漢字の覚え方 寺

　今日は『寺（ジ）』sìという漢字の仲間について説明します。基本になる漢字は『寺』です。音読みは『ジ』、意味は『もてなす』、『ひかえる』、『仕える』、『動く』です。寺、侍、持、待、時、等などがこの漢字の仲間です。これらの漢字は同じ『寺（ジ）』いう構成要素を持つので、漢字の足し算で表すことが出来ます。

特（トク）につきましては、音が違いますが、便宜的に一緒に扱います。

漢字は足し算で表わす事が出来るものについては、意味を考えて、まとめて漢字を覚えると便利です。『寺』に何を足すと侍、持、待、時、特、等になるのかを考えます。寺、時は小学校2年生で習う漢字 、待、等、詩、持は小学校3年生で習う漢字 、特は小学校4年生で習う漢字 、侍は中学校で習います。漢字の足し算で一緒に覚えましょう。

　『寺（ジ）』sìは、手足が動く様子を表す形声文字です。接待する様子を表します。漢の時代に西域からきた僧侶を接待しました。接待した場所を寺（てら）というようになりました。漢字の足し算では、之（足）＋寸（手）＝寺（手足を動かして接待する。接待する場所。寺）です。部首は『寸・すん』、意味は『接待（せったい）する』、『手足を動かす』、『寺』です。

音読みは呉音が『シ』、漢音が『ジ』、訓読みは『寺（てら）』です。寺の建物を寺院（ジイン）、仏教の寺を仏寺（ブツジ）といいます。

『寺（ジ）』は小学校2年生で習う漢字です。

　『侍（ジ）』shìは、身分の高い人に仕える様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、イ（人）＋寺（手足を動かす。接待する）＝侍（手足を動かして仕える。はべる。侍る人。さむらい）です。部首は『イ・にんべん』。意味は『はべる』、『控（ひか）える』、『仕（つか）える』、『侍（さむらい）』です。

音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』、訓読みは『侍（はべ）る』、『侍（さむらい）』、『ひと』です。天子の側に仕える人を侍従（ジジュウ）、身分の高い人に仕える女性を侍女（ジジョ）、平安時代警護の武士が勤める場所を侍所（さむらいどころ）といいます。

『侍（ジ・はべる）』は中学校で習う常用漢字です。

　『持（ジ）』chíは、物を持つ様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、扌（手）＋寺（手足を動かす）＝持（手に物を持つ）です。漢字の部首は『扌・てへん』、意味は『持つ』、『たもつ』、『引き分け』です。

音読みは呉音が『ジ（ヂ）』、漢音が『チ』、訓読みは『持（も）つ』です。持ち続けることを持続（ジゾク）、手に持って参るのが持参（ジサン）、扶（たす）けたもつことを扶持（フチ）といいます。

『持（ジ・もつ）』は小学校3年生で習う漢字です。

　『待（タイ）』dàiは、待つ様子、もてなす様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、彳(行う）＋寺（手足を動かす・接待する）＝待（人をもてなす。人を待つ）です。漢字の部首は『彳・ぎょうにんべん』、漢字の意味は『待つ』、『もてなす』、『取り扱う』です。

音読みは呉音が『ダイ』・漢音が『タイ』。訓読みが『待（ま）つ』です。機会を待つことを待機（タイキ）、待ち望むことを待望（タイボウ）、招きもてなすことを招待（ショウタイ）、虐（いじ）め接することを虐待（ギャクタイ）といいます。

『待（タイ・まつ）』は小学校3年生で習う漢字です。

　『時（ジ）』shíは、月日の移り変わりを示す形声文字です。漢字の足し算では、日（太陽）＋寺（動かす）＝時（月日が移り変わる）です。漢字の部首は『日・にちへん』、漢字の意味は『月日の移り変わり』、『時間』、『そのとき』、『一日の24分の1』です。

音読みは呉音が『ジ』、漢音が『シ』。訓読みが『時（とき）』です。時の流れる間を時間（ジカン）、刻（きざ）まれた時を時刻（ジコク）、その時の価格を時価（ジカ）、戦っている時間を戦時（センジ）、潮が引いていく時を潮時（しおどき）といいます。

『時（ジ）』は小学校2年生で習う漢字です。

　『詩（シ）』shīは、心の進む様子を表現する詩を表す形声文字です。漢字の足し算では、言(言葉）＋寺（手足を動かす・心を進める）＝詩（心の進む様子を表現する言葉。詩。し。うた）です。漢字の部首は『言・ごんべん』、漢字の意味は『詩（うた）』、『漢詩』です。

音読みは呉音・漢音ともに『シ』。訓読みが常用外の『詩（うた）』です。詩（中国の漢詩）と歌（日本の和歌）で詩歌（シイカ・シカ）、中国最古の詩集を詩経（シキョウ）、漢字によって記された中国の詩を漢詩（カンシ）、詩を書く人を詩人（シジン）といいます。

『詩（シ・うた）』は小学校3年生で習う漢字です。

　『特（トク）』tèは、群れの中でじっとしているリーダーの牛を表す会意文字です。漢字の足し算では、牛＋寺（じっと待つ）＝特（群れの中でじっとしているリーダーの牛。おうし。リーダー。特別）です。漢字の部首は『牛・うしへん』、意味は『おうし』、『特別な』、『とりわけ』です。

音読みは呉音『ドク』、漢音が『トク』です。とりわけすぐれた長所を特長（トクチョウ）、別（わ)けても目立つさまを特別（トクベツ）、特別の権利を特権（トッケン）といいます。

『特（トク）』は小学校4年生で習う漢字です。

　『等（トウ）』děngは、竹簡（チクカン）の長さが等しい様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、竹＋寺（役所）＝等（竹簡・書類の長さが等しいこと。等しい）です。漢字の部首は『竹・たけかんむり』、意味は『等（ひと）しい』、『たぐい』、『ランク』、『等（ら）』です。

音読みは呉音・漢音ともに『トウ』、訓読みは『等（ひと）しい』、『等（ら）』です。高いランクを高等（コウトウ）、平らかに等しい様子を平等（ビョウドウ）、あなたがたを丁寧に卿等（ケイら）といいます。

『等（トウ）』は小学校3年生で習う漢字です。

http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-543d.html

『漢字の覚え方 寺』 寺 時 持 待 侍 特 等

参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。

少し練習しましょう。

1.仏教の じいん（　　　　）。

2.さむらいどころ（　　　　）。

3.じぞく（　　　　）可能。

4.弁当 じさん（　　　　）。

5.たいき（　　　　）児童。

6.取引先の せったい（　　　　）。

7.かんし（　　　　）と和歌。

8.とくべつ（　　　　）な思い。

9.議員の とっけん（　　　　　）。

10.空間と じかん（　　　　　）。

11.とき（　　）は金なり。

12.じょうとう（　　　　）な靴。

13.びょうどう（　　　　）主義。

解説です。基本の漢字は寺、侍はイ（にんべん）を足して侍、持つは扌（てへん）を足して持、接待は行うを足して待、詩は言（ごんべん）を足して詩、特は特別な牛で牛を足して特、時は日を足して時、等は長さが同じ竹簡（チクカン・昔の書類）です。竹（たけかんむり）を足して等です。

解答です。寺院、侍所、持続、持参、待機、接待、漢詩、特別、特権、時間、時、上等、平等。