った漢字です。『漢字の覚え方 牛』も御覧ください。
漢字の世界では、人と動物や植物を使って物事を表す造字法があります。類(ルイ)も米(穀物の代表)http://bit.ly/1vLIp0x と犬(動物の代表)と頁(人の頭・特徴)から出来ている漢字です。
『券(ケン)』quànは、古代の竹製の手形を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、(巻物・書類)+刀(刀で刻む)=券(竹製の巻物状の手形に署名する。契約の書類。手形)です。漢字の部首は『刀・かたな』、漢字の意味は『手形』です。
手形などの書類は現在では紙に書かれていますが、古代では竹製の巻物で、刀で刻みをつけた契約しました。紙や電子署名を使う現在でも、巻物と刀を合わせた漢字の券が使われています。
音読みは呉音が『コン』、漢音が『ケン』です。金銭の代わりに通用する紙片を金券(キンケン)、財産についての権利と義務が書かれた書類を証券(ショウケン)、売り渡しの証文・人の値打ちを沽券(コケン)といいます。
券(ケン)は(ケン)の『単語家族』で、巻(カン)、拳(ケン)などの仲間の漢字があります。詳しくは 『漢字の覚え方 巻』をご覧ください。
『険(ケン)』xiǎnは、山の頂上が剣のように切り立っている様子を表した漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、阝(こざとへん・丘・山)+僉(剣のように尖った部分)=険(山の稜線(リョウセン)の険(けわ)しい部分)です。漢字の部首は『阝・こざとへん』です。
読みは呉音・漢音ともに『ケン』で、訓読みは『険(けわ)しい』です。危なく険しいことを危険(キケン)、険しい状態に対して保証することを保険(ホケン)、険しいことにあえて挑(いど)む(冒)を冒険(ボウケン)、険しく悪い状態が険悪(ケンアク)といいます。
同じ意味の漢字で『嶮(ケン)』がありますが、山に関してのみ使う漢字なのと、常用漢字ではないので殆ど使われません。また、探険(タンケン)ですが、調べる(検)の意味が強いので、探検の方が好んで使われます。
『検(ケン)』jiǎnは、木に僉を足し合わせたものです。この場合の木は、植物の木でなく、検査証のようなものです。紙が普及する前は、木と竹に文字を書いていましたから。『検』とは、木の書類と照らし合わせて調べる事を言います。
漢字の足し算では、木(木の書類)+僉(あつめる・そろえる)=検(文書と照らし合わせて調べる)です。漢字の部首は『木』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ケン』です。調べて印を押すことを検印(ケンイン)、調べて取り締まり、逮捕することを検挙(ケンキョ)、平安時代の非法・違法を取り締まる役人を検非違使(ケビイシ)、書類を調べて捜す(索)のを検索(ケンサク)と言います。
険(ケン)、検(ケン)は僉(ケン)の『単語家族』で、剣(ケン)、験(ケン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 僉』をご覧ください。
『限(ゲン)』xiànは、岩や土を使っていつまでも残るように領地の境界を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、阝(土盛り)+艮(あとに残る)=限(岩や土を使っていつまでも残るように領地の境界。限り。かぎり)です。漢字の部首は『阝・こざとへん』、意味は『限(かぎ)り』、『区切り』です。
音読みは呉音が『ゲン』、漢音が『カン』、訓読みは『限(かぎ)る』です。物事の範囲の最後のところを限界(ゲンカイ)、定められた期間を期限(キゲン)、そこまでと範囲を定める(制)ことを制限(セイゲン)といいます。
限(ゲン)は艮(コン)の『単語家族』で、眼(ガン)、痕(コン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 艮』をご覧ください。
『現(ゲン)』xiànは、宝石が現われる(光る)様子を表した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、王(玉の略字・宝石)+見(あらわれる)=現(宝石が現れる様子。今まで見えなかったものが現れる)です。漢字の部首は『玉・たま』です。意味は『現われる』、『目にみえる』、『現実』などです。
音読みは呉音が『ゲン』、漢音が『ケン』、訓読みは『現(あらわ)れる』、『現(あらわ)す』です。今、目に見えて存在する世界を現在(ゲンザイ)、今までなかったものが現れる様子を出現(シュツゲン)、現在の事実を現実(ゲンジツ)といいます。
古代中国の楚の国に卞和(ベンカ)という人がいました。山中で玉(宝石)の原石を見つけ王様に献上しました。ところが、宝石の鑑定人に普通の石と判定されてしまいました。王は怒って卞和の右足を切りました。代が代わってつぎの王にも原石を献上しました。再び、雑石と判定され左足を切られました。次の文王になって、王が原石を磨かせたところ見事な宝石が現(あらわ)れました。文王は今までの不明を詫び、これを『和氏の璧』と名付けたのです。
現(ゲン)は見(ケン)の『単語家族』で、硯(ケン・すずり・墨が現れるの意味)、筧(ケン・かけい・水が現れるの意味)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 見』をご覧ください。
『減(ゲン)』jiǎnは、水の流れを閉じて水量を減(へ)らす様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+咸(閉ざす)=減(水の流れを閉じて水量を減らす。減らす。へらす)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『減(へ)らす』、『引く』です。
音読みは呉音が『ゲン』、漢音が『カン』、訓読みは『減(へ)らす)』、『減(へ)る』です。減って少なくなることを減少(ゲンショウ)、勢力が少なくなることを減退(ゲンタイ)、削って減らすことを削減(サクゲン)、引き算を減法(ゲンポウ)といいます。
減(ゲン)は咸(カン)の漢字の仲間で、感(カン)、憾(カン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 咸』をご覧ください。
『故(コ)』gùは、古いに関連した事を示す漢字です。漢字の足し算では、古(ふるい・祈る)+攵(ぼくづくり・動作、鞭打つ)=故(古いに関連した事。以前の。もとの)です。部首は『攵・ぼくづくり』、意味は『以前の』、『もとの』、『死亡する』、『さしさわりのある』、『わざと』です。
『さしさわりのある』、『わざと』は『古(いのる)』に『攵(鞭打つ)』で祖先に対する祈りを妨害する事に由来されていると言われています。
音読みは『コ』、常用外の訓読みに『ゆえ』があります。もとの郷を故郷(コキョウ・ふるさと)、以前の出来事を故事(コジ)、死亡した人を故人(コジン)、さしさわりのある出来事を事故(ジコ)、わざとすることを故意(コイ)といいます。故事成語には「蛇足(ダソク)」、「矛盾(ムジュン)」、「杞憂(キユウ)」など有名なものが多いです。
『個(コ)』gè、gěは、一つの固いものを示す漢字です。漢字の足し算では、イ(にんべん・人)+固(固いもの)=個(一人一人の個人)です。漢字の部首は『イ・にんべん』です。一人を指しますが、固いものを数える言葉としても使います。
音読みは慣用音の『コ』が普通です。漢音の『ケ』と読むことはありません。個人(コジン)、個性(コセイ)、個別(コベツ)、個室(コシツ)、個数(コスウ)の個です。『個』はもともと『箇』と同じ漢字でした。古い書物には見られない漢字で、後から出来た漢字です。一個と一箇は同じ意味です。
故(コ)、個(コ)は古(コ)の漢字の仲間で、古(コ)、固(コ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 古』をご覧ください。
『護(ゴ)』hùは、護(まも)るということを宣言することを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(言葉)+蒦(隹を見守る)=護(見守ることを宣言する。見守る。かばって護る)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『見守る』、『かばい護る』です。
音読みは呉音が『ゴ』、漢音が『コ』、訓読みは『護(まも)る』です。憲法を護ることを護憲(ゴケン)、病人をみまもり世話をすることを看護(カンゴ)、外からの危険や脅威からかばい護ることを保護(ホゴ)といいます。
『まもる』は、漢字の世界では、守、護、衛とあってそれぞれニュアンスが違います。
守(まも)る 屋根の下で守る 留守を守る 『漢字の覚え方 守』http://bit.ly/1CuXGl4
護(まも)る 見守る かばって護る 『漢字の覚え方 矍』http://bit.ly/1m7WN07
衛(まも)る 武器を持って衛る 城を衛る 『漢字の覚え方 韋』http://bit.ly/ZWpSkT
守 護 (シュゴ)、護 衛(ゴエイ)、守 衛(シュエイ)とニ字合わせても使います。一語で聞いた時よりも二語の方が聞き取りやすいからです。
重要な漢字で『さね』、『もり』と名前に使われます。
護(ゴ)は蒦・矍(カク)の『単語家族』で、獲(カク)、穫(カク)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 矍』をご覧ください。
『効(コウ)』xiàoは、力が交わって発揮されることです。漢字の足し算では、交(交わる)+力(ちから)=効(力が交わって効果がること。効き目)です。『金文』という古い古い字体では矢に攴(ぼくづくり・手の動作)で書かれていました。漢字の部首は『力』です。意味は『効果がある』です。
音読みは呉音の『ギョウ』は使わず、漢音の『コウ』を使います。訓読みは『効(き)く』です。効果(コウカ)、効力(コウリョク)、薬効(ヤッコウ)、有効(ユウコウ)、時効(ジコウ)、薬が効(き)くの効です。
良い意味の漢字で『いたる』、『かず』、『かた』、『すすむ』、『なり』、『のり』と名前に使われます。
『役に立つ』と『機能する』の意味には『利(き)く』を使います。例えば、左利き(左が機能する)は『利く』です。
効(コウ)は交(コウ)の『単語家族』で、校(コウ)、郊(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 爻・交』をご覧ください。
『厚(コウ)』hòuは、下が厚(あつ)い状態を表す会意文字です。漢字の足し算では、厂(崖型)+亯の逆さ文字(高いの逆さにした文字)=厚(建物の下の部分が厚い。厚い)です。漢字の部首は『厂・がんだれ』、漢字の意味は『厚(あつ)い』、『厚(あつ)みがある』、『豊か』です。
建物の上の部分が高い漢字が、高(コウ)です。
『説文解字』には「山陵の厚いなり。亯(亯の逆さ文字)に従い、厂に従う」とあります。
高いの逆さにした漢字はフォントでは表現出来ないので、亯で代用させて頂きます。
音読みは呉音が『グ』、漢音が『コウ』、訓読みが『厚(あつ)い』です。生活を豊かにすることを厚生(コウセイ)、厚い情け・深い思いやりを厚情(コウジョウ)といいます。
厚(コウ)は厂(ガン)を使った漢字です。厂(ガン)の『単語家族』で、岩(ガン)、岸(ガン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 厂』をご覧ください。
『耕(コウ)』gēngは、、縦横きれいに耕(たがや)す様子を表す漢字です。漢字の足し算では、耒(すき)+井(縦横・たてよこ)=耕(きれいに耕(たがや)す。耕す)です。漢字の部首は『耒・すき』、漢字の意味は『耕(たがや)す』、『働いて生活を得る』です。
音読みは呉音が『キョウ』、漢音が『コウ』、訓読みは『耕(たがや)す』です。田畑を耕して農作物をつくることを農耕(ノウコウ)・耕作(コウサク)、文章によって生計をたてることを筆耕(ヒッコウ)といいます。
大変良い意味の漢字で、『おさむ』、『つとむ』、『やす』と名前に使われます。
『鉱・鑛(コウ)』kuàngは、黄色の金属を含む鉱石を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、金(金属)+廣(黄色の光)=鑛・鉱(黄色の金属。精製していない鉱石)です。部首は『金・かねへん』、意味は『鉱石』です。『礦(コウ)』kuangは、全く同じ意味の漢字で『石・いしへん』が使われています。
『鑛』が正字ですが、常用漢字に登録されている字体は省略形の『鉱』です。『鉱』の字を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『コウ』です。訓読みは『あらがね』です。鉱石(コウセキ)、鉱脈(コウミャク)、鉱物(コウブツ)、鉱業(コウギョウ)の鉱です。
鉱(コウ)は広(コウ)の『単語家族』で、黄(コウ)、横(オウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 黄・広』をご覧ください。
『構(コウ)』gòuは、木を組みたてる様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、木(き)+冓(組む)=構(木を組み合わせる。構える)です。漢字の部首は『木』、意味は『構える』です。
音読みは漢音が『コウ』、呉音が『ク』、訓読みは『構える(かまえる)』です、構造(コウゾウ)、構想(コウソウ)、機構(キコウ)、構築(コウチク)の構です。
『講(コウ)』jiǎngは、言葉を組む様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、言+冓(組む。組み合う)=講(言葉を組む。相手が納得するように話す)です。漢字の部首は『言』です。意味は『相手にわかるように話す』です。
音読みは漢音・呉音ともに『コウ』です、講義(コウギ)、講釈(コウシャク)、講談(コウダン)、講和(コウワ)の講です。
講和(コウワ・理解しあう)は媾和(コウワ・仲直りをする)とも書きます。また、我が国では信者の団体やお金を融通する寄り合いを『講(コウ)』といいます。
構(コウ)、講(コウ)は冓(コウ)の『単語家族』で、購(コウ)、溝(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 冓』をご覧ください。
『興(コウ)』xīngは、大きな荷物を担(かつ)ぎあげる様子を表す漢字です。漢字の足し算では、舁(四本の手)+凡(大きな荷物)=興(大きな荷物荷物を担(かつ)ぎあげる。興す)です。漢字の部首は『臼・うす』、漢字の意味は『興(おこ)す』、『感情が高ぶる』、『おもしろみ』です。
凡(大きな荷物)は楷書体では同になります。
音読みは呉音が『コウ』、漢音が『キョウ』、訓読みが『興(おこ)す』です。興(おこ)ることと亡(ほろ)びることを興亡(コウボウ)、衰えたものが再び盛んになることを復興(フッコウ)、おもしろみや味わいを興味(キョウミ)といいます。
良い意味の漢字で『おき』、『き』、『さかん』、『さき』、『とも』、『ふか』、『ふさ』と名前に使われます。『漢字の覚え方 舁』も御覧ください。
『混(コン)』hùnは、色々なものが水の中で混(ま)じる様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、氵(水)+昆(仲間。群れ)=混(色々なものが水の中で混じる。まじる)です。漢字の部首は『氵・さんずい』です。漢字の意味は『混(ま)じる』です。『昏(コン)』の代用字ととして使い『暗い』の意味もあります。また、水が盛んに湧き出る様子もいいます。
音読みは呉音が『ゴン』、漢音が『コン』、訓読みは『混(ま)じる』、『混(こ)む』です。水が盛んに湧き出る様を混混(コンコン)、色々なものが入り乱れて秩序のない様子を混雑(コンザツ)、色々なものが入り乱れて解らなくなることを昏迷・混迷(コンメイ)、別のものを混ぜて一つのものにすることを混成(コンセイ)といいます。
呉音が濁音(ゴン)の場合、漢音では清音(コン)になることがあります。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音もご覧ください。
水の湧き出る、良い意味の漢字で『ひろ』、『むら』、『むろ』と名前に使われます。
混(コン)は昆(コン)の『単語家族』で、棍(コン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 昆』をご覧ください。
『査(サ)』cháは、検査することを示す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(き)+且(重なる)=査(木を重ねた柵。柵の前で検査する)です。阻(ソ・はばむ)と同系の漢字と言われています。往来に柵を設けて人を調べる事です。意味は『しらべる』、漢字の部首は『木』です。
音読みは漢音の『サ』が普通で、呉音の『ジャ』は使いません。検査(ケンサ)、査察(ササツ)、査証(サショウ)の査です。
<検査の『検』は木の書類(木簡・モッカン)と実物を照らし合わせて調べる(僉)事を言います。
査(サ)は且(ソ)の漢字の仲間で、助(ジョ)、祖(ソ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 且』をご覧ください。
『再(サイ)』zàiは、木組みや紐などを表す漢字を上下に書き、線を足して再(ふたた)びを表す指事文字です。漢字の足し算では、一+冉(木組みや組み紐)=再(再び組み直す。再び)です。漢字の部首は『冂・けいがまえ』、漢字の意味は『再(ふたた)び』です。
音読みは呉音・漢音が『サイ』、慣用音が『サ』です。漢音が訓読みが『再(ふたた)び』です。再び会うことを再会(サイカイ)、再び建てなおすことを再建(サイケン)、再び選ばれることを再選(サイセン)、来年のもう一度を再来年(サライネン)といいます。
再(サイ)は冓(コウ)に近い漢字で、冓(コウ)の『単語家族』には、購(コウ)、溝(コウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 冓』をご覧ください。
『災(サイ)』zāiは、水害と火災を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、巛(水害)+火(火害・戦禍)=災(水と火の災い。わざわい)です。甲骨文字では、単に水害を表す象形文字で、のちに火が加えられました。在や戈を加えた字体もあります。漢字の部首は『火・ひ』、漢字の意味は『災(わざわ)い』です。
音読みは呉音・漢音ともに『サイ』、訓読みは『災(わざわ)い』です。自然現象や事故・火事による災いを災害(サイガイ)、台風・火事などの災害を防ぐことを防災(ボウサイ)といいます。
災(サイ)は巛・川(セン)を使った漢字で、巛・川(セン)の『単語家族』には、順(ジュン)、巡(ジュン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 川』をご覧下さい。
『妻(サイ)』qīは、簪(かんざし)で飾った女性を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、十(かんざしの形)+ヨ(右手)+女=妻(簪(かんざし)で飾った女性。妻。つま)です。漢字の部首は『女・おんな』、漢字の意味は『妻(つま)』です。
音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『妻(つま)』です。夫と妻を夫妻(フサイ)、妻と子を妻子(サイシ)、妻を持つことを妻帯(サイタイ)といいます。
妻(サイ)の『単語家族』には、凄(セイ)、棲(セイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 妻』をご覧ください。
『採(サイ)』cǎiは、木の芽を選んで摘(つま)みとる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手の動作)+采(手で木の芽をつまむ)=採(木の芽を選んで摘(つま)みとる。採る。とる)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『採(と)る』、『選びとる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『サイ』、訓読みが『採(と)る』です。選び取ることを採取(サイシュ)、適切な人材を選びとることを採用(サイヨウ)、評価して点数を付けることを採点(サイテン)、収支と支出の釣り合いをとることを採算(サイサン)といいます。
採(サイ)は采(サイ)の『単語家族』で、菜(サイ)、彩(サイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 采』をご覧ください。
『際(サイ)』jìは、祭礼地の際(きわ)を表わす形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、阝・阜(壁・土盛り)+祭(祭礼)=際(祭礼地の境目・際。きわ)です。漢字の部首は『阝・こざとへん』、漢字の意味は『際(きわ)』、『境目』、『ふれあい』です。
音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みは『際(きわ)』です。人と人とがふれあう交わりを交際(コウサイ)、物事とのふれあい方を実際(ジッサイ)、他人とふれあう自分の領域を分際(ブンザイ)、水との境目を水際(みずぎわ)といいます。
際(サイ)は祭(サイ)の漢字の仲間で、察(サツ)、擦(サツ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 祭』をご覧ください。
『在(ザイ)』zàiは、じっとそこに止まっている様子を表した形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、土(土砂)+才(川を遮(さえぎ)る)=在(切り止める。そこに在る。いる)です。漢字の部首は『土・つちへん』、意味は『在(あ)る』、『いる』です。
音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『サイ』です。訓読みは『在(あ)る』です。人間や物事があることを存在(ソンザイ)、故郷にとどまっていることを在郷(ザイキョウ・ザイゴウ)、世間にとどまっている人を在家(ザイケ)、これまで(来)普通にあったことを在来(ザイライ)といいます。
生きている。この世にいることを表す、大切で、縁起の良い漢字で『あき』、『あきら』、『ありや』、『すみ』、『とお』、『とみ』、『まき』、『みつる』と広く名前に使われます。
『在(ザイ)』zàiから派生した漢字に『存(ソン)』cúnがあります。残された子供を大切にする漢字で、転じて『存(あ)る』、『生きている』の意味に使います。
『財(ザイ)』cáiは、財産を適度に分けて役に立てる様子を表した形声文字です。漢字の足し算では、貝(貨幣・金銭)+才(切る)=財(財産を適度に分けて役に立てる。役に立つ金銭)です。漢字の部首は『貝・かいへん』、意味は『財産』、『金銭を切り盛りする』、『役に立つ金銭』です。
音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『サイ』です。金銭を切り盛りして社会の役に立てる政策・部門を財政(ザイセイ)、役に立つ資産を財産(ザイサン)、値打ちのある役立つ金銭を財貨(ザイカ)といいます。
在(ザイ)、財(ザイ)は才(サイ)の『単語家族』で、材(ザイ)、?(サイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 才』をご覧ください。
『罪(ザイ)』zuìは、罪(つみ)を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、罒(網)+非(悪いこと)=罪(網をかぶせて悪いことを取り締まる。法にそむいた行為。罪。つみ)です。漢字の部首は『网・あみがしら』、漢字の意味は『法にそむいた行為』、『刑罰』、『悪いこと』です。秦の始皇帝のときに造られた新しい漢字です。
もとの漢字は、辠(ザイ)で皇(コウ)と似ているために書き換えられたといわれています(藤堂)。漢字の足し算で表すと、自(鼻)+辛(刃物)=辠(鼻を切り落とす刑罰)です。
音読みは呉音が『ザイ』、漢音が『サイ』、訓読みが『罪(ツミ)』です。罪をおかすことを犯罪(ハンザイ)、問われている罪の事実を罪状(ザイジョウ)、罪を犯した者の生命を絶つことを死罪(シザイ)、罪をわびることを謝罪(シャザイ)といいます。
罪(ザイ)は非(ヒ)を使った漢字です。 『漢字の覚え方 非』も御覧ください。
『雑(ゾウ・ザツ)』záは、いろいろな隹(とり)が木に集まった様子を表す漢字です。漢字の足し算では、九(衣)+集(隹(とり)が木に来る)=雑(いろいろな隹が木に集まる。寄せ集めの衣。まじる)です。漢字の部首は『隹・ふるとり』、漢字の意味は『入り混じる』、『まとまりがない』、『主要でない』です。
音読みが呉音が『ゾウ』、漢音が『ソウ』、慣用音が『ザツ』です。物事のがこみいっていることを複雑(フクザツ)、日常生活のこまごました品物を雑貨(ザッカ)、餅 (もち) に色々な具をあしらった汁物を雑煮(ゾウに)といいます。
雑は隹(スイ)を使った漢字です。隹の『単語家族』について詳しくは、『漢字の覚え方 隹』をご覧ください。
『酸(サン)』suānは、キュッと酸(す)っぱい様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、酉(醗酵した液体)+夋(キュッとした)=酸(キュッと酸っぱい液体。酸。さん)です。漢字の部首は『酉・とり』、漢字の意味は『酸っぱい液体』、『酸性を帯びた化合物』、『辛い』、『酸素』です。
音読みは呉音・漢音ともに『サン』、訓読みは『酸(す)い』です。酸っぱい味を酸味(サンミ)、辛(つら)い目や苦しい思いを辛酸(シンサン)、塩化水素(HCl)の水溶液を塩酸(エンサン)といいます。
酸(サン)は夋(シュン)の『単語家族』で、俊(シュン)、浚(シュン)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 夋』もご覧ください。
『賛(サン)』zànは、助け誉(ほ)める様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、先先(先にすすめる)+貝(礼物)=賛(贊)(先にすすんで主役助け、ほめる。たすける。ほめる)です。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『助ける』、『賛(たた)える』、『賛(ほ)める』です。
正字は贊ですが、常用漢字体の賛を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『サン』、訓読みは常用外に『賛(たた)える』、『賛(ほ)める』があります。言葉で称(たた)え誉(ほ)めることを称賛(ショウサン)、物を与えて誉めることを賞賛(ショウサン)、人の意見や行動を良いと認めて同意することを賛成(サンセイ)、わきから力をそえて助けることを賛助(サンジョ)といいます。
良い意味のある漢字で『あきら』、『じ』、『すけ』、『たすく』、『よし』と名前に使われます。
賛(贊)(サン)は先(セン)の仲間の漢字で、筅(セン)、銑(セン)などの仲間の漢字があります。詳しくは 『漢字の覚え方 先』をご覧ください。
『支(シ)』zhīは、枝(えだ)を手にする様子を表す文字です。漢字の部首は『支・ささえる』、漢字の意味は『枝分かれする』、『分かれて出す』、『小さい』、『物事をはかる』、『支(ささ)える』、『差し支(つか)える』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みが『支(ささ)える』、枝分かれしたお店が支店(シテン)、ある目的のために自分の金銭を出すことを支出(シシュツ)、ある組織に自分の権力を及ぼし意のままの状態にすることを支配(シハイ)、ある意見に賛成して後押しすることえ・支え持つことを支持(シジ)、差し支えることを支障(シショウ)といいます。
漢字には二面性があり、枝(えだ)を例に挙げるて考えると、幹(みき)は枝(えだ)を支(ささ)える訳ですが、同時に枝のがあるために枝の方向には支(つか)えて伸びることが出来ない訳です。
良い意味のある漢字で『なか』、『もろ』、『ゆた』と名前に使われます。
『枝(シ)』zhīは、木の枝(えだ)を表す形声文字です。漢字の足し算では、木+支(分かれる)=枝(分かれた木。枝。えだ)です。漢字の部首は『木・きへん』、意味は『枝(えだ)』、『分かれ出たもの』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みが『枝(えだ)』です。枝と葉・本質でないものを枝葉(シヨウ)、楊(やなぎ)の枝でつくった歯を奇麗にする小さな木の棒を楊枝(ヨウジ)、小さな枝を小枝(こえだ)といいます。
良い意味のある漢字で『え』、『しげ』、『しな』と名前に使われます。
支(シ)、枝(シ)は同じ支(シ)の『単語家族』で、肢(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 支』をご覧ください。
『志(シ)』zhìは、心の目指す方向を表す漢字です。漢字の足し算では、士(シ・之の略字・之く)+心(気持)=志(心の目指す・行く方向。ここころざし。志)です。部首は『心・こころ』、意味は『志(こころざし)』、『しるす』です。志の士は武士と同じ形ですが、士(さむらい)ではなく之(ゆ)くの略字です。心の之く方向を表します。
イラストはBoys, be ambitious. 『少年よ、大志を抱け』で有名なクラーク博士の銅像です。札幌の羊ヶ丘展望台にあります。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』、訓読みは『志(こころざし)』です。学問を志すことを志学(シガク)、物事をしようとする気持を志気(シキ)、志しを同じくする者を同志(ドウシ)、大きな志を大志(タイシ)といいます。
非常に立派なの良い漢字で、『さね』、『しるす』、『むね』、『もと』、『ゆき』と名前に使われます。
志(シ)の『単語家族』には、誌(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 志』をご覧ください。
『師(シ)』shīは、軍隊を表す会意文字です。漢字の足し算では、?(祭肉・集団)+帀(めぐる・旗・曲刀)=師(祭肉を掲げ、曲刀を持った将軍。軍隊)です。漢字の部首は『巾・はば』、漢字の意味は『兵士の集団』、『先生』、『専門技術を持つ人』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シ』です。陸軍の部隊で、作戦上最大の部隊を師団(シダン)、学校で、学業・技芸を教える人を教師(キョウシ)、医術・医療を仕事にする人を医師(イシ)、僧侶が御経を上げるのに東西奔走する12月を師走(シわす)といいます。
とても良い意味の漢字で『かず』、『つかさ』、『のり』、『みつ』、『もと』、『もろ』と名前に使われます。
師(シ)の『単語家族』には、鰤(シ)、獅(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 師』をご覧ください。
『資(シ)』zīは、もとになるもの・もとになる資金を表す形声文字です。漢字の足し算では次(そろえる)+貝(財宝)=資(元になるため揃えたお金。資金。もと)です。漢字の部首は『貝・かい』、意味は『もとになる』、『持ち前の』、『資金を出して助ける』です。
音読みは呉音・漢音が『シ』です。訓読みは常用外に『資(もと)』がありますす。元手になるお金を資金(シキン)、元になるお金を融通することを融資(ユウシ)、元になる材料を資料(シリョウ)、持ち前の性質を資質(シシツ)、生活に役立てることを資生(シセイ)といいます。
非常に良い意味の漢字で、『すけ』、『たすく』、『ただ』、『とし』、『やす』、『よし』、『より』と名前に使われます。
資(シ)は次(シ)の漢字の仲間で、姿(シ)、恣(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 次』をご覧ください。
『飼(シ)』sìは、動物に餌(えさ)を与えて飼(か)う様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、食(食べる)+司(小さな入口)=飼(小さな入口から餌(えさ)を与えて食べさせる。飼う。かう)です。漢字の部首は『食・しょくへん』、漢字の意味は『餌(えさ)を与える』、『飼(か)う』です。
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読みは『飼(か)う』です。動物に餌を与えて育てることを飼育(シイク)、動物に与えるえさを飼料(シリョウ)といいます。
飼(シ)は司(シ)の漢字の仲間で、伺(シ)、詞(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 司』をご覧ください。
『示(シ)』shìは、神霊の祭壇(サイダン)を表す象形文字です。神の真意を示す漢字です。漢字の部首は『示・しめす』、漢字の意味は『示(しめ)す』です。
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読みが『示(しめ)す』です。はっきりと表し示すことを表示(ヒョウジ)、威力を他に示すことを示威(ジイ・シイ)、隠れた真理を示すことを黙示(モクシ)といいます。
示(シ)の『単語家族』には、視(シ)、祇(ギ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 示』をご覧ください。
『似(ジ)』sì、shìは、人が物を似せて作る様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、イ(人)+以(道具を用いる)=似(人が道具を以て実物と同じ形につくる。似る)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、意味は『実物と同じ形につくる』から転じて『似る』です。
音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読は『似(に)る』です。ひどく似ていることを酷似(コクジ)、数学や物理で実際の数値を単純化して解析する方法を近似(キンジ)、似て非なるものを似非(えせ)、本物と疑うほど似ているものを疑似・擬似(ギジ)といいます。異体字に『佀(ジ)』sì、shìがあります。
似(ジ)は以(イ)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 以』をご覧ください。
『識(シキ)』shíは、目印を認識している様子を表わす形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(言葉)+戠(戈の上につける目印。しるし)=識(認識していることを言う。理解する。識る)です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『識(し)る』、『物が解る能力』です。
音読みは呉音が『シキ』で、漢音の『ショク』は使いません。訓読みは常用外の読み方『識(し)る』です。知り理解することを認識(ニンシキ)、認識して区別することを識別(シキベツ)、知っている内容を知識(チシキ)といいます。『識』は小学校5年生で習う漢字です。
非常に良い意味の漢字で『さと』、『つね』、『のり』と名前に使われます。
識(し)るは、常用漢字(一般生活で使う漢字)の知(し)ると書くのが普通です。詳しくは『漢字の覚え方 知』 ご覧ください。
一般的に呉音の『シキ』は漢音では『ショク』と読むことがあります。識、職、織、の呉音は『シキ』、漢音が『ショク』です。どちらが普通に使われるかは、漢字によって違います。
他には色(シキ・ショク)、食(シキ・ショク)、式・拭(シキ・ショク)、稙・殖(ジキ・ショク)などの漢字がこの関係にあてはまります。
音読みの呉音、漢音については呉音と漢音 もご覧ください
識(シキ)は戠(ショク・シキ)の『単語家族』で、織(ショク)、職(ショク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 戠』をご覧ください。
『質(シツ)』zhìは、実質のある物事の価値を表す会意文字です。漢字の足し算では、斤+斤(秤の錘。釣り合う)+貝(財宝・価値)=質(物事の釣り合う価値。またその中身)です。漢字の部首は『貝・かい』、意味は『中身』、『性質』、『生まれるつきの』、『中身をつきつめる』、『質す』、『釣り合う値打ち』です。
音読みは呉音が『シチ』、漢音が『シツ』です。持ち物の価値に似合うお金を貸してくれるところを質屋(シチや)、問い質すことを質問(シツモン)、生まれ持った中身を性質(セイシツ)、飾り気のない生まれたままのの性質を質朴(シツボク)といいます。
質(シツ)の『単語家族』には、躓(チ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 斤』をご覧ください。
『舎(シャ)』shèは、手足をのばしてくつろぐ家を表す形声文字です。漢字の足し算では、余(余裕)+口(建物)=舎(手足をのばしてくつろぐ家。宿)です。漢字の部首は『?・ひとやね』、漢字の意味は『やど』、『いえ』、『はなす』です。
音読みは呉音・漢音ともに『シャ』です。駅の建物を駅舎(エキシャ)、田とくつろぐ家で田舎(いなか)、皇族の家に仕えて雑務をする人を舎人(とねり)といいます。田舎(いなか)、舎人(とねり)は特別な訓読みです。
舎(シャ)の『単語家族』には捨(シャ・手をのばして離す)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 舎』をご覧ください。
『謝(シャ)』xièは、言葉を表す様子を映像にした漢字です。漢字の足し算では、言(言葉)+射(発射する)=謝(言葉を発射する。謝る。感謝する。ことわる)です。部首は『言・ごんべん』です。
発射する言葉は3通りで、『謝罪・謝る』、『感謝する』、『謝絶・ことわる』です。言葉にあらわすことで緊張がとける気楽になる状態を示すといわれています。
音読みは漢音の『シャ』を使い、呉音の『ジャ』は使いません。訓読みは『謝る(あやまる)』です。謝罪(シャザイ)、感謝(カンシャ)、謝礼(シャレイ)、謝絶(シャゼツ)の謝です。
間違(まちが)うほうの『誤(あやま)る』は、『誤』(間違って首をかしげる)の漢字を使います。誤(ゴ)は呉(ゴ)、娯(ゴ)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 呉』をご覧ください。
謝(シャ)は射(シャ)の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 射』覧ください。
『授(ジュ)』shòuは、授(さず)ける様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌(手の動作)+受(受ける)=授(手渡しで受け取らせる。授ける。さずける)です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『授(さず)ける』、『与える』です。
音読みは呉音『ジュ』、漢音が『シュウ』、訓読みは『授(さず)ける』です。学問・技術を授け教えることを授業(ジュギョウ)、授けを与えることを授与(ジュヨ)、学問・宗教などの奥義を伝え教えることを伝授(デンジュ)といいます。
授(ジュ)は受(ジュ)の『単語家族』で、綬(ジュ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 舟・受』をご覧ください。
『修(シュウ)』xiūは、形良く見せる様子・整える様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、攸(すらり長い・行水)+彡(飾り)=修(でこぼこなくすらりと細長く整える)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『形良く見せる』、『手を加えて直す』、『学問を身につける』、『資料をまとめて書物にする』です。
音読みは呉音が『シュ』、漢音が『シュウ』、訓読みが『修(おさ)める』です。言葉を美しく用いて効果的に表現することを修辞(シュウジ)、傷んだ部分に手を加えて、再び使用できるようにすることを修理(シュウリ)、学問や技芸を磨くため、努力して学ぶこと・悟りを開くため仏道に努めることを修業(シュギョウ)、材料を集めて書物をまとめ上げることを編修(ヘンシュウ)といいます。
とても良い意味の漢字で『あつむ』、『おさ』、『おさむ』、『さね』、『すけ』、『なお』、『なが』、『ながき』、『ながし』、『なり』、『のぶ』、『のり』、『ひさ』、『まさ』、『みち』、『もと』、『もろ』、『よし』、『よしみ』と広く名前に使われます。
修(シュウ)は攸(ユウ)の『単語家族』で、条(ジョウ)、悠(ユウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 攸』をご覧ください。
『述(ジュツ)』shùは、従来のやり方で述(の)べる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶(進める)+朮(もちあわ・くっつく)=述(従来のやり方にくっついて進める。述べる。のべる)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『述(の)べる』です。
音読みは呉音が『ジュツ・ズチ』、漢音が『シュツ』、訓読みが『述(の)べる』です。事実そのままに文章に記(しる)すことを記述(キジュツ)、意見や考えを口頭で述べることを陳述(チンジュツ)、先人の業を受け継いでそれに従うことを紹述(ショウジュツ)といいます。
良い意味の漢字で『あきら』、『とも』、『のぶ』、『のぶる』、『のり』と名前に使われます。
『術(ジュツ)』shùは、従来のやり方を様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、行(行う)+朮(もちあわ・くっつく)=術(従来のやり方で行う。術)です。漢字の部首は『行・ぎょうがまえ』、漢字の意味は『術(すべ)』、『技(わざ)』です。
音読みは呉音が『ジュツ・ズチ』、漢音が『シュツ』、訓読みが『術(すべ)』です。戦いに勝つための具体的方法を戦術(センジュツ)、医者が患部を切開などして回復させる治療法を手術(シュジュツ)、忍者の使う技を忍術(ニンジュツ)といいます。
良い意味の漢字で『てだて』、『みち』、『やす』、『やすし』と名前に使われます。
述(ジュツ)、術(ジュツ)は朮(ジュツ)の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 朮』をご覧ください。
『準(ジュン)』zhǔnは、水面に浮かぶ隹(とり)と水の境(さかい)を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+隹(とり)+十(そろえる)=準(水面に浮かぶ隹(とり)と水の境(さかい)。転じて水平をはかる)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『水平をはかる』、『物事をはかるよりどころ』、『のっとる』、『準(なぞら)える』です。
音読みは呉音・漢音が『シュン』、慣用音が『ジュン』、訓読みは常用外に『準(なぞら)える』があります。物事の基礎となるよりどころ基準(キジュン)、物事をする前に決まった用意をすることを準備(ジュンビ)、急行列車に準じた列車を準急(ジュンキュウ)といいます。
準は隹(スイ)を使った漢字です。隹の『単語家族』について詳しくは『漢字の覚え方 隹』 をご覧ください。
『序(ジョ)』xùは、母屋(おもや)から伸びた建物を表す形声文字です。漢字の足し算では、广(建物)+予(押しやる・伸びる)=序(母屋(おもや)から伸びた建物。転じてきまった並び方。これから展開する文章)です。漢字の部首は『广・まだれ』、意味は『わきや』、『きまった並び方』、『これから展開する文章』です。
音読みは呉音が『ジョ』、漢音が『ショ』で、訓読みは常用外の『序(つい)で』です。東に造った脇屋(わきや)を東序(トウジョ)、ある基準による決まった並び方を順序(ジュンジョ)、本文の前にしるす文書を序文(ジョブン)、物事の正しい順序や決まりを秩序(チツジョ)といいます。
序(ジョ)は予(ヨ)の『単語家族』で、野(ヤ)、預(ヨ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 予』をご覧ください。
『招(ショウ)』zhāoは、手をもって呼ぶ映像を表す漢字です。漢字の足し算では、扌(てへん・手)+召(迎える。召す)=招(手招きをする。招く)です。『召』よりも公の度合いが少ない場合に使います。漢字の部首は『扌・てへん』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』。訓読みは『招く(まねく)』です。理事会などで人を集める事を招集(ショウシュウ)、招き接待するのが招待(ショウタイ)です。
招(ショウ)は召(ショウ)の『単語家族』で、昭(ショウ)、沼(ショウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 召』をご覧ください。
『承(ショウ)』chéngは、承(うけたまわ)る様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、卩(人)+><(両手)+手=承(ショウ)です。漢字の部首は『手・て』、漢字の意味は『受け継ぐ』、『相手の意向を受け入れる』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『ショウ』、訓読みが『承(うけたまわ)る』です。前の人の身分・財産などを受け継ぐことを継承(ケイショウ)、相手の事情を理解して聞き入れること・許すこと承知(ショウチ)、事情を汲み納得することを了承(リョウショウ)といいます。
承(ショウ)は丞(ジョウ)の漢字の仲間で、蒸(ジョウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 丞』をご覧ください。
『証(ショウ)』zhèngは、正しい言葉。証(あかし)を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、言(言葉)+正=証(正しい言葉。あかし)です。部首は『言ごんべん』、意味は『証(あかし)』です。『證』の代用字としても使われてきました。
『證(ショウ)』zhèngは、言葉を登録する様子を表す漢字です。漢字の足し算では、言(言葉)+登(登録する・申す)=證(言葉を登録する。裏付ける。あかし)です。部首は『言ごんべん』です。漢字の成り立ちは違いますが意味の同じ漢字です。
音読みは呉音・漢音ともに『ショウ』です。訓読みは『証・證(あかし)』です。証券・證券(ショウケン)、証人(ショウニン)、証拠・證拠(ショウコ)の証です。
『登』は画数が多いので『燈』が『灯』、『證』が『証』と代用字が良く使われます。
証(ショウ)は正(ショウ)の漢字の仲間で、症(ショウ)、政(ショウ・セイ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 正』をご覧ください。
『条(ジョウ)』tiáoは、細い木の枝の一筋、一筋を表す漢字です。漢字の足し算では、攸(細長い)+木=條(条)(細い木の枝の一筋、一筋)です。漢字の部首は『木・き』、漢字の意味は『木の枝』、『一筋、一筋』、『一筋、一筋書き並べた文』、『事柄』です。
禊(みそぎ)をするときに穢(けが)れを払う枝(えだ)を表す(白川)とも言われています。
正字は條で、常用漢字体の条を使うことが多いです。人名に正字の條を使う家もあります。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『チョウ』、柳の枝を柳条(リュウジョウ)、町の道筋を条坊(ジョウボウ)、ある物事が成立・実現するために必要な事柄を条件(ジョウケン)といいます。
条(ジョウ)は攸(ユウ)の漢字の仲間で、修(シュウ)、悠(ユウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 攸』をご覧ください。
『状(ジョウ)』zhuàngは、建物の進み具合を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、丬(建築用の板)+犬(建築用の守り犬)=状(建築中の様子。状況。すがた)。漢字の部首は『犬』です。意味は『建築中』から派生した『すがた』、『書面』などがあります。
古代では塔、門などの重要な建築物には、必ず嗅覚の鋭い犬に邪悪な霊から守って貰っていました。場合によっては犠牲にして埋めていたのです。漢字の成り立ちでは、建築中の状には犬が含まれているといわれています。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『ソウ』です。状況(ジョウ)、形状(ケイジョウ)、書状(ショジョウ)、賞状(ショウジョウ)、白状(ハクジョウ)の状です。良い意味の漢字で『かた』、『のり』の名前に使われます。
状(ジョウ)は爿(ショウ)の『単語家族』で、装(ショウ)、将(ショウ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 爿』をご覧ください。
『常(ジョウ)』chángは、長い状態を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、尚(長い)+巾(はば・ぬの)=常(長い布。永い。いつも)です。部首は『巾・はば』、意味は『いつも』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音は『ショウ』です。訓読みは『つね』、『とこ』です。正常(セイジョウ)、常識(ジョウシキ)、常夏(とこなつ)、常磐(ジョウバン・ときわ)の常です。
縁起の良い漢字で『つね』、『つら』、『とき』、『ときわ』、『とこ』、『のぶ』、『ひさ』、『ひさし』と多くの名前に使われています。
常(ジョウ)は尚(ショウ)の漢字の仲間で、掌(ショウ)、賞(ショウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 尚』をご覧ください。
『情(セイ・ジョウ)』qíngはけがれのない気持ちを表す漢字です。漢字の足し算では、忄(こころ)+青(けがれない)=情(けがれない心。本心。思いやり。なさけ)です。部首は『忄・りっしんべん』、意味は『本心』、『思いやり』、『ようす』、『情け(なさけ)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『セイ』で、訓読みは『情(なさ)け』です。情熱(ジョウネツ)、感情(カンジョウ)、情報(ジョウホウ)、事情(ジジョウ)、愛情(アイジョウ)、風情(フゼイ)の情です。
呉音の『ジョウ』は漢音では『セイ』と読むことがあります。音読みの呉音、漢音については呉音と漢音もご覧ください
情(ジョウ)は青(ショウ)の漢字の仲間で、静(ジョウ)、精(セイ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 青』をご覧ください。
『織(ショク)』zhīは、織(お)る様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、糸+戠(目印・模様)=織(糸を組んで模様の布を織る。織る。縦と横を組む)です。漢字の部首は『糸・いとへん』、意味は『布を織る』、『組みあげる』です。
音読みは呉音は『シキ』、漢音は『ショク』です。訓読みは『織(お)る』です。糸を紡(つむ)いで織ることを紡織(ボウショク)、機(はた)で布を織る女性・七夕の織り姫の星(ベガ)を織女(ショクジョ)、織り物を染めることを染織(センショク)、生物や社会の組み立てを組織(ソシキ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『おり』、『おる』、『り』と名前に使われます。
『職(ショク)』zhíは、戦いの戦果を記録する様子を表わす形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、耳(取る・敵の耳を取る)+戠(戈の上につける目印。戦い)=職(戦いの戦果を記録する役目。転じて職業)です。漢字の部首は『耳・みみへん』、漢字の意味は『職業』、『仕事』、『役目』です。
耳で色々なことを聞くから、職業の意味を表すようになったという説もあります。
音読みは呉音の『シキ』はほとんど使わず、漢音の『ショク』を使います。訓読みは常用外に『職務(つと)め』があります。その人が担当する仕事を職務(ショクム)、官公庁・会社などに所属しある職務を担当する人を職員(ショクイン)、平安時代に宮中の造営・修理に携わる官員を修理職(シュリシキ)、自分の技術によって物をつくり生活する人を職人(ショクニン)といいます。
非常に良い意味の漢字で『つね』、『もと』、『よし』、『より』と名前に使われます。
織(ショク・おる)、職(ショク・つとめ)は戠(ショク・シキ)の『単語家族』で、識(シキ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 戠』をご覧ください。
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本、下記の本をお読みください。
篆文(テンブン)を中心にした体系的な記述・韻の説明は、諸橋轍次先生の『新漢和辞典』、藤堂明保先生の『漢字源』・『漢字の過去と未来』を参考にさせて頂いてます。
甲骨文字・金文のもつ呪術的な解釈には白川静先生の『字通』・『字統』・『漢字』・『中国古代の文化』を参考にさせて頂いています。
漢字の伝来や常用漢字の解釈については、大島正二先生の『漢字伝来』、高島俊男先生の『漢字と日本人』を参考にさせて頂いています。
日本語については、金田一京助先生の『日本語の変遷』、大野晋先生の『日本語の文法を考える』、新村出先生の『広辞苑』を参考にさせて頂いております。
最近の研究については、落合淳思先生の『漢字の成り立ち』を参考にさせて頂いております。
医学用語については伊藤正男・井村裕夫・高久史麿先生の『医学大辞典』を参考にさせて頂いております。
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