小学校2年生で習う漢字③(図~読)
ブログの許容量の関係で『小学校2年生で習う漢字①』(羽~言)と 『小学校2年生で習う漢字②』(戸~親)、 『小学校2年生で習う漢字③』(図~読)、 『小学校2年生で習う漢字④』(内~話)に分割しています。ご了承下さい。
漢字の説明の前に、漢字の成り立ちの話をしましょう。最古の漢字辞書は後漢(西暦100年頃)の許慎(キョシン)の「説文解字(セツモンカイジ)」です。許慎はその中で漢字の成り立ちについて、四種類あるとしました。中学の教科書に掲載されるようになったので、解説致します。
①.物の形を象った(かたどった)『象形文字』(ショウケイモジ)、②.象形文字を基に点を打つことにより示された『指事文字』(シジモジ)、③.文字を組み合わせて造った『会意文字』(カイイモジ)、④.意味と音を示す文字を組み合わせた『形声文字』(ケイセイモジ)の四種です。『会意文字』と『形声文字』は漢字の足し算で表す事が出来ます。二年生の漢字については一覧にしてありますので象形・指事・会意・形声 二年生も御覧ください。
漢字の成り立ちについての解釈は四通りです。どの時代の漢字に重点を置くか、また「説文解字(セツモンカイジ)」にどれほど敬意を払うかにより、解釈が違う場合が稀にあります。ある辞書では『見』を象形文字、別の辞書では目+儿の会意文字としています。漢字の解釈については諸説あることを御承知下さい。
『図(ズ・ト)』túは、地図を描いた会意文字です。省略されていない字体は圖で領地と倉庫を囗の紙面に書き入れたものされています。漢字の足し算で覚えるならば、囗(四角い紙)+啚(領地と倉庫)=図・圖(領地と倉庫を書き入れた地図。地図。図)です。漢字の部首は(囗・くにがまえ)、意味は『地図(ちず)』、『えがく』、『図(はか)る』です。図に書くことから、手立てを検討する『図る』の意味が生まれました。
音読みは呉音が『ズ』、漢音が『ト』、訓読みは『図(はか)る』です。地図と書物・本を図書(トショ・ズショ)、地形を書いたものが地図(チズ)、絵のこと・絵にかくことを図画(ズガ)、調子の良い事を図(ズ)に乗るといいます。合理化を図(はか)る、便宜を図(はか)るも図を使います。
『数(スウ)』shùは、順序よく数える様子を表す会意文字です。漢字の足し算で覚えるならば、娄(順序)+攵(動作)=数(順序よく数える。数える)。漢字の部首は『攵・ぼくづくり』、意味は『数(かぞ)える』、『回りあわせ』、『運命』、『暦の計算』、『しばしば』です。
旧字体は『數』ですが、常用漢字体の『数』を使って下さい。
数(スウ・かず)は婁・娄(ル・ロウ)の仲間の漢字です。『漢字の覚え方 婁』 もご覧ください。
音読みは呉音が『シュ』、漢音が『ス』、慣用音が『スウ』です。訓読みは『数(かず)』、『数(かぞ)える』です。漢字的には、割り切れない(奇)かたよった数を奇数(キスウ)、ペア(偶)になる数を偶数(グウスウ)といいます。普通でないめぐりあわせが数奇(スウキ)、暦の計算を暦数(レキスウ)、算数(サンスウ)といいます。
『西(サイ・セイ)』xīは、ざる・かご・鳥の巣を描いた象形文字です。ざるから流れ去る方向・日の去る方向から、西の方角を示す漢字になりました。洒(セイ・洗い流す)、栖(セイ・鳥の巣)に西の元の意味(流れる・鳥の巣)が残っています。漢字の部首は『西・にし』、漢字の意味は『西』、『西洋』です。
音読みは呉音が『サイ』、漢音が『セイ』、訓読みが『西(にし)』です。西遊記(サイユウキ)、西瓜(セイカ・スイカ)、東西(トウザイ)、西洋(セイヨウ)、関西(カンサイ)、関西(カンセイ)学院の西です。西に単語家族には洒(セイ・洗い流す)、栖(セイ・鳥の巣)、茜(あかね・夕焼けの色)があります。詳しくは『漢字の覚え方 西』をご覧下さい。
『声・聲(セイ・ショウ)』shēngは、磬(ケイ)と呼ばれる石板をたたく音を聞く様子を示す会意文字です。音を聞くことから声(こえ)を意味するようになりました。漢字の足し算では、磬(石板をたたく)+耳=聲・声(石板の音を聞く。音。声)です。漢字の部首は『士・さむらい』、意味は『声(こえ)』、『音』、『音階』です。
正しい字は『聲』ですが、常用漢字に登録されている『声』を使って下さい。
音読みは呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『声(こえ)』、『声(こわ)』です。声望(セイボウ)、音声(オンセイ)、歓声(カンセイ)、声明(セイメイ・ショウミョウ)、声色(こわいろ)の声です。
『星(セイ・ショウ)』xīngは、清らかな星を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、日(にちへん・星)+生(きよらか)=星(清らかに光る星。星)です。部首は『日・にちへん』、意味は『星』です。古い字体では日の部分が晶(星が三つ)になっていました。
音読みは呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『ほし』です。星雲(セイウン)、惑星(ワクセイ)、明星(ミョウジョウ)、綺羅星(キラぼし)の星です。星は生、性、牲と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 生』をご覧ください。
『晴(セイ)』qíngは、晴れてる様子を表す漢字です。漢字の足し算では、日(にちへん・太陽)+青=晴(空が晴れていて青い。晴れ)です。漢字の部首は『日・にちへん』、意味は『晴れ(はれ)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』は使わず、漢音の『セイ』が普通です。訓読みが『晴れる』です。晴天(セイテン)、快晴(カイセイ)、日本晴れ(にほんばれ)、見晴らし(みはらし)の晴です。晴は青、清、靖と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 青』をご覧ください。
『切(セツ)』qiē・qièは、骨を切る映像を漢字にしたものです。『七』が数字の7を表すようになったため、刀を加えた『切(セツ)』が切ることを表す漢字になりました。漢字の足し算では、七(なな・切る)+刀(かたな)=切(刃物で切る)です。漢字の部首は『刀』、意味は『きる』です。刃物が骨にせまる映像ですから『せまる』、『ぴったりする』の意味があります。
音読みは漢音の『セツ』が普通で、呉音の『サイ』もあります。訓読みは『切る(きる)』、『切れる(きれる)』がです。『切る』の意味で、切断(セツダン)、切腹(セップク)、切開(セッカイ)。『せまる・近い』の意味で、切迫(セッパク)、切実(セツジツ)、大切(タイセツ)、親切(シンセツ)。『ぴったりする』の意味で適切(テキセツ)。仏教の言葉で『すべての意味で』一切(イッサイ)などと使います。
『切』は七、叱と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 七・切』をご覧ください。
親切(シンセツ)は近く親しくするの意味で、親を切ることではありません。
『雪(セツ)』xuěは、雲から雪が降っている様子の会意文字です。漢字の足し算では、雨+彗(掃き清める)=雪(汚れを清める雪。雪)です。漢字のの部首は『雨・あめかんむり』、意味は『雪』、『雪(すす)ぐ』です。
音読みは呉音が『セチ』、漢音が『セツ』、訓読みは『雪(ゆき)』、常用外の『雪(すす)ぐ』、『雪(そそ)ぐ』です。大雪(ダイセツ・タイセツ・おおゆき)、淡雪(あわゆき)、深雪(シンセツ・みゆき)、雪辱(セツジョク)の雪です。
雪辱(セツジョク)とは辱(はじ)を『雪(すす・そそ)ぐ』ことで、雪のように清めることです。
常用漢字の付表では吹雪(ふぶき)、雪崩(なだれ)と読みます。
『線(セン)』xiànは、細い線を表す形声文字です。漢字の足し算では、糸+泉(細い泉)=線(糸の様に細い泉。線。せん)です。もともとは糸+戔(浅い)=綫(細い糸。綫。せん)という漢字でしたが、泉の方が好まれ、『線(セン)』の字が使われています。部首は『糸・いとへん」』です。意味は『糸のように細いもの』、『すじ』、『線路』などです。中国では綫の簡略字体の『线(セン)』xiànが使われています。
音読みは呉音・漢音ともに『セン』です。真っ直ぐな線を直線(チョクセン)、電気の通る線を電線(デンセン)、鉄道の通る細長い路を線路(センロ)、海と空の境の線を水平線(スイヘイセン)といいます。
線は泉と同じ『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 泉』をご覧ください。
『船(セン)』chuánは、川に沿って進む船を漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、舟+㕣(川が低い所へ流れる)=船(川に沿って進む船)です。漢字の部首は『舟・ふね』意味は『ふね』です。舟は丸木舟を表した象形文字です。一般的に、小型のものを舟、大型のものを船、さらに大型のものを舶としています。
音読みは呉音・漢音ともに『セン』、訓読みは『ふね』です。船員(センイン)、船舶(センパク)、客船(キャクセン)、船酔い(ふなよい)、屋形船(やかたぶね)の船です。船は㕣、沿、鉛と同じ単語家族です。
詳しくは『漢字の覚え方 㕣』をご覧ください。
『前(ゼン)』qiánは、前へ進む様子を表す形声文字です。漢字の足し算では、止(前へ進む足)+舟(前へ進む)+刂(刀・切りそろえる)=前(前に進む。前)です。漢字の部首は『刂・りっとう』、漢字の意味は『前』、『以前の』、『進む』、『揃(そろ)える』、『おまえ』です。
前の漢字の部分である月は舟を表す月(ふなづき)です。元の漢字が舟だったので月の中を点で書きます。揃、煎にその名残り(月の中が点)があります。
音読みは呉音が『ゼン』、漢音の『セン』、訓読みは『前(まえ)』です。常用外の読み方に『前(さき)』があります。前と後ろで前後(ゼンゴ)、今より(以・より)前で以前(イゼン)、前に居る人をお前(まえ)、前に進むことを前進(ゼンシン)といいます。
前の『単語家族』には、揃、煎、剪、翦、彅などの仲間の漢字があります。詳しくは『漢字の覚え方 前』をご覧ください。
『組(ソ)』zǔは、糸を組んだ様子を表した形声文字です。意味は『組む』です。漢字の足し算では、糸+且(重ねる)=組(糸を重ねる。組む)です。部首は『糸・いとへん』です。
音読みは漢音の『ソ』が普通で、呉音の『ス』は使いません。訓読みは『組む(くむ)・組(くみ)』です。組成(ソセイ)、組織(ソシキ)、組合(くみあい)の組です。
組は祖 助 査 租 粗 狙と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 且』 をご覧ください。
『走(ソウ)』zǒuは、人が走る姿を表した会意文字です。漢字の足し算では、大(大人の人)+疋(足)=走(人が走る。走る)です。漢字の部首は『走・はしる』、意味は『走る』、『逃げる』、『走らす』です。
音読みは呉音が『ス』、漢音が『ソウ』、訓読みは『走(はし)る』です。敗れて逃げることを敗走(ハイソウ)、競って走ることを競走(キョウソウ)、人の手足になって走る狗(いぬ)を走狗(ソウク)といいます。
走(ソウ)は疋(ソ)を使った漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 疋』をご覧ください。
『多(タ)』duōは、肉が重なって多い様子を表す会意文字です。漢字の足し算では、夕(肉)+夕(肉)=多(肉が重なって多い。多い)です。漢字の部首は『夕・ゆう』、漢字の意味は『多(おお)い』、『たくさんある』、『積み重なる』です。
音読みは呉音・漢音ともに『タ』、訓読みは『多(おお)い』です。多いのと少ないので多少(タショウ)、見聞が広い事を多聞(タモン)、多くの方面に才能があることを多才(タサイ)といいます。多は移(イ)、侈(シ)などと同じ『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 多』をご覧ください。
『太(タ・タイ)』tàiは、太(ふと)い様子を表す形声文字です。泰(タイ)の略字です。漢字の足し算では、大+両手+水=泰・太(たっぷりの水を使う。たっぷり。太い)です。漢字の部首は『大・だい』、漢字の意味は『ゆったり』、『太い』、『たくさん』、『かなり』、『年長者・祖父』です。
略字の太(タイ)については指事文字とする考え方もあります。
音読みは呉音・漢音ともに『タイ』、慣用音が『タ・ダ』、訓読みが『太(ふと)い』、『太(ふと)る』です。ゆったりした平和の様を泰平・太平(タイヘイ)、かなり昔の事を太古(タイコ)、祖父のことを太公(タイコウ)、昔の最高行政機関を太政官(ダイジョウカン・ダジョウカン)といいます。
太は大と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 大』をご覧ください。
『体(體)(タイ)』tǐは、体の各部分が骨でつながっている様子を表す漢字です。体は簡略字体で、體が本字です。漢字の足し算では、骨(ほね)+豊(きちんと並ぶ)=體(体の部分が骨で順につながる。体)です。漢字の部首は『イ・にんべん』、意味は『からだ』、『組み立て方・スタイル』、『表面の姿』、『身につける』、『実際』です。
音読みは呉音が『タイ』、漢音が『テイ』、訓読みは『体(からだ)』です。身(体の中身)と体(体のつながり)のことを身体(シンタイ)、ものの形や表面の姿を体裁(テイサイ)、実際に経験することを体験(タイケン)、字のスタイルを字体(ジタイ)といいます。
体(體)(タイ)は豊(レイ)と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方
礼』をご覧ください。
『台・臺(ダイ)』táiは、字体は二通りあります。臺は高い台を表す漢字です。漢字の足し算では、土+高+至(届く)=臺(土を高く積んだ台。台)です。意味は『台』です。
台の方は、漢字の足し算ではム(イ・道具)+口(人間)=台(人間が道具で何か始める。始める)です。意味は『始める』、『もとになる』です。
もともと近い漢字でしたが、現在では一緒になって『台』という漢字で使われます。漢字の部首は『口・くち』、意味は『高い台』、『始める』、『もとになる』です。転じて車を数える言葉にも使用されます。
音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『タイ』です。高い台が高台(たかダイ)、もとになる帳面が台帳(ダイチョウ)、もとになる本が台本(ダイホン)です。また大きな風の颱(タイ)の代わりにも使われます。颱風(タイフウ)は台風(タイフウ)と書くことが多いです。
台は胎(タイ)、始(シ)などの漢字と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 ム・台』をご覧ください。
『池(チ)』chíは、横に広がった溜め池を示す形声文字です。自然な状態の水を沼、人工的に掘った水たまりを池といいます。漢字の足し算では、氵(さんずい・水)+也(横に広がる)=池(横に広がった水面)です。漢字の部首は『氵・さんずい』です。
音読みは漢音の『チ』が普通で、呉音の『ヂ』と読む事はありません。訓読みは『いけ』です。貯水池(チョスイチ)は水を貯める(たくわえる)池、電池(デンチ)は電気ををためる液状の容器、溜め池(ためいけ)は水を溜(とど)める池、古池(ふるいけ)は古くからある池です。
『地(チ)』dìは、地面の広がりを漢字にした形声文字です。漢字の足し算では、土(つちへん・土)+也(横に広がる)=地(平らにのびた大地のこと。地面)です。意味は『地面』、『もとのまま』、立つ地面から『立場』です。『地』は漢の頃から使われた比較的新しい漢字で、古い書物には『墜(チ)』という漢字が使われています。
音読みは漢音が『チ』、呉音が『ヂ』、『ジ』です。地面(ジメン)、地声(ジごえ)、地元(ジもと)、地主(ジぬし)、土地(トチ)、地上(チジョウ)、地位(チイ)、現地(ゲンチ)、心地(ここチ)の地です。池・地は也と同じ漢字の仲間です。詳しくは詳しくは『漢字の覚え方 它・也』をご覧ください。
『心地(ここチ)』は常用漢字の付表にある特別な読み方です。『こころチ』とは読まないようにしましょう。戦争に負ける前までは、地面はヂメンでした。『地』は『チ』だからです。現在では発音上の区別がないので『ジ』と書くことになっています。
『知(チ)』zhīは、物事の本質を言い当てることを表す漢字です。漢字の足し算では、矢+口(言い当てる)=知(矢のように真っ直ぐに物事の本質を言い当てる。知る)です。漢字の部首は『矢・や』、漢字の意味は『知(し)る』、『知らせる』、『心得ている』です。
音読みは呉音・漢音ともに『チ』、訓読みは『知(し)る』です。相手に知らせることを通知(ツウチ)、物事を心得ている地方の長官を知事(チジ)、昔からの知り合いを旧知(キュウチ)、物事の本質を判断する心の動きを知恵(チエ)といいます。知は智と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 知』をご覧ください。
動詞系を『知』、名詞系を『智』と分けて漢字を使っていたようですが、智のかわりに知を使うのが一般的です。
『茶(チャ)』cháは、飲み物のお茶を表す漢字です。もとは一画多い荼(ト)tuと書きました。漢字の足し算では、艹(植物)+余(のばす)=茶・荼(葉を蒸してのばして製した茶。茶)です。緊張をのばす飲み物という解釈もあります。
音読みは呉音が『ジャ』、漢音が『タ』、唐宋音が『サ』、慣用音が『チャ』です。茶会(サカイ・チャカイ)、茶碗(チャワン)、喫茶店(キッサテン)の茶です。茶は余、途、徐などと同じ仲間の漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 余』をご覧ください。
『昼(チュウ)』zhòuは、昼間の間(あいだ)を表す漢字です。漢字の足し算では、聿(筆・書く)+日(太陽)・一(区切る)=晝・昼(一日のうち太陽が出ている間を書く。昼)です。漢字の部首は『日・にち』、漢字の意味は『昼(ひる)』です。
聿(書く)+一(区切る)の組み合わせは、区切ることを表します。畫(画)も同じ組み合わせの漢字です。略字は昼と画で似ていませんが、正字は晝と畫で近い漢字だということがわかります。
音読みは呉音・漢音ともに『チュウ』、訓読みは『昼(ひる)』です。昼と夜で昼夜(チュウヤ・ひるよる)、昼の食事が昼食(チュウショク)、明らかな(白)真昼を白昼(ハクチュウ)といいます。
昼(チュウ)は画(ガ・カク)、聿(イツ)に近い漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 画』、『漢字の覚え方 聿』をご覧ください。
『長(チョウ)』cháng、zhǎnɡは、長い髪した長老を表す象形文字です。漢字の部首は『長・ながい』、漢字の意味は『長い』、『長老』、『おさ』です。
音読みは呉音が『ヂョウ』、漢音が『チョウ』です。訓読みは『長(なが)い』です。身長(シンチョウ)、特長(トクチョウ)、首長(シュチョウ)、長屋(ながや)の長です。長は張(チョウ)、帳(チョウ)と同じ漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 長』をご覧ください。
『鳥(チョウ)』diǎo、niǎoは鳥(とり)の様子を象った象形文字です。尾の垂れている鳥を表すといわれています。漢字の部首は『鳥・とり』、漢字の意味は『鳥(とり)』です。
音読みは呉音。漢音ともに『チョウ』で、訓読みは『鳥(とり)』です。花と鳥で花鳥(カチョウ)、鳥を放すことを放鳥(ホウチョウ)、白い鳥を白鳥(ハクチョウ・しらとり)、渡りをする鳥を渡り鳥(わたりどり)といいます。鳥は島(トウ)、蔦(チョウ)と同じ漢字の仲間です。詳しくは『漢字の覚え方 鳥』をご覧ください。
『朝(あさ・チョウ)』zhāo、cháoは『艸(くさ)』を上下に分割し、中に『日』を入れて、旁(つくり)に『月』を持ってきたものです。
柿本人麻呂の歌に 「東の 野にかぎろひの 立つ見えてかへり見すれば 月傾きぬ」
とあります。まさに朝の風景です。地平線からお日様が顔を出し、西の空に月が傾いて行く。これが『朝』の漢字の示す情景です。漢字の足し算では、艸(くさ)+日+月=朝(草原から日が昇る。月が傾く)です。漢字の部首は『月・つき』です。
音読みは呉音・漢音ともに『チョウ』です。訓読みは『朝(あさ)』です。早朝(ソウチョウ)、朝暮(チョウボ)、王朝(オウチョウ)、朝廷(チョウテイ)、朝夕(あさゆう)の朝です。朝は潮、嘲、廟と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 朝』をご覧ください。
『直(チョク)』zhíは、真っ直ぐ相手を見る事を示した会意文字(カイイモジ)です。漢字の足し算では、十(正しく)+目+乚=直(真っ直ぐ相手を見る。なおくする)です。漢字の部首は『目』、意味は『直ちに』、『直す』、『真っ直ぐ』です。
音読みは漢音が『チョク』、呉音が『ジキ』です。訓読みは『直(ただ)ちに』、『直(なお)す』、『ひた』、『直(す)ぐ』です。直接(チョクセツ)、直球(チョッキュウ)、当直(トウチョク)、直参(ジキサン)、直訴(ジキソ)、直垂(ひたたれ)の直です。
良い意味の漢字なので『あたい』、『なお』、『なおし』、『ただ』、『まさ』、『ちか』と名前に良く使われる漢字です。
直(チョク)の『単語家族』には殖(ショク)、植(ショク)なのど漢字の仲間があります。詳しくは『漢字の覚え方 直』をご覧ください。
『通(ツウ)』tōngは、通る様子を表す形声文字です。辶(進む)+甬(上下に通す)=通(つきぬける。通す)です。漢字部首は『辶・しんにょう』、意味は『通(とお)る』、『通(かよ)う』、『知らせる』、『通りがよい』、『手紙を数える言葉』です。
音読みは呉音が『ツウ』、漢音が『ツ・トウ』、訓読みは『通(とお)る』、『通(かよ)う』です。貫き通ることを貫通(カンツウ)、知らせることを通知(ツウチ)、共に通りが良い事を共通(キョウツウ)、通りの良い大きな道を大通り(おおどおり)、学校に通うことを通学(ツウガク)といいます。
通の『単語家族』には甬(ヨウ)、痛(ツウ・いたい)、桶(トウ・おけ)、樋(トウ・とい)、涌(ヨウ・わく)などがあります。詳しくは『漢字の覚え方 用』をご覧ください。
『弟(テイ)』dìは、弟(おとうと)を表す漢字です。ひもや蔓(つる)の垂れた様(さま)を描いた象形文字・指事文字といわれています。丿でひもの下の部分を指し、低いを示し、やがて兄弟の弟を示すようになりました。漢字の部首は『弓・ゆみ』、意味は『弟(おとうと)』、『門人』です。
音読みは呉音が『ダイ』、漢音が『テイ』、慣用音が『デ』、訓読みは『弟(おとうと)』です。兄と弟を兄弟(キョウダイ・ケイテイ)、門人を弟子(デシ)、先生と門人を師弟(シテイ)といいます。弟の『単語家族』には、第(ダイ)、梯(テイ)、涕(テイ)があります。詳しくは『漢字の覚え方 弟』をご覧ください。
『店(テン)』diànは、決まった点(場所に)にお店を出す様子を表わす形声文字です。漢字の足し算では、广(家)+点=店(決まった場所に出す屋根付きの店。店)です。漢字の部首は『』、意味は『店(みせ)』、『宿屋』、『貸家』です。
音読みは呉音・漢音ともに『テン』です。訓読みは『店(みせ)』と常用外の『店(たな)』があります。店を開くで開店(カイテン)、店を閉めるで閉店(ヘイテン)、借家人を店子(たなこ)、夜のお店を夜店(よみせ)といいます。店の『単語家族』には、占(セン)、貼(テン)、点(テン)があります。詳しくは『漢字の覚え方 占』をご覧ください。
『点・點(テン)』diǎnは、小さな黒い点を表す形声文字です。漢字の足し算では、黒+占(占める)=點(黒い点をつける。点)です。漢字の部首は『灬・れっか』、漢の意味は『点』、『小さな印』、『特定の場所』、『ちょっとつける』、『ちょっと』、『点数』です。正字は點ですが、常用漢字体の点を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『テン』です。黒い点を黒点(コクテン)、終わりの場所を終点(シュウテン)、ちょっと火を点(つ)けるのを点火(テンカ)、印を付けて検査するのを点検(テンケン)といいます。点の『単語家族』には、占(セン)、貼(テン)、店(テン)があります。詳しくは『漢字の覚え方 占』をご覧ください。
『電(デン)』diànは、雷の光を表す会意文字です。漢字の足し算では、雨+申(伸びる)=電(雷の光が伸びる。電光。いなびかり)です。漢字の部首は『雨・あめかんむり』、意味は『いなびかり』、『電気』、『速い』、『電車』、『電話』です。
音読みは呉音が『デン』、漢音が『テン』です。稲妻のような素早い攻撃を電撃(デンゲキ)、電気で走る汽車を電車(デンシャ)、電気を作ることを発電(ハツデン)といいます。
電(デン)の『単語家族』には、申(シン)、紳(シン)、伸(シン)があります。詳しくは『漢字の覚え方 申』をご覧ください。
『刀(トウ)』dāoは、刀を象った象形文字です。漢字の部首は『刀・かたな』、意味は『かたな』です。
音読みは呉音が『ト・トウ』、漢音が『トウ』、訓読みが『かたな』です。特別な訓読みに『太刀(たち)』、『竹刀(しない)』があります。昔は竹の札を刀で削って字を書きました。文書・文書を書く役人を刀筆(トウヒツ)、刀の形の銭を刀銭(トウセン)、刀を抜くことを抜刀(バットウ)、刀を帯びることを帯刀(タイトウ)といいます。
刀は文字の旁(つくり)では形を変えて、刂(りっとう)という形になります。漢字の足し算である会意文字や形声文字では刀を刂の形で使います。
刀(トウ)の『単語家族』には、到(トウ)、倒(トウ)などがあります。詳しくは『漢字の覚え方 刀』をご覧ください。
『冬(トウ)』dōngは糸の結び目を描いた象形文字です。後に冫(氷・にすい)を加えて、冬を表すようになりました。糸で食物をぶら下げた様子の象形文字ともいわれています。漢字の部首は『夂・ふゆがしら』、漢字の意味は『冬(ふゆ)』、『蓄える』です。
夂+ン(氷)の会意文字とする説(鎌田)もあります。
音読みは呉音・漢音ともに『トウ』、訓読みは『冬(ふゆ)』です。冬の初めを初冬(ショトウ)、夜の最も長い日を冬に至るで冬至(トウジ)、厳しい冬を厳冬(ゲントウ)といいます。
冬の『単語家族』には、終(シュウ)、柊(シュウ)、疼(トウ)などがあります。詳しくは『漢字の覚え方 冬』をご覧ください。
『當・当(トウ)』dāng・dàngは、当てはまる様子を示す漢字です。自分に当てられた田畑を表しています。漢字の足し算では、尚(上の)+田(田畑)=當(自分に当てられた田畑。あたる。相当する)です。省略した字体の『当』が常用漢字に登録されています。漢字の部首は『小・しょう』です。漢字としては常用漢字体の『当』を使って下さい。
音読みは呉音・漢音ともに『トウ』、訓読みは『当たる(あたる)』です。相当(ソウトウ)、当選(トウセン)、該当(ガイトウ)、当然(トウゼン)の当です。当は尚(ショウ)、常(ジョウ)、党(トウ)などと同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 尚』をご覧ください。
『東(トウ)』dōngは、袋のなかを光が通る様子を描いた象形文字です。光が東から通る様子に転用され、東(ひがし)の方角を表すようになりました。漢字の部首は『東・ひがし』、意味は『袋』、『東』です。
音読みは呉音が『ツウ』、漢音が『トウ』、訓読みは『東(ひがし)』です。東の雲・明け方の空を東雲(トウウン・しののめ)、東の宮殿・皇太子の宮殿を東宮(トウグウ)、東と西で東西(トウザイ)、アジア、特に東アジアを東洋(トウヨウ)といいます。
東雲(しののめ)の語源ですが、篠(しの・竹窓)の目(め・すきま)で窓の隙間からさしてくる明け方の光であるといわれています。
東の『単語家族』(発音・意味上の漢字の仲間)には、凍(トウ)、棟(トウ)、陳(チン)などがあります。詳しくは『漢字の覚え方 東』をご覧下さい。
『答(トウ)』dáは、竹製の器に蓋を合わせた様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、竹(たけかんむり)+合(蓋と会う)=答(竹製の器の蓋が合う。答える)です。問いにぴったり合う答えが『答』です。大昔は答えるの意味にも『合(ゴウ)』を使っていましたが、『答』を使うようになりました。読み方も混同を避けて『トウ』daになっています。漢字の部首は『竹・たけかんむり』です。
音読みは呉音・漢音ともに『トウ』。訓読みは『答(こた)える』です。返答(ヘントウ)、解答(カイトウ)、応答(オウトウ)、贈答(ゾウトウ)、問答(モンドウ)、答辞(トウジ)の答です。『答』は小学校2年生で習う漢字です。答は合(ゴウ)、搭(トウ)、塔(トウ)と同じ漢字仲間です。詳しくは詳しくは『漢字の覚え方 合』をご覧ください。
問答(モンドウ)の『ドウ』は漢字の問題ではなく、日本語の性質の問題です。ンの後は濁点をつけて読む方が発音しやすいので、『トウ』でなく『ドウ』なっています
『頭(トウ)』tóuは、頭(あたま)を表す形声文字です。もともと豆は足の高い食器(たかつき)を表す象形文字です。身体の中で豆(たかつき)に似た部分なので頭という漢字が出来ました。漢字の足し算では、豆(首のある儀式用の食器)+頁(人間の頭部)=頭(人間の頭。頭)です。漢字の部首は『頁・おおがい』、意味は『頭(あたま)』、『頭(かしら)』、『ほとり』、『大きな動物を数える単位』です。
音読みは呉音が『ズ』、漢音が『トウ』、慣用音が『ト』、訓読みは『頭(あたま)』、『頭(かしら)』です。頭にかぶる巾(ぬの)を頭巾(ズキン)、頭を蓋(おお)う骨を頭蓋骨(ズガイコツ・トウガイコツ)、街の頭(ほとり)を街頭(ガイトウ)、リーダーのことを頭と目で頭目(トウモク)といいます。頭は、豆(トウ)、登(トウ)、痘(トウ)と同じ『単語家族』です。詳しくは『漢字の覚え方 豆』をご覧ください。
『同(ドウ)』tóngは、穴を開けた板を表す漢字です。囗(四角い板)と口(口・穴)からなっています。漢字の部首は『口・くち』、漢字の意味は『同じ』、『あつまる』、『中空の』です。
板に穴をあける事で、板の両側が通じて、『同じ』になるの解釈です。『同じ』になるから転じて『集まる』の意味にになったとされます。
『同(ドウ)』tóngを会合の席で使う筒型の容器・祝器とする解釈もあります。『同席』から『同じ』、『集まる』の意味にになったとされます。
音読みは呉音が『ヅウ』、漢音が『トウ』ですが、慣用的に読まれる(慣用音)『ドウ』を使います。訓読みは『同じ(おな)じ』です。同席(ドウセキ)、合同(ゴウドウ)、同意(ドウイ)、同盟(ドウメイ)の同です。同は筒(トウ)、胴(ドウ)、銅(ドウ)、洞(ドウ)と同じ単語家族です。詳しくは『漢字の覚え方 同』をご覧ください。
『道(ドウ)』dàoは、頭を向けて歩く方向を表す会意文字です。漢字の足し算では、首(頭の向く)+辶(進む)=道(頭を向けて歩く方向。道)です。漢字の部首は『辶・しんにょう』、漢字の意味は『道(みち)』、『人の進むべき道』、『導く』です。
また、将軍が敵兵の首を取り凱旋(ガイセン)する道路を表すともいわれています。
音読みは呉音が『ドウ』、漢音が『トウ』、訓読みは『道(みち)』です。漢字は二語で安定するので、道(頭を向けて歩く道)と路(横の路)を合わせて道路(ドウロ)、仏道を修行するための用具を道具(ドウグ)、人として行う徳のある道を道徳(ドウトク)といいます。道の『単語家族』には、導(ドウ)があります。首を使った漢字です。詳しくは『漢字の覚え方 首』をご覧ください。
『読・讀(ドク・トウ)』dúは、言葉を示す言(ごんべん)を(イク)に合わせた形声文字です。『言葉を取り込むことから、『読む』を表すようになりました。意味は『読むこと』、言葉を取り込んで『言葉を取り込んで理解する』ことです。
音読みは呉音の『ドク』が普通で、漢音の『トク』、『トウ』と読むこともあります。訓読みは『読(よ)む』です。基の漢字は(イク)なので、似た漢字の賣(バイ・マイ)や賣の省略字体の売(バイ・マイ)の漢字が使われますが『バイ』とは読まず、『ドク・トウ』と読みます。
字体については、常用漢字体である『読』の字体を使います。『讀』はあまり使われる事はありません。
本を読むことを読書(ドクショ)、声を出さずに黙って読むことを黙読(モクドク)、声に出して読み上げること朗読(ロウドク)、文の最後につける句点(。)と文中に読みやすくために読点(、)を句読点(クトウテン)、普通に読めない文字・文章などを読み解くことを解読(カイドク)、本などを読むこと・気軽に読めるように書かれたものを読み物(よみもの)といいます。
読(ドク・トウ)は売(バイ)の仲間ではなく、瀆(ショク)、贖(トク)、犢(トク)、牘(トク)の『単語家族』です。
続きは『小学校2年生で習う漢字④』(内~話)http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/2-e258htmlをご覧ください。
参考図書http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-c740.htmlです。漢字についてより詳しく知りたい方は、下記の本を直接読むことをお薦めいたします。
篆文(テンブン)を中心にした体系的な記述・韻の説明は、諸橋轍次先生の『新漢和辞典』、藤堂明保先生の『漢字源』・『漢字の過去と未来』を参考にさせて頂いてます。
甲骨文字・金文のもつ呪術的な解釈には白川静先生の『字通』・『字統』・『漢字』・『中国古代の文化』を参考にさせて頂いています。
漢字の伝来や常用漢字の解釈については、大島正二先生の『漢字伝来』、高島俊男先生の『漢字と日本人』を参考にさせて頂いています。
日本語については、金田一京助先生の『日本語の変遷』、大野晋先生の『日本語の文法を考える』、新村出先生の『広辞苑』を参考にさせて頂いております。
最近の研究については、落合淳思先生の『漢字の成り立ち』を参考にさせて頂いております。
医学用語については伊藤正男・井村裕夫・高久史麿先生の『医学大辞典』を参考にさせて頂いております。
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