漢字の覚え方 青
今日は『青(ショウ・セイ)』qingという漢字の仲間ついて説明します。基本になる漢字は『青』です。水の青い様子を表した漢字です。青、晴、清、静、精、情、請、靖、錆びなどがこの漢字の仲間です。このような漢字の仲間について、漢字学者の藤堂は『単語家族』という言葉を使って表現していました。青の『単語家族』の漢字は『青い』、『けがれない』など良いイメージの漢字なので、人名、地名に幅広く使われています。
『単語家族』の漢字は足し算で表わす事が出来るので、『単語家族』ごとにまとめて漢字を覚えると便利です。ここでは基本漢字の『青』に何を足すとどんな漢字になるのか漢字(楷書体)の構成を考えます。青は小学校1年生で習う漢字 、晴は小学校2年生で習う漢字 、清、静は小学校4年生で習う漢字 、精、情は小学校5年生で習う漢字 、請は中学校、靖は人名用漢字です。一緒にまとめて覚えてしまいましょう。
『青・靑(セイ・ショウ)』qīng は、水の青い様子を表した漢字です。漢字の足し算では、生(生きる)+丼(井戸の中の清水)=青(水の青い様子。青)です。漢字の部首は『青』、意味は『青い』、『若い』、『けがれない』などです。漢字の部分の月は、丼(セイ・ショウ)のデザインを変えたもので井戸の清水を表しています。
漢字の部分の月は、丹(タン)で染色の色を表しているという説もあります。
音読みは呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』です。訓読みが『青・青い(あお・あおい)』です。青年(セイネン)、青春(セイシュン)、緑青(ロクショウ)、青田(あおた)、真っ青(まっさお)の青です。
呉音の『ショウ』は漢音の『セイ』になります。どちらを使うかは漢字によって違います。音読みの呉音、漢音については『呉音と漢音』
もご覧ください。
『青(セイ・ショウ・あお)』は小学校1年生で習う漢字 です。真っ青(まっさお)は常用漢字の付表に示されいる特別な訓読みです。
『晴(セイ)』qíng は、晴れてる様子を表す漢字です。漢字の足し算では、日(にちへん・太陽)+青(あおい・けがれない)=晴(空が晴れていて青い。晴れ)です。漢字の部首は『日・にちへん』、意味は『晴れ(はれ)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』は使わず、漢音の『セイ』が普通です。訓読みが『晴れる』です。晴天(セイテン)、快晴(カイセイ)、日本晴れ(にほんばれ)、見晴らし(みはらし)の晴です。
『晴(セイ・はれ)』は小学校2年生で習う漢字です。
『清(セイ)』qīng は、清(す)み切った水の様子を表す漢字です。漢字の足し算では、氵(水)+青(けがれない・きよい)=清(清(す)み切った水。清い)です。漢字の部首は『氵・さんずい』、意味は『清い(きよい)』、『清む(すむ)』です。
音読みは呉音が『ショウ』は使わず、漢音の『セイ』が普通です。訓読みが『清い(きよい)』、『清む(すむ)』です。清潔(セイケツ)、清純(セイジュン)、清浄(ショウジョウ)、清水(しみず)の清です。
『清(セイ・きよい)』は小学校4年生で習う漢字です。清水(しみず)は常用漢字の付表に示されいる特別な訓読みです。
『静(セイ・ジョウ)』jìng は、争いが終わった様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では青(きよい。清む)+争(戦争)=静(争いが終わって静かになる。静か)です。部首は『青』、意味は『静か(しずか)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『静か(しずか)』です。静止(セイシ)、安静(アンセイ)、静脈(ジョウミャク)の静です。
『静(セイ・ジョウ・しずか)』は小学校4年生で習う漢字 です。
『精(セイ・ショウ)』jīngは、精米した米を漢字にしたものです。漢字の足し算では、米(こめへん)+青(きれい)=精(綺麗な米。けがれない)です。部首は『米・こめへん』、意味は『けがれない』、『心の働き』、『体力・気力』です。
音読みは呉音が呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』です。精米(セイマイ)、精力(セイリョク)、精巧(セイコウ)、精進(ショウジン)の精です。
『精(セイ・ショウ)』は小学校5年生で習う漢字 です。
『情(セイ・ジョウ)』jingはけがれのない気持ちを表す漢字です。漢字の足し算では、忄(こころ)+青(けがれない)=情(けがれない心。本心。思いやり。なさけ)です。部首は『忄・りっしんべん』、意味は『本心』、『思いやり』、『ようす』、『情け(なさけ)』です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『情け(なさけ)』。情熱(ジョウネツ)、感情(カンジョウ)、情報(ジョウホウ)、事情(ジジョウ)、愛情(アイジョウ)、風情(フゼイ)の情です。
『情(ジョウ・なさけ)』は小学校5年生で習う漢字 です。
『請(セイ・シン)』qǐng は、けがれない心で頼む様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、言(ごんべん・言葉)+青(けがれない)=請(けがれない心の言葉。お願いする。請う)です。部首は『言・ごんべん』、意味は『お願いする』、『請う(こう)』です。
音読みは漢音が『セイ』、呉音の『ショウ』、唐宋音が『シン』です。訓読みが『請う(こう)』、『請ける(うける)』です。請求(セイキュウ)、要請(ヨウセイ)、普請(フシン)、下請け(したうけ)の請です。普請(フシン)という熟語は鎌倉仏教の頃に伝わったために唐宋音の『シン』と読まれています。
☆強く請(こ)うと書いて強請(ゆす)ると読ませることがあります。
『請(セイ・シン・こう)』は中学校で習う常用漢字です。
『靖(セイ・ジョウ)』jìng は、静かに立つ様子を漢字にしたものです。漢字の足し算では、立+青(清む。しずか)=靖(静かに立つ。やすらか)です。部首は『青』、意味は『やすらか』、『やすんずる』、『善い』(諸橋)です。
音読みは呉音が『ジョウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『靖(やす)らか』です。靖乱(セイラン)、靖国(セイコク・やすくに)、靖国通り(やすくにどおり)の靖です。
非常に良い意味の漢字で『おさむ』、『きよし』、『しず』、『のぶ』、『やす』、『やすし』、『よし』と名前に使われます。
『靖(セイ・ジョウ)』は人名用漢字です。
『睛(セイ・ひとみ)』jīng は、清みきった睛(ひとみ)を表すを形声漢字です。漢字の足し算では、目+青(清む。しずか)=睛(清みきった睛(ひとみ)。ひとみ)です。部首は『目・めへん』、意味は『睛(ひとみ)』です。
音読みは呉音が『ショウ』、漢音が『セイ』です。訓読みは『睛(ひとみ)』です。龍の絵を画(か)いて最後に睛(ひとみ)を入れることを画竜点睛(ガリョウテンセイ)といいます。
『睛』は常用漢字からは外れています。
『ひとみ』は、『睛(ひとみ)』、『瞳(ひとみ)』、『眸(ひとみ)』とも書きます。『瞳(ひとみ)』については『漢字の覚え方
童』をご覧ください。
『鯖(さば)』qīng、zhēngは、鯖(さば)を表す形声文字です。漢字の足し算では、魚+青(青い)=鯖(青い色の魚。鯖。さば)です。部首は『魚・うお』、意味は『鯖(さば)』です。
音読みは漢音が『セイ』、呉音の『ショウ』ですが使いません。訓読みが『鯖(さば)』です。『鯖』は常用漢字から外れています。
魚を使った漢字について詳しくは部首索引 魚(うお・さかな) をご覧下さい。
『錆(ショウ)』qīngは、錆(さび)を表す形声文字です。漢字の足し算では、金(金属)+青(青い・澄み切った)=錆(澄み切った金属の音。青い金属。銅の緑青)です。部首は『金・かねへん』、意味は『錆(さび)』です。漢字の世界では『さび』は『銹(さび・シュウ)』xiùと書きます。しかし、我が国では、銅の錆(さび)である緑青(ロクショウ)が重要なので、青を使った漢字『錆』を『さび』と読ませ、鉄の錆(さび)にも使います。
音読みは呉音の『ソウ』、漢音が『ショウ』、慣用音が『セイ』ですが使いません。訓読みが『錆(さび)』です。『錆』は常用漢字から外れています。
錆(さび)は銹(さび)http://bit.ly/1vm5CVF とも書きます。
http://huusennarare.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a9df.html
『漢字の覚え方 青』 青 晴 清 静 精 情 請 靖 鯖 錆
参考図書http://bit.ly/1Xs359Oです。漢字についてより詳しく知りたい方は、←左記ブログページの本をお読みください。
少し練習しましょう。
1.せいしゅん( )時代。
2.気持ちの良い せいねん( )。
3.天気 かいせい( )。
4.せいじゅん( )派アイドル。
5.せいけつ( )な部屋。
6.じょうみゃく( )注射。
7.絶対 あんせい( )。
8.せいりょく( )を傾ける。
9.じじょう( )聴取(ちょうしゅ)。
10.じょうほう( )社会。
11.ふぜい( )の趣(おもむき)。
12.ふしん( )奉行。
13.せいきゅう( )書。
14.やすくに( )通り。
15.金属の さび( )。
解説です。青は生きるの青、晴れは日を足して晴、清いは水を足して清、争いが静まってで静、米をきれいにして精、情けは忄で情、請うは言葉を足して請、やすらかは立に青を足しての靖、鯖は魚を足して鯖、錆は金を足して錆です。
解答です。青春、青年、快晴、清純、清潔、静脈、安静、精力、事情、情報、風情、普請、請求、靖国、錆、銹
少し漢字の読み方の話をします。漢字の読み方は漢字を中国から輸入したときの読み方音読みと大和言葉にあわせた訓読みがあります。音読みには、最初に輸入した中国江南地方の音である呉音(ゴオン)、遣唐使が持ち帰った長安の音である漢音(カンオン)、鎌倉仏教を通して入ってきた唐宋音(トウソウオン)があります。
『青』qingの『単語家族』の音読みは、呉音が『ショウ』か『ジョウ』、漢音が『セイ』と読みます。
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