小学校5年生で習う漢字①(圧~群)
小学校5年生で習う漢字を説明します。『小学校5年生で習う漢字①』(圧~群)と 『小学校5年生で習う漢字②』(経~職)、 『小学校5年生で習う漢字③』(制~独)、『小学校5年生で習う漢字④』(任~領)に分割ししています。ご了承下さい。
漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢(西暦100年頃)の許慎(キョシン)の「説文解字(セツモンカイジ)」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。
①.物の形を象った(かたどった)『象形文字』(ショウケイモジ)、②.象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』(シジモジ)、③.文字を組み合わせて造った『会意文字』(カイイモジ)、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声文字』(ケイセイモジ)の四種です。『会意文字』と『形声文字』は漢字の足し算で表す事が出来ます。個々の漢字についてはまとめてありますので象形・指事・会意・形声 五年生も御覧ください。
漢字の成り立ちについての解釈は四通りです。どの時代の漢字に重点を置くか、また「説文解字(セツモンカイジ)」にどれほど敬意を払うかにより、解釈が違う場合が稀(まれ)にあります。ある辞書では『見』を象形文字、別の辞書では目+儿の会意文字としています。漢字の解釈については諸説あることを御承知下さい。
『圧(アツ)』yāは、おさえつける様子を表わす形声文字です。漢字の足し算覚えるならば、厭(いやな感じ)+土(下の方向)=壓・圧(厭な感じで下の方向へ。おさえつける)です。漢字の部首は『心・こころ』、意味は『おさえつける』、『おさえつける力』です。正字は壓ですが、常用漢字体の圧を使って下さい。
音読みは呉音が『ヨウ』、漢音が『オウ』、慣用音が『アツ』です。際立った力で相手を押さえつけることを圧倒(アットウ)、おさえつける力を圧力(アツリョク)、物質に圧力を加え容積を減らすことを圧縮(アッシュク)、血液が血管を流れるときの圧力を血圧(ケツアツ)といいます。
圧(壓)(アツ)は厭(エン)の仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 厭』をご覧ください。
『移(イ)』yíは、禾(いね)の穂が横へ横へなびく様子を表す文字です。漢字の足し算で覚えるならば、禾(いね)+多(重なる)=移(稲穂が横へ横へなびく。移る。うつる)です(藤堂)。漢字の部首は『禾・のぎへん』、漢字の意味は『移(うつ)る』、『位置が変わる』、『移り変わる』です。禾(穀物)と多(肉)を祭って災いを移(うつ)すという解釈(白川)もあります。
音読みは呉音・漢音ともに『イ』、訓読みは『移(うつ)る』です。ある状態からある状態に変わり行くことを移行(イコウ)、ある場所から他の場所へ移ることを移動(イドウ)、時が変わるにつれて移り変わっていくことを推移(スイイ)といいます。
禾(いね)を使った良い意味の漢字で『のぶ』、『や』、『ゆき』、『よき』、『より』、『わたる』と広く名前に使われます。
移(イ)は多(タ)の仲間の漢字で、侈(イ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 多』をご覧ください。
『因(イン)』yīnは、布団に大人が寝る姿を漢字にしたものです。人は眠りが元になることから、『元になる』、『因る(よる)』、『ふまえる』の意味が生じました。漢字の部首は『囗・くにがまえ』です。
音読みは呉音・漢音ともに『イン』です。訓読みは『因(よ)る』、『因(ちな)み』です。原因(ゲンイン)、因果(インガ)、因循姑息(インジュンコソク)の因です。
因(イン)の漢字の仲間には、恩(オン)、咽(エン・イン)、姻(イン)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 因』をご覧ください。
『永(エイ)』yǒngは、水の流れが続く様子を表す象形漢字(ショウケイモジ)です。意味は『時間が永い』です。感じとしては、川の様に曲がりつつ、どこまでも、どこまでも続く様子が永です。
音読みは漢音の『エイ』が普通で、呉音の『ヨウ』は使いません。訓読みは『永(なが)い』です。永の部首は『水』です。永遠(エイエン)、永久(エイキュウ・とこしえ)、永続(エイゾク)、永眠(エイミン)の永です。
非常に縁起の良い漢字で、『永井』、『永川』、『永山』、『永田』、『永』と地名・名字に使われます。また『つね』、『とお』、『なが』、『ながし』、『のぶ』、『のり』、『はるか』、『ひさ』、『ひさし』、『ひら』と多くの名前に使われます。
永(エイ)の仲間の漢字には、泳(エイ)、詠(エイ)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 永』をご覧ください。
『営(エイ)』yíngは、周囲を松明(たいまつ)でとりまいた陣屋を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、(火+火+冖)+宮(建物)=營・営(周囲を松明(たいまつ)でとりまいた陣屋。兵営。外をとり巻く。転じて仕事の切り盛りをする。営む。いとなむ)です。漢字の部首は『ツ・つかんむり』、漢字の意味は『兵営』、『仕事の切り盛りをする』、『営(いとな)む』です。正字は營、我が国では常用漢字体の営を使います。
音読みは呉音が『ヨウ』、漢音が『エイ』、訓読みが、『営(いとな)む』です。兵隊が周囲をめぐらした陣を兵営(ヘイエイ)、周囲の畑を開墾すること・仕事を切り盛りすることを経営(ケイエイ)、生活のための事業を営業(エイギョウ)、企業の利益を得ようとすることを営利(エイリ)といいます。
営(エイ)は熒(ケイ・エイ)の仲間の漢字で、栄(エイ)、螢(ケイ)などの仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 栄』をご覧ください。
『衛(エイ)』wèiは、外からとり囲まれた城壁を衛(まも)る様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、行(外側を行く、守る)+韋(城壁)=衛(城壁の外を囲んで衛る。衛る。まもる)です。漢字の部首は『行・ぎょうがまえ』です。
音読みは呉音が『エ』、漢音の『エイ』が普通です。訓読みは常用外の『衛る(まも)る』です。防ぎ衛るのが防衛(ボウエイ)、生きるを衛(まも)るのが衛生(エイセイ)、君主の近くをを衛(まも)るのが近衛(このエ)です。まわりをめぐる人工の星が人工衛星(ジンコウエイセイ)です。
非常に良い意味の漢字で『ひろ』、『まもり』、『まもる』、『もり』、『よし』と名前に使われます。
『まもる』は『守る』、『衛る』、『護る』と書きますが『守る』と書くのが一般的です。
守(まも)る 屋根の下で守る 留守を守る 『漢字の覚え方 守』http://bit.ly/1CuXGl4
護 (まも)る 見守る かばって護る 『漢字の覚え方 矍』http://bit.ly/1m7WN07
衛(まも)る 武器を持って衛る 城を衛る 『漢字の覚え方 韋』http://bit.ly/ZWpSkT
守 護(シュゴ)、護 衛(ゴエイ)、守 衛(シュエイ)とニ字合わせても使います。一語で聞いた時よりも二語の方が聞き取りやすいからです。『漢字の覚え方 韋』も御覧ください。
『易(エキ)』yìは、次々と移っていく様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、日ノ(やもり・とかげ)+彡(もよう)=易(やもりが次々と移っていく。かわる。かわりやすい。易(やさ)しい)です(藤堂)。漢字の部首は『日・にち』、漢字の意味は『かわる』、『易(やさ)しい』、『避ける』です。やもりではなく、玉(宝石)や太陽とし、玉光や日光のかわる様子とする説(白川・加藤)もあります。
読み方は意味によって二通りあります。
『かわる』、『避ける』の意味では音読みが呉音で『ヤク』、漢音で『エキ』です。改めかえること・武士の身分を剥奪し、領地を没収することを改易(カイエキ)、天子の姓がかわることを易姓(エキセイ)、財貨をかえ合い取引することを貿易(ボウエキ)といいます。
『易(やさ)しい』の意味では音読みが呉音・漢音ともに『イ』、訓読みが『易(やさ)しい』です。たやすいこと・やさしいことを容易(ヨウイ)、簡単で手軽なことを簡易(カンイ)といいます。
蜴(エキ)、鯣(エキ・するめ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 易』をご覧ください。
(エキ)の仲間の漢字で、『益(益)(エキ)』yìは、皿の水が溢(あふ)れる様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、八一八(水が溢れる様子)+皿(さら)=益・益(皿の水が溢れる。ふえる)です。漢字の部首は『皿・さら』、漢字の意味は『ふやす』、『役に立つ』、『もうけ』です。正字は益、我が国では常用漢字体の益を使います。
音読みは呉音が『ヤク』、漢音が『ヱキ(エキ)』、訓読みは常用外に『益(ま)す』があります。もうけが増えること・増えることを増益(ゾウエキ)、国のプラスに役立つことを国益(コクエキ)、ためになることを有益(ユウエキ)、事業などをして出るもうけを利益(リエキ)、神仏が人間に与える恵みを御利益(ゴリヤク)といいます。
呉音が『ヤク』と読むとき、漢音では『エキ』と読むことがあります。呉音と漢音については『呉音と漢音』⑯http://bit.ly/1LUTTpI もご覧ください。
溢(あふ)れるは氵(さんずい)を足した『溢(イツ)』になります。
大変御目出度い漢字で『あり』、『すすむ』、『のり』、『まし』、『ます』、『また』、『み』、『みつ』、『やす』、『よし』と地名・人名に使われます。
益(エキ)の仲間の漢字には、溢(イツ)、隘(アイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 益』をご覧ください。
『液(エキ)』yèは、水が固体になり亦(また)水になる様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、氵(さんずい・水)+夜=液(液体が凍ってまた液体になる。液体)です。意味は『液体』です。
音読みは呉音・漢音ともに『エキ(ヱキ)』です。液体(エキタイ)、溶液(ヨウエキ)、体液(タイエキ)、血液(ケツエキ)、液晶(エキショウ)の液です。
液(エキ)は亦(エキ)の漢字の仲間で、夜(ヤ)、腋(エキ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 亦・夜』をご覧ください。
『演(エン)』yǎnは、述べる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+寅(引き延ばす)=演(水が流れるようによどみなく述べる。演じる)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『述べる』、『演じる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『エン』です。見物の前で芝居などの技を演じることを演技(エンギ)、大勢の人の前で意見を展開させてのべることを演説(エンゼツ)、脚本をもとに俳優の演技・舞台・照明などを総合して作品に携わることを演出(エンシュツ)といいます。
演(エン)は寅(イン)の仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 寅』をご覧ください。
『往(オウ・ゆく)』wǎngという漢字は、王様が行進する様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、彳(行く)+ヽ(止・足)+王=往(王の行列。往く。ゆく)です。漢字の部首は『彳・ぎょうにんべん』です。
音読みは呉音・漢音ともに『オウ』です。訓読みは常用外の『往(ゆ)く』があります。往復(オウフク)、往来(オウライ)、往診(オウシン)の往です。
往(オウ)は王(オウ)の仲間の漢字で、皇(コウ)、狂(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 王』をご覧ください。
『応(應)(オウ)』yīngは、鳥を胸で受け止めて応(こた)える様子を表す形声文字です(藤堂)。漢字の足し算では、䧹(鳥を胸で受ける)+心=應・応(胸で受け止めて応(こた)える。こたえる)です。受け止める鳥は鷹(たか)といわれています。漢字の部首は『心・こころ』、漢字の意味は『応(こた)える』、『求めに応じる』です。神様の意を受ける様子を表すともいわれています(白川)。正字は應、我が国では常用漢字体の応を使う事が多いです。慶應大学(ケイオウダイガク)は正字は應を使っています。
音読みは呉音が『オウ』、漢音が『ヨウ』です。急な場合に応(こた)えて間に合わせることを応急(オウキュウ)、技術や理論を実際にあてはめて利用することを応用(オウヨウ)、相手の問いに答えることを応答(オウトウ)、ある働きかけに応じた動きを反応(ハンノウ)といいます。
良い意味の漢字で『かず』、『たか』、『のぶ』、『のり』、『まさ』と名前に使われます。
應(オウ)は䧹(ヨウ)の仲間の漢字で、鷹(ヨウ)、膺(ヨウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 䧹』をご覧ください。
『桜(櫻)(オウ)』yīngは、首飾りのようにまわりにピンクの花が咲く樹木の櫻(さくら)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(樹木)+嬰(ピンク色の貝の首飾り)=櫻・桜(ピンクの花が咲く樹木。桜。さくら)です。漢字の部首は『木・きへん』、漢字の意味は『桜(さくら)』です。正字は櫻、我が国では常用漢字体の桜を使う事が多いです。
音読みは呉音が『ヨウ』、漢音が『オウ』、訓読みは『桜(さくら)』です。桜の花を桜花(オウカ)、サクランボのことを桜桃(オウトウ)・実桜(みざくら)、八重咲きの桜を八重桜(やえざくら)といいます。
桜(オウ)は嬰(エイ・ヨウ)の仲間の漢字で、纓(ヨウ)、瓔(ヨウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 嬰』をご覧ください。
『恩(オン)』ēnは、感謝の様子を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、因(元になる)+心(心の動き)=恩(元になる心。感謝の心)です。漢字の部首は『心・こころ』です。漢字の意味は『ありがたいと思う』、『いつくしむ』です。良い意味の漢字ですので『おき』、『めぐみ』と名前に使われます。
音読みは呉音・漢音ともに『オン』です。恩恵(オンケイ)、恩赦(オンシャ)、恩給(オンキュウ)、恩賞(オンショウ)の恩です。
恩(オン)は因(イン)の漢字の仲間で、咽(エン・イン)、姻(イン)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 因』をご覧ください。
『可(カ)』kěは、咽喉(のど)で声を屈折させてやっと声を出す様子を表す会意文字です。転じてやっと許可を得ることです。漢字の足し算では、¬(屈曲)+口=可(咽喉(のど)を屈折させてやっと声を出す。許可する)です。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『許可する』、『出来る』、『直角』、『~してよろしい』です。
音読みは呉音・漢音ともに『カ』です。可決(カケツ)、可能(カノウ)、許可(キョカ)、不可(フカ)の可です。
『河(カ)』héは、黄河(コウガ)を表す漢字です。中国の都の近くで曲がっている河、黄河のことです。漢字の足し算で覚えるならば、氵(水)+可(曲がった)=河(曲がった河。黄河。大きな川)です。部首は『氵・さんずい』、漢字の意味は『黄河』、『大きな川』です。
音読みは呉音が『ガ』、漢音が『カ』です。訓読みは『河(かわ)』です。黄河(コウガ)、運河(ウンガ)、大河(タイガ)、河川(カセン)、河口(カコウ・かわぐち)、魚河岸(うおがし)、河原(かわら)の河です。
河(カ)は可(カ)の『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 可』をご覧ください。
『川』については『漢字の覚え方 川』をご覧下さい。
『仮(假)(カ)』jiǎは、仮面をかぶる様子・カバーをかける様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、イ(人間)+叚(下に置いたものにカバーをかぶせる)=仮・假(仮面をかぶる。カバーをかける。うわべをつくろう。かりに)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『覆(おお)う』、『仮に』、『一時的に借りる』です。
正字は假、我が国では常用漢字体の仮を使います。
音読みは呉音は『ケ』、漢音は『カ』、訓読みが『仮(かり)に』です。一時的に考え出された説を仮説(カセツ)、正式の王位についていない一時的な王を仮王(カオウ)、顔にかぶせるマスクを仮面(カメン)、病気のふりをすることを仮病(ケビョウ)といいます。
仮(カ)は省略字体で、反(ハン)の仲間の漢字ではなく、叚(カ)の仲間の漢字です。
仮(假 )(カ)は叚(カ)の仲間の漢字で、暇(カ・日々に上乗せの休み)、蝦(カ・殻で覆われた)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 叚』をご覧ください。
『価(價)(カ)』jiàは、物の価値を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、イ(人間の経済活動)+賈(庫(くら)のある商人)=価・價(商人のつけた売値。あたい)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、漢字の意味は『価(あたい)』です。
正字は價、我が国では常用漢字体の価を使う事が多いです。
音読みは呉音は『ケ』、漢音は『カ』、訓読みが『価(あたい)』です。物を売るときの価(あたい)を売価(バイカ)、その事物がどれ位役に立つかの度合いを価値(カチ)、商品の価値を貨幣でしめしたものを価格(カカク)、価値・値段が高いことを高価(コウカ)といいます。
呉音が『ケ』と読むとき、漢音では『カ』と読むことがあります。呉音と漢音については『呉音と漢音』⑥http://bit.ly/1LUTTpI もご覧ください。
價(カ)は、賈(コ)の仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 賈』 をご覧ください。
『過(カ)』guòは、過(す)ぎる様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶・辵(行く)+咼(自由に動く関節)=過(するすると通過する。行き過ぎる。過(あやま)つ)です。『辶・しんにょう』、漢字の意味は『するすると通過する』、『行き過ぎる』、『過(あやま)つ』です。
音読みは呉音漢音ともに『カ』、訓読みが『過(す)ぎる』、『過(あやま)つ』です。通り過ぎる人を過客(カカク)、過ぎ去った昔を過去(カコ)、やりそこなうことを過失(カシツ)、半分以上まで行くことを過半(カハン)といいます。
過(あやま)りは誤(あやま)りと書くのが普通です。詳しくは『漢字の覚え方 呉』http://bit.ly/1trKfDv をご覧ください。
過(カ)は咼(カ)の仲間の漢字で、渦(カ)、鍋(カ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 咼』をご覧ください。
『賀(ガ)』hèは、喜ぶ様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、加(加える)+貝(財宝・金銭)=賀(財貨を送って祝福する。喜ぶ)です(藤堂)。漢字の部首は『貝・かい』、漢字の意味は『祝福する』、『喜ぶ』です。
貝(かい)や辰(おおはまぐり)は、上古では農耕に重要な祝器・農具であったとされています。農のように実際に田畑を耕す時にも農具として使われていたとも言われています(漢字の『農』が辰に従うのはそのためです)。
賀は田畑に生産力を加えて良い状態にするという解釈(白川)もあります。漢字の足し算では、加(田畑に生産力を加える)+貝(祝器を用いて生産力アップを祈る)=賀(祝う。めでたい状態)です。
音読みは呉音が『ガ』、漢音が『カ』です。年賀(ネンガ)、賀正(ガショウ)、祝賀(シュクガ)、賀状(ガジョウ)の賀です。
賀(ガ)は加(カ)の漢字の仲間で、架(カ)、伽(カ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 加』をご覧ください。
『快(カイ)』kuàiは、嫌な気持を抉(えぐ)り出す様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、忄(心)+夬(えぐり出す)=快(嫌な気持を抉(えぐ)り出す、快い)です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』、意味は『快(こころよ)い』、『良い』、『速い』です。
音読みは呉音が『ケ』、漢音が『カイ』、訓読みは『快(こころよ)い』です。爽(さわ)やかで快(こころよ)い様子を爽快(ソウカイ)、病気が快い方向に向かうことを快方(カイホウ)、空が良く晴れていることを快晴(カイセイ)、切れ味の良い刀を快刀(カイトウ)といいます。
非常に良い意味の漢字で『はや』、『やす』、『よし』と名前に使われます。
快(カイ)は夬(カイ)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 夬』をご覧ください。
『解(カイ)』jiěは、牛を解体(カイタイ)する様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、角(つの)+刀+牛=解(牛の角を解体(カイタイ)する。バラバラにする)です。漢字の部首は『角・つの』、漢字の意味は『バラバラにする』、『解きほぐす』、『解き放つ』、『解き明かす』です。
音読みは呉音が『ゲ』、漢音が『カイ』、訓読みは『解(と)く』、『解(わか)る』です。生物を切り開いて内部を観察することを解剖(カイボウ)、問題を解きほぐして処理することを解決(カイケツ)、束縛(ソクバク)から解き放つことを解放(カイホウ)、解き明かすことを解明(カイメイ)、毒を分解する作用を解毒(ゲドク)、理詰めで解ることを理解(リカイ)といいます。
解(カイ)の仲間の漢字には邂(カイ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 解』をご覧ください。
『確(カク)』quèは、白くて固(かた)い石を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、石+隺(白い鳥)=確(白くて固い石。硬い。確か。たしか)です。漢字の部首は『石・いし』、漢字の意味は『固い』、『確(たし)か』です。
音読みは呉音・漢音ともに『カク』、訓読みは『確(たし)か』です。しっかりと固まっている様子を確固(カッコ)、確かな約束を確約(カクヤク)、かたく信じることを確信(カクシン)といいます。
非常に良い意味の漢字で『あきら』、『かた』、『かたし』、『たい』、『たしか』と名前に使われます。
確(カク)は隺(カク)の漢字の仲間で、鶴(カク)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 隺』をご覧ください。
『格(カク・コウ)』géは、木と木がつかえる様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、木(き)+各(つかえる)=格(木をつかえさせた枠。きまり)です。漢字の部首は『木』です。木に木を組み合わせてつかえさせたイメージです。写真で示せばこんな感じです。
木と木がつっかえて止まるのが『格』のイメージです。これを繰り返して格子状(コウシジョウ)にしたもの。いわゆる『格(カク)』で、きっちりした枠から規則、法律、本質などの意味が膨らんでいきました。
音読みは呉音が『キャク』、漢音が『カク』、慣用音が『コウ』です。格という規則に合うのが合格(ゴウカク)、人の本質が性格(セイカク)、本質の言葉が格言(カクゲン)、木を組み合わせたものが格子(コウシ)です。
『額(ガク)』éは、コツンとあたる額(ひたい)を示す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、客(こつんと止まる人)+頁(顔)=額(顔の中でコツンとあたる場所。ひたい)です。漢字の部首は『頁・おおがい』です。
音読みは呉音が『ギャク』、漢音が『ガク』、訓読みは『額(ひたい)』、常用外に『額(ぬか)ずく』があります。額(ガク)は人間の高い部分ですから、高いところに飾るものも額(ガク)といいます。額縁(ガクブチ)の額です。面(おもて)に掲げられた価格を額面(ガクメン)といいます。
格(カク)、額(ガク)は各(カク)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 各』をご覧ください。
『刊(カン)』kānは、文字を彫る様子を示す漢字です。古代文字は彫っていたのです。漢字の足し算で覚えるならば、干(かかわる)+刂(刀)=刊(刀でかかわる。版木に文字を彫る。出版する)です。部首は『刂(りっとう)』、意味は『出版』する。
音読みは呉音・漢音ともに『カン』。刊行(カン)、週刊誌(シュウカン)、創刊(ソウカン)、夕刊(ユウカン)の刊です。
『幹(カン)』gànは、木の幹を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、倝(日が昇る・吹き流し。縦棒)+干(まもる。大事なもの。太い部分)=幹(木の太い部分。大事な部分。幹)です。部首は『木』、意味は『みき』、『大事なところ』です。
音読みは呉音・漢音ともに『カン』、訓読みは『みき』です。幹事(カンジ)、幹部(カンブ)、才幹(サイカン)の幹です。大変力強い良く、才能あふれる漢字です。『えだ』、『から』、『くる』、『たかし』、『たる』、『つね』、『つよし』、『とし』、『まさ』、『み』、『みき』、『もと』、『もとき』、『よし』、『より』と多くの人名に使われています。
刊(カン)、幹(カン)は干(カン)の『単語家族』で、汗(カン)、栞(カン)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方
干』をご覧ください。
『慣(カン)』guànは、毎日行なう習慣を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、忄(りっしんべん・心)+貫(つらぬく)=慣(毎日行なう心に決めた習慣)です。漢字の部首は『忄・りっしんべん』です。
音読みは漢音の『カン』を使います。訓読みは『慣れる(なれる)』です。習慣(シュウカン)、慣習(カンシュウ)、慣用(カンヨウ)、慣性(カンセイ)の慣です。
慣(カン)は毌(カン)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 毌・串』をご覧ください。
『眼(ガン)』yǎnは、頭蓋骨(ズガイコツ)にはまっている眼を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、目(め)+艮(あとに残る)=眼(頭蓋骨にはまっている目。眼。まなこ)』、部首は『目・めへん』、意味は『目』、『目の穴』、『重要』、『見通す力』です。
音読みは呉音が『ゲン』、漢音が『ガン』、訓読みは『眼(め・まなこ)』です。ガラス製の視力矯正器具を眼鏡(ガンキョウ・めがね)、眼る力を眼力(ガンリキ)、眼の光・真実を見通す力を眼光(ガンコウ)といいます。
眼(ガン)は艮(コン)の漢字の仲間で、根(コン)、痕(コン)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 艮』をご覧ください。
『基(キ)』jīは、建築の基礎を表した漢字・形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、其(箕の台)+土=基(建築の土台)、漢字の部首は『土・つち』、意味は『もとい』、『もと』です。
音読みは漢音が『キ』、呉音が『コ』、訓読みが『もとい』、『もと』です。基礎(キソ)、基本(キホン)、基準(キジュン)、基幹(キカン)の基です。
基(キ)は其(キ)の仲間の漢字で、旗(キ)、期(キ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 其』をご覧ください。
『寄(キ)』jìは、家をたよりにする様子を漢字にした形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、宀(家)+奇(寄りかかる)=寄(家に寄りかかる。頼りにする。寄りつく)です。漢字の部首は『宀・うかんむり』、意味は『寄りかかる』、『たよりにする』、『寄りつく』です。
音読みは呉音・漢音ともに『キ』です。訓読みは『寄(よ)る』です。宿をたよるのを寄宿(キシュク)、新聞などに原稿を寄せるのを寄稿(キコウ)、他の人にたよって生活するのを寄生(キセイ)、人に金品を寄せることを寄付(キフ)といいます。
寄(キ)は奇(キ)の仲間の漢字で、騎(キ)、崎(キ)などの漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 奇』をご覧ください。
『規(キ)』guīは、コンパスを表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、矢(直線の棒)+見(現れる)=規(二本の棒で円を現す。コンパス。ぶんまわし。転じて物事の基準)です。漢字の部首は『見・みる』、漢字の意味は『コンパス』、『物事の基準』、『正す』、『はかる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『キ』です。製品や材料の一定の基準を規格(キカク)、基準になるきまりを規則(キソク)、コンパスと木型。転じて物事の大きさやしくみを規模(キボ)といいます。
とても良い意味の漢字で『ただ』、『ただし』、『ただす』、『ちか』、『なり』、『のり』、『み』、『もと』と広く名前に使われます。
規(キ)は、見(ケン)を使った漢字で、見(ケン)の仲間の漢字には、現(ゲン)、硯(ケン)などがあります。詳しくは『漢字の覚え方見』をご覧ください。
『技(ギ)』jìは、細かい技(わざ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、扌(手の動作)+支(細かい)=技(細かい手の動作。技。わざ)です。漢字の部首は『扌・てへん』、漢字の意味は『技(わざ)』、『腕前』、『巧み』です。
音読みは呉音が『ギ』、漢音が『キ』、訓読みは『技(わざ)』です。工芸・芸術の分野で巧みなことを技巧(ギコウ)、実際に役立てるための技(わざ)を技術(ギジュツ)、物事を行う腕前を技量(ギリョウ)といいます。
技(ギ)は、支(シ)の仲間の漢字です。枝(シ)、肢(シ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 支』をご覧ください。
『義(ギ)』yìは、格好良い、筋の良い羊を漢字にしたものです。漢字の足し算で覚えるならば、羊(ひつじ)+我(折り目正しい)=義(筋の良い羊。筋の良い。筋道)です。部首は『羊』、意味は『正しい筋道』、『正しい意味』です。またその他に『仮の』があります。
音読みは漢音の『ギ』です。義理(ギリ)、正義(セイギ)、意義(イギ)、義足(ギソク)の義です。
義(ギ)は、我(ガ)の仲間の漢字です。議(ギ)、儀(ギ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 我』をご覧ください。
『逆(ギャク)』nìは、逆向きに進む人を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、辶・辵(行く)+屰(逆さまな人)=逆(逆向きに進む人。逆さ)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『逆(さか)さ』、『逆(さか)らう』、『反対の』です。
音読みは呉音が『ギャク』、漢音が『ゲキ』、訓読みは『逆(さか)さ』、『逆(さか)らう』です。今までの情勢が逆になることを逆転(ギャクテン)、権威・権力などに逆(さか)らうことを反逆(ハンギャク)、不運な境遇を逆境(ギャッキョウ)、龍にある反対に生えている鱗の部分を逆鱗(ゲキリン)といいます。
逆(ギャク)は屰(ゲキ)の漢字仲間で、朔(サク)、溯(ソ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 屰』をご覧ください。
『久(キュウ)』jiǔは、老人の腰の曲がった様子を表す会意漢字です。漢字の足し算では、ク(背の曲がった老人)+乀(引っ張る印)=久(老人の生きてきた長い時間。久しい)です。漢字の部首は『ノ・のかんむり』、漢字の意味は『久(ひさ)しい』です。
音読みは呉音が『ク』、漢音が『キュウ』、訓読みは『久(ひさ)しい』です。いつまでも限りなく続くことを永久(エイキュウ・とこしえ)、長い間を久遠(クオン・キュウエン)、長くもちこたえることを耐久(タイキュウ)、果てしなく長く続くことを悠久(ユウキュウ)といいます。
呉音が『ク』と読むとき、漢音では『キュウ』と読むことがあります。呉音と漢音については呉音と漢音 もご覧ください。
大変良い御目出度い漢字です。『く』、『つね』、『なが』、『ひこ』、『ひさ』、『ひさし』と名前や、久留米(くるめ)などの地名に使われ、ひらがなの『く』、カタカナの『ク』の元になった漢字です。
久(キュウ)の漢字の仲間には、柩(キュウ・ひつぎ)、灸(キュウ・やいと)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 久』 をご覧ください。
『旧(舊)(キュウ)』jiùは、萑(ふくろう)が「キュウ」と鳴く様子を表す漢字です。漢字の足し算で覚えるならば、萑(ふくろう)+臼(キュウ)=舊(萑(ふくろう)が「キュウ」と鳴く)です。久(キュウ)に通じ、古い事。以前の事を表すようになりました。漢字の部首は舊『臼・うす』、旧『日・にちへん』意味は『現在まで年月を経ている』、『昔からの』、『以前の状態』、『昔なじみ』です。
音読みは呉音が『グ』、漢音が『キュウ』、慣用音が『ク』、訓読みは『旧(ふる)い』です。 昔から続いてきた由緒ある家柄を旧家(キュウケ)、古くからの知り合いを旧知(キュウチ)、傷んだものをもとの状態にすることを復旧(フッキュウ)、去年を旧年(キュウネン)といいます。
大変良い御目出度い漢字で、『ひさ』、『ふさ』、『ふる』、『もと』と名前に使われます。
舊(キュウ)は、臼(キュウ)の『単語家族』です。舅(キュウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 臼』をご覧ください。
『居(キョ)』jūは、尻をおろしている事を示す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、尸(かばね・尻)+古=居(尻をおろす。いる)です。部首は『尸・かばね』です
音読みは、呉音が『コ』で、漢音の『キョ』が普通です。訓読みは『居(い)る』、『居(お)る』です。住居(ジュウキョ)、新居(シンキョ)、隠居(インキョ)、皇居(コウキョ)、居士(コジ)、居候(いそうろう)の居です。
呉音が『コ』と読むとき、漢音では『キョ』と読むことがあります。呉音と漢音については呉音と漢音もご覧ください。
居(キョ)は古(コ)の『単語家族』です。裾(キョ)、据(キョ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 古』をご覧ください。
『許(キョ)』xū は、許す様子を示す漢字です。漢字の足し算では言(言葉)+午(上下に動かす)=許(上下に幅を持った言葉。聞き入れる。許す)です。部首は『言・ごんべん』、意味は『許す』です。
音読みは呉音が『コ』、漢音が『キョ』。訓読みは『許(ゆる)す』と常用外の『もと』、『ばかり』があります。許容(キョヨウ)、許可(キョカ)、親許(おやもと)、許嫁・許婚(いいなづけ)の許です。許嫁・許婚(いいなづけ)は特別な訓読みです。
呉音が『コ』と読むとき、漢音では『キョ』と読むことがあります。呉音と漢音については呉音と漢音 もご覧ください。
許(キョ)は午(ゴ)のの漢字の仲間です。午(ゴ)、杵(ショ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 午・御』をご覧ください。
『境(キョウ・ケイ)』jìngは、土(つち・土地)に竟(キョウ・おわる・区切る)を足したものです。漢字の足し算で覚えるならば、土(つち・土地)+竟(キョウ・おわる・区切る)=境(土地の境目。特に神事の場所の境目)です。漢字の部首は『土・つちへん』です。
意味は『土地の境目』、『一定の区切られた場所』、転じて『置かれた状態』を表します。音読みは、呉音が『キョウ』、漢音が『ケイ』、訓読みは『さかい』です。境界(キョウカイ)、環境(カンキョウ)、辺境(ヘンキョウ)、境遇(キョウグウ)、境内(ケイダイ)、国境(コッキョウ・くにざかい)の境です。
境(キョウ)は竟(キョウ)の漢字の仲間です。鏡(キョウ)、競(キョウ)などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 竟』をご覧ください。
『均(キン)』jūnは、土(つち)を均一にならす様子を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、土(つち)+匀(手でならす)=均(土を均一にならす。均(ひと)しい)です。
音読みは呉音・漢音ともに『キン』、訓読みは常用外の『均(ひと)しい』があります。差別なくひとしいことを均等(キントウ)、量や質が一様であることを均一(キンイツ)、大小の差をなくして平らにそろえることを平均(ヘイキン)、ひとしくつり合いのとれている様子を均衡(キンコウ)といいます。
良い意味の漢字で『お』、『ただ』、『なお』、『なり』、『ひとし』、『ひら』、『なり』と名前に使われます。
均(キン)は匀(キン)の漢字の仲間で、鈞(キン)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 匀』をご覧ください。
『禁(キン)』jìnは、禁じられた事を示す漢字です。意味は『禁止する』、『閉じる』、『おきて』です。漢字の足し算で覚えるならば、林(はやし)+示(神のいる神聖な場所)=禁(神聖な場所への立ち入りを禁ずる。禁止する)です。漢字の部首は『示・しめす』です。
音読みは呉音・漢音ともに『キン』です。訓読みは常用外の『いさめる』があります。禁止(キンシ)、禁煙(キンエン)、解禁(カイキン)、禁固(キンコ)、軟禁(ナンキン)の禁です。
禁(キン)の漢字の仲間には、襟(キン)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 禁』をご覧ください。
『句(ク)』jùは、句切る様子を表す文字です。漢字の足し算で覚えるならば、勹(かぎ型)+口(言葉)=句(言葉を区切る。くぎり)です。甲骨文字では乚口乁と表され、かぎ型で小さく囲うことを示します。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『詩や文章のひとくぎり』、『俳句』、『小さい』です。
音読みは呉音・漢音ともに『ク』です。文の末尾につける印を句点(クテン)、表現方法が同じの二つの句を並べる詩の技法を対句(ツイク)、年間の節目となるくぎりの日を節句(セック)、演説などの途中で言葉に詰まること・一句が五言の四句からなる漢詩を絶句(ゼック)といいます。
句(ク)の漢字の仲間には、狗(ク)、駒(ク)、拘(ク・コウ)などの漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 句』をご覧ください。
『群(グン)』qúnは、羊の群れを表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、君(まとめる)+羊(ひつじ)=群(羊の群れ。群れ)です。羊だけでなく牛などの家畜、野生動物、人間にも使われます。漢字の部首は『羊・ひつじ』、意味は『羊の群れ』、『群(む)れ』、『多くの』、『同類の集まり』です。
音読みは呉音が『グン』、漢音が『クン』、訓読みは『群(む)れ・群(むれ)』です。羊の群れで羊群(ヨウグン)、群れる衆人を群衆(グンシュウ)、多くの人々の姿を群像(グンゾウ)、多くの中で抜きんでいることを抜群(バツグン)といいます。
群(グン)は君(クン)の漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 君』をご覧ください。
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本を、下記の本をお読みください。
篆文(テンブン)を中心にした体系的な記述・韻の説明は、諸橋轍次先生の『新漢和辞典』、藤堂明保先生の『漢字源』・『漢字の過去と未来』を参考にさせて頂いてます。
甲骨文字・金文のもつ呪術的な解釈には白川静先生の『字通』・『字統』・『漢字』・『中国古代の文化』を参考にさせて頂いています。
漢字の伝来や常用漢字の解釈については、大島正二先生の『漢字伝来』、高島俊男先生の『漢字と日本人』を参考にさせて頂いています。
日本語については、金田一京助先生の『日本語の変遷』、大野晋先生の『日本語の文法を考える』、新村出先生の『広辞苑』を参考にさせて頂いております。
最近の研究については、落合淳思先生の『漢字の成り立ち』を参考にさせて頂いております。
医学用語については伊藤正男・井村裕夫・高久史麿先生の『医学大辞典』を参考にさせて頂いております。
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